fgo/cosmos in the lostbelt 黙示録の銀星   作:虚無の魔術師

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ある日の話。


ディオスクロイ(兄)『ディオスクロイ、現界した───』

私「え?兄貴の方、死ぬほど声が低いやんwww」

マイフレンド(ライダーじゃないリアルの)「いや、お前の方が声低いよ。FGOのどのキャラよりも」

私「え?嘘?」


────マジらしいです。


第十三節 次の一手 ★

────誰も彼も信用できない。

 

 

14歳の頃から、全てを敵と定めていた。大勢の者から向けられる嫉妬と敵意、それらを身に味わい続けてきたのだ。

 

 

魔術師としての才能を妬いたのか、父親が『あの魔術師』だという噂に嫌悪してるのか、別にどちらでもいい。

 

 

 

───どちらでも、良かった。何の感傷も無かったのだ、怒りも悲しみも。

 

 

 

しかし転機はあった。

カルデアに勧誘されたのだ、してきのはオルガマリー・アニムスフィア。上から目線だったがまぁ魔術師なんて大抵そんなものなので気にしてはいない。

 

彼女が語るに、カルデアは人類の中でも最も偉大なことを成そうとしているらしい。

 

 

『グランドオーダー』、それを果たすのがカルデアの目的。本来では有り得ない過去の事象、特異点なるものを破壊し、人類の未来を守る。

 

聞いていて愉快に思えたので聞いてみた。それをして俺にメリットはあるのか?と。

 

 

『その偉業を果たせば、貴方だって認められるわ。■■■■■■・■■■■■の悪名も、それで取り消されると思うのだけど…………どうかしら?』

 

彼女の言い分には、納得するものがあった。きっと同じ立場にいる人物だからなのだと察せることが出来た。

 

 

────誰からも認められず、誰からも受け入れられなかった。それで言えば、自分は酷く納得している。

 

 

カルデアに入ったのも、人類を救いたいと思ったわけでも、彼女の為というわけでも…………いや、少しはそうかもしれない。けど、何で入ったのかよく思い出せない。

 

 

自分の実力から、Aチームに所属することになった。結果的には二番目という順位だが、悪くない感じだ。

 

『グランドオーダー』の直前、Aチームの皆と触れ合いも覚えてる。忘れることなど出来るわけがない。

 

 

 

───カドック・ゼムルプス

 

やさぐれたような魔術師。自分を平凡だと思ってるらしく、挨拶をした当初は俺の事が苦手だと面を向かって言われた。けど、今はだいぶ落ち着いたと思う。軽口は言い合えるぐらいには。

 

 

───オフェリア・ファルムソローネ

 

数少ない『友達』の一人。同じ時計塔の出身という点もあり一番最初に仲良くなれた。魔眼の効果が凄いので似たような魔術兵器を作りたいと話したら、苦笑いされた。

 

 

 

───芥 ヒナコ

 

無口というか基本的に無愛想な子だったかもしれない。何というか───『人間じゃない』のは分かっていたが、黙っていた。隠すのには理由があるだろうし、何より俺も同じだったからというのが理由だ。

 

 

 

───スカンジナビア・ペペロンチーノ

 

オフェリアと同じ、数少ない『友達』。コミュニケーション力が凄く、普通に俺に接してくれた。友達だと言ったら嬉しそうだった。レイシフトの後でマシュやオフェリアともお茶会をしたのも良い思い出だ。

 

 

───キリシュタリア・ヴォーダイム

 

我等がAチームのリーダー、そう評するに相応しい人だ。才能で言えば互角くらいだが、普通に勝負して負けた。次は君も勝てるだろう、と言われたからには勝つしかない。今度こそ勝って見せるぞキリシュタリア。

 

 

 

───ベリル・ガット

 

飄々としてるというか、全般的に気の良い人物だ。

 

だが、彼は普通ではない。怪しいというか何か裏があると思う。仲間を疑いたくはないが、もしもの為に警戒を怠らないようにする。

 

 

───デイビッド・ゼム・ヴォイド

 

 

無口、あまり他人と触れ合うことがない。

感覚の鋭さから、俺の正体に気づいてたらしい。黙っていて欲しいとお願いしたら、普通に受け入れてくれた。ミーティングの際に、神話について話を聞こうと思う。

 

 

 

そして────マシュ・キリエライト

 

感情が乏しい娘だった。少し会っただけで、余命が二年だというのを気づけた。それでも何とか人生を謳歌しようとしてる彼女を助けたいと思った。

 

 

 

 

 

