fgo/cosmos in the lostbelt 黙示録の銀星   作:虚無の魔術師

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突然ですが、この小説が日間ランキングで18位になっていました。


評価をつけてくださった皆様、お気に入りをしてくださった皆様、本当にありがとうございます!


ここまで多くの人に読んでもらえるとは思わず、嬉しい限りです。


アンケートは好きなので何でもいいよ、が多かったので自分が好きなものを投稿していきます。

最初はアポクリファに決めました。この後も、他の話を書くつもりなのでよろしくお願いします。


タイトル思いつかなったから、こうします。なんか浮かんできたら変更しますんで。


番外編総集
アポクリファ編 その1


ビー!ビー!ビー!

 

無造作に置かれたスマートフォンが振動する。その部屋はお世辞にも綺麗とは言えない程の物だった。沢山の武器や礼装が壁や棚に揃えてあり、巨大な机の上には分解されたと思われる銃や機械のパーツが散らばっていた。

 

あーっ、ちょっと待ってて、と焦った声があがる。その部屋の主と思われる青年は慌てたように筆ペンを放り投げ、ペン立てに入れる。

 

そして、スマートフォンの画面をタップすると耳に当てて机の上を片付ける。

 

 

「もしもし、シュヴァリオンですけど……………どちら様ですか」

 

『私だ、久しいな』

 

端末のスピーカーから声が響く。その声を聞いたシュヴァリオンは深く息を吐いて、近くの椅子にドカッと座る。

 

 

「今『聖杯大戦』で忙しい筈だけど、俺に連絡してきたのはそのことかな?ダーニックさん」

 

 

電話の向こうにいる人物 ダーニックに語りかける。

 

 

ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア。

時計塔にいた頃は、最高位とされた冠位(グランド)になったユグドミレニアの魔術師。講師としての才能はなかったと彼も記憶しているが、政治関連では凄まじい程の腕を持っているのも良く覚えている。

 

 

しかし、ダーニックとその一族は魔術協会から独立した筈だった。冬木とかいう地から『聖杯戦争の要』を奪い取り、協会に宣戦布告をしたという話も聞いた。

 

 

そんなダーニックが何故自分に連絡してきたのかを、シュヴァリオンはなんとなくだが察していた。

 

 

『単刀直入に言おう、私は君を『セイバー』のマスターにしようと思っている』

 

 

勧誘、協会から自分を引き抜こうとしているダーニックにシュヴァリオンは驚愕と呆れの感情を抱きながら、肩を竦める。

 

 

「『セイバー』………最優のマスターを俺なんかにするつもりなのか、やっぱおかしいだろ」

 

『いや、お前だからだよ。私はお前の実力を見込んでいるつもりだ。時計塔の中でも異端とされる魔術師の実力を』

 

時計塔にいた頃、一時期教えしていたダーニックだからこそ、シュヴァリオンの才能を見抜けたのだろう。

 

 

 

この話、シュヴァリオンにとって悪いものではなかったかもしれない。

 

協会は彼を卒業させようとせず、ずっとこの時計塔に縛っている。少なからず興味を抱いてた聖杯戦争に参加もできる。

 

それに、彼の知り合いである一族もユグドミレニアとなっている。

 

 

 

「悪いけど遠慮するよ。俺は聖杯にも根源にも興味なんてないし、何よりアンタが信用できないからね」

 

だが、彼は断った。その理由は二つ。

 

彼は他の魔術師たちとは違い、命を懸けるほどの願望を持ち合わせていない。もし聖杯が目の前にあったとしても、シュヴァリオンはそれを手放すだろう。

 

もう一つ、それはダーニックという男を信用できないからだ。この男は一流の詐欺師と称されるほどの腕をもつ、味方を切り捨てることも厭わないような事もするだろう、とシュヴァリオンは考えていた。

 

 

『───チャンスを失った事を、後悔するなよ』

 

「アンタこそ、吠え面かかされないように注意しとけよ。そう言って負けたr『ブツッ!』……………………」

 

 

嫌味を言おうとしたら電話が切られたのに気付き、切りやがったな、あの千枚舌!とがむしゃらに罵倒するシュヴァリオン。

 

