夜見はさとりの正面の席に座ってテーブルに並べてある料理を見ると、そこにはさとりが作ったであろうニンジンが千切りになった肉じゃがと米の盛られた茶碗、箸が並べてあった。
さとり・こいし・燐・空「いただきます」
4人は食事を始めたが夜見はこの料理を見てこう思った。
夜見(えっと、これだけ?)
そう、明らかに食事にしてはかなり少ない量であった。
さとりは食事を始めない夜見を見て声をかけた。
さとり「黒夜さん?冷めてしまいますよ?」
夜見「なぁ、さとりさん もしかして今日のメニューってこれだけ?」
さとり「はい、そうですが...」
まさかのメニューはこれだけであった。おかずがあるから食べれないことはなかったが恐る恐る夜見は質問をする。
夜見「えっと、おかわりとかは?」
さとり「ありませんよ、そんなもの」
まさかのおかわりすら無かった。これだけ食べたとしてもお腹はあまり膨れないはずだ。
夜見「この量じゃあ、お腹膨れないだろ」
さとり「えぇ、そうですよ」
さとりは当たり前の様に答えた。
こいし「お兄ちゃん?ご飯いらないの?」
夜見「い、いや、食べるよ いただきます」
夜見は箸で肉じゃがのじゃがいもを口の中に入れてみた。ちゃんと味が付いている肉じゃがではあるが明らかに量が少ない事について夜見はずっと疑問を持っていた。
ご飯の量が少ないため、食事はすぐに終わってしまった。
さとり・こいし・燐・空「ごちそうさまでした」
夜見「...ごちそうさま」
食事が終わるとこいし・燐・空は部屋から出ていき、さとりは食器をまとめ始めた。
そして、さとりは夜見に味の感想を聞いてみた。
さとり「どうでした?味は」
夜見「あぁ、美味しかったよ」
夜見は感想を言って、ある質問をする。
夜見「いつもこの量なのか?」
さとり「えぇ、そうですよ でも今日から黒夜さんの分のご飯もあるので1人辺りのご飯はいつもより少ないですよ」
なんと、さとり達はいつもあの量の料理しか作ってなかったらしい。しかも自分がここに住むことによってさらに少しさとり達の食べる分が減ってしまったようだ。
夜見「...いや、あの量じゃ、つらくないか?」
夜見は正直お腹はあまり膨れていなかった。
さとり「もちろん、つらいですよ でも、お金が...その、あまり...」
どうやら金銭的な問題があったようだ。
夜見「あぁ、すまない 聞いちゃいけなかったな」
さとり「...大丈夫ですよ、説明してなかった私も悪いですよ」
さとりは笑顔でそんなことを言っていたが本当はつらいのだろう。こんな重い空気の中、扉が開いた。
そしたらそこには、こいしが立っていた。
こいしは夜見に駆け寄ってあることを聞いた。
こいし「ねぇ、お兄ちゃん そういえば、ご飯の時に聞こうと思ってたんだけど、お兄ちゃんって一体どこから来たの?」
こいしの質問にさとりも興味をもった。
さとり「そういえば、聞いていませんでしたね 黒夜さんがどこから来たか」
どこから来たのかと夜見は聞かれたが、夜見は答えに困っていた。
夜見「いや、実はわからないんだ 自分の家のベッドで寝たはずなんだが...いつの間にか空から落ちていたんだ」
さとり「空から落ちてきた...もしかして、黒夜さんは外の世界から来たんじゃ」
さとりはそんなことを言うと夜見とこいしは疑問に思った。
こいし「外の世界?」
夜見「...どういうことだ?」
さとりは2人に説明をし始める。
さとり「まず、黒夜さん ここは幻想郷と呼ばれる世界で、黒夜さんのいた世界が外の世界なのです
そして、外の世界が表の世界であり、幻想郷は裏の世界となっています
おそらく黒夜さんは外の世界で寝ている間に何かしらの出来事に巻き込まれて、幻想郷へ飛ばされたのだと思います」
夜見は話の内容を大体理解したがこいしはさっぱりわかっていない様子だった。
