東方異外録   作:HR-H HR-E

1 / 5

東方星桃玉とはアナザーディメンションです。
不味い、我が嫁の季節が今日で終わってしまう。


プロローグ 破壊される大結界

 視界に映る全てが暗く、空気も薄い一つの灰色の狭い部屋.....いや、空間というべきか。

 

 その暗という言葉をそのままにしたような空間に一人の男性が暗い部屋に輝く二つの世界の景色が映し出されているのを眺めていた。

 

 

 両方の景色は一定に時間で映る景色が変わっていくが、両方にはテーマがあった。

 

 一つは色んな国の大人が自分達の住む星のために意見を出し合うはずがお互いを罵倒しあったり、大国がくだらない嘘を吐きまくったり、まさに醜いがぴったりだった。

 

 だがもう一つは美しく、可愛らしい少女達がお酒を飲んで宴会を盛り上げたり。別の世界から来た異世界人達を仲間外れにする事無く仲良く話していたり、平和と美しいがとても似合う世界だった。

 

 世界観も価値観も文化も人種も多少なりとも違うため、両方お互い関係ないように見えるが…一つだけ真反対とも言える二つの世界を繋ぐ関係が合った。

 それは『外の世界』と『幻想郷』という関係。

 

 かの美しく素敵な幻想郷は外の世界…日本に存在する。これだけの理由でこの二つの世界は無関係とは言えなくなった。

 

 

「…繋がってしまうか、大結界の緩みで…」

 

 数々の異世界を巻き込んだ大異変の連続で幻想郷を隠す『博麗大結界』の力はもはや無くなりつつあり、男は少し暗い気持ちとなった。

 

 だが、暗くなっている場合ではない。

 何とか、外の世界とつなげるのは避けたい。流石に自分の息子のせいで例のあのお方(博麗神社の神主)に迷惑をかけるわけにはいかないのだから…

 

 

「………いや…?」

 

 ふと、男は思った。

 

 これはチャンスでは?

 

 さすがにこの外の世界には繋げられないが、別の世界の外の世界を繋げられれば、この外の世界には全く迷惑が掛からない。

 外の世界を繋げれば、息子は大きくこの男の理想の存在に近づくかもしれない。

 

「…すれば、あのお方には迷惑は掛かりづらい…」

 

 男、ジャーボ・アルタルストはこの考えに自問自答を繰り返し。早速幻想郷と別の外の世界を繋げ始める準備にかかった。

 

「せいぜい我が息子の成長の役に立て…劣等種(使えぬ人間)共」

 

 

 

___________________________________

 

 

 

 

 そして、美しいという言葉すら貶しているようにも聞こえる幻想的な忘れられた世界

 

 『幻想郷』

 

 現在この幻想郷は過去最大級の異変に巻き込まれている最中で、その異変の被害者、加害者があちこちに移り住んでいた。

 

 もちろんこの異変の希望と犯人と言ってもいい星のカービィも幻想郷に住んでいた。

 

 お隣の家にはこの異変の爆弾とも言える、カービィのクローンであるシャテン・シュテンと冬の妖怪のレティ・ホワイトロックが同じ家に同居している。

 

 普段ならば、昼過ぎまで寝ているカービィをシュテンかレティが起こしてくれるのだが。今回は違う。

 

 ベットで気持ちよく寝ているカービィを傘で叩きつけて起こしたのは、紫色の中華風のドレスを身に纏い、白いナイトキャップを被った、美人という言葉すら霞むほど美しい女性。幻想郷を作った賢者の一人の八雲紫だった。

 彼女が遊びに来ることは特別珍しい事でもないが、意外だった。

 だがそれよりも、彼女の顔が険しく、真剣な顔をしている事が珍しかった。

 

 

 カービィはベットから飛び起きると無いに等しい首を傾げて「?」を頭に浮かべる。

 だが帰ってきたのはカービィの疑問に対する回答ではなく、「入りなさい」とスキマでカービィを飲み込む紫の突然の行動だった。

 

 紫の扱うスキマの先は不思議な事にスキマの中だった。通常、紫はスキマを使う時、何処かしらに飛ばす為に使うのだが今回は違ったようだ。

 周りの景色からして、ここはスキマの中だとカービィは容易く理解できた。何故なら周りの景色は濃い紫に大きな目が有象無象に空中に散らばっていた。

 

