fgo/cosmos in the lostbelt 黙示録の銀星   作:虚無の魔術師

8 / 16
感想と評価ください、お願いします。何でもしますから!





何でもするとは、言ってな(撲殺の刑及び銃殺の刑)


第六節 解放軍 後編

──自分は■■■■■■・■■■■■の子供だった。いや、その事実が正しいのかも分からなかった。

 

しかしそれだけで多くの魔術師や大人が畏怖と軽蔑の目を向けた。

 

 

幼い自分はそれに気づいていた。だからこそ、受け入れた。罵声を浴びせられても、なにも言わずに耐えた。

 

 

仕方ないじゃないか、そう生まれてきたのだから。顔も容姿も、声も知らない親の為にそれらを受け入れるのは、仕方ないじゃないか。

 

 

でも、少しだけ思うところがあった。ほんの一つの疑問だった。だが、それだけが何よりの疑問でもあるのだ。彼は魔術師たちにその疑問を投げ掛けた。

 

 

 

 

何故、世界はこんなにも歪に作られているのですか?

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

「――い。先輩……先輩!」

 

 

その声に立夏は目を覚ました。

少しずつ意識が覚醒する中、記憶が戻っていく。この異聞帯で住人のリントとソフィーと共に悪魔ベルゼブブの追っ手から逃げ、助けられた解放軍に着いていき、本拠地に着いたところまで思い出した。

 

 

(あれ?………………何の夢を見てたんだ?)

 

 

不思議な感じだった。前も何度かそういう事があった気がする。だが、あの夢だけは他のとは違った。内容を思い出そうにも、そこだけがポッカリと空洞になっている。

 

 

「夢見はどうだったのか?立夏くん」

 

 

そう言ったのは両目を伏せた男。ランサーと言われた男性は自身の武器である槍を消し、紅茶の入ったカップを立夏の前に差し出した。

 

 

目が見えない筈なのに、どうやってお茶を入れて渡したのか。心底疑問に思うが、それは咳払いによって遮られた。

 

 

咳払いをしたのはセイバー。解放軍のリーダーで、真名はジャック・ド・モレーと名乗っていた老けた雰囲気の男が立夏を見ていた。もういいかな、と意味を含んだ視線に素直に頷く。

 

 

周りを見ると机を前に座っている者が複数人いた。

 

 

一人はカルデアの名探偵ことホームズ。

 

 

一人はライダーと名乗っていた少しばかり褐色の少女。

 

 

そして、立夏のすぐ隣にマシュが、全員に紅茶を出したランサーが座ると少しの沈黙の果てにセイバーが動いた。

 

 

「────さて、人数不足もあるのだが、緊急会議といこうかな。皆の衆」

 

 

木製の巨大な机にある複数の資料をセイバーが提示する。その資料を目にした立夏に「カルデアのマスター」とセイバーが声をかける。

 

 

「我ら解放軍にいるサーヴァントは私とランサーとライダー、会議にはいないがキャスター、アサシンもいる。だが、それでも四勢力には勝てない」

 

 

「……………何が、言いたいんですか」

 

 

「君たちによる協力を求めたい、カルデア」

 

 

ハッキリと、そう告げたセイバー。彼から感じられたものに気圧されそうになった立夏は目を反らずにセイバーの様子を伺った。

 

 

「この世界は歪んでいる。一年で人類の半数は死に絶え、その事実を受け入れた残りの人類も悪辣な支配を許容してしまっている。

 

 

許せるものではないのだ、その体制が一万年続いた世界だからこそ」

 

 

そう言ったセイバーが苦々しい顔をする。そして腰掛けた椅子から立ち上がると、立夏の前に歩み寄り、深く頭を下げた。

 

 

「─────頼む、藤丸立夏。私たちと協力して、この世界の悪性を正して欲しい。そこで生きる人々にもう一つの未来を見せて欲しい」

 

 

そうだった。こんなことを許せないと憤る者たちもいたのだ。そう思うと立夏は再び覚悟を決めた。

 

隣にいるマシュとホームズに目を向け、セイバーに向き直った。

 

 

「………………はい、是非ともお願いします!

 

 

 

 

 

あと、頭を下げないでください」

 

 

セイバーの懇願に応えた立夏はそう追加するのには色々と理由があった。

 

自分よりも偉い英霊に頭を下げていてほしくないのもある。あるのだが、何より、

 

 

 

小さい、とても小さい範囲だが頭部の頂点が荒野のようになっているのを見ていられないのもある。(つまり言うと、このセイバーは頭のてっぺんが禿げ【規制】)

 

 

 

ありがとう、そしてすまないとセイバーが感謝と謝罪の意を丁寧な礼に見せた。そして、ゆっくり席に座り、コホンと咳き込んだ。

 

 

 

「本題といこう。四勢力に味方する魔術師、君たち曰くクリプターとやらはサーヴァントを召喚している。それも多くのだ」

 

「………なるほど、敵の事をよく知っていると思うのだが」

 

「そう聞くと思っていた。何故だと思う?」

 

「それはこの解放軍にいるサーヴァント全てが奴に召喚されたのかもしれないからだ」

 

 

セイバーの言葉に立夏とマシュは息を飲んだ。彼らは元々、シュヴァリオンのサーヴァントたちだったという事なのかと考えるが、セイバーの言い方に少し違和感を抱く。

 

 

「かもって…………自分でも分からないんですか?」

 

 