この全員でグランドオーダーを達成しよう、そう誓い合った。そしてこの戦いが終わったら食事会をしようとも提案した。契約したサーヴァントたちと一緒に、皆で。

 

 

 

しかしそれは叶わなかった。あの日、当日に俺たちは爆破によって死にかけた。コフィンの中で凍結されていたが、死ぬのは時間の問題。

 

しかしそんな所で、『奇跡』が起こった。

 

 

 

『選ばし君たちに君たちに提案し、捨てられた君たちに提示する』

 

異星の神、クリプターを生き返らせた存在。そして人類史を白紙化させ、自分達に異聞帯を与えたモノ。

 

 

 

『栄光を望むならば、蘇生を選べ─────怠惰を望むのならば、永久の眠りを選べ』

 

何が目的か、何をしたいのかも分からない。だが、俺たちを利用する気なのは分かった。運が良いと喜ぶべきだろう。

 

 

 

『神は───どちらでもいい』

 

 

本来、起きる筈のない『奇跡』が自分達を救ったのだ。そう思うと様々な感情が沸き上がる。その内の一つが、彼の心に深く浸透した。

 

 

 

 

───なんだ、それ

 

自然と笑みが零れる。諦めに近いモノに駆られた失笑。超次元的な存在の慈悲に喜ぶどころか、どす黒いナニかが支配し始めていた。

 

 

 

─────その『奇跡』で、『あいつら』を救ってくれなかったんだな

 

 

 

激しい失意と絶望が心を支配する。それと同時に何かが壊れる音がした。

 

 

 

今まで耐えきり、不安定な心中を支えてきた重要な柱が。粉々に砕けるような。

 

 

 

 

 

 

『三騎士』の襲撃から少し経った頃。

藤丸立夏とマシュたちは簡易拠点で解放軍と休んでいた。シャドウ・ボーダーは解放軍の本拠地で待機している。故に通信での会議を開くことになった。

 

 

「────現状から言おう、我らが『解放軍』の損害。兵士及び民間人の死者は五千人、負傷者は一万六千。そして総長が倒れてしまった」

 

「………ジャックさんが、倒れたんですか?」

 

盲目のランサーの語る話に、マシュは唖然としていた。自分達の知らぬ場所での死、それは重く来るものだった。

 

 

『倒されてしまった者の話は後にするべきだ!我々にはそれよりも優先する事があるだろう!?』

『………ミスター・ゴルドルフの言う通り。我々カルデアは強敵、シュヴァリオンの打倒を考えなければならないと思う』

「因みに聞かせて貰うが…………カルデアの策士には策があるか?奴等を突破できる事が可能か?」

 

平静にしているホームズの声に、騎兵クラスのサーヴァント、ヒッポリュテが問いかける。

 

 

今まで多くの難所を突破する名探偵は息を漏らす。深く重苦しいものだった。

 

 

『…………こういう事を言うのは名探偵として相応しくないが────────不可能に近い。白旗を上げる準備をした方が遥かに良いと思うがね』

 

全員が言葉を失う。今までの彼を見てきた立夏とマシュたち、カルデアの面々だからこそ、衝撃は他の者たちよりも大きい。

 

 

 

『まず、我々の戦力が足りない。味方するサーヴァントたちは確かに強い。アマゾネスの女王であるミス・ヒッポリュテにランサー、そして彼の有名な騎士 ミスター・ロジェロ。

 

 

 

 

それでも足りない、我々の敵はシュヴァリオンだけではなく異聞帯の王がいる以上、後三人は必要だ』

 

シュヴァリオンの従える異常な強さを持つ『三騎士』、それと『異聞帯の王』、現在人々を押さえている悪魔勢力もいずれは敵に回る。

 

 

『そしてもう一つ、彼等の動きが読めない。何時どの時に行動するのか分からない以上、下手に動けば包囲されるかもしれない。かと言って、何もしないのは推奨しないが』

 

「─────いや、手はある」

 

声を上げたのは一人、ランサーだった。ホームズの話を遮る発言に全ての視線が向く。

 

盲目のランサーは懐から小さな端末のような物体を取り出す。微量の魔力が流れてる事から、立夏からでも礼装だというのは分かる。

 

ランサーはそれを片手で弄くると、片耳に押し当てた。

 

 

「こちらランサー。キャスター、聞こえるか」

 

『────えぇ、聞こえてるわ。』

 

聞き覚えのある声が伝わってくる。この異聞帯ではなく少し前、カルデアにいた時。

 

かつて共に人理修復をしたのだから忘れない、いや忘れる訳がない。

 

