騎士(キチ)王   作:ひつまぶし。

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 そんなに俺がバニーに釣られたと思っているのか貴様らー!











 まあ、当たりですが。10万溶かしてバニ上ゲットしたのでやったぜ(吐血)
 もしも、爆死の末にバニ上取れなかったらこの小説をアーサーくんごと消してたでしょうね。ファッキンアーサー。

 金を使い過ぎたのでしばらくは牛肉を豚肉に変えて生活します。







21 父子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから、という話だが。

 

 我が王が円卓の騎士を結成し、空きを少しずつ補充しながらブリテンの平定を治めることに尽力する。

 足りない枠はまだ完全に埋まっていないが、それでも何とかやれている。我が王のカリスマと力がなければ既にブリテンは滅びていただろう。

 前より忙しくなったのに我が王は疲れていないように見える。モードレッドと遊ぶ時間が減って落ち込んでおられるようだが。

 代わりに、姉上殿がモードレッドの面倒を見ることが多くなった。城に入り浸るようになった人妻という爆弾になっている気もする。まあ、皆が知っている事実だから言おうにも誰も言えないのが現状なのだが。

 

 色々と噂が流れているせいでもある。我が王は誰にでも平等だが、同時に容赦のなさも平等なのだ。

 特に裏切り者が出ると王自らが嬉々として粛清に向かう。その容赦のなさは裏切ることを躊躇わせるほどのもの。

 凄まじい蹂躙っぷりは味方でも恐れるほど。我が王を恐れるとは貴様らそれでも忠臣か。

 

 良くも悪くも、我が王は王として名を確実なものとした。

 ローマの刺客を退け、暴走するブリテンに住まう獣を鎮める。

 円卓の騎士の名は、アーサー王と共に大きく轟いた。我が王に寄り付くメスが多くなったのは今でも腹立たしい。

 

 アーサー王の妻は私なのだぞ!!

 

 それをどこの骨とも知れぬ女に奪われたのは今でも許せん。

 最近、最も大きな出来事はそれだ。

 アーサー王の婚約。相手はボロクソに貶した女。

 ギネヴィアとかいうクソアマが何をどうしたのか、我が王を口説き落とした。そこからはとんとん拍子で婚約にまで行きつけた。

 私がどれだけアピールしても子供を仕込むどころか結婚すらしてくれないのに!

 

 ……ん? 押しが強すぎるから、だと? 殺すぞ。

 

 

「ですが、アーサー様はアルトリア様のアピールが強すぎて疲れる時がある、とぐええええ」

 

 

 ほう。貴様、調子に乗っているな。

 

 我が王に気に入られているからといって偉いわけではないんだぞ。立場もアーサー王の数多いる付き人の一人にすぎないのだ。

 普通の騎士と比べても上だろうが、右腕の私と比べればカスのようなものだ。

 

 

「申し訳ございませんアルトリア様! お許しを!」

 

 

 ふむ。口には気を付けるようにな。

 パーシヴァルなど、しっかりと守っているぞ。

 

 

「……ただの脅しでは

 

 

 何か言ったか?

 

 

「何も言っていません!」

 

 

 ふむふむ……。

 では、話の続きといこう。

 

 我が王とギネヴィアとかいうメスの結婚式をぶち壊す最善の方法を考えるとしよう。

 何か良い策はあるか、ギャラハッド。

 

 

「やらない方がいいのでは。いくらアルトリア様といえども、アーサー様は許さないと思います」

 

 

 何故だ! 何故私の我が王が寝取られるのだ!

 

 

「あの、机を叩かないでください」

 

 

 マーリンのクソは愛人でいいと言うわ、姉上殿は認知してくれるだけで十分と言う。

 揃いにも揃って吐くセリフはあの人の愛は独り占めするものではない。一人ではあの愛は受け止められないのだと言う。

 軟弱者共め。一人の愛する男の愛を受け止めずして何が女だ。

 

 私は我が王の愛の全てが欲しい。我が王の全ても。

 初めて出会い、ご飯をくれた時から。

 自分を全て肯定して受け入れてくれたあの時から。

 

 ――攫うべきなのだろうか。

 

 

「あ、アルトリア様! ご婦人がしてはならない顔になっています!」

 

 

 やはり結婚前に攫った方がいいのだろうか。

 攫うにしても、隠れられる場所やら愛の住処も用意せねばならない。

 いや、変装して旅をするのもいいかもしれない。我が王は旅は好きだったはずだから。

 

 

「おいおい。物騒な気配が漏れているぞ」

 

 

 ペチッと誰かに頭を叩かれた。

 むむっ。この感じは我が王!

