レベルが高くても勝てるわけじゃない   作:バッドフラッグ

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ガンゲイル・オンライン編
71話 棺桶に感傷を(1)


――2025.12.01――

 

 

 ユウキの死から1週間が経った。

 横浜市で行われた彼女の告別式には多くのVRゲームプレイヤーが参列し、親戚筋の出席者が4名に対して参列者が100を超えるという賑わいを見せている。

 オーグマーで確認したところ今の気温は6℃と冷え込んでいるはずなのだが、集まった面々の熱気たるやクリスマスより先に春がやってきたのかと疑うほどだった。

 式が終わっても、集まった彼らは解散することなく、教会の前庭で三々五々に固まり思い出話に花を咲かせている。

 それに倣ったわけではないが、俺も友人たちとユウキの思い出話に浸ることで、彼女はもうこの世界のどこにもいないのだという実感を得て寂しさを募らせていた……。

 

「ユウキと会ったのは2月の頭だったよな」

「もうそんな経つのねえ」

「キリト君やリズはそうだろうけど、私は退院してからだからもうちょっと後かな」

「アスナはそれまでVR禁止だったんだからしょうがないわよ」

 

 リズと俺はすぐ一緒にログインできたが、アスナは親の目もあり苦労していたんだったか。

 だからといってアスナはユウキと付き合いが浅かったということはない。

 サチたちと過ごした時間を比べれてもわかる通り、一緒に過ごした時間が重要ではないのだ。

 

「お前ら仲良かったよな。しょっちゅうデュエルもしてたしよ」

「自慢のライバルだよ」

「最後はあんな武器まで持ち出したのに負けてたけどな」

「うるさいな。負けたのはクラインも同じだろ」

「へへっ。俺の方は純粋な実力勝負だったからな。傷は浅いぜ」

「うぐっ……」

 

 ユウキとはなにかにつけて競い合っていた。

 それは実力が拮抗していたというだけでなく、ギルドマスターという部分で俺の対抗心が刺激されたのもあるのだろう。

 あとはエリに揃って良いようにあしらわれていたことで親近感を抱いたのかもしれない。

 彼女には勝ち逃げをされてしまったな……。

 認めたくはないが、最後に剣を交えたときのユウキは今まで出会った誰よりも強かった。もしも彼女がSAOにいたなら、ヒースクリフを倒したのは俺じゃなくて彼女だったかもしれない。

 

「ユウキには色々助けられたよな。――助けられたって言い方は変か。助け合ったっていうか、背中を預け合ったっていうか、さ」

「そうだね……。ユウキたちがいなかったら25層もそうだし、100層ボスのときも、もっと勝てなかったかも」

 

 SAOでこそ一緒に戦えなかったが、ユウキは他の事件では肩を並べ合った戦友である。

 それらの戦いはSAOサバイバーに引けを取らない戦歴だ。

 

「――で、その事件の中心にいたエリはどこに行ったのかしらね」

「「………………」」

 

 今日この場に、エリの姿はない。ユイも同様だ。

 彼女たちの行方は依然不明のままであった。

 

「アスナ。エリの親御さんとは話、できたか?」

「うん……。でもお医者さんが言ってたのと同じで、容体が悪化したから面会謝絶だって。ユイちゃんの方は?」

「まったく連絡が取れない」

「やっぱりユウキが言ってたように、なにかあったんじゃないかな」

「だろうな……」

 

 ユウキが言い残したからというだけではなく、エリのことは調べてみればすぐその不自然さに行き当たる。

 彼女が全身不随になった原因は不明であったため、容体が急に悪化したという病院側の説明は一見筋が通っているようにも思えるが、それではユイと連絡が取れていないことの説明がつかないからだ。

 病院側が嘘を吐いているのか。

 それともユイは別件なのか。

 どちらにせよ、なにかが起こっているのは確実だった。

 

「俺の方でも調べてみたけどよう……。あいつの使うオーグマーのカスタム機は受け取り済みってことはわかったんだが、本人が受け取ったかどうかはわからん。あとはさっぱりだ」

