騎士(キチ)王   作:ひつまぶし。

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 最後の賭けに挑む前に祈祷する自己満足番外編です。

 爆死したら消します。当たれば更新します。




 本編早く進めろって声が聞こえるけどキャストリアが来なくてモチベが上がらねえんだ……。

 例にもよって自己満足なんで覚悟を決めてどうぞ。






自己満足祈祷番外編「キャストリアがやってきた!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ご機嫌なアルトリア。いつものように少し早い時間に起床し、彼女が愛する主を起こしに行く。

 現代まで生き永らえ、現世の文化や文明に触れた彼女はお気に入りの歌を鼻歌で奏でながら足早に、それでいて静かにカルデアの廊下を歩く。

 少し前までは主の部屋に近い位置、それも隣の部屋に配置されていたのだが、度重なる性的な悪戯によって主が罰を下し、今では少し歩かねばたどり着けないような距離を置かれた。

 それでも彼女は挫けない。何故なら、彼女は主を愛しているからだ。

 

 

「おはようございます。我が王……フヒヒ」

 

 

 罰もなんのその。懲りずに悪戯を繰り返すアルトリアの顔は見せられないほど歪んでいた。気の所為でなければ口の端から涎が見える。

 よくよく見ると、部屋に入る際のドアがひしゃげているようにも見える。

 

 薄暗い部屋、微かに聞こえる寝息。まだ寝ているらしい主に、どう悪戯しようかと手を妖しく動かしながら近付くと、気が付く。

 ――アレ。なんか我が王大きくなった?

 アルトリアはよく朝這い、夜這いを仕掛けることがあるが、その際に我が王、主の寝床に潜り込む輩がいることは知っている。

 娘であるモードレッド、形式上はマスターである彼女。故に、膨らみの大きさを見れば誰が潜っているかは大体予想はできる。

 が。この大きさ、どれとも合致しないそれは大いに戸惑わせるもの。

 

 というか誰だコレ。といった感じでバサリと布団を捲る。

 ぐあっとよくわからない呻き声を出すアルトリア。何故なら、主の布団に潜り込んでいた不届き者は自分によく似た人物であったから。更に、見たこともない自分が手と足を使って主の胴に抱き着いて幸せそうに寝ているのもある。

 

 

「…………よし。殺そう」

 

 

 ぐいっと自分の愛用の武器である槍を構えるアルトリア。

 

 ――主、アーサーがキレる二秒前の出来事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「選定の杖?」

「いわば、選定の剣とは別種の儀礼武器みたいなもんだ。似たようなのならマーリンの杖も選定の杖とも言える代物だ」

 

 

 ズズズと熱いお茶を啜るアーサーさんはそう説明する。隣にはまたアルトリアさんに似たアルトリアさんが同じように至福。と言わんばかりに一緒にお茶を啜っているけど。

 

 

「アルトリアが王にならなかった世界線の過程がこの子だ」

「アルトリア・キャスターとお呼びください。今後、よろしくお願いします」

 

 

 今後……? アルトリア・キャスターと名乗ったアルトリアさんは深々と頭を下げる。

 

 

「前にも言ったが、本来の世界線はセイバーがアーサー王であること。それ以外はソロモンの人理焼却の影響で生まれたものもあれば、俺の影響で生まれたアーサー王のIFが存在しているわけだが」

「私は違う世界線で、魂だけになって彷徨う《相棒》に出会って縁ができた結果、こちら側の世界に来れたわけでして」

「その世界線のマーリンにはこの子の世話と鍛錬を任された」

「なのでよろしくです」

 

 

 は、はあ。と思わずそんな返しになった。

 うーん。皆が言ってるアルトリア特攻が遺憾なく発揮されてるよねこれ。アルトリア・キャスターさんの様子を見ればなんとなくアーサーさんにただならぬ感情を抱いているのはわかるし。

 まあ、仲間が増えるならいいかな。正直、これからの戦いを考えると少しでも戦力は欲しいし、アーサーさんだけに負担を強いるのもダメだしね。

 

 

「つきましては、そこのマスター殿にお願いがあります」

 

 

 ズズイ、とアルトリア・キャスターさんが顔を近付けてくる。アルトリアさんそっくりだから綺麗な顔立ちをしているな、と感想が出てくる。

 女神のアルトリアさん、乳上達と比べると幼い。多分、セイバーやオルタと同じくらいの年頃だろう。

 

 

「部屋の準備はしなくてもいいです。代わりに、アーサーと同じ部屋でお願いします」

「あ゛あ゛ん!?」

「アルトリア、ステイ」

 

 

 返事をしたのが私じゃなくて縛られて正座させられているアルトリアさんだった。首からプラカードぶら下げて『私は懲りずに同じことを繰り返した痴女です』と書かれている。

 

 

「我が王! なりません! なりませんぞ! こんなのと一緒にいたら我が王の貞操が!」

 

