東方異外録   作:HR-H HR-E

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今回シュテンも出てこないという奇跡、星桃玉でもあいつの出番減らしたいなぁ


第一話 動き出す愚者達

 場面が大きく変わり、我らが住む(別の)外の世界の先進国の一つ日本。

 

 本来の外の世界なら、ここには「宇佐見菫子」「如月葉月」「博麗神主」「霊長類最強女子」などの幻想郷に匹敵する異能な力を持つ存在が居るはずなのだが、残念ながらこの別の外の世界には存在しない。

 代わりに居るのは地球人口の約0.05%、40000以上も存在する特殊な人間が世界各国…SCP同等の機密の存在、人類を守る存在として扱われている。

 

 そしてSCPとはSecure.Contain.Protectの略(らしい)である。何なのか、と聞かれるとそれは一部の人間しか知らない自然法則に反した物体、場所、生物などを指す。

 ある意味幻想郷もSCPなのかもしれないが…

 

 現在その日本では大きな怪奇現象に見舞われた。しかも最悪な事に中心都市の東京で起こってしまったので仮にSCPのせいだった場合、情報を隠蔽することが出来なくなってしまった。

 案の定、その怪奇現象は通りかかった一般市民によってSNSへと挙げられて、抑えていたマスコミも大きく報道してしまい隠蔽など完全に不可能となってしまった。

 

 頭を悩ませた日本のお偉いさんはひとまず怪奇現象が起こった地域を一部閉鎖して、自衛隊などを設置した後にマスコミから質問攻めに遭う前に首相(内閣総理大臣)、他の官僚などで話すことに決めた。

 

 

「東京都で起きた怪奇現象ですが、空に大きな裂け目が出来てその裂け目が地上に足を着くくらいまで巨大化しました。石などの無機物を投げ入れてみたら、そのうち何個かは弾かれましたが残りは裂け目の向こうへと消えました。」

 

「と言う事は裂け目の向こうには空間があるかもしれないと…」

 

 官僚の言葉に現場を指揮している自衛隊の報告書を読み上げる進行役は頷く

 

「困ったものですね、マスコミの報道はこの事件の一点張り。ネットもこれの話ばかりです」

「今からなんとか少しでも抑圧を…」

 

「それは出来ないと先程申しましたよ。今はどうマスコミの質問に対処するかの集まりです。起こってしまった事はもうどうしようもない、我々も受け入れて、国民にも真実を全てバラさない程度に受け入れさせましょう」

 

 

 総理の言葉に全員が暗い顔をしながら頷き、一時間にも及ぶ話し合いが続いた。

 

「では、マスコミに答えるのはここまでで残りは分からない、不明などではぐらかしましょう」

「はぐらかすというより事実分かってはいないんですけどね…」

 

 ひとまずのマスコミの対応は思い付いた、あとはこれを国民が変な疑いせず信じ込んでくれるのを願うのみだ。

 官僚達は身体をほぐしたり、ペットボトルのお茶を飲み始めたりした。だが、ちょうどその時廊下から走る音が聞こえて扉が強く開かれた。

 

「失礼します!緊急報告です!」

「なんだ、いきなり。そんな重要なことなのか?」

「はい!実は…特別収容プロトコルから大多数のketerクラスとEuclidのSCPが収容違反をして脱走しました!」

 

「「「「「ファァ!?」」」」」

 

官僚や総理はお茶を落としたり、変な声を上げる。

 

 SCPは先程、説明したが、keterについても説明しよう。

 keterとはSCPのオブジェクトクラスという一種の危険度の最高に属する。「人類に大きな被害を起こし、また収容が困難」なSCPを指す、中には毎日死者を出すようなものだって居る。

 Euclidはketerの1つ下のランクであり、「収容は出来てるが、完全な収容ではない」

 ただ、全てのSCPがランクと危険度が比例するわけでは無いが…

 

「な、なぜそんな…」

 

「まだ…まだ、あります…その逃げ出したketerクラスのSCPのうち、SCP-076SCP-682がEuclidクラスのSCPだとSCP-049が東京で目撃されました!」

 

 報告者のその言葉に官僚の何人かは椅子から転げ落ちる。

 総理は落ち着こうとして飲んだお茶でむせ始める。

 