 

 クラインは肩をすくめて見せる。

 

「キリト。お前、お偉いさんのコネは使えねえのか? ほら。菊岡誠二郎、だったか?」

「直接会いに行ったけど渡米中だって言われたよ」

「間の悪いヤツだぜ」

 

 携帯では電波が届かないか電源が切られているという定例文で返されてしまい、俺は一度千代田区にある情報通信局の役所に足を運んだ。

 そこの受付で菊岡の名刺をチケット代わりに交渉したのだが、「折り返し連絡をするよう伝えておきます」という、本気にしていいのかどうかわからない言葉でお茶を濁されてしまった。

 だが受付の人がしばらく時間をかけて確認を取ってくれたことと、渡米中という回答は、子供だから相手にされなかったという様子ではなかったので、これに関しては待つしかなさそうだ。

 

「他にわかったことや、思いつくことはないか?」

 

 一度全員の顔を見渡してみたが、誰もが芳しくない表情をしている。

 きっと俺も同じような表情をしているはずだ。

 

「だよな……」

「そんな暗い顔しない。今日はユウキの告別式なんだし、笑顔で送り出してあげようよ。エリのことは地道に聞き込みしていくしか今はないんじゃないかな。皆は病院関係者で知り合いとか心当たりはない?」

 

 アスナは空気を入れ替えるように、リーダーモードの明るい声で皆を励まそうとしてくれる。

 

「そういうのは、ちょっといないわね……」

「じゃあ病院関係者の知り合いがいそうな人に相談してみて。その人が駄目でも、知り合い伝手にたどっていけばあるいはってこともあるから」

「6次の隔たり、だったか?」

 

 友達の友達の友達……というように、6人の知り合いを介することで世界中の誰とでも間接的な知り合いになれるという仮説だったか。

 絶対的な法則ではなく、もし病院関係者の知り合いにたどりつけたとしても協力してくれるかどうかは定かではない、総当たり的な方法ではあるが……。

 

「なにもやらないよりは、ね」

 

 アスナも当然それを理解しているだろう。

 つまりは八方塞がりの状況であり、打てる手がそれくらいしか思いつかないということに他ならなかった。

 

 

▽▲▽▲▽▲▽▲

 

 

 エリが見つからなくとも当然学校はあるし、俺は登校しなければならない。

 クラスメイトの友人連中はテスト明けの開放感や、冬休みが近づいてきたことで浮足立っていたが、俺はというと当然そういう気分にはなれなかった。

 できることなら今すぐ教室から飛び出したい衝動を抱えつつも、理性がそんなことをしても皆を心配させるだけだと言い聞かせてくるため、こうして椅子に縛り付けられ、先日行われた期末テストの返却を受けている。

 勉強をサボっていたつもりはないが、オーグマーのインターフェイスに表示された順位は前期テストよりも少し下がっていた。

 

 今日は俺の定期カウンセリングで、放課後になると近況の話題として成績についても聞かれた。もっとも、当たり障りのない程度にやんわりとだが。

 俺は折角の機会だからと、若い女性カウンセラーにエリについての質問を投げかけてみたが、「解るわ。あんなゲームの中に囚われて2年過ごした後だものね。でも心配のし過ぎよ。ここは平和な日本。だから彼女は大丈夫よ」などと共感するような言葉を使ったカウンセリングの基礎テクニックで返されてしまった。

 だが俺は経験則として、心配のし過ぎだと看過していれば大惨事に繋がった事件に幾度となく出くわしている。

 自分から動かず、事態の解決を他人に任せて安全な場所で待ち続けるということは、俺にとって最早恐怖以外の何物でもない。

 そういう部分こそカウンセリングを受けるべき箇所なのだろうが、矯正してしまうことを俺は避けていた。

 彼女の対応も、相手の視点で考えればしょうがないことだ。

 俺は2年間も死と隣り合わせの狂った環境に置かれた被害者で、それを一般人の鋳型に流し込んで社会に復帰されることはなにより正しいとされるのだから。

 けれども俺が今欲しいのは安寧ではなく情報。事件(クエスト)を完了させる解決策(キーイベント)である。

 