「………メディア、さん?」

「なら、解放軍のキャスターって……!」

『マスターとマシュ、久しぶりね。えぇ、私で合ってるわ。今は別行動をしてるから会えないけど』

 

かつて、『運命の日』の前日に退去した英霊の一人。昔からカルデアにいたキャスター、メディアの声が響いてきていた。

 

 

「キャスター、話をしたいのは分かるが報告を優先してくれ。現状、急ぐべきだからな」

『報告はするつもりよ。けれど、お堅い総長さまは何処かしら?』

「───総長は倒れた。三騎士の一人と交戦し、撤退に追い込んだが」

『……………そう、彼ですら負けたのね』

 

自分たちのリーダーの訃報に、メディアの声は重かった。何も手助けすら出来なかった事が心底歯痒いらしく、術式からの音声が歪みかけている。

 

 

「あの方の為にも、我々は勝利しなければならない。キャスター、報告を頼む」

 

えぇ、分かったわとメディアはそれに従う。音声越しではあるが、彼女は冷静に現状を説明し始めた。

 

 

『この世界の霊脈から大量の魔力が吸い上げられてる。「あの神殿」へと供給されてるから、あそこで何か大規模な計画を起こすのは間違いないわ』

 

 

「……………神殿?」

「空高くに浮かんでるあの建物、ですね。あれは不思議に思ってましたが」

『あれこそがシュヴァリオンの本拠地。もうあれは要塞というべきね』

 

 

そういえば、と思う。

この異聞帯で浮遊する巨大な城のようなものが見えていたが、あれは何なのだろうと。マシュも同じくそう考えていたのか、不思議そうに首を捻っていた。

 

 

「あの神殿、バリアのようなもので覆われている。補助として地上にある基地の魔力を使っているらしいが、厄介なのはそこじゃない」

 

『「無限修復」、術式を再生させる魔術。神殿のバリアを保護してる魔術の一つ。それともう一つ、こっちの方がとんでもないのよ』

 

 

話の最中、ランサーとヒッポリュテの二人が苦い顔をした。不愉快というか、激しい怒りを堪えるようなものにも似ている。

 

 

 

『「死を刻め・その魂に(エクセリア)」。それがあの結界を恐ろしくした魔術………と言うよりは呪詛に近いかしらね』

 

ザワッ、と立香の全身に冷たい感覚が走った。魔術に関してはある程度教えて貰ってはいたが、そんなものがあるとは知らなかった。

 

通信越しに語られた効果は、直感通り恐ろしいものであった。

 

『効果を受けたものを絶対に殺す。どんな防壁を張ろうと、サーヴァントでも例外なく。代わりに結界に組み込まれた術式の一つを破壊するらしいけど、修復されるから意味がないに等しいわ』

「そ、そんな魔術が………存在するんですか……?」

『似たようなものならあるわね。これとは違うと思うけど。

 

 

 

現に何人もバリア破りに失敗して消えていったわ。結論を言うと、「無限修復」と「エクセリア」がある限り、私たちは勝てない』

 

明らかな宣告。絶句するカルデアの面々に解放軍のメンバーはすらすらと事実を述べる。

 

───かつて仲間だったバーサーカーもバリアを破りを実行した。その結果、消滅したと。

 

───その他の野良英霊も手を尽くしたが、『三騎士』により一掃されてしまった。生き残っているのは、ロジェロという騎士ぐらいだろう。

 

しかし、とランサーが付け足す。その一言だけで雰囲気が少しだけ切り替わった。

 

「シュヴァリオンの前線基地、配下である『烈火の騎士』がそこに常時配置されてる。奴にとって重要なのは間違いはない」

 

「奴はどうやってかは分からないが、吸い上げた魔力を神殿へと供給している。結界の維持に必要な魔力も分けられている」

 

あ、とマシュと立夏が声を漏らした。

彼等の意図を理解できたのだ、自分達が今するべき行動を。

 

 

「つまり、魔力を配給している装置を破壊することが出来れば………」

「『無限修復』と『エクセリア』の効果は薄くなる。あの忌々しいバリアを突破できる。しかしそう上手くはいかない」

 

三騎士の一人、『烈火の騎士』が在中する場所。つまり『騎士』との戦いは避けられない。

 

勿論、自らの弱点を簡単に晒すことなど普通は有り得ない。厳重な警備などで護っているのだろう。

 

危険などと、安易な言葉では語れない。この場の誰かが死ぬ可能性なんて十分ありうるのだ。

 

 

「基地はシュヴァリオンの支配する場所の一つ。未知の領域と言っても過言ではない。それでもか?」

 