 日本人の誰しもが知ってるが、日本は他の国と比べて比較的平和である。暴動や反乱はそれなりに珍しいし、テロに関してはここ十数年起こっていない。

 SCPも居るには居るが、比較的危険なものは居ない。

 

 そんな平和な日本によりによってSCP史上最悪のKeterの頂点とも言われるSCP-076(通称アベル)とSCP-682(通称不死身の爬虫類)が目撃されたのである。

 

「み、見間違いじゃないのか!?なんでしかもなんで東京!?」

「ま…まだ詳しくは分かりませんが…SCP財団のエージェント達が遭遇時の武器使用の許可を申し出ています!」

「ああ、許可する!目撃情報があった場所を閉鎖しろ!理由は怪奇現象の危険性を考慮したとかだ!」

 

 総理が叫ぶと報告係が慌ただしく退出する。それに続き、官僚達も動き出す。

 

 ただ、一人の官僚。外務大臣が総理に向かって思った事を発する。

 

「なあ、総理。もしかしたらこのSCP共…さっきの怪奇現象で出来た裂け目と何かしら関係あるんじゃないか?」

「…と、言いますと?」

「俺も見たわけじゃないから分からないが…例えば裂け目がワープホールか何かであそこから日本に侵入したとか…またはその逆で…あの裂け目の向こうにSCPが脱走して日本にわざわざ来るまでの何かがあるとか…」

 

 外務大臣は背後に回したスマホに書いてある、特殊な能力を持った彼の部下の予想をカンニングしながら総理に話す。

 

 つい、数十秒前に裂け目の事やSCP脱走の事を送ったばっかなのにすぐに考えをまとめて鋭い推理をするあたり、本当に素晴らしい部下を持ったと大臣はスマホを尻ポケットに隠しながら思った。

 

「前者は裂け目を守ってる自衛隊から連絡が無いので違うと思いますが…後者はあり得ますね、いや十分すぎるほどに…直ちに自衛隊の増援を送り、日本のSCP財団職員やエージェントにも動いてもらいましょう!もちろん、異特殊部隊にも」

 

 

 

___________________________________

 

 

 東京都内の夜11時頃。

 

 どうやら自分はどこかで目撃されてしまったようだ。人数が増えている上にエージェントや人間もどきがあちこちうろついている。

 わざわざ視界に入った人間を殺さない様に慎重にここまでやって来たのに…本当に人間は数多いる生物の中でダントツに腹が立つ。

 

 だが、わざわざ海を泳いで渡ってこの来たくも無い平和ボケした国に来たのだ。身体の9割を失ってもあの裂け目にはたどり着きたい。

 

 あの裂け目が何なのかはよく分からない。だが、あの向こうにはこの世界より何倍も、何十倍も、何百倍も、何千倍も、何万倍も、何億倍も、何兆倍も、何京倍もマシな世界が広がっていることは分かっている。これは確実だ。

 

 聞いた話だと他の奴らも抜け出してあそこを狙っているらしいが…この際だ、ワガママも文句も言わん。あの邪魔な人間達を消すためだ、嫌でも共闘させてもらう。その後に向こうでゆっくり食い殺せばいい話だ。

 

 

 

「ああ、楽しみだ……」

 

 

 何処から声を出しているか見当もつかないが、建物の物陰から異様に大きなトカゲの様な生物はあの裂け目の向こうで使われるであろう言語を口にしながら自衛隊の守る裂け目を見ていた。

 実際は大きな壁があって見えていないが…

 

 




最初に登場するSCPがラスボスな件(今作のラスボスではありません)

脱走してるSCPは682、076、049の他に2006、106なども収容違反して脱走してます。
全員の目標はもちろん、あの裂け目の向こうに行く。

おそらく次回にはSCPを出せると思います(今回出てきたのSCPではありません)


異特殊部隊は少しでも人間達が幻想郷に対抗できるために作ったオリジナル部隊です。英語にして頭文字を3,4文字取ってもっと部隊っぽい名前にしたいけどそこら辺のセンスが無いので私が決めるまで、皆さんからカッコいい名前を募集します

ちなみに別の外の世界の総人口は八十億です。
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