「すみません。用事があるので今日はこれで失礼させてもらいます」

 

 彼女とは話していても時間の無駄にしからない。

 こんなことをしていてはカルテの評価値が下がりそうだが、個人情報の守秘義務を守ってくれることを期待して、俺は無菌室めいたカウンセリングルームから一方的に出て行くことを選択した。

 

 俺は苛立ちを早足に変えて荷物を取りに向かう。

 教室の扉を開けるとそこにはクラスメイトの他に、担任でもある国語教師が残っていた。

 60代後半の彼だが、階段の上り下りが辛く職員室に戻るのが億劫になったというわけではなかろう。白髪で年齢を感じさせる顔立ちや丁寧な物腰とは打って変わって、趣味は登山というアグレッシブな人物であるのだから。

 何故という疑問が湧き上がるも、それはすぐに解消される。

 彼が俺を見つけると手招きをしたからだ。

 

「桐ヶ谷君。ちょっといいかね?」

「な、なんでしょう……」

「そんな畏まらんでいいよ」

 

 初めはテストのことで何か言われるのかと警戒したのだが、柔和な笑みを浮かべる彼の素振りが不安を払拭してくれた。

 

「ちと、頼まれごとをしてね」

 

 彼が取り出したのは素っ気ない茶封筒。3Dオブジェクトではなく実物のようだ。

 

「君に手紙だそうだ」

「誰から、ですか?」

「教えないでほしいとも言われている。それは聞かんでくれ」

「はぁ……?」

「それと友人を心配する気持ちは素晴らしいが、焦りは禁物だぞ」

「……すみません」

「謝らんでいいよ。悪いことではないのだからね」

 

 彼がふと視線を向けた先にはすっかり暗くなった空が広がっていた。

 だいぶ早くなった日暮れに、時間の流れを感じさせられる。ヒースクリフと決着をつけたのも冬の出来事だった。SAOをクリアしてから、もう1年も経ったのか……。

 

「では気をつけて帰るように」

 

 そう締めくくり、彼は教室から去って行った。

 残された俺は早速封筒を確認することにした。

 端を切り、中身を取り出すと、これまた味気のない紙が一枚だけ出てくる。

 折り畳まれた紙を開くと手書きで実に短い文章が綴られており、読み終えるのにかかった時間は10秒にも満たなかった。

 

『エリの情報を持ってる。東伏見駅前のバーガーショップで待つ』

 

 目にした途端、ついさっきの忠告はすっかり頭から抜け落ち、俺は廊下を全力で駆けていた。

 

 

▽▲▽▲▽▲▽▲

 

 

 俺が通学に使っている西武線を1駅乗り過ごせば、そこはもう東伏見駅だ。

 けれども到着したバーガーショップには同じ制服の人間は俺だけ。こちらに来るくらいなら、もっと近場に系列店があるため、そちらに行くのが原因だろう。

 とはいえ帰還者学校の生徒がいないだけで、繁盛していないわけではない。

 こちらの店も仕事帰りのサラリーマンや、近辺の大学生らしき人物が多数やってきており、多少混雑している。

 その中から知っている顔を探そうと周囲に目を配らせていると――。

 

「おい。黒猫」

 

 背後から声と同時に、纏わりつくような薄気味悪い気配がした。

 振り返るとそこには小柄な青年が立っている。

 左手の中指と人差し指にはごつい指輪。服装は黒いコートに黒いパンツ。メッシュの入った長髪で、ジャラジャラとチェーンアクセサリーを身に着けた、ガラの悪そうな青年だ。

 

「まあ、座れよ」

 

 男にしては甲高い声。

 俺は周囲を警戒しながら、促された席に腰かける。テーブルには食べかけのポテトとバーガーの包み、それと紙コップが置かれていた。

 

「………………」

「………………」

 

 まるでデュエルのカウントダウンを待つような一触即発の空気。

 額に汗が浮かぶのは走ってきたからというだけではない。

 