 

 刺さってる刺さってる。アルトリアさん、頭にでっかいブーメランが刺さってるよアルトリアさん。

 

 

「お前よりマシだよアホ。とりあえずマスターちゃん、部屋はゆっくりでいいから準備してくれ。積もる話もあるだろうからしばらくは俺の部屋に泊める」

「馬鹿な!?」

「やったー!」

 

 

 対照的な二人。片や絶望、片や歓喜。二人の同じ顔がそれぞれ違う反応をしているのは見てて面白いなー。

 うん。わかった。でもいやらしいことはダメだからね。

 

 

「それはコイツに言ってくれ」

「早まらないでください我が王!」

「何をだよ」

「そいつもアルトリア同盟の一人! ムッツリスケベの獅子王や見せたがりの黒いのとか、こっそりと寝ている我が王にキスするセイバーとか我が王のコップで間接キスして真っ赤になるちっこい方の黒いのとかと同じように我が王を性的に狙っているのです!」

 

 

 えっ。

 

 思わず食堂の一角に集まるセイバー以下、アルトリア同盟なる面々を見る。

 セイバーは顔を真っ赤にし、オルタは顔を背けてわざとらしく咳をして(耳が真っ赤)、獅子王の乳上は大慌てで大声で弁解を始め、黒い乳上は誰が見せたがりだと叫んでいた。

 うーん。カオス。

 

 ちょっとまーぜてっ。

 面白そうなので避難して愉悦組が集まるテーブルに行くことにする。誰もがニヤニヤと騒ぐアルトリア同盟を見ていた。

 いつの間にやら四人が縛られているアルトリアさんの傍に寄って全員で蹴りを加えている。何をする貴様らー! と随分と余裕のある悲鳴を上げるアルトリアさんの様子から大丈夫だろうな、とアーサーさんと同じお茶を飲む。ぷはー。

 

 

「うーん。こんなだらしない子持ちオッサンでもモテるもんだな」

「だってアーサーは魅力的ですから」

「嬉しいこと言ってくれるねー……っと、どう呼べばいいかね。アルトリアはアルトリア呼びで固定しているし、陛下も違うし」

「相棒が呼んでくれるなら、なんでもいいですよ」

「んー……アルトリア・キャスターなら……キャストリア、はどうだ」

「キャストリア、ですか。うん。相棒が呼んでくれるなら嬉しいです。これからはキャストリアと」

「よろしくな。キャストリア」

「はい。相棒……アーサー」

 

 

 嬉しそうに微笑むアルトリア・キャスターこと、キャストリア。

 その笑顔には、アーサーさんも少しタジタジの様子。あれ、珍しいな。

 

 

「っとと。キャストリア、魅了の魔術が漏れてる」

「あっ……ごめんなさい相棒。嬉しくってつい制御を間違えました」

「気にするな。今からでもしっかりと制御できればそれでいい」

「相棒……」

 

 

 ねえ、兄貴。あれがメスの顔ってやつだよね。

 

 

「……なあマスター。もう少し女の子らしくできねえのか。平気で下ネタを話すし、俺らに混じって猥談はするわ……」

 

 

 なんかもう、吹っ切れちゃった。

 

 もう一度キャストリアを見ると、潤んだ瞳でアーサーさんを見ているのがわかる。うーん。やっぱりアーサーさんはスケコマシだね。

 

 

「我慢ならん!!!!!」

 

 

 ズゴシャアと蹴っていたセイバー達を蹴散らしてアルトリアさんがこっちに来た。

 いつものハイパーロンゴミニアドの切っ先をメスの顔をしているキャストリアに向ける。

 

 

「我が王は私の夫だぞ! 人の夫を寝取ろうとするならばこの槍で貴様を貫いてやる!!!」

「……えーっと」

「馬鹿は無視していいぞ」

「えっと、ごめんなさい。相手はできません」

 

 

 ペコリと謝るキャストリア。その間に蹴散らされたアルトリア同盟の面々を介抱するアーサーさん。

 すると、言い訳と言うか弁解をし始める四人。全員が顔を真っ赤にして違うからな! みたいなことを繰り返しながらアーサーさんに説明していた。

 性欲はあるけどガツガツいかないのは完全にアルトリアさんの影響なんだよね。たまにレイシフトして一発カマしたとアルトリアさんが自慢するのを聞けば嫌でもそう感じるよ。

 おかげでなんかカルデアは性に関して緩くなってるし、ちょっとやそっとではエロいハプニングに遭遇しても何も感じなくなっちゃったよ。

 歩く公然わいせつ物がいたらそうなるよね。しょうがないしょうがない。

 

 そしたら、今にも泣きそうな顔で兄貴、クー・フーリンやエミヤママが肩を叩いて慰めてきた。

 エミヤからはお菓子ももらえたよ。わーい。

 