こいし「お兄ちゃん、わかった?」
夜見「簡単にまとめると表から裏に行ける穴が空いて、そこに俺が入ったってことか?」
さとり「そうです...すいません、説明がわかりにくくて」
さとりは少ししょんぼりしていたところで、こいしは悪気はなかったがこんなことを言ってしまった。
こいし「なんだろ、お兄ちゃんの説明の方がわかりやすかったなぁ」
さとりはこいしの言葉に若干傷ついた。
だが、夜見はフォローに入る。
夜見「こいしさん、俺の説明はさとりの説明があったからできたんだよ
それにさとりさんもできるだけわかるように頑張って説明してくれたんだから、あまりそんなことは言っちゃ駄目だよ」
こいし「...そっか、お姉ちゃん ごめんね、ひどい事言って」
こいしは夜見の話を聞いてさとりに謝りだした。
さとり「うん、大丈夫よ」
さとりはこいしのことをすぐに許してあげた。
すると、さとりはあることに気付いた。
さとり「ん?誰か玄関まで来ていますね でも困りましたね 食器を洗わないと...」
さとりはどうやら誰か訪問してきたことに気付いたようだ。
そこで夜見は何故気付いたかを聞いてみた。
夜見「なんで誰か来たかなんてわかるんだ?」
さとり「玄関の方から誰かの心が読めたからですよ」
そして夜見はさらにさとりに質問をする。
夜見「さとりさん、心はどの位の範囲まで読めるんだ?」
さとり「そうですね、大体地霊殿の中心にいれば地霊殿内の心は読めますよ」
さとりの心を読む範囲はかなり広いらしい。
そして、夜見はある提案をする。
夜見「来てる奴、俺が出ようか?」
さとり「え?いや、いいですよ 私が出ます」
夜見「いや、ここに住ませてもらってる分には何かをしないとな」
さとり「...じゃあ...頼みました あ、あとこれを持っていって下さい」
さとりは何かを差し出し、それを夜見は受け取るとそれは何やら金属の薄い円形のものだった。
夜見「...これは?」
さとり「幻想郷でのお金ですよ おそらく来たのは夕飯の材料を持ってきてくれたのでしょう」
夜見「そうか、わかった じゃあ、行ってくる」
夜見は玄関に向かおうとするとこいしは夜見に話しかけた。
こいし「ねぇ、お兄ちゃん 私も付いてっていい?」
夜見「ん?いいぞ」
こいし「えへへ、やったぁ」
夜見は付いて来るのを許可するとこいしは喜んでいた。
夜見「じゃあ、行くか」
夜見とこいしは部屋を出て、夜見は1度自分の部屋から仮面を取って来て玄関へ向かう。
するとこいしは聞いてきた。
こいし「お兄ちゃん どうして、仮面なんか被るの?」
仮面を被った夜見はこいしの質問に答えた。
夜見「顔が知られるのは色々と面倒になる気がしてな」
こいし「ふ~ん、そうなんだ」
そんな会話をしていたら玄関にたどり着き、扉を開ける。
ガチャッ
扉を開けるとそこには、勇儀がいた。
勇儀「夕飯の材料届けに来たぞって、あんたはさっきの」
夜見「...お前か、ほら」
夜見はお金を勇儀に渡すと勇儀は食材が入っているであろう小さな布の袋を渡してきた。
勇儀「ちょうどだね、て言うかなんであんたが出てくるんだよ」
夜見は答えないでいたが隣にいたこいしが勝手に答えた。
こいし「それはね、お兄ちゃんがここに住むことになったからだよ」
夜見「お、おい こいしさん」
勇儀「へぇ、そうなのかい よくここに住もうだなんて決めたね」
夜見「はぁ...あぁ、そうだよ」
夜見は仕方ないように仮面を外す。すると勇儀は少し驚いた様子だった。
勇儀「おぉ、なかなかいい顔じゃないか」
こいし「そうだよね、お兄ちゃんかなり格好いいよね」
2人は何故か夜見のことを褒め始めていたが夜見は特に嬉しくもなかった。
勇儀「なんだい、少しは照れる様子でも見せたらどうだい?」
夜見「...別に なんとも?」