「俺の名前は、そうだな……。ジョン・ドゥーとでも――」

「ジョニー・ブラック」

 

 俺はこの男が誰なのかを知っていた。

 

「なんでお前がここにいる」

「………………」

 

 無言で立ち上がり、ジョニー・ブラックは何処かへ去ろうとしたため、俺はやつの肩を掴んで逃げられなくした。

 ジョニーの身体つきは細い。OSのため今でもジムで鍛えている俺の方が身体つきは逞しく、筋力でやりあうなら負ける気はしない。

 

「おい待てよ! なんでお前がエリのことを知ってる!? なんで俺を呼び出した!?」

「はぁ……。お前こそなんで俺のこと知ってるわけ? 顔見せたことないよな」

「ユナのファーストライブでPoHと一緒にいただろ。監視カメラに映ってたんだよ」

「ああ、クソッ! ……やっぱボスみたいに上手くはいかねえか」

 

 顔を片手で覆い隠して悪態を吐くジョニーは、観念したのか席に座り直した。

 悪態を吐きたいのはこっちも同じだ。

 

「手紙の差出人はお前だな?」

「オフコース。ちなみに今回ボスはいねえよ」

 

 信用はできないが、少なくともあいつの影は店内に見当たらなかった。

 

「それで。エリは何処だ?」

「それが俺にもさっぱり」

「ふざけてるのか」

「そうカリカリすんなよ。俺だって本気じゃなきゃあんたを呼んだりしねえよ」

 

 ジョニーはドリンクをストローで音を立てながら飲み干すと乱暴な手つきでテーブルに置く。

 それからポテトを差し出して「食うか」と問うてきた。

 

「いらん」

「じゃあなんか買って来いよ」

「そんな気分じゃないんだよ。それにお前が逃げるかもしれないだろ」

「何処にも行かねえってば。こう見えて俺もテンパってるわけ。落ち着く時間が欲しいんだよ」

「………………」

「奢らねえぞ」

「そうじゃない」

 

 調子狂うな……。

 俺はジョニーから目を離さないようにしつつ、しぶしぶ適当なセットを注文して席に戻る。

 

「手紙に書いてたエリの情報ってなんなんだ?」

「その前にこれだけは約束してくれ。他言はなし。いいな?」

「……わかったよ」

 

 所詮は口約束。なんの強制力も働かない言葉を俺は唱える。

 

「エリになにがあったのか、知ってるやつを俺は知ってる」

 

 軽薄そうな外見とは裏腹に、ジョニー・ブラックという男は真剣な目をするやつだった。

 PoH――ウサグーもそうだった。

 こうして対峙していると、あの悪名高き殺人集団の印象からどんどんかけ離れていく。

 それがSAOで過ごした日々への裏切りに思えて、息が詰まりそうだった。

 

「そいつから聞き出すために協力してくれ」

「誰だ。PoHか?」

「いや……」

「ならザザか?」

「詮索も止めてくれ」

 

 ジョニーの反応は答えを言っているようなもので、そいつというのはどうやらもう1人の幹部であるザザらしい。

 PoHと違ってわかり易いのはありがたい。

 

「とにかくだ! そいつはガンゲイルオンラインってゲームの大会で自分に勝てたら教えてやるって言ってきたんだよ。バトルロイヤルの大会だから仲間がいれば勝率も上がるだろ? それであんたに声をかけたってわけだ」

「まず確認なんだが、そいつはお前ひとりで倒さなくても教えるって言ってきたのか?」

「丁度いいハンデだとさ」

「そうか。……で、ガンゲイルオンラインってのはたしか銃のゲームだよな? 俺は専門外だぞ」

「けどよう、SAOをクリアした勇者様だろ? なんとかなんねえ?」

「無茶言うな。プロだっているゲームだ。ぽっと出の俺じゃ、その辺のプレイヤーにやられるのがオチだぞ」

 