 歩く公然わいせつ物といえば、アーサーさんの天敵のキアラはどうしたんだろ。こういう時は乱れて交じってヒャッホイしようぜ(直球)とか言い出しそうなのに。

 

 

「ぐぬぬぬ……ならば!」

「?」

 

 

 ババッと胸の谷間から何かを引っ張り出すアルトリアさん。手に握られているのは布切れのようだ。

 キャストリアが首を傾げ、私も首を傾げる。食堂にいるサーヴァントの何人かが更に首を傾げる。何だろうあれ。

 

 

「見よ! これぞ至高の宝具たる我が王の汗が染み込んだタオルである! トレーニングをしてたっぷり出た汗をこれが吸い取り、染み込んでる一品である! 貴様が私に勝てたのなら、これをやろう!」

 

 

 ガタガタガタタッと何人かが椅子から立ち上がる音が聞こえた。

 音が聞こえた方を見る。まず目が合ったのは邪ンヌだった。目が合うと、ハッとした様子でなんでもない風を装って椅子に座りなおす。

 なにもなかった体をしているけど、すんごいソワソワしているのは丸わかりだよ邪ンヌ。超かわいい。

 

 

「なんでそんなモンをお前が持ってんだ」

「さあどうだ! 貴様も我が王を愛しているのであればこの勝負、逃げるわけにもいかないだろう!」

「聞けよオイ」

「――いいでしょう。その勝負、受けて立つ!」

「オイ待てキャストリア」

「タオルはいりませんが、私とてアーサーの相棒を名乗る者。相棒と並び立ち、戦う者としては力の証明はしなければなりません! ……タオルはちょっと欲しいけど

 

 

 すごい小さい声でなんか言った気がするけど、聞こえなかった。

 

 そこからはとんとん拍子でアルトリアさんVSキャストリアの流れになり、カルデアの食堂にいた何人かがトトカルチョを始める始末。

 うーん。取り合えずシミュレータールーム借りようか。

 あ。クーの兄貴。私はキャストリアに賭けるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやー。決闘は大盛り上がりだったよ。

 ホクホク顔で大満足。キャストリアがまさかのアルトリアさんに勝利で大儲け大儲け。

 

 アーサーさん曰く、俺の持つ剣は全部あげたから使い方をマスターしたらそりゃアルトリア並よ。だそうだ。

 何やってんのアーサーさん。前に魂になった時に剣の宝具のとしてのランクが軒並み上がったって言ってなかった? そんなものをあげて何をしてるの?

 

 

“マルミアドワーズとか使いにくかったからあげたらめっちゃ喜んでたからつい”

 

 

 つい、であげるもんでもないでしょうに。

 

 キャストリアの戦い方は単純。剣を触媒にして魔術を行使すること。

 アーサーさんの剣だから触媒としては最高峰のもの。故に、大魔術やキャスターの面々が唸るほどの魔術を操ってアルトリアさんを倒していた。

 

 

“で、あとはエクスカリバーとかクラレント持てば間違いなく文句なしのグランドクラスの仲間入りはするだろうな。俺もグランドセイバーの看板を下ろす時かもな。はっはっは”

 

 

 結論としては、超ド級の新人だったキャストリア。

 アルトリアさんは負けて引きこもっちゃったし、勝者のキャストリアはアーサーさんとルンルンと部屋に戻ったし。

 少し今後の関係が心配だけど、問題は別にある。

 

 アーサーさんとどのアルトリアがくっつくかの賭けにとんでもないダークホースが現れたことである!!

 

 あ。私はセイバーだよ。正統派って感じで、元主従の関係としてはくっついてほしいよね。

 多分、レートとか変動しているんだろうな。あとで確認しとこ。

 

 アーサーさんの部屋の前を通り過ぎる前、ちょっと挨拶をしていこうかなといつも開けっ放しにしているドアを開けて驚かせながら入ろうとしたら。

 

 

「――」

「――」

「――」

 

 

 時が固まる音が聞こえた。

 部屋に入れば、キスし合ってるキャストリアとアーサーさんが。しかも私が入ってきたからか、キスしたまま固まっている。

 うーん。あー。うん。

 

 ゴムだけは忘れないようにね! キャストリア!

 

 ――顔を真っ赤にしたキャストリアと鬼ごっこが始まるまで三秒。

 

 

 

 ちなみにキスしたのはご褒美らしい。いきなりされたからアーサーさんも反応できなかったんだって。

 後日、アルトリアさんが闇落ちして特異点を生み出すのは余談だよ!

 

 

 

 

 







 時系列としてはかなり先。多分二部か1.5部じゃねえかな?





今回、投稿した理由を考察せよ。(結果次第でやる気増減)

  • 頑張って書いたから
  • 仕事の合間に書いた
  • ゲームが落ち着いたから
  • コイツ、バニー乳上見て書いたな
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