Vocaloid of voices   作:rufus

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3週間空いてしまいました…Rufusです

最近ほんと忙しいので今後投稿速度が遅くなるかもです

そしてほんと忙しいので久々に短いです…


第十五話 背負うモノは異なれど

「…あのー」

 

いざ私達のボスとごたいめーん…と思っていたが、何故か部屋中真っ暗。人の影は愚か何があるのかすら分からない。むしろここに私達のボスがいるのも疑わしい。

背後のドアを閉める。途端に部屋は光を失った。

 

「…お前が重音テトだな?」

 

突然声が聞こえた。それに驚き、私の体は一瞬小刻みに跳ねた。

 

「そんなに怯えなくともいい。姿は見えずとも声だけ聞こえていればいい」

 

そういう問題なのかな…。

って言うかこの暗闇の中、どうやって私の姿を見てるんだ?ちょっと跳ねたのもしっかり見ているとなると、益々気になってしまう。

声は確かに人の声だ。よくニュースで誰かが証言してる時のような声の低さもない。そして私の行動を判断して発言していることから、その声は概に録音したものでもない。となると、姿は見えないが確かにそこに私達のボスがいるのは間違いないようだ。

って言うか、ボスって男だったんだね。

 

「…でどうして私をお呼びになったんです?」

 

私は早速、本題を聞いてみた。

すると彼は口調を変えず、こう言ってきた。

 

「『あの作戦』の総司令を君に任せようと思う」

 

「…へ?」

 

♩♯♬

 

意識ははっきりしていた。そして体の底から力が湧いてくるのも、はっきり分かった。

相手はその姿を見て、目を点にしている。まさかこいつがこんな事できるなんて、っていう顔だった。

しかし時間が無い。「右肩の蝶」の制限時間は残りごくわずかだ。

状況は切迫している。これが最後のチャンスだ。

 

「ちっ…まだそんな力が残ってたのk…」

 

直後、彼女は後ろへ大きく吹き飛ばされた。

 

「…誰が喋る余裕与えるっていったんだ?」

 

否、俺が吹き飛ばした。背中に生えた巨大な蝶の羽は、一つ羽ばたくだけでも周りの物を無慈悲に吹き飛ばす。宙に浮いた俺の真下は、さっきまであった瓦礫などなく、床が露出していた。内心、自分でも少し驚いている。

一方、吹き飛ばされた彼女は空中で何とか体勢を立て直し、ギリギリ着地した。しかし奴は今丸腰。的確に攻撃を与えていけば…勝てる。

俺は右手を奴にかざす。すると右肩にある蝶の紋章が紫色に光り始めた。

 

「…極楽蝶」

 

そして何百匹もの蝶が俺の右手から飛び出した。紫色の蝶たちは、蝶とは思えないスピードで奴に向かって飛んでいき、奴の周囲まで来ると一定の軌道を飛び始めた。やがて蝶たちは奴を中心にドーム状に取り囲んだ。

 

 

これでもう、逃げられない。

 

 

「やれっ!!」

 

それを合図に蝶が一斉に奴に向けて突っ込んでいった。そして━━━

 

ドォン!!

 

蝶は奴にぶつかった瞬間、爆発した。始め一匹が爆発すると、それは他の誘爆させていった。これが今出来る最大の攻撃。見た目シンプルだが使いどころによっては罠としても十分活用できる。

恐らく、もっとこの曲に慣れてくれば、さらに色んな技が使えるようになるだろう。まるでRPGみたいだ。実際こんな事が現実で出来ると聞かされた時は心底驚いた。けどそれが人殺しのために使われているのが、腹立たしくて仕方なかった。

奴は爆発で起きた煙に隠れ見えない。ああれだけの爆発を受けたのだ。死にはしないものの気絶ぐらいはして……

 

ヒュン

 

俺の顔の側を、何かが通り過ぎた。それは煙の中から飛んできた。

 

「ちっ…外れたか…」

 

煙の中から飛んできたのは、鋭利なナイフ。さらに声も聞こえてきた。

ま、まさか…あれだけの攻撃を受けて…。

 

煙の中から傷一つ付かずに、奴が現れた。

 

「いやーあれはすごかったねー。下手したら私今この場にいなかったよー」

 

それは恐らく嘘だ。棒読みなのがバレバレである。という事は、奴にとってさっきのは大したことはないという事なのか…。俺は落胆し、その場で座り込んでしまった。

 

「あれあれー?もう終わりかなー?ならこっちから…行かせてもらおうかぁ!!」

 

すると、彼女の右手から忽然と剣が現れた。何もない所から。

そして左手にも、全く同じ剣が無いもない所から現れた。

 

「…驚いた顔してんなぁ。まぁ無理もないさ…すぐに楽にしてやるからなぁ!」

 

もう何が何だか分からなかった。何もない所から物が出てくる?じゃあ今まで奴は手加減してたってことかよ…。もう俺にはカードのストックはない。ていうかこれしかない。ルカ姉の説明によれば、BSIPカードは一度使い終わると一時間使えなくなるという。もう曲は終わり間近。全力で攻撃するも効かない。もう、成す術がなかった。

奴は、俺の目の前に立ち、俺を見下している。そして剣を向けた。

 

 

「…これで終わりだぁ!」

 

 

終わった。

 

…と思ってた。

 

 

意を決して目をつぶる。

が一向に斬られない。恐る恐る俺は顔を上げた。

 

すると、目に映ったのは、ピンク色の髪だった。

 

 

「諦めてんじゃないわよ!この黄色いイガイガ頭ぁ!」

 

 

ルカ姉がいた。

 

 

♩♬♪

 

この地球上に生きている人間のほとんどは、今してきている生活がどれほど幸せで大切か、分かっていない。

被災して家を失った者、事故で家族を失った者…分かっているという人は、大半がそんな辛い体験をしてきている。が、それだけではない。被害を受けた側でなく、加害者もまた、自分のした過ちで自分の生活ががらりと変わり、今までの生活が出来なくなった人もいる。そんな人もまた、普通の生活がどれほど大切なのか、実感しているのではないのだろうか。

 

彼女もその中の一人だった。

 

幼い頃に両親を失い、さらには兄と生き別れてしまった。

受け入れ先ではまるで、奴隷のように扱われてきた日々。自分の本当の名すら、口にしてはいけなかった。

 

が、それはある日激変した。

まるで「ハリー・ポッター」みたいな、そんな感じだった。

 

 

そんな彼女が、たった一度のチャンスを使って掴もうとしているのは、兄の行方だった。

彼は彼女の歌う美しい歌が好きだった。だからこそ、アイドルになって、兄の行方を探すと同時に、彼に歌を届けたかった。

私は元気だよ、と。

だから一度だけでもいい、貴方に会いたい、と。

 

実際、アイドルの他に色々やる事はあったけど、それでも本来の目的は諦めなかった。

歌のレッスンには全力で臨んだ。彼に最高の歌を届けるために。

慣れない戦闘でも、一生懸命剣を振るった。生き残って、彼に会うために。

 

そして今、彼女━━━初音ミクは絶体絶命の危機に陥っていた。

 

 

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