サーヴァントは問うた、マスターの覚悟を。

 

 

 

 

答えは単純、強い覚悟を宿した瞳で頷いたのだ。それを受けた時点で、その場の全員の次の行動が決まる。

 

────修羅の道へと進み、必ず勝利を掴み取ると。

 

 

 

 

 

 

前線基地に行くメンバーは選抜された。

 

立夏、マシュ、ランサー、ロジェロ、この四人だけ。シャドウ・ボーダーと解放軍、ヒッポリュテたちは拠点で待機をすることとなったのだ。

 

 

解放軍の拠点から少し離れた場所。複数の集落の跡地を通っていった所で、女性が待っていた。

 

 

「───来たわね、待ってたわ」

 

キャスター、真名 メディア。解放軍のメンバーの一人で、今までにシュヴァリオンを倒すために独自に調査を行っていた魔術師の中でも上位の人物。

 

 

「………メディアさんも解放軍のサーヴァントだったんですね」

「そうね、『三騎士』から追われてたところを総長さまに助けられたのが理由かしら?」

 

 

 

「───キャスター、魔術的な罠は?」

「全く無いわ。かえって不気味ね、まるで私たちの狙いが読めてるみたい」

 

魔術師としてのメディアは冷静にそう話し、横に目を向けた。釣られるように見てみれば────、

 

 

 

 

「ここが前線基地──────『テレマ法院』よ」

 

 

大規模な建築物。窓や扉などが全く存在しない不可思議な偉容を保っている『それ』が、目の前にそびえ立っていた。こんな近くにあったのに存在すら分からなかった、幻術で隠されてたのかもしれない。

 

 

呆然とするしかない彼等の前で、静かに四角形の穴が開く。入ってくることを望んでるかのように、暗闇から空気を吸い込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

────炎が、燃える。

 

 

 

 

あぁ、(ちち)よ。私たちを作り出した唯一なる(ちち)よ。

 

 

何故、私は憎まなければならないのですか?愛するべき人を、罪を犯した者だとしても。

 

 

 

どれだけの人を焼けば、どれだけの裁きを下せば、この身は『貴方』の元に行けるのですか?

 

 

 

 

 

 

『無事か、ランサー』

「…………はい、何とか」

 

 

『烈火の騎士』 ブリュンヒルデは大広間の中心に膝をついて休んでいた。

 

先の戦いで、炎を出しすぎた。戦闘ではない以上、狂化も解除されている。この施設は魔力を使いすぎたブリュンヒルデの調子を整えられる設備もある。

 

 

彼女の本来の役目はこの施設の守護することであり、

 

『存分に休め────と言いたいが、悲報を伝えよう。カルデアがそこに向かっている。目的は間違いなく、魔力収束システム「テレマ」の破壊だ』

「────」

 

地脈からの魔力を神殿へ供給する装置『テレマ』を守ること。その障害を葬ることも彼女の役目なのだ。それを実行するのに多くの犠牲を許容している。

 

 

だが、例外もある。

 

『まぁ待て。行く必要はない、お前は「この部屋」を守ればいい。下手に動けば隙を与える、どうせ奴等の方から来るからな』

 

「分かりました、マスター」

 

マスターの命令こそが絶対、それが『彼女』の在り方であった。例えどんな事情があろうと、マスターの指示にだけは従う。

 

言外にそう示した『烈火の騎士』は『テレマ法院』の奥深くで鎮座する。マスターの護るべき、魔力装置を破壊しようとする敵を排除するために。

 

 

 

 

 

 

 

「これからだ。これからが重要になる」

 

杖を片手に魔術師は謳った。今起きてる事を理解し、思い通りに動く現実を目にし。

 

杖の上部にはダイヤルが嵌め込まれていた。3桁しかないもの、0~6の数字しかないそれは一体何の使い道があるかは分からない。

 

それは魔術師─────シュヴァリオンにしか分からない。

 

 

媒体(神の炎)舞台装置(テレマ法院)は整った。後は実験体(カルデア)だ。面白く、とてつもなく愉快な展開になるぞ」

 

楽しみだ、とシュヴァリオンは玉座の上で笑う。先を見通すかのように、いずれ起こる未来を楽しむように。




もうこれ、シュヴァリオンの正体に近づいてきたんじゃないかなって思いますね。

番外編の内容

  • カルデアでの生存編(ストーリー)
  • ↑上記と同じ(サーヴァントとの日常)
  • アポクリファ編
  • プリズマイリヤ編
  • 何でもいい、作者の好きなのでいいよ。
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