勇儀「ふ~ん、そういや、もう1度聞くけどあんた、名前は?」
夜見「...黒夜夜見」
勇儀「そうか、改めてよろしくね黒夜」
夜見「あぁ、よろしく」
2人は改めてあいさつをするとこいしは夜見の手を引っ張り始めて、こう言った。
こいし「ねぇ、お兄ちゃん 早くお姉ちゃんの所に戻ろう?」
こいしはどうやら早く戻りたいようだった。
だが、夜見は少し違った。
夜見「こいしさん、先にこれを持って戻ってくれないか?」
夜見はそう言ってこいしに布の袋を差し出す。
こいし「なんで?」
こいしは何故か尋ねると夜見は答えた。
夜見「ちょっと勇儀さんに聞きたいことがあってな」
勇儀「私にかい?」
こいし「...そう、なんだ...うん、わかった」
何故かこいしはしょんぼりしながら布の袋を受け取って、さとりの元へ戻って行った。
勇儀「いいのかい?少し寂しそうだったよ?」
夜見「あぁ、それは悪かったとは思っている だが、少し聞きたいことがあってな」
勇儀「言ったね、そんなこと それで、なんだい?聞きたい事って」
夜見「ここら辺に、働ける場所はないか?」
勇儀「働ける場所かい?ん~、もしかしたら人里にだったらあるかもしれないね」
夜見「人里?」
勇儀は人里と呼ばれる場所なら仕事があるかもと提案をし始めた。
そして、夜見は尋ねた。
夜見「その人里ってのはどこにあるんだ?」
勇儀「確か地底から出てすぐ右に歩いて少しだったはずだよ」
夜見は人里と呼ばれる場所へとりあえず行くことに決めた。
夜見「そうか、すまないな色々聞いて」
勇儀「いや、いいさ それじゃ、私は帰るよ」
そう言って勇儀は帰って行った。
夜見は人里へ向かうために自分の部屋に戻り準備をする。といってもマントを取りに来ただけである。
マントを身に着けて部屋を出るとそこには、さとりが立っていた。
夜見「ん?さとりさん?どうしたんだ?」
さとりはどこか寂しそうな様子だった。
さとり「黒夜さん...どこかへ、出かけるんですか?」
夜見「あぁ、夕飯までには帰るさ」
夜見はさとりの横を通ろうとすると、さとりに腕を捕まれた。
夜見「...? さとりさん?」
さとり「行かないで...くれますか?」
さとりは絞り出すような声で夜見を止めようとしていた。
夜見「さとりさん、どうしたんだ?」
さとり「行かないで...ください」
夜見はよく見ると、さとりが少し震えていることに気付いた。
夜見「さとりさん、何で俺に出かけて欲しくないんだ?」
さとり「...怖いんです」
夜見「怖い?」
さとり「怖いんです、あなたが...離れて行きそうで」
さとりは怖がっていて、夜見はその理由を聞いてあげようと思った。
夜見「...なぁ、教えてくれないか?何で...怖いのか」
さとりはしばらく黙っていたが、さとりは口を開いた。
さとり「私が、人の心を読めるのはわかりますよね」
夜見「あぁ、そうだな」
さとり「その能力のせいなんですよ、怖いのは」
夜見は黙ってさとりの説明を聞いた。
さとり「私のこの能力のせいで色んな人や妖怪などに嫌われてきました だから私達はこの地底に隠れて過ごすことにしたんです
でも、黒夜さんは違った 黒夜さんはこんな能力を持ってる私を認めてくれた 私の個性だと言ってくれて嬉しかったんです
でも、黒夜さんが地上に行って地上の方が良いと少しでも思ってしまったら、ここに戻って来ないかもしれない
あなたが離れて行くのが怖いんです」
さとりは泣きそうな声で説明をしてくれた。
そして夜見はあることをが気になり、さとりにあることを聞いた。
夜見「まさか、こいしさんもその理由であの目を?心を閉じたのか?」
さとり「...気付いてたんですね」
夜見「いや、さとりさんの説明で理解したよ さとりさんは心を呼んで、誰かが来ているかとかも判断出来ることも