 俺が今までやってきた主なVRゲームといえばSAOにALO。ARも連ねればOS。どれも剣が通用したからやってこれたにすぎない。

 結局のところ、キリトというもう一人の俺は、黒猫の剣士という肩書通り剣士であり、魔法を多少使うようになったとはいえ、相変わらず飛び道具を使うのは苦手ということだった。

 

「じゃあ諦めんのかよ……」

 

 ジョニーは、暗に諦めたくないと言いたげだ。

 

「そうは言ってないだろ」

「なら協力してくれんのか?」

「1つだけ聞かせてくれ。――お前はなんのために戦うんだ?」

「友達のためだ」

「………………」

 

 散々殺しておいて、どの口が言うんだ。

 お前が殺したプレイヤーにも友達がいたんだぞ。それなのにお前はっ!

 

「都合の良い話だってのはわかってる。でもこれだけは譲れねえんだよ。頼む。黒猫」

 

 ジョニーは頭を下げた。

 そのあまりにも真摯な態度に、俺は面食らった。

 全部が作り話であればとさえ思うほどだ。

 手掛かりがない今、俺はこの話に縋るしかない。

 しかしこいつに協力するということは、話の一部であれ信用するということだ。

 膨れていく矛盾に、眩暈がしそうだった。

 

「……わかった。協力してやる」

 

 それを堪え、俺はジョニーの視線を受け止めた。

 

「ありがとよ」

 

 話の区切りがついたところで、ようやく頼んでいたバーガーセットが運ばれてくる。

 炭酸飲料で乾いた喉を潤しつつ、俺はオーグマーでインターネットの検索エンジンでガンゲイルオンラインについての概要を調べてみた。

 どうやらガンゲイルオンラインは銃主体のゲームではあるが、史実の戦争系ではなく、SFチックな世界観らしい。

 月額制で、PvEとPvPのどちらもある、スタンダートなMMOモデル。

 ザ・シード規格なのでコンバートも可能。

 特徴はゲーム内通貨を電子マネーに還元できることで、その逆は不可能のようだ。

 カジノ法に触れそうだが、VRゲームの法整備はだいぶ遅れているらしいので、グレーゾーンのまま放置されているのだろう。

 

「大会ってのはこのBullet of Bulletsのことか?」

「そう。それそれ」

 

 ホームページに記載されていたのは第3回Bullet of Bulletsの告知。

 優勝賞金は300万クレジット。日本円で3万。

 予選ブロックは1対1の総当たりで、決勝戦は30人のバトルロイヤル形式。

 日付は13日が予選らしいので、今日を含めてもたったの9日しか時間がない。

 

「なにか作戦はあるのか?」

「あるよあるよ。勿論あるよぉ」

 

 よくぞ聞いてくれましたとばかりにテンションを上げるジョニー。

 感情の起伏が激しいやつだ。

 

「ずばり、こいつだ!」

 

 ジョニーはオーグマーで開いているウィンドを共有表示にして、俺に見せつけてきた。

 

「理に適っちゃいるけど。でもなあ……」

「手段なんて選んでる場合じゃないっしょ?」

 

 そこに書かれていたのはリアルマネートレードの業者アカウント。

 ガンゲイルオンラインがグレーゾーンのゲームであるなら、こちらは完全にブラック。運営に報告されでもしたら即アカウントがBANされる手口だ。

 流石はレッドギルドの元幹部。

 ソロの大会に協力を求めることといい、ゲーマーとしての矜持さえかなぐり捨ててやがる。

 

「これで装備を整えて、レベルはコンバートで補う。どうよ。完璧だろ?」

「そうだなー……」

 

 悔しいことにジョニーの言葉は一理ある。

 毒を喰らわば皿までか……。

 預金通帳の残高を思い出しながら、俺は泣く泣く悪の道を歩く羽目になった。




ジョニー「あるよあるよ! 俺の出番あるよぉ!」

ジョニーとキリトの、GGO編スタートです!
――と行きたい所ですが、次回からはジョニー視点で語るSAOの過去編をやっていきます。
この章はGGO編とは名ばかりの、ラフコフ編になりますが、どうぞよろしくお願いします。
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