「あぁ、気づいた時にはこの世界にいた。何故呼ばれたのかも分かっていなかった………………彼、ランサーは違うが」

 

 

「…………どうやら、私を召喚した魔術師は私とのパスを一時期繋いだままにしていたらしい。稀に彼らの情報が入り込んでくる。その中で私は二つのことを聞いた。

 

 

 

 

 

カルデアをここに誘い込む、という話と『槍』という単語だった」

 

 

会議室にざわめきが走った。立夏も息を飲んで前に起こった出来事を思い出す。

虚数空間の中で自分たちがいたシャドウボーダーが何者かの攻撃により撃ち落とされ、この異聞帯に訪れた。

もしかしなくても、自分たちを攻撃したのはこの異聞帯を担当するクリプターだろう。

 

 

だが、次のことが分からなかった。『槍』と言われるそれが何を示しているのか。

 

 

 

「ともかく、現状の問題は堕天使勢力とクリプターだ。悪魔ならまだ対処はいける。だが、堕天使の王は我々だけでは勝てない」

 

「ほう?これだけの戦力があるというのに断言するとは、堕天使の王……いや、ルシファーかな?彼はそこまでの強さなのかい」

 

 

すぐ隣でライダーが「あの男、堕天使の王ってだけでルシファーって分かったのか?」と素直に驚いていたが、それがホームズの得意分野なので当然だろうなぁと納得してしまう。

 

 

それに答えたのはセイバーではなく、ランサー。

 

 

「奴はクリプターがこの世界で最も信頼を置いている………異聞帯の王と呼ばれる者だろう」

 

 

異聞帯の王。

立夏たちの脳裏に思い出させるのは、今までに戦った王たち。寒さが支配したロシアに君臨していたヤガたちの皇帝、イヴァン雷帝。そして、巨人と戦乙女の存在する北欧の女王、スカサハ=スカディ。

 

 

多分、堕天使の王ルシファーは彼らに並ぶ……いや、彼らを越える実力者だろう。そう考えてしまう。

 

そんな立夏の様子を知っていてか、「故に」とセイバーは吐き捨てる。資料を握り締めた拳を強く机に叩きつけ、更に自分たちの作戦を唱えた。

 

 

「我々は奇襲を仕掛ける。奴等が殲滅戦を開始する前に、動き出すクリプターと異聞帯の王を叩く。短期決戦だ」

 

 

『短期決戦?』

 

 

そんな声が立夏の耳に入った。突然だったので気のせいかと思ったが違った。部屋の中にいた全員が周りを見渡し、戸惑いを見せる。

 

 

その中で、マシュだけが立ち上がろうとせずに呆然としていたのに、全員が気づいてはいなかった。

 

 

『それならもう少し早くするべきだったんじゃないか?もう既に俺たちは動いているんだからな』

 

 

「シュン……………さん?」

 

 

震えた声を出すマシュを全員が見張った。シュン、確かその名前はある人物の愛称だったはず、と思った直後にようやく理解した。

 

 

マシュの呟きは、声に対してではない。ならそれは、一体何に向けたものなのか。

 

 

 

マシュの視線の先を見ると、誰かがいた。この部屋にいる者は立夏も確認した。だが、その人物だけは確認してない。

 

白と銀の混じる長髪をたなびかせた青年を、立夏は見た。

 

 

「これは、挨拶だ」

 

 

青年がそう告げる。一瞬の出来事だった。腕から伸ばされた手へと魔力が流れ、指先に留まる。そして魔力を散らすように指を鳴らす。

 

 

その動作を見逃す訳もなく、一般人以上のスピードでサーヴァントたちが動いた。

 

 

だが、その青年を倒す為にではない。周囲にいた人々を守る為だった。目の前の青年に対して、五感が警報を鳴らすのを知っての行動。

 

 

いち早く立夏とマシュを連れてホームズとランサーは窓へと走る。そして勢いよく窓から飛び出てすぐ、

 

 

ズッッッッドォォォォッッッ!!!と衝撃が彼らを叩いた。会議を行っていた部屋は空から降り注いだ熱線、それにより引き起こされた大爆発により消し飛んだ。

 

 

体勢を戻したランサーが空中にいた立夏とマシュを担ぐと地面へと移動して地面に下ろす。周囲を見れば何事かと戸惑った住人たちが立夏たちを見ていた。

 

 

だが、二人を助けたランサーはそんな人々の視線を無視して、槍を手に取った。その槍を鋭く構え、矛先を向けた。マシュも矛先を向けられた方を見て、顔色を失う。

 

 

「言っただろう、挨拶だと。そうムキになるなよ」

 

 

気さくな態度で周囲を睥睨している青年がそう声をかける。改めてよく見える容姿に立夏は記憶の中でとある人物に照らし合わせた。

 

 

シュヴァリオン・エレーゼ・クローリア。ロンドンの時計塔で最高峰と呼ばれた魔術師であるクリプターが、立夏たちと対面した。




ようやく、シュヴァリオンさんと原作主人公の対面。シュンさんはカルデアこと、原作主人公を警戒しているんで自分から攻撃しに来ました。



襲撃を仕掛けたシュヴァリオンさんはサーヴァント一体も連れてません。サーヴァントは、ね。


まあ、そんなことで次回もよろしくお願いします!

今後のストーリーの展開について

  • 全部書いてほしい
  • 細かくせずに分かりやすくしてほしい
  • 書きたいところまでスキップしていい
  • 好きにしてもいい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。