だけどさとりさんはこいしさんが来ていた時には、気付いていない様子だった
料理を作ってて、燐さんが来た時に言ってたしな[なんでそのままこっちに来るのよ]って」
さとり「...すごいですね あれで理解できるなんて」
すると夜見はさとりと同じ目線の高さになるようにしゃがんで、さとりの頭を撫で始めた。
さとり「く、黒夜さん」
夜見「さとりさん、大丈夫だよ 俺がこの世界で帰る場所は、この地霊殿しかないよ 例え地上がいい所だろうと、俺はこの地霊殿が1番好きなんだ」
それを聞いたさとりは、安心したのか急に泣き始めてしまった。
さとり「う、うぅ く、くろ...よるさん」
夜見「大丈夫だ その代わり、美味しい夕飯でも作って待っててくれよ」
さとり「は、はい」
そして夜見は立ち上がり仮面を付け、フードを被り、地上へ向かうために地霊殿を出た。そして地底を進み夜見は地上へ出た。
ちなみに地底を進んでいる間にパルスィとヤマメに会った時には自分の名前だけは言っておいた。
そして夜見は森の中を進み人里へと向かって歩き出した。
しばらく歩いていると森を抜けて、木で出来ているゲートが見えてきた。おそらく、そこが人里なのだろうがゲートの横には黒い着物を着て槍を持った門番であろう男性が立っていた。
門に近づくとその男性は槍を両手に持ちこちらに向けてきた。
門番「おい、止まれ」
夜見「...悪いが、通してくれ」
門番「残念だが見慣れない奴を通す訳には行かないんだ」
夜見「...じゃあ、何をすれば?」
門番「あいにく、何をしても「邪魔だー!どけぇ!」ん?なんだ?」
門番の後ろから怒鳴り声が聞こえて門番は後ろを振り向く。夜見も門番の後ろを見ると門番より体格の大きい緑色の着物を着た男性が走ってきた。走っていた男性は門番にタックルをしてきた。
ドンッ
門番「なっ!?」
すると門番は軽々と横にぶっ飛んでしまった。そしてその男性はそのままこちらに走ってきた。
男性「てめぇも邪魔なんだよ!」
男性はタックルを夜見に当てようとするが、夜見は少し横に避けて刀を鞘に入れたままベルトから引き抜き、手に持って男性の腹にフルスイングで当てる。
夜見「ふっ!」
ドッ
男性「がはっ!」
男性は足を止めて腹を押さえて前屈みになった。夜見はその隙を見逃さなかった。夜見はその男性の顔を蹴り上げる。
バキッ
男性「がふっ」
すると男性は後ろに倒れて気絶した。すると先ほど男性にぶっ飛ばされた門番が気絶した男性に近づいた。
門番「はぁ、はぁ こいつ、確か食い逃げの常習犯だったな」
すると門番は夜見を見て、予想外のことを言った。
門番「今回の件に免じて、通してやる」
夜見「...いいのか?」
門番「なんだ?入りたいんじゃなかったのか?」
夜見「...いや、入らせてもらう」
門番が人里へ入る許可を出したので、夜見はゲートを通り、人里へ入った。人里の見た目は江戸時代の城下町のような見た目であり、人里を歩いている人も江戸時代のように、着物を着ていた。もちろん、マントに身を包んでいる夜見は周りからは地底を通った時のように不審な目で見られていた。
夜見はしばらく歩いていると、ある掲示板が目に入った。その掲示板を見ると依頼状が貼ってあった。
[依頼:荷物整理]
場所:香霖堂
内容:荷物が大量にあるためその整理を手伝って欲しい
報酬:500文
夜見はその依頼状を剥がすと来た道を戻って再び門番の元へ向かった。門番の元へ向かうと先ほどの門番はおらず別の黒い着物を着た門番が立っていた。
門番はこちらに気付くと相手から話しかけてきた。
門番「ん?なんだい?」
夜見は黙ったまま先ほどの依頼状を見せる。
門番「あぁ、香霖堂か それなら確かあっちに向かえばあったはずだね」
門番はそう言って地底の入り口とは反対の方向を指差した。夜見は門番の指差した方向に歩いて行った。
