もう一度ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:夜桜 楓
エイナさんと別れた僕は、主神であるヘスティア様に会うために旧ホームである教会に来ていた。
「神様ー居ますか?ただいま戻りました」
「おっかえりー!ベル君!!今日はずいぶんお早いおかえりだね!!」
僕が教会の扉を開けるとそこには、今まで何度も共に笑い共に歩んできた、主神の笑顔があった。
僕はあまりの懐しさと再び自分の敬愛する主神に会えたことによる嬉しさで頬に涙が伝う。
「おいおい!どうしたんだい?ベル君!どこか怪我をしたのかい??痛いところはあるかい??」
いきなり、泣き出した僕を心配して神様が僕に駆け寄り、心配そうに声をかける。
「いえ、怪我はしてませんよ。痛いところもありません。ただ神様の顔がまた見れた事がすごく嬉しくて」
「んな!?べ、べ、ベル君、ついに、ついに僕と君は相思相愛になったんだね!!!」
「ち、ち、違いますよ!いや、違わないですけど!神様は神様と言うか、なんと言うか!」
慌てる僕を見て神様は、にやりと笑い僕に声をかける。
「照れなくても良いじゃないかベル君、さぁさぁ中に入って僕達の愛を育もうじゃないか!」
神様はそう言うと僕の腕に自分の腕を絡ませて、ホームの中に引っ張って行くのだった。
「神様!違いますってばーーー!!」
ギルド本部
そこには、オラリオ創世に携わった大神ウラノスとフードを被った男が居た。
「ウラノス、数時間ほど前に下界ではあり得ないほどのアルカナムが観測された」
「あぁ、こちらでも観測している。フェルズ、異端児達に異常は無いか?」
「彼らには、何も問題は起きていないよ。だが、これはいったいどう言うことだこれほどのアルカナムを使えば天界への送還は免れないはずだ。」
「確かにそうだ、だが今回にしろ8年前に起きた時も神が天界に送還された形跡はない。」
「そういえば、8年前にも同じことがあったね。いったい何が起きているんだ。」
「こちらでヘルメスを使い調べさせる。フェルズ、お前は異端児達に異常が出たらすぐに報告しろ。」
「分かった。あれほどのアルカナムだ他の神も気付いているだろう。」
ロキファミリアホーム黄昏の館
そこには、ロキファミリア主神のロキとオラリオ随一のパルゥムの勇者が居た。
「フィン、団員達を使って天界に送還された神が居らんか調べさせえ」
「それは、先程のアルカナムと関係があるのかい?」
「あぁ、そうや、8年前と同じや」
「なるほど、どうりで先程から親指が疼く訳だ。だが8年前と同じと言うことはまた、彼女と同じような人間が訪れたと言うことかな」
「さぁな、どちらにせよ、オモロイことになりそうや」
バベル最上階
そこには、ロキファミリアと肩を並べるファミリアの主神フレイヤとオラリオ最強の冒険者「猛者」オッタルが居た。
「フレイヤ様、先程の力は8年前と同じ・・・」
「あら、貴方も気付いたのオッタル、そうねあの時と同じよ、時代が動くわ」
かつて英雄と呼ばれたベル・クラネルの預かり知らぬ所で時代は正史とは違う方向に少しづつ帆を進めるのであった。