 

 とりあえず抱き着いた。

 

 

「お疲れガラフくん。アホの相手をさせて悪かったな」

「いえ、お疲れ様ですアーサー様!」

「お。元気が良いねー……父親とは大違いだな、うん」

「私にとってはアーサー様は父のような存在です!」

「うーむ。めっちゃ懐かれとるわ」

 

 

 そういえば、ギャラハッドはあのクソ野郎の息子だったな。

 最初こそ、洗脳されて気が付いたら子供を身ごもられた事件で憐れんだがそれは無駄な行為だった。

 あのクソ野郎、しっかりと自分を保っていないから術に掛かったのだ。

 つまり、マーリンから言わせれば相手の女性にそんな気分になっていたからこそ簡単に術中にハマったのだということ。

 こんなのがガウェインに次ぐ栄光の騎士とか言われるのだから世も末だ。

 私にも粉掛けてくるからその度に対処はしている。クソ野郎のクソ野郎を蹴り飛ばしているのに懲りない。

 

 アイツは変態なのか?

 

 まあ、価値観が違う頭のおかしいと言われている(言った奴は粛清したが)我が王だ。

 ギャラハッドをギャラハッドとして受け入れ、一人の人間として騎士として接する。自分もそうだからわかる。自分を肯定してくれる存在はありがたいもの。

 自然と惹かれる。ギャラハッドも我が王に忠誠を誓うのも当然だった。

 クソ野郎でも騎士としては最良のクソの息子。本人はクソではなく、才能は普通の騎士とは比べ物にならないものがある。

 大いに我が王が期待するのも無理はない。

 ベディヴィエールのように付き人とし、共に行動することが多くなる。空いた時間には我が王が直々に訓練を行う。付きっきりで育てる徹底ぶりは普通の騎士が羨むものだろう。

 

 

「アーサー様、ギネヴィア様は?」

「式の段取りを終えてあとは初夜をどうするか揉めてる」

 

 

 ――――。

 

 

「ひぃ」

「お前、呪い殺すような目はやめろ。怖えだろ」

 

 

 ふ、ふん。いいですもんね。

 我が王の純潔は既に私が奪っていますものね。

 子供を取られた姉上殿はいずれ殺すとして。いつかは身籠りたいものです。我が王との子はとても可愛いでしょうね。

 

 

「うーん。それは言えてる」

 

 

 我が王もそう思いますか!

 

 

「とりあえずお前には育てさせないがな。お前に任せると変態二号が出来上がりそうだから」

 

 

 我が王の素晴らしさを伝えるだけです!

 それ以外は何もしません!

 

 

「むしろそれをするなって言ってんだよ。普通に愛情を注いで育てるだけでいいんだよアホ」

「クソ野郎はそれもしませんでしたが」

「まあ、どっちにしても正妻になるのはギネヴィアだ。お前が正妻でも良かったが、外交問題に絡むから彼女が正妻になる」

 

 

 ぐぬ。やはりユーサー王の実子という立場はまずかったか。

 

 

「婚前契約で閨は共にしないと記載したが、あちらさんが断固拒否して揉めに揉めまくってる状況だ」

 

 

 跡継ぎが欲しいと言うあちら。子供はモードレッドがいるから欲しくないので夜枷はノー。

 婚約前からそういう条件だよ、と我が王が言ったのだがギネヴィアとその父親がゴネにゴネて約束を反故にしようとして揉めているのだそう。

 

 

「跡継ぎを作るのは王の責務の一つと言うがもうモードレッドいるからなあ」

「たくさん作れ、ということでは?」

「王位継承権とかで揉めて殺し合いとかノー。子供は好きだがもうモードレッドがいるから更に欲しいとは思わんな」

 

 

 生まれた子供たちに平等に愛を注ぐ、とは簡単に言えるが。子供たちも皆が同じではなく、性格も子供の数によって増える。

 いくら平等に愛しても受け取る側の子供がそれをよしとするかは別問題。良い父親、母親ならそれもなんとかできるだろうが、自分はそもそも良い父親とは言えない。

 