門番は後ろからいってらっしゃいと言っていたが夜見は特に気にしなかった。
20分ほど道を歩いていると1軒、道の端に建物が建っており扉の上の看板には香霖堂と書いてあった。香霖堂は瓦の屋根に白い壁で出来ていた。夜見は香霖堂の扉を開けると中は木材の床と壁で出来ていて、日用品が棚に並べてあった。だが、肝心の依頼人は見えなかった。
しかし、奥の扉が開くとそこには男性がいた。
?「ん?お客さんかい?いらっしゃい」
その男性は白髪で眼鏡をかけており、青い着物を着ていた。夜見はその男性に依頼状を見せた。すると男性は依頼状について話し始めた。
?「あぁ、依頼を受けてくれたのか ま、仕事は依頼状に書いてあるからわかるよね じゃあ、早速始めようか」
男性はそう言って先ほどの扉の向こうに行った。夜見もすぐに扉の向こうへ行くと、そこには箱が乱雑に何個も置かれていた。
?「いやぁ、この量を1人で整理するのは大変でね まぁ、君は箱を向こうの壁の方に重ねて置いてくれればいいよ」
男性はそう言うと夜見はすぐに仕事に取りかかった。箱はかなり重かったが持てない程ではなかった。荷物は2人で行ったため、仕事は30分程度で終わった。
仕事が終わると男性は夜見に話しかけてきた。
?「いやぁ、ありがとう 本当に助かったよ あ、ほら、報酬の500文だよ」
そう言って男性は夜見に小さな布の袋を夜見に差し出すと夜見はその袋を受け取って店を出ようとした。だが、箱の中にあるものが入っていたのが目に入った。夜見はそれを手に取って見るとそれは物騒な武器だった。
すると男性は夜見に話しかけてきた。
?「ん?もしかしてそれが欲しいのかい?それは確か名前はコルト・パイソンだったかな?どうやら遠距離武器らしいんだが、僕には使い方はわからないよ?」
そう、夜見が手に取ったのはコルト・パイソンと呼ばれる銃だった。夜見はその銃を手に取って眺めていた。
夜見(コルト・パイソン、色はブラック、装填数は6発、弾は確か9mmだったはず)
夜見はそんなことを思って再び箱の中を見ると9mmと書いてある巾着袋を見つけた。その袋の中には9mm弾が60発分ほど入っていた。
すると男性はこう言い始めた。
?「まぁ、それが欲しいならあげるよ 君なら使い方わかってそうだしね」
すると夜見はその箱の奥に銃のホルスターも見つけたためそれをベルトに付け、そこにコルト・パイソンを入れた。どうやらサイズはぴったりのようだ。袋の片方の紐をベルトに縛って店から出ようと扉に手をかけようとした瞬間に、その扉は急に開き始めた。
ガチャ
?「お~い、霖之助 ここか~?」
扉が開くとそこには少女が立っていた。その少女は金髪のロングヘアーで左側の髪は三つ編みをしていて、黒い帽子を被っていた。服装は黒の服に黒のスカートを着ており、腰には白い布を巻いて後ろでリボン結びをしておりスカートの前には白い布が垂れ下げてあった。
?「ん?誰だ?お前」
少女は夜見に聞いたが夜見はそのまま帰ろうとした。
?「おいおい、無視はひどいじゃないか」
少女は夜見の肩を掴んだ。夜見は立ち止まった。
?「あ、そうだな お前、私の暇潰しに付き合ってくれないか?」
しかし、夜見は黙ったままだった。
?「なんだ?お前、喋れないのか?」
?「魔理沙、急に暇潰しに付き合えだなんて彼に悪いだろう?そもそも彼は、僕の依頼を受けにきたんだ」
?「そうか!じゃあ、私の依頼だ 私の暇潰しに付き合ってくれよ」
夜見「...報酬は?」
?「う~ん、そうだなぁ 700文でどうだ?」
夜見「...いいだろう」
?「ちょっと、君!?魔理沙の暇潰しに付き合うのはちょっと」
?「なんだよ、私は依頼をしたんだぜ?」
夜見「それで?内容は?」
?「何言ってるんだ?弾幕ごっこに決まってるだろ?」
夜見「弾幕ごっこ?なんだそれ?」
