タイトルは主にベディくんに対するものです(笑)
……あの、アルトリウス殿。
「ん?」
おかしく、ありませんか?
「何が?」
いや、あのですね。その格好は騎士としてはいかがなものかと。
「何で?」
アルトリウス殿、アーサー王がまた変なことをしている。
キャスパリーグを頭に乗せ、盾を二つ両手で構えている。騎士どころか普通の人間でもやらないと思う。
まるで鳥のように手を広げているのは何かの儀式なのだろうか。
「カッコいいだろ。ドヤ顔ダブルシールド」
「フォーウwww」
頭が痛くなってきた。ケイ様はよくこの方を抑え込めたものだ。
それよりも船になる魔法の盾ではない方の盾はどこから持って来たのだ。
「あ? これか? 金剛石の盾だ。ユーサーの宝物庫からパクってきたもんだ。ついでにこの剣も飾ってたから貰って来た」
……あの、私の記憶に間違いがなければなのですが。
宝物庫には警備の者がいたのでは?
「殴って気絶させたぞ」
な、なんてことを……ッ!
「大丈夫だ。中に書置き残してるから可哀想な騎士くん達はクビにはならんよ」
そういう問題ではありません……! 打ち首にはならなくとも、閑職に飛ばされるではありませんか……!
「危険な仕事をしなくて済むから万々歳だろ」
それは騎士に騎士として死ねと言うものです。
アーサー王の頭はおかしい。宝物庫の警備に抜擢されるのなら、少なくとも腕に自信のある騎士だ。
もしかすると、私と同時期にアーサー王の騎士団に入った者かもしれない。
ケイ様が選んだ者だ。ケイ様もまさか身内から、それも一番上の王に宝物庫を破られるとは夢にも思わないだろう。
あの方の怒りはどれほどのものになるのやら。
それとあの、もしやその馬は……。
「コイツか? ドゥン・スタリオンだ」
アルトニウス卿の馬ではありませんかーーー!!
「元々は彷徨ってたコイツを躾けたのは俺だぞ。ユーサーの戦の時は貸していただけだ。でなきゃ、いくら俺でも蹴っ飛ばされるだろ」
頭が痛くなり過ぎて気分が悪くなってきた。
なんだこの王は。自由過ぎるだろう。もっとこう、何かないのか。
そういえば、アルトニウス卿が駆っていたドゥン・スタリオンはアーサー王が連れ出したのではなくて追い掛けてきたのだった。
その際に、魔法の盾であるプリドゥエンもドゥン・スタリオンが持ってきていたではないか。
いかん。頭痛のせいで記憶が消えている。
それよりもアルトリウス殿。どこへ向かっているので?
「ん? 俺の生まれた地だ。呼び出し食らったからな」
―――は? アーサー王が、生まれた場所?
そういえば、誰も知らない気がする。
破天荒な普段の振る舞いのせいで忘れがちだが、どこで生まれて育ったのか聞いたこともない。
普通なら、これほどの力を持つ者は由緒ある家の生まれのはずなのに。
それに、呼び出しとはどういうことか。
「キャスパリーグがメッセンジャーでもあるんだ」
「フォウッ」
「ちなみにコイツ、エクスカリバーでぶった斬っても死なない怪物だからな。下手に怒らせるなよ」
ブフォ!?
「だろ? 追い掛けて来た時はそりゃ、驚くわ」
「ファー」
「良かれと思って! じゃねえよ」
王によれば、ガウェイン卿と模擬戦闘を行い、打ち負かした後に散歩をしたら出くわしたのだそう。
本気でエクスカリバーで斬り付けたのに死なないから泣きそうになったと笑っておられるが、私からすれば悪夢以外のなにものでもないのですが。
名目上はキャスパリーグはマーリン様のペットにしているらしい。魔術師マーリンのペットなら何があってもおかしくない点を突いたらしい。
というか、この可愛らしい小動物の正体を知ったら世界が恐怖のどん底に叩き落される。
「安心しろ。なんかこれ、俺の傍で楽しいことが起きればビーストにはならんらしい。第四の獣とか無駄にカッコいい美味しいポジション持ちだぞコイツ」
? ???