 と、我が王は仰る。

 なるほど。しっかりと考えておられるのですな。モードレッドはクソ生意気で好かないが、我が王が大好きなのはわかる。

 私から見れば、良い父親なのだと感じるが。あと良い夫にもなれる。できれば私の夫になって欲しい。

 

 

「じゃあ、仕事に戻るか。ガラフくん、予定は?」

「あ、お待ちを」

 

 

 アグラヴェインから渡された我が王の予定を記した羊皮紙。それを広げてギャラハッドは確認をし始める。

 仕事が増え、予定をしっかりと把握していないととんでもないことになるから、とアグラヴェインはしっかり予定を組んでいる。

 できるだけ我が王がモードレッドとの時間を作れるように予定を立てている、とは聞いたが我が王がいないとできない仕事は山のようにある。

 時間が作れないとアグラヴェインが嘆いていたが、我が王は笑って許しておられた。

 

 いざとなったら執務中に会話しながらやるから。と

 

 無論、アグラヴェインは猛烈に反対した。あの悪夢は忘れられないらしい。

 少し席を外せば、モードレッドが我が王に剣を見せようとして大惨事になったらしい。詳細は知らないが。

 アグラヴェインが烈火の如く怒ったのはあれくらいではなかろうか。怒られたモードレッドは大泣きして城に泣き声が響き渡っていたのは記憶に新しい。

 今はもう反省しているが、相手は子供だ。何をしでかすかはわからない。

 

 それが理由か、アグラヴェインは嘆く。

 アホやバカの相手するのに我が王を派遣するだけ無駄なのでは、と。

 火急の用と聞いて行けば、ヨイショをして妾に自分の娘を――などというクソみたいな用事ばかり。呼び出すんじゃねえ! とアグラヴェインが吠えるのも無理はない。

 我が王の子が欲しい、妻になりたいのはわかるがもう少しやり方を考えろ。

 

 

「……なんでしょう。お前が言うな、ととても言いたいです」

「いちいち突っ込んでいたら身が持たんぞ。アルトリア、俺はもう行くからな。俺とじゃれたいなら仕事はキッチリこなしてからだ」

 

 

 今日の執務はもう終えましたが何か?

 

 

「……ガラフくん、今何時?」

「えっと……昼時前でしょうか」

「嘘だろ。仕事増えてるはずなのに終わる時間は変わらないってどういうことだ」

 

 

 無論、アグラヴェインには渡しておきました。非の打ち所がない内容だと褒められましたが。

 というわけで我が王、同行いたします。

 

 

「んー。視察くらいだからまあ、いいか」

「その後、何事もなければモードレッド様とのお時間が作れます。夜は何も予定はありませんので」

「お。なら今日は星でも見るか。ガラフくん、誰かに遣いを出してモルゴースさんに伝達を。視察が終わり次第、モードレッドと星を見に行くと」

「はい」

「現地集合な。先に城下町に行ってくる」

「護衛は……」

「ん」

 

 

 私を指差してくる我が王。

 お任せあれ! ねっちょりと我が王の背中を守りますぞ!

 

 む。何だギャラハッド。そんなに顔を引き攣らせて。

 

 

「アーサー様、大丈夫ですか?」

「……フッ。もう諦めたよ。最近は赤い竜の力も使えるせいでエクスカリバーないとマジ押し倒されるんだ。油断したら一気に押されるんだぞ」

 

 

 色々と対策を立ててるのに我が王に勝てないのは残念です。

 三日に一回、手合わせをする条件の中に勝てばなんでも言う事を聞くが、負けたら我が王の私室に入室禁止。こんなルールを作ってから何度も剣を交えたが、未だに勝てない。

 我が王の真の切り札を引き出せるように実力を伸ばしたが、未だにあれには勝てない。

 エクスカリバーにはなんとか、といったところか。負けないようにはできるが、追い詰められる前に手段を変えるのが早い我が王の前ではほぼ無意味だ。

 

 というか、我が王がまだ成長しているの恐ろしくてたまらない。ついでに濡れた。

 

 

「まあ、大丈夫だ。ガラフくんは伝達頼んだよ」

 