?「なんだ?お前弾幕ごっこを知らないのか?はぁ じゃあ、いいぜ 教えてやるよ」
そう言って少女は外に出たため、夜見も外に出た。男性はどうやら止めようとしていたけれど諦めたようだ。
外に出ると少女はまず自己紹介をし始めた。
?「そういや、まだ名前を言ってなかったな 私は
夜見(さて、何て名乗るか)
夜見「俺は、
夜見は偽名で名乗った。本来の名前を名乗って後で色々自分の情報が知られるのを防ぐためだった。
そして魔理沙は弾幕ごっこの説明を始めた。
魔理沙「まず、弾幕ごっこって言うのは幻想郷での決闘みたいなものだ 例えば幻想郷で異変と言われる現象が起きた場合によく使われたりするんだ 他の使い方は、まぁ、暇潰しとかに私は使ってるぜ」
夜見「...ほう」
魔理沙「次に戦い方だな ルールとしては弾幕を相手にぶつけて相手を戦闘不能にさせるか、自分のスペルカードが全て攻略されたら負けなんだ」
夜見「...弾幕を放つのは?」
魔理沙「う~ん、それは説明が難しいなぁ まぁ、見ればわかるぜ」
そう魔理沙は言うと夜見に向けて腕を伸ばして手のひらから黄色の弾幕を放った。
ピュン
夜見はその弾幕を横に避けた。
夜見「...おい」
魔理沙「おぉ、初見で避けるとは、お前もしかしたらセンスあるかもしれないぜ?」
夜見「...あれが弾幕か」
魔理沙「そうだ、まぁ弾幕の放ち方はとりあえずイメージするのがいいかもな 慣れればそのうちに自然と放てるぜ」
夜見(イメージか)
夜見は自分の腕を伸ばして手のひらから弾幕が出るのをイメージしたが、弾幕は出なかった。
魔理沙「う~ん、そうだな あと、自分の中にある気を放つイメージもしたほうがいいかもな」
夜見(自分の気か)
夜見は自分の気を腕に集めるイメージをした。
ピュン
魔理沙「あだっ!」
すると夜見の手のひらから黒い弾幕が出て魔理沙の顔に直撃した。
魔理沙「いったぁ~ いやぁ夜影が初心者だからって油断したぜ」
夜見「...痛そうだな」
魔理沙「そりゃ痛いぜ 結局勝負のときにその弾幕で相手を戦闘不能にさせるんだから ちなみにさらに慣れると道具から出したりすることも出来るぜ まぁ、私の場合は魔法陣を展開して放ったりするんだがな」
夜見「...そうか」
魔理沙「夜影なら、刀持ってるからそれを振って弾幕を放ったりすればいいんじゃないか?あと刃に弾幕を纏わせればそれで攻撃するのもありだぜ」
夜見「....こうか」
そう言って夜見はコルト・パイソンを引き抜いて撃った。
ダァン
すると銃口から弾幕が出て、魔理沙の眉間に直撃した。
魔理沙「だぁ!?」
夜見「...できるもんだな」
魔理沙「いった~ お、お前、慣れるの早すぎだぜ」
夜見「...まぁ」
魔理沙「じゃあ、次にスペルカードの説明だな スペルカードは簡単にいうと必殺技みたいなもんだぜ まぁ、見てな」
すると魔理沙は帽子の中から八角形の木材の様な物と1枚の紙を取り出した。魔理沙はそれを手に持って少し上に向かって構えた。
魔理沙「[恋符 マスタースパーク]」
魔理沙はそう言った瞬間、八角形の物から巨大な虹色のビームが出た。
バアアアアアアッ
夜見「...」
魔理沙「おっと、少し威力強すぎたぜ まぁこんな感じだ ちなみにスペルカードを発動させるには宣言が必要なんだ ちなみにスペルカードを全て避けたら攻略という判定になるんだ」
夜見「...そうか」
魔理沙「あ、そうだな お前にこれを渡しとかないと駄目か」
そう言って魔理沙は紙を50枚ほど渡してきた。夜見はそれを受け取って魔理沙に質問をした。
夜見「...これは?」
魔理沙「スペルカードの素だぜ これに気を送り込めばスペルカードの完成だぜ まぁ、スペルカードを作る時はどうすれば避けにくいかとかを良く考えるんだぜ?」
夜見(多くないか?)