 また、スキマの中の空間には数多く....もしかしたら主要の幻想郷の住民は全員居るだろうと思える数の知っている顔が居た。

 山の四天王である伊吹萃香と星熊勇儀が楽しそうにお酒を飲んでおり、少名針妙丸が鬼人正邪を追い回して、茨木華扇は比那名居天子から大きく距離を取っていた。

 また、他にはマルクがぬえと話していたり、デデデが数多も居るワドルディを集めていたりなどポップスターの住民も居るようだった。

 しかしカービィのライバルの一人でもあるメタナイトとかつて共に戦ったタランザ、カービィのクローンであり恐ろしく禍々しい化け物シャテン・シュテンが見当たらなかった。

 

「彼らには博麗大結界の割れ目を見張ってもらってるわ」

 

 この場に居ないシュテン達を探すカービィに紫は告げる。ちなみに同じ理由で八雲紫の部下、タイプ・プロトと最強の超越神ペルソナも居ないそうだ。

 

 紫は意味も無く扇子を取り出すと、自身の式神の八雲藍に「プロト達を呼んできて頂戴」と伝えるとスキマを展開させて腰掛代わりに使い始めた。

 

「プロト達が来たら何が起こって、なんでみんなをここに連れてきたか伝えるわ。それまでこの空間の中で好きにしてなさい」

 

 とは言われたものの、周りのメンバーを見ると各々の会話で凄い盛り上がっており誰もカービィに気づかず誘わない。また、カービィもどこに介入しようか迷っていた。

 

 周りを無表情でキョロキョロするカービィ。何とも可愛らしい姿だ。

 

 その可愛らしい姿に刺激されたのか、紫はプルプルと震えだし。カービィを後ろから抱きかかえた。

 

「ん~、本当にかわいい!抱き心地も最高だわ~!」

 

 紫に抱きかかえられたカービィは紫の腕の中で激しく形を変える。だが、悪い気分では無いのでカービィはシュテン達が戻ってくるまでずっと紫に抱かれて、揉まれ続けられた。

 

 

 

___________________________________

 

 

 

 

「まさか博麗大結界に穴を開けられるとは…」

 

 四角い被り物をした高身長の男は人里から少し離れた場所に出現した真っ白なひび割れを見てそう呟く。

 

 この高身長の男こそが、八雲紫の部下であり、複数の化け物を従える怪物のタイプ・プロトである。

 両隣には仮面の剣士メタナイトと仮面の悪魔シャテン・シュテンが立っている。

 

「やはり、マホロア辺りがやったとしか思えないが…意図が分からないな」

 

 この幻想郷で暗躍しているかつての友であり敵であるマホロアである線を疑いながらシュテンは意図が読めずに悩む。

 実際はマホロアではなくもっと不味い存在が関与しているのだが、彼らが知る由もない。

 

「博麗大結界の外側は確か外の世界という人間共がゴキブリ並みに居る世界なのじゃろ?」

「ああ、そうだ」

 

女子中学生が着てそうな制服の様な服を着たとてもロリロリしい少女、超越神ペルソナは博麗大結界の大きなひび割れを少し近くで眺める。

幻想郷の住民なら急いで止めるが、残念ながらこのロリ超越神は実力だけなら地獄の女神ヘカーティアや魔界神 神綺にも引けを取らないので誰も「危ないぞ!」と叫んで止めようとはしない。

むしろ倒せるものなら倒してみろというレベルだ。

 

ちょうどその時にプロトの背後に紫の操るスキマが現れる。だが、出てきたのは紫ではなく式神の藍。先ほどの紫の命令通り、プロト達を呼びに来たのだ

 

「もう交代の時間ですか?藍様」

「いや、紫様がプロト達を呼べと....」

「分かりました、見張りのモンスターを設置次第すぐに行きます」

 

藍が一足先にスキマに入るのを見送るとプロトは歴戦王クラスのモンスターを、ペルソナはバハムートなどの神話モンスターを見張りとして設置してスキマの中に入っていった。

スキマを抜けた先にてカービィを激しく揉む紫が冷静な顔で迎える。

 

「ただいま戻りました、紫様」

「お帰りなさい、プロト」

 

その瞬間、プロトは紫の手の甲に口づけする。と言ってもプロトは四角い被り物をしているため、その被り物の口に当たる部分を押し付ける程度だが。

 

「まぁ、紳士的。どこで覚えたのかしら?」

「それなりに外の世界の知識を持っているので....ご不快でしたか?」

「いいえ、気に入ったわ♪」

 