「
――――――――。
「ありゃ。固まっちまった。お前のせいだぞキャスパリーグ。クソチート能力なんて持ちやがって」
「フォフォーウ!」
「あん? お前も大概だろって? 馬鹿野郎。お前、俺のアレは条件付きだ。お前が完全にビーストになったら問答無用でぶっ殺してやるから首を洗って待ってろ」
「フォフォフォwww」
「雑魚が吠えておるwww じゃねえぞクソ毛玉ァ!」
けいさま、このべでぃう゛ぃえーるをおたすけください。
もうやだ……この人と一緒にいると頭がおかしくなるぅ。
「おう。帰ったぞ。
ケイ、このベディくん、気に入ったから俺の側近にして。顔もいいから近衛兵辺りに抜擢よろ」
「待て待て待て待て」
寝るかーと我が王が去ろうとすると、ケイが引き留める。
我が王が帰って来た。半月にも満たない期間だったが、我が王がいない間はてんやわんやであった。
宝物庫が何者かに襲われ、いくつかの品々が奪取された時は城内が殺気立ったが、我が王の書置きで違う意味で色めき立ったが、ケイとアグラヴェインが必死で動いたおかげで事なきを得た。
我が王がいない間、湖のランスロことランスロットも正式に騎士団に加入した。妙に馴れ馴れしい奴だから細目より嫌いである。
あと、マーリンが泣き叫びながら城内を走り回る奇妙極まりない光景も見られた。今はメソメソと部屋に籠っているが、少ししたら出てくるだろう。我が王が帰って来たし。
……え? 私? うむ。しっかりとどっしりと我が王の帰りを待っていましたぞ。
「お前がいないせいでアルトリアが暴走して聖槍の力で所構わず破壊して回って大変だったんだぞ」
……ま、まあ。少しだけ動揺はしてました、よ?
ええ。新しい城を築くための整地をですね。やってましたとも。ええ。
「俺を逆レしたのが悪いから暫くは俺から離しといて」
わ、我が王! 捨てないでください!
「ぬあっ! 足にしがみつくなアルトリア!」
「頼むからこれ以上問題を起こすな。アグラヴェインも胃を痛めて寝込んでいるんだぞ」
我が王! 我が王がいない間、人肌恋しくて夜も眠れていません! 我が王の匂いのついた枕ではもう限界です!
「ステイステイ! お前、留守にしている間に何があったんだ!? 変態みたいになってんじゃねーか!」
「……ハァ。アーサー、お前から話を聞くのは後回しだ。俺は先にこのベディとやらに話を聞いておく」
「っておおおい! ケイ、これを放置すんな! 何とかしろ!」
我が王のかほりクンカクンカ。
暴れる我が王をがっしりとホールドして久方の生我が王を堪能する。
……? 何だこれは。前の我が王とは何かが違う?
「け、ケイ様」
「わかってる。どうせアーサーに無理矢理連れ出されたんだろう。そこはお咎めなしにしてやるから何をしていたかを話せ」
「は、はい……あの、ケイ様。ケイ様は知りたくもなかった事実を知ってしまった時はどんな反応をすれば良いのでしょう」
「は?」
「アーサー王が人間的に失格なことも、頭がおかしいことはいいのです」
「あー、あー、それはだな」
「ですが、世界を滅ぼす黙示録の獣だとか、ビーストだとか、既にこのブリタニアが滅びる運命にあるだとか、アーサー王の生まれた意味だとか、アーサー王が王に選ばれた本当の理由だとか――しりたくもなかったカハッ」
ぐるん、とベディくんとやらが白目を剥いて気絶する。
ケイが崩れるベディくんとやらを抱き留め、衛生兵ー! と叫ぶ。
なんか色々と爆弾発言をしている気がするのだが、我が王的にはどうなのだろうか。
「んー。内緒」
ベディくんには悪いことしたなーと我が王は言う。
――思えば、この時に我が王はアーサー王としての運命の渦に飛び込んでいたのだろう。
このブリタニアとは違う場所、時間で再び我が王と会うことはできたが、少しでも聞き出しておけば我が王は救われたのだろうか。
――いや、我が王なら笑ってこういうはずだ。
「やっぱ暴れるのは楽しいわ」と。楽しそうに嗤いながら言っただろう。
私ならば、間違いなくこれを仕組んだ奴を八つ裂きにしていただろう。
もしかしたら、怒り狂って狂い果てた先にできたのが今の我が王だったのかもしれない。
誰もがアーサー王を狂っていると言った。狂わなければ、自分を保てなかったのかもしれない。
「おーい、アルトリア。マスターちゃんがいつもの時間だってよ」
……ですが、いいでしょう。
私は我が王を愛している。それだけでいいのだ。
今なら、我が王を本当の意味で支えられる。
ところで我が王、今夜は夜這いをしてもよろしいでしょうか。
「だめ」
くぅーん。
SAN値直葬に近い状態のベディくん。アーサー王の秘密とか知ってはいけないような情報を知って気絶した模様。
実はアーサーくんが失踪していた間にいくつかの事件が起きていたけど、もうバッサリカットして少しでも書きやすくした作者を許しておくれ。
ベディくんはアーサー王の儀仗兵という役職だったのでそのまま採用。
アーサー王伝説を調べてると色々と面白いことがわかって納得する自分でした。
アルトリアは平常運転。
やる気が続いたらFGOもやります。続けばね。
上乳上が出ないので書いたら出る法則に当て嵌めたら下乳上が宝具レベル5になったぞどういうことだ。
あれか。上乳上はアーサーくんのものだからか。