夜見は少し多いため、後で念のため地霊殿の皆に渡そうと思ってありがたく受け取った。そして、魔理沙の言葉が少し気になったため魔理沙に聞いてみた。
夜見「...その説明だと、回避出来ないのは駄目なのか」
魔理沙「当たり前だろ、それじゃあ勝負にならない」
夜見「...まぁ、確かにな」
魔理沙「まあ、いいスペルカードを作るんだぜ?さて、少し暇潰し出来たし、またあいつの所まで行こうかな」
すると魔理沙は香霖堂に立てかけていた箒を手に取った。
夜見「...つまり終わりか?」
魔理沙「ん?何が?」
夜見「...依頼」
魔理沙「あぁ、そうだった、忘れてたぜ ほら」
そう言って魔理沙は袋を投げ渡してきた。袋を見ると先ほどの香霖堂の店主と思われる人が渡した袋と同じ位しか入っていないようすだった。
夜見「...少し少なくないか?」
魔理沙「ん?当たり前だぜ だって私の依頼は暇潰しに
夜見「...まぁいい」
魔理沙「じゃあな、夜影 またどっかで会おうぜ」
魔理沙はそう言うと箒に股がってどこかへ飛んでいった。そして夜見は地霊殿に戻ることにした。
しばらくして日が傾いた頃に森の中を通っていると、草むらが不自然な動きをした。
ガサッ
夜見「...」
夜見は草むらの方を警戒していると、ある生物が1匹出てきた。
?「グルルル」
それは狼のような生物だった。その生物は今にも襲ってきそうだった。だが夜見は落ち着いてコルト・パイソンを左手で抜いて弾を1発装填した。
カチャッ
そして夜見はコルト・パイソンをいつでも撃てるようにハンマーと呼ばれる銃の後方に付いたものを親指で下げた。
カチッ
狼「ガゥ!」
狼が跳びかかってきた瞬間に夜見は狼に向けて引き金を引いた。
ダァン
すると、弾は狼の眉間に当たった。しかし、狼はそのまま夜見の左腕に噛み付いてきた。
夜見「なっ!?ぐあぁ!?」
夜見は急いで右手で刀を抜いて狼の首を斬ろうとしたが狼はそれを軽く避けた。
ヒュン
夜見「なっ!?」
どうやら、ただの狼ではないようだった。そして夜見の左腕からは血がダラダラと流れ出ていた。
夜見(まずいな ただの狼じゃないとすれば、どうすれば)
そんなことを考えていたら、狼はまた襲いかかってきた。
狼「ガゥ!」
夜見は刀を振るが狼はまた、軽々と避けてしまう。
ヒュン
夜見(刀は駄目か)
夜見は刀を鞘に戻してコルト・パイソンを右手に持ち変えて、弾を6発込めた。
すると狼は距離を少し離したと思ったら、いきなりこちらに向かって走り出してきた。
夜見はコルト・パイソンを撃った。
ダァン ダァン
しかし狼は左右に跳んで銃弾を避けた。
夜見(な!?嘘だろ!?)
そして狼は跳びかかってきた。
夜見(くそ!)
ダメ元だと思いつつも狼に向かってコルト・パイソンを撃った。
ダァン ダァン ダァン ダァン
すると銃弾は狼に命中して、こちらにもたれかかるように倒れた。
ドサッ
夜見(た、倒したか?)
