長い間、ずっとずっと地下にいた。
来る日も来る日も変わらない日々。
ただただ時間だけが過ぎていく、そんなつまらない日々。
誰も、私と遊んでくれなかった。
部屋に来るのはここで働いてる従者で、決まった時間に食事を届けに来るだけ。
このまま、ずっと1人で生きていくのだろうと、そう思っていた。
そんな時、1人の少年と出会った。
彼はいつの間にか私の部屋にいた。
名前を聞くことにしてみた。
「あなたは誰?」
「僕は八幡。比企谷八幡」
彼は比企谷八幡と名乗った。
そこから、私と彼との長い付き合いが始まった。
彼は決まった時間に部屋に来る。
どうやら彼はこれを夢だと思っているらしいので、そのまま夢ということにした。
初めは互いに会話が上手くいかなかった。
久しぶりの人間に戸惑い、上手く話しかけることが出来ないでいた。
それから数日後、私は勇気をだして声を掛けた。
「良かったら……私と友達にならない?」
こうして私に、初めて友達が出来た。
それからは、毎日が楽しかった。
知らなかった。
2人で遊ぶと、1人で遊ぶよりも楽しいことを。
知らなかった。
2人で笑うと、1人でいるよりも笑顔になれることを。
知らなかった。
彼といると、心が満たされて、幸せな気持ちになることを。
このまま、ずっとずっと一緒にいられたらいいのに……
「ねぇお兄様」
「これからもずっとずっとずーっと一緒に遊ぼうね♪」
明日も明後日もそれからも、ずっと一緒にいられると、そう思ってたのに……
あれから、突然彼は来なくなった。
彼が来なくなって1日が過ぎた。
どうして来なかったのかわからなかったけど、こんな日もあると結論を出した。
明日はきっと来てくれる……
彼が来なくなって3日が過ぎた。
今まで毎日来てたのに、3日も部屋に来ていない。
今度会ったら、ちゃんと毎日来てと約束をしよう。
明日はきっと来てくれる……
彼が来なくなって1週間が過ぎた。
もしかしたら、何か危険なことがあったのかもしれない。
だから今は来れないのかもしれない。
そう結論をつけた。
明日はきっと来てくれる……
彼が来なくなって1ヶ月が過ぎた。
もう随分と会っていない。
けど、約束したから……
必ず会いに来てくれるはず……
その時に思いっきり甘えよう。
明日はきっと来てくれる……
彼が来なくなって半年が過ぎた。
なんで?
なんで何でナンデ何デ?
どうして来てくれないの?
あの時、約束したのに……
ずっとずっと一緒に遊ぼうねと、約束したのに……
知らなかった。
1人になると、こんなにもつまらないことを。
知らなかった。
1人になると、悲しくなることを。
知らなかった。
彼がいないと、こんなにもこんなにも心が苦しくなることを。
彼に会いたい!
会いたいあいたいアイタイ会イタイ!!
もう会えないのは嫌だ!
嫌だいやだイヤダ嫌ダ!!
どうしたら、どうすればいいの……?
「壊せば、いいんだよ」
頭の中に、そんな声が聞こえてきた。
聞き覚えのある声。
だってそれは、自分の声だったから……
「壊して直して、自分だけのお人形にすればいいんだよ」
「自分だけの?」
「そうすれば、もういなくならない。ずっと一緒にいられるんだよ」
「いなくならない……ずっと一緒……」
そっか……
そうすれば、良かったんだ……
そうすれば、いなくならない……
そうすれば、ずっと一緒……
「アハハ、お兄様……」
自分の口から、そんな笑い声が聞こえる。
「今度会ったら、壊シテ直シテあげるネ♪」
だって……1人はもう嫌だから……
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紅魔館の中は、至るところが紅い装飾が施されていた。
中は豪華でとても綺麗なのだが、ここまで紅いと少し気味が悪い。
と言っても、かなり広いな。
あれから大分歩いた気がするけど、まだ目的地にはつかないらしい。
「少し伺いたいのですが、あなたは人間ですよね?」
「え?」
急にそんなことを聞いてくる十六夜さん。
変な事を聞かれて少し、いや、めちゃめちゃ驚いた。
「そうですけど……他の何に見えるんすか」
「いえ、あなたの目が少々人間からかけ離れていたものですから」
え?俺の目そんなにやばいの?
初対面の人にここまで言わせるなんて……
「そんなこと聞くなんて、まるで人じゃないものがいるみたいなことを言いますね」
「まぁ実際にいますからね」
え?人じゃないものがいるの?
「そ、そうですか。ちなみにどんな……」
「そうですね。魔法使いや妖怪、人間に巫女や神、そして、吸血鬼など様々です」
「と言うことはあの門番の方も?」
「ええそうです。ちなみに私は人間です」
そうだったのか。
通りで頭にナイフが刺さっても大丈夫だったわけだ。
でもだからって頭に刺すなんて……幻想郷は怖いところだな。
ちなみに能力なんてものもあるみたいだ。
恐らく、それを使ってあの門番にナイフを刺したのだろう。
改めて怖いと思った。
「着きました」
どうやら考え事をしてるうちに部屋に着いたようだ。
「では、私はこれから夕食の準備をしてきますので、夕食の準備が整い次第声をかけに参りますので、それまでしばらくお待ちください」
そう言い彼女は部屋を去っていった。
足音が聞こえなくなったところで、少しこの世界につい考えてみる。
まず1つ、この世界には人以外にも様々な種類の種族がいる。
次に2つ、この世界には能力があるということ。
十六夜さんは「時間を操る程度の能力」という物らしい。
何とあの有名な吸血鬼と同じ能力。いや、時間を操る分、無駄無駄な吸血鬼のスタンドの上位互換と言えるだろう。
そして、これらのことを踏まえてだ。
どうして彼女が俺を屋敷に招いたかを考えるえてみる。
なぜあの門番は悲しそうな顔をしていたのか。
なぜ俺が人であるか聞いたのか。
う〜ん……わからん。
これ以上考えても埒が明かない。
分からないことだけだし、夕食の時にでも聞いてみようか。
そう結論づけ、時計で時間を確認すると、部屋についてから20程度過ぎていたようだ。
しばらく準備してると言っていたし、気分転換に、少し屋敷を見て回ることにした。
部屋を出て歩いていると、階段を見つけた。
地下へと続く階段。
それを見つけると、まるで吸い込まれるかのように、階段に向かって歩いていく。
そして、その階段を降りるのであった。
「早く会エナイカナ?お兄様♪」