 

その後すぐに扉をノックする音が聞こえてくる。シュヴァリオンは荒げていた息を整えると、「開いてますよ」と声をかける。

 

 

扉を開けて入ってきたのは、長髪の男性。赤いコートの上に黄色い肩帯を垂らし、不機嫌といった表情を浮かべていた。

 

机を片付けて、もう一つの椅子に座った男性の顔を見て、シュヴァリオンは顔をひきつらせた。

 

 

「会議は、どうだったんですか…………って、やっぱり良くなかったみたいですね」

 

「あぁ、理解しているのならそうしてくれたまえ。その方が助かる」

 

男性の名は『ロード・エルメロイ二世』、本名は別のものみたいだが、講師や生徒たちの多くがそう呼んでいる。

 

………他にも変な呼び名があるのだが、ここでは伏せておくとしよう。

 

彼、シュヴァリオンもエルメロイ教室の生徒の一人。エルメロイ二世からは常識人故に頼られることも多い。

 

 

「───会議の結果、君を『聖杯大戦』のマスターにする事が決定した」

 

やはり不満そうなエルメロイの言葉にギコギコと椅子を動かす。このような反応をしているが、シュヴァリオンも驚いてはいる。

 

「お偉いさん方が了承するとは、やっぱりダーニックのおっさんの事すか。俺を外に出したがらなかった癖に今さらかよ」

 

ハッ!と鼻を鳴らし、悪態をつく。都合が良すぎると怒りを露にするが、徐々にそれは沈静化していく。

 

だが、と付け足すエルメロイ。振り向いたシュヴァリオンに彼は自身の心情を口にした。

 

 

「本当に感謝する。君がいなければ今頃私の胃に穴が空いてた所だった」

 

「そのせいで俺、最古参とか言われてんだけど!」

 

 

エルメロイ二世の心からの感謝に対して、シュヴァリオンはどうとも言えない様子で高まった感情を吐露する。

 

時計塔で天才と称された彼が卒業出来ないのには一つの理由があった。

 

現在時計塔にいる問題児たち(遠坂のうっかりとエーデルフェルトの現当主、そして全ての原因であるフラットとか言う阿呆とその他諸々)の抑止力(ストッパー)となってしまっていた。卒業したいと文句を言うが、講師陣から泣きつかれてしまい、何年も過ぎたのである。

 

 

──昔の嫌な思い出が脳裏に浮かんだシュヴァリオンは頭を抱えていたが、視界に入ったそれに興味が湧いた。

 

 

「それはそうと……………………それは?」

 

 

タッシュケース、その中に入っている物。まるで何かの破片のような物体に、シュヴァリオンは首を傾げていた。

 

彼の様子を確認することなく、エルメロイは煙草に火をつけ吸う。そしてスラスラとその正体を口にした。

 

 

「君の召喚に使う触媒、アルゴー船の残骸だ」

 

 

「ッ!…………へぇ、それりゃあ良い代物だよ、文句無しの」

 

触媒となる『それ』を眺め、シュヴァリオンは心から感嘆していた。

 

 

アルゴー船。

 

ギリシャ神話にて登場した巨大な船。数々の英雄たちがそれに乗っていたとされる、あのギリシャの中でも有名な大英雄も。

 

船長であるイアソンを含めても、それ以外の面々はサーヴァントとしては悪くない、それどころか大当たりとも言えるだろう。何せ神話を生きた英雄達の集まりなのだから。

 

 

「そして、これが聖杯大戦の資料。あと聖杯大戦の地、ルーマニアへのパスポートだ」

 

「用意が早いなぁ………………今から?」

 

「今からだ」

 

即答され、うへぇと顔をしかめるシュヴァリオン。彼は机に置かれた聖遺物をタッシュケースに納め、片手に持つ。

 

「………俺がいない間、あのアホどもをよろしく」

 

「よろしくされたくないが、仕方ないだろうな」

 

軽口を叩き合い、部屋から出ていったエルメロイ二世をシュヴァリオンは見送り、急いで準備を始めた。

 