狼はピクリとも動かなくなった。どうやら、倒せたようだ。だが、左腕の出血がかなり酷かった。
夜見(ヤバいな、早く地霊殿に戻って止血しねぇと)
そして夜見は急いで地霊殿へ戻った。
地霊殿の玄関を開けるとそこにはこいしがいた。
こいし「あ、お兄ちゃんって、きゃあ!お兄ちゃん!なにその怪我!?」
夜見「こ、こいしさん すまないが治療道具を持って来てくれ」
こいし「う、うん わかった」
するとこいしは走って2階の右側の廊下の方へ向かって行った。しばらくするとこいしは救急箱を持ってきた。
こいし「お兄ちゃん、早く手を出して!」
夜見「あぁ、頼む」
夜見は左腕を出すとこいしは丁寧に腕を治療し始めた。するとそこに燐が通りかかった。
燐「あれ?どうしたの?2人とも」
こいし「お燐!急いでお姉ちゃんを呼んで来て!急いで!」
燐「え、わ、わかったよこいし様」
こいしは燐にさとりを呼ぶように言うと燐は2階の右側の廊下の方へ走ってさとりを呼びに行った。
そしてさとりと燐がこちらに来る前に治療は終わった。
こいし「はい、出来たよお兄ちゃん」
夜見「あ、あぁ、すまない ありがとうな」
こいし「じゃあ、お兄ちゃん 頭撫でて?」
夜見「ん?あ、あぁ わかった」
こいしは帽子を取ったため、夜見は頭を撫でた。
こいし「ふへへ♪」
こいしはとても嬉しそうだった。するとそこで、さとりと燐が走ってこちらに来た。
さとり「どうしたのって黒夜さん!?何ですか!?その腕の包帯は!?」
夜見「こいしさんが治療してくれたんだよ」
さとり「な、なんでこんなことになったんですか!?」
夜見「地上で少し狼みたいな奴と戦ってな」
さとり「な、なんでそんな無茶をしたんですか!」
さとりは少し怒っていたので、夜見はさとりに謝った。
夜見「あぁ、本当に、すまない」
そしてさとりは夜見の腕を治療したこいしに、お礼を言った。
さとり「こいし、ありがとうね」
こいし「ううん、いいよ、お兄ちゃんのためだもん」
夜見「そうだ、さとりさん はい、これ」
夜見はさとりにお金が入った袋を渡す。さとりは袋の中身を見て、驚いた。
さとり「く、黒夜さん なんでお金を?」
夜見「地上で稼いで来たんだよ 正直、多いか少ないかはわからないけど」
さとり「まさか、地上に行った理由って」
夜見「お金を稼ぐ為だよ」
すると、さとりは涙を流し始めた。
燐「さ、さとり様!?」
こいし「お姉ちゃん?どうして泣いてるの?」
夜見「お、おい、さとりさん!?どうしたんだ!?」
さとり「い、いえ 妖怪である私達の為にお金を稼いでくれてくれたことが、嬉しくて」
夜見「何言ってるんだよさとりさん 妖怪なんて関係ないだろ?」
さとり「あ、ありがとう 黒夜さん」
夜見「あぁ、どういたしまして」
さとり「そうだ、黒夜さん、もうご飯出来てますよ 早くみんなで食べましょう」
こいし「ほんと!?ほらお兄ちゃん!早く食べよ!」
こいしはそう言うと夜見の手を握ってご飯を食べる部屋へ向かう。
夜見「わ!お、おい」
そしてエントランスに燐とさとりが残った。
燐「さとり様、黒夜さんはとても不思議ですね なんで私達の為にあんなことをしてくれるんでしょう」
さとり「それは私もわからないけど、とても優しいことは確かです」
一方、夜見はというとこう思っていた。
夜見(良かったな、さとりさん 喜んでくれて 次も頑張らないとな)
夜道は地霊殿の皆の為にお金を稼いで少しでも楽をさせて幸せにしたい。夜見はそう決意した。
どうもお風呂場の蓋です。
今回は夜見が地霊殿の為に何をしていくのかを書きました。
今回の内容は自分なりには満足に作ることが出来ました。
それでは、よければまた次回の話も見ていってください。