比企谷八幡 IN 幻想郷   作:漆黒の翼II

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少し短いです
なるべく続きを出していこうと思います
週一、二ペースを目標に頑張っていきます



第4話

気がつくと扉が前に立っていた。

どうやらいつの間にか階段を降りていたようだ。

扉を見てみると、外側に鍵が付けられていた。

普段の俺ならまず引き返すだろう。

せっかくの好意で泊めてもらっている館の中を勝手に散策し、鍵の付いてある扉を開けようだなんて、非常識にも程がある。

そう頭では理解している。

理解している……はずなのに……

右手が扉に向かって伸びる。

扉の鍵を解除して、中を見るために扉を開ける。

 

「ここは……」

 

あぁ、何でここまで地下に惹かれていたのか理解した。

今までに何度も何度も訪れていた場所。

ある日を境に訪れることの無くなった、かつての友達と一緒に遊んだ思い出の場所。

そんな部屋のベッドの上には、何度も同じ時間を過ごした小さな吸血鬼がいた。

こちらに背を向け、クマのぬいぐるみで遊んでいる。

こちらにはまだ気付いてない様だ。

俺は扉を閉め前に詰めより、声をかけようとして言葉が詰まる。

今更、どの面下げて来たんだ。

彼女が地下で1人で過ごしてきたのは理解していたはずなのに……

俺はその事も忘れて、あいつらと一緒に過ごして、それが心地良いとまで感じて……

その間も、あいつが…フランが一人でいたかもしれないのに……

声をかけようとしては詰まって、それでも話しかけようとして、また言葉が詰まる。

なかなか話しかけられないでいる内に、フランが後ろを振り向いた。

彼女と目が合う。

瞬間、彼女が飛び込んで来てバランスを崩し後ろに倒れる。

胸に顔を埋めてくるフラン。

抱きしめてる彼女の腕は、少し震えていた。

胸辺りが少し湿っぽく、そして暖かくなる。

少しの間顔を埋め、顔を上げる。

涙で顔を濡らしてこちらを見上げるフランを見て、自分に怒りが込み上げてくるのを感じる。

指でフランの涙を拭うと、嬉しそうに微笑む。

 

「久しぶりだね。お兄様」

 

少し落ち着いたのか、フランは一旦抱きしめるのをやめて、こちらに話しかける。

「もう2度と会えないと思っていたから、また会えて嬉しい」

 

「本当にすまなかった」

 

俺は深く頭を下げ、フランに謝罪する。

 

「ううん、気にしないでお兄様。私はもう一度お兄様に会えて満足したから。だから、顔を上げて?」

 

フランはそう優しく声をかける。

本当は寂しいはずなのに、俺を気遣って……

本当に、こんな自分が嫌になる。

 

「なぁフラン。何かして欲しいことはないか?」

 

だからこんな事で罪を償うというわけではないが、せめて何か自分に出来ることを彼女にして上げることにした。

 

「え?いいの!?それじゃあ、思いっきり抱きしめて!」

 

両手を広げるフラン。

少し恥ずかしいが、自分から言い出したことだ。

俺はフランを抱きしめ、彼女の背中に手を回す。

 

「ん。もっと強く抱きしめて」

 

「はいよ」

 

要望通り力を少し強める。

てかやばい。

流れで抱きしめてしまったが、柔らかいし、いい匂いするし、かなりドキドキする。

 

「お兄様、ドキドキしてる」

 

「うっ、ぼっちには辛いんだよ…」

 

「私も、ドキドキしてる。お揃いだね」

 

そして、しばらく抱きしめ合っていると、フランが耳元で話しかけて来た。

 

「ねぇお兄様」

 

吐息が耳にかかり、変な声が出てきそうになるが何とか堪える。

 

「何だ?」

 

「私ね、分かったことがあるの」

 

フランの腕に込められる力が強くなる。

 

「1人でいると、つまらなくて、寂しくて、どうにかなっちゃいそうになるの」

 

さらに力が強くなる。

 

「フラン…少し苦しい……」

 

「だからね」

 

あぁ、もし、このまま何事も無く終われば、どれだけ美しい物語となっていたのだろう。

しかし、現実はそう上手く行かない。

そう、俺は知らなかったのだ。

彼女はずっと前から、既に壊れていたことに……

 

「お兄様を私のモノにしてあげる」

 

「ッ……!?」

 

首筋に痛みが走る。

急に来た痛覚に驚き、フランから距離をとる。

首筋に手を当てると、暖かくて、指には紅い液体が着いていた。

前を見ると、ペロっと唇に付いた血を舌で舐め取り、妖艶に微笑むフランがいた。

その目は先程とは違い、光を宿していなかった。

 

「美味しい……お兄様の血が、私の中に……」

 

「どう言うつもりだ…何でこんな事をするんだ!」

 

「?言ったでしょ?お兄様を私のモノにするって」

 

彼女の口が、まるで三日月の様に歪む。

 

「だから、壊シテ直して、私の、フランのお人形サンにしてアゲル!!」

 

 

 

 

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