最近思うが、プロトの紫に対する意識、敬意が度を超え始めている気がする。そもそも四角い被り物をした怪物がとても美しい美女の手の甲にキス....まさに美女と野獣だ。とシュテンは思った。

 

「さて....」と紫はカービィを降ろすとスキマからマイクを取り出す。そのマイクを見てカービィが物欲しそうな顔をしたが、言うまでもなく無視である。

 

『みんな、事の重大性を話すから聞いてくれるからしら?』

 

マイク....というより拡声器で響いた声に皆が反応する。それを確認した紫はスキマに腰掛けながら、話を続けた。

 

『まず、完全ではないけど博麗大結界が一部破壊されたわ』

 

その言葉に皆がざわつく、ただ何人かは既に感づいていた模様で特に反応を示さない。

 

『何者がやったのかは分かってないけど、もっと重要視する部分があるわ、博麗大結界は破壊されたけど繋がってるのは不思議な事に外の世界では無いわ』

 

これには自ら偵察しに行ったプロトとシュテンも驚いた。外の世界ではない....となると異世界となる。博麗大結界が破壊されるとそうなるのか?

 

『厳密に言うと、全く別の世界の外の世界....って言った方が正しいわね。何故か博麗大結界に出来た大きなひび割れ....もう、穴になる頃かしら....それは外の世界へと干渉する前に全く別の外の世界へと繋がってしまってるわ。マホロアという意見もあるけど....』

 

正直、マホロアを疑ったシュテンはマホロアの犯行の線を消した。彼がこんな無意味な事するとは考えづらい、彼ならもっと間接的に嫌らしい手で仕掛けてくるからだ。

 

『別の外の世界には無論、人間は居るわ。だから繋がってる時空を直して博麗大結界を修復するまで、その別の外の世界に気をつけて。何かおかしな事があったらシュテンかカービィを頼りなさいって話をしたかった』

「ん!?俺に飛んでくるの!?」

『貴方人間処理得意でしょ?』

 

間違いではない。

 

『何か質問あるかしら?』

 

だが、誰も何も言わない。そこにあるのは住民達の自信に満ちた顔「変なこと出来るならやってみろ」と言わんばかりの顔だった。

 

正直言って、紫もそこまで焦っていない。こちらにはカービィ、シュテン、博麗霊夢、鬼の四天王などの化け物がいる。今の幻想郷に勝てる奴など他の世界を探しても居ない。

 

 

だが、彼女達にとって誤算だったのは向こうに居るのは人間だけでは無かったという事.....

 

 

 

___________________________________

 

 

別の世界と繋がる、とある秘匿された場所

 

「....あ?....なんか面白そうな事起きてんな、いいタイミングで起きたぜ....」

 

 

「おぉ....こわい....何とも驚かせがいのある世界だ....」

 

 

「オー、ジーザス....勘弁してくれよ。ここの生活にも慣れてきたんだからすげぇ魅力的な場所気づかせんなよ....」

 

 

「........シュー........」

 

 

幻想郷とは異なるが、少し似ている人間に隠された非常識的な存在。彼らは各々の非常識な本能で博麗大結界の一部破損、幻想郷の存在にいち早く気づいたのだった....

 




最後に出てきた4体は全員keterです。1体目と3体目は比較的に分かりやすいのでは無いでしょうか?

「星桃玉」を知らない人のために軽いオリキャラ紹介

シャテン・シュテン・・・似ても似つかないが、「アイビム」と言う名の研究者によって作られたカービィのクローン。身長は190cmくらいある。カービィ同様コピー能力が使えたり、カービィにもできない芸当をやってのけるが正直言って『とても弱い』
プロトと仲が悪い


タイプ・プロト・・・「アイビム」によって蘇った太古の何か。八雲紫と四季映姫に忠誠を誓っており、幻想郷の住民には敬語で話す(一部除く)かなり強い
シュテンと仲が悪い


如月葉月・・・外の世界の人間。今回の様な別の外の世界からではなく、空間的には菫子が居る場所と同じ世界出身(しかし少し違う…)


ペルソナ・・・簡単に言えば幼女ゼウス。すべてを司る程度の能力とか言う、小学生レベルのチートを有しているため幻想郷を滅ぼせる力を持ってはいるが…過去に一度とある幻想郷の住民に敗れているため恐らく現在は幻想郷を滅ぼすことは無理


ジャーボ・アルタルスト・・・謎の男、というよりめんどくさいタイプの謎の男。割と弱い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告