廊下を歩きながら、煙草を吸うエルメロイ。彼は煙を吐き、ゆっくりと脚を止めた。

 

「………ったく、私の教え子が『聖杯大戦』に行くことになるとは、笑えん話だ。………あの馬鹿者が行かなくて安堵するがな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーマニアの町外れ。

 

 

「フィーンド先生、ペンテルの双子のおっさんにジーンさん………おーおー、これが俺の味方側か。個性的な人たちばっかだな」

 

総合的な感想を呟き、アジトとして使っている廃屋の中でシュヴァリオンは資料を読んでいた。

 

 

「そして、獅子劫さんか。まさかあの人も参加するとは、この人なら信頼できるし良いんだが…………」

 

 

溜め息を吐きながら、最後の一人を確認する。資料の一枚に付属してる写真にある男の姿を目にし、その名前を噛むように口にした。

 

 

「…………シロウ・コトミネ、ねぇ」

 

魔術協会とは違う、聖堂教会から派遣された監督官兼マスター。言峰と書いてコトミネらしいが、何かきな臭い。

 

警戒しておくか、と心の隅に留めて置くことにして、彼は手の甲に浮かんだ『それ』を見た。

 

 

令呪。

 

サーヴァントに対する三つの絶対命令権限。サーヴァントの暴走や反逆を止める為の物であるのは一般的だが、信頼し合う者はサーヴァントへのサポートにも使うとされている。彼が調べたことのある聖杯戦争でもそれは使用されていた。

 

 

だが、彼はその令呪をこっそりと何画かもらっていた。流石に多すぎかな、と思いながらも彼は床に描いた召喚陣の前に立つ。

 

 

───さて、始めるか。

 

決意すると、令呪の浮き出た片腕を召喚陣に向けた。教えられてた通りの詠唱を口ずさむ。

 

 

「素に銀と鉄、礎に石と契約の大公───手向ける色は『赤』」

 

 

静かに詠唱を口にしていく。それ続いて、召喚陣から黄金の光が放ち出す。

 

招かれようとしているのだ、人知を越えた英霊、サーヴァントが。

 

その事実に自然と笑みが漏れる。面白い、これが聖杯大戦か、と思考していた彼は重圧を押し退けるかのように力強く最後の一節を叫んでいた。

 

 

「───抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

 

眩しい光が炸裂し、凄まじい風が吹き荒れた。飛ばされぬように地で踏ん張り、暴風が止むのを待った。

 

そして、彼は見た。

 

光が薄れていく召喚陣の中で、翠緑の衣装を身に纏った少女が静かに佇んでいるのを。

 

 

「サーヴァント アーチャー、召喚の招きに従い参上した」

 

 

眼差しは獣のように鋭く、髪は無造作に伸ばされ、貴人の如き滑らかさは欠片も無い。

 

だが、その身に纏う気迫はシュヴァリオンにも分かるくらいに鋭く大きいものだった。

 

 

「問おう、汝が私のマスターか?」

 

 

これから、戦いを共にする相棒(サーヴァント)。彼女の問いかけに、シュヴァリオンはゴクリと息を飲んだ。




シュヴァリオンは本編とは違い、落ち着いてるので少し違うと思います。

この世界ではシュヴァリオンはエルメロイ教室の生徒です。

さて、今回は本編で出てきた何これ?みたいなのを説明してきます。


千枚舌

シュヴァリオンのダーニックへの呼び名。ユグドミレニア《千界樹》と、ダーニックの詐欺師としての呼び名をかけた言葉。たまにこういう風に呼ぶことがある。


時計塔の問題児たち


シュヴァリオンが卒業出来ない原因。大抵が同じエルメロイ教室の生徒なのだが、彼が最も困っているのは、遠坂の赤い悪魔とエーデルフェルトのゴリラ(彼いわく)そして、アホの子です。




感想と評価、よろしくお願いします!

番外編の内容

  • カルデアでの生存編(ストーリー)
  • ↑上記と同じ(サーヴァントとの日常)
  • アポクリファ編
  • プリズマイリヤ編
  • 何でもいい、作者の好きなのでいいよ。
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