fgo/cosmos in the lostbelt 黙示録の銀星 作:虚無の魔術師
少しずつ投稿していくので、気長に、読んでくれると嬉しいです!
「───────先輩!」
その声と共に藤丸立香の意識は覚醒した。目の前には見知った盾の少女が不安そうな顔から嬉しそうな顔をする。
「…………マシュ」
少女の名前を呟き、ズキンと痛む背中を擦りながら、起き上がる。その痛みを感じていた時に、
何があったかを思い出した。
「マシュ、皆は!?」
掴みかかる勢いで問いかけるが、マシュは何も答えずにいた。不安に駆られる立香に彼女は意を決して事実を告げた。
「私たちはシャドウボーダーと離れてしまいました。通信も繋がりませんでした」
頭の中が真っ白になりかける。だが、マシュに心配させる訳にはいかないと感じた。彼女も不安なんだ、そう理解するとゆっくりと地面に腰を掛ける。
「で、アンタらはどうすんのさ?」
「そうだよなぁ、どうする─────」
様子を伺うような声に立香はうーん、と頭を捻る。だが、すぐに違和感を感じた。
あれ?何かおかしいと頷いていた立香はそう思った。人数を確認してみよう、自分とマシュ、そしてもう一人で三人…………………
「なんかいるぅ!?」
「おいコラ!助けた恩人に対してそんな事言うのかよ!?」
いつの間にかもう一人は憤慨しながら、立香の襟首を掴み上げる。ぐぇ、と呻きジタバタと暴れるが、怒っているせいで放そうとしない。
慌てたマシュの説得により、出はパッと放され立香は尻餅をついた。
「すまん、ちょっと血が上った」
咳き込みながら見上げてみると、その人物の姿を確認できた。
少し長い黒髪に白いメッシュの入った髪型のマフラーを着た青年。
そして、立香はマシュから詳しい話を聞いた。
シャドウボーダーから放り出された自分達はそのまま意識を失っていたことを。
そして、倒れていた自分達を目の前の青年が助けてくれたこと。
「さっきはごめん。後、助けてくれてありがとう」
「礼をする必要は無いぜ。赤の他人とはいえ、見捨てるなんて真似は出来ないからな」
立香の謝罪と礼に青年は気にするな、と笑いかける。
「取り敢えず、ここから移動しよう。俺の住んでる場所があるからな」
二人にそう言うと、青年は歩き出した。だが、ピタリと歩みを止めると、頭を掻きながら振り返る。
「そう言えば、名前まだだったよな。
俺はリント。よろしくな!」
互いに自己紹介を済ませて歩き出してから、どれくらいの時間が経っただろうか。
立香は自分達の先を歩くリントに問いかけた。
「なぁ、リント。何でこんなに空は黒いんだ?」
空を見上げてみると、綺麗な青白い色ではなく比喩抜きの真っ黒だった。夜空にしては光が一つもない、あるのは周りを照らす薄暗い黒色の太陽だった。
「………?なに言ってんだ。この世界はいつもこんな色だぞ?」
マシュと立香は互いに顔を見合ったが、すぐに納得した。今までもこういう状況だったのなら、これが普通と思うのも当然だろう。そう思っていた立香は足を止めた。
「………………世界?」
まるで他にも世界があるのを知ってるような言い方だったのだ。その呟きにマシュもハッと目を見開く。
「当然だろ。
昔の大戦で世界は二つに分けられたんだからな」
「………………は?」
立香とマシュは完全に言葉を詰まらせた。世界が分けられた、その言葉のスケールが今までとは比にならなかったからだ。
だが、目の前の青年は続けた。忌々しそうに顔を歪め静かに怒りを露にしながら。
「俺達の今いるこの世界は、『黒の世界』。神々とぶつかり合った闇の勢力である『悪魔』『堕天使』『吸血鬼』『魔獣』が支配する世界さ」
今、立香達がいる場所から遠く離れた山奥に巨大な城が建っていた。
その城の内部にて、一つの部屋の真ん中に机が置かれていた。
人が使うには大きすぎる机を囲むように五人が座っている。
「今日、お前たちを呼んだのには理由がある」
その内の一人であるクリプターの青年、シュヴァリオンもといシュンは他の四人へと告げる。
「魔術師よ、我も暇ではない。早急に済ませよ」
十の黒い翼を持つ黒髪の男が高慢な態度を見せる。
「余の統括地区には変化は無い、順調であるぞ」
片手に持つ槍を地面に突き、白髪と白髭が特徴的な男性は機嫌が良さそうに頬杖をつく。
「私の所もOKよ?お姉さんも頑張ったからね☆」
豊満な裸体を見せつけるように隠すところが少ない露出の凄い金髪の女性はシュンにウィンクを飛ばす。(それに対してシュンは叩き落とすように手を払ったが)
「君には感謝しなくちゃね、お陰で母さんも落ち着いていられるからさ」
女性にも男性にも見える容姿をした緑色の人物はニコルと笑みを見せる。
「順調のようで何より、期待していて良かった。
堕天王ルシファー、ドラキュラ公爵、魔王代理リリス、魔獣の女神の使いキングゥ」
シュンの言葉に四人は満足そうに頷いてみせる。シュンはその様子を見ると、自身の雰囲気を変えた。
「さて本題だが、カルデアの奴らがこの異聞帯の何処かにいる」
その言葉に四人は様々な反応をする。一人はふんっと鼻をならし、一人は頬杖をかきながら考え込み、一人はへぇと興味津々な様子になり、一人はキッと目つきを鋭くする。
「情報によると戦えるサーヴァントは二人のみ、マスターも一人だけだ。だが、侮るなよ。
奴らは一度世界を救っているだけではない、他二つの
彼の言葉に四人は更に警戒を強める。その内の一人はカルデアへの警戒が人一倍強かった。
「自らの統括地区を警戒しろ。俺もすぐさま座標を特定する。その間に発見したら傷一つ付けずに捕まえろ。
いいか、傷一つもだぞ?」
ゾクリと四人を萎縮させるほどの威圧感を放ち、シュンは立ち上がりそのまま城の奥へと歩いていった。
はーい、新しいサーヴァント?が二人出ました!(敵側ですが)
Class アヴェンジャー 真名 ルシファー
宝具『不明』
Class キャスター 真名 リリス
宝具『不明』
次回もよろしくお願いします!
今後のストーリーの展開について
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全部書いてほしい
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細かくせずに分かりやすくしてほしい
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書きたいところまでスキップしていい
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好きにしてもいい