 

 心配そうな顔をするギャラハッドはそのまま、私たちと別れる。母上の部屋に向かったのはわかった。

 姉上殿がこちらに来る時には我が王の私室か、母上の部屋に泊まる。基本、モードレッドと共に過ごすようにしている。

 

 そういえば、モードレッドが生まれた経緯は我が王がベディヴィエールと旅をした時に違う姿に化けて夜這いをしかけて孕んだそうだ。

 三人もの女に化けて襲い、我が王の男としてのプライドをズタズタにしたとも。

 畜生。それは私がやりたかったことなのに。

 

 

「じゃあ行くか。護衛は頼んだぞ。というかいい加減に離れろ」

 

 

 お任せを。

 

 我が王は王の装束を羽織る。袖には手は通さず、肩に乗せるように着ると円卓の騎士が集う部屋の壁に立て掛けている鈍らの儀礼剣を腰に帯刀する。

 青い装束はやはり我が王に似合う。お忍びで出かける時の黒い装束もいいが、こちらは私の装束と似通っているからか、とても好きだ。

 以前のものは女性の面を出し過ぎるから少しは控えろとのお達しにより、コルセットで胸を締め付けるものに変えている。正直、胸が苦しくてしょうがない。

 まあ、胸を強調するような装束のせいでクソ野郎が来ると考えたら我慢するしかあるまい。

 我が王と二人きりの時はガンガン見せる感じで行ってる。

 

 

「アルトリア、例の計画はもう少しで実行に移す。そろそろ心の準備をしてくれ」

 

 

 それならばいつでも。私は我が王のもの。

 我が王の剣であり、槍であり、盾でありますので。使い潰してくれて結構。

 

 

「そこまではするつもりはないが……まあ、死なないように。本番はその後、事を為した後が重要なんだからな」

 

 

 うむ。場合によっては、あのランスロットや甥っ子たちとも《戦う必要》が出てくるのだ。

 今、こちらの味方だと確定しているのはベディヴィエールとマーリン。ギャラハッドにパーシヴァルもいずれは勧誘するとは言うが、甥っ子たちはどうするのだろうか。

 

 

「結果次第では俺は騎士王ではなく、魔王になる。あいつらの性格を考えれば魔王を討伐する勇者の方が似合っているだろう? 失敗した場合、計画は一気におじゃんになる」

 

 

 ガウェインやガヘリスは我が王に付いて行くとは思いますが――。

 

 

「ベディくんは俺を知っている。マーリンも俺を真に王と認め、共に歩むと言ってくれた。

 俺の真実を知っている人間ならいいが、それ以外だと大きなリスクを伴う。それに、お前がいてくれるだけで俺は心強いからな」

 

 

 ――。うむ。これが尊い、か――。

 

 

「だから俺達四人だけでやる事も考えて――ん?」

 

 

 む? どこからか声が聞こえる。この声はギャラハッドか?

 アーサーさまああああああと轟いてきた。

 

 

「ガラフくん、あんなキャラだっけ? なんかあったのか?」

 

 

 とりあえず折檻ですな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(  Д ) ⊙ ⊙

(  Д ) ⊙ ⊙

(  Д ) ⊙ ⊙

 

 

 我が王、アグラヴェイン、ケイが同じ反応をしている。私も似たような反応だ。

 ええぇぇ……何が起きたのだこれは……。

 

 

 

 

 

 







 今回は円卓のキーパーソンであるギャラハッドくんがメイン。
 伝説ではギャラハッドくんが先に円卓の騎士になってパーシヴァルは後らしいことに気付いた(テヘペロ)

 アーサーくんは彼をガラフくんと呼ぶのは発音しにくいのが理由なのはアーサーくんだけの秘密である。
 呼びやすい呼び名を付けるのは少しでも親しくなろうとしたアーサーくんの手段といえる感じです。
 なんとかスロットがdisられているのはご愛敬である。

 そして最後は次回を待て。
 じゃあ、宝具レベルが5になった沖田さんとメルトちゃんを育ててくるわ(吐血)



今回、投稿した理由を考察せよ。(結果次第でやる気増減)

  • 頑張って書いたから
  • 仕事の合間に書いた
  • ゲームが落ち着いたから
  • コイツ、バニー乳上見て書いたな

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