◇◇◇◇◇◇◇◇
「あー、長かった。」
「ははは。」
夕日でオレンジ色に輝く帰り道、長い説教を終え二人は家路を歩いていた。
「・・・まぁ、良かったんじゃないかな?」
「うん、そうだね。」
説教はされた。危険なことするな、ヒーローに任せてほしい、君たちに何かあったら親御さんはどうするんだ?等々。長々と説教されたが。
「だが、君たちのおかげで解決できた、ありがとう。」
感謝の言葉、その言葉の裏に助けに動けなかったことを悔い、決意と覚悟を改めた感じを受けた。・・・気のせいかもしれないがそう感じた。
・・・爆豪に声かけたら、なぜ助けた?!一人でなんとかなったは!!クソが!等、色々言いたいことを言ってさっさと帰ってしまった。
「やぁ、少年達。」
先ほどのことを思い返していると骨と皮だけの、失礼、細身の男性に声をかけられた。記憶を探るが知らない人物だ。
「出久、知り合い?」
「知り合い、知り合いだよ。」
早口で答える出久を見て不思議に思っていると細身の男性も答える。
「自己紹介をしよう、
「・・・へぇ、オールマイトの・・・えっ、出久!!いつのまに知り合ったんだ!!」
「それは、・・・えーと。」
「・・・私から説明しよう。実は商店街のヘドロ敵は最初オールマイトが追っていたんだ。追い付いた時にその敵と対峙している緑谷少年に会ってね、彼が敵の注意を引いてくれたおかげで確保できたんだ。だが・・・。」
そう言って、申し訳ない顔になる。
「すまない。急いでいたは言い訳にならないな。・・・隙をついて逃げられてしまったんだ。」
「待って下さい。オールマイトは悪くありません!僕が、僕が色々聞きたくてオールマイトを無理矢理引き留めて、その時に、・・・だから、オールマイトは悪くありません、僕です。・・・ごめんなさい。」
「緑谷少年・・・。」
深々と頭を下げる出久に八木さんは眩しそうに目を細める。
「んー?あー、訳はわかりました。オールマイトは色々忙しいからあなたが来たと言うことでしょうか?」
「そうだね。迷惑をかけたお詫びと、緑谷少年に話したいことがあるから来たんだ。」
その言葉に出久は自分を指差す、八木さんは頷く。
「・・・じゃ、先帰るよ。」
「えっ、どうして?」
「そりゃ、出久に用があるって言ってるんだから当たり前じゃないか。それにこの人は信用出来るって感じがするし。・・・八木さん、オールマイトにいつもありがとうございますって伝えてもらってもいいでしょうか?」
「ああ、必ず伝えるよ。」
「じゃーな、出久。また明日。」
「うん、また明日!」
ニコリと笑い頷く八木さん、出久も笑い返事をしてくれる。
そして、少し歩いた時。
「少年!Well done! 」
「?・・・あっ、Thank you goodbye!」
そう言って、手を振り家に帰るのだった。