新年早々こんなタイトルでごめんなさい…
でも…これが本音です、私の
正直、歌歌わずに何戦わせてんだこのやろーって感じですよね、視聴者からして
でも歌ってるんです!ちゃんと日本の音楽業界を活性化させてるんです!
…そこらへんのエピソードを書ければなぁ…と常々思ってます
彼らの名は『UTAU』という。
組織上芸能プロダクションという名目なのだが、それはあくまで表向き。裏では破壊を誘うテロ組織である。そこまでならば別に私達『DIVA』があまり気にする事は無いのだが、問題なのはそのテロ行為の矛先が私達『DIVA』に向けられている事である。そのせいで歴代の『DIVA』達は大変な危険にさらされた。
なぜ彼らは私達にそのような行為をするのか。それは今だに分からない。
彼らがそのような行為に及んだのは、今から19年前、2033年の事である。
当時は『DIVA』が生まれてから1年が経過していて、すべてのマスメディアが『DIVA』に注目していた時期だった。そんな時、とある『DIVA』のコンサート中にテロ組織が押し掛け、会場をハイジャックした。観客、スタッフは無事だったが、ただ一人死人が出た。
そのコンサートの主役である『DIVA』である。
この事実に当時のヤマハは、包み隠さずそれを公表し、テロ組織の存在を世間に知らしめた。また政府もそのテロ組織に関しての対策をとった。しかし、努力も空しく次々と『DIVA』は殺された。
だがその中で、こちらが有利になる情報も得た。その情報の中に「敵の武器は曲」という事だった。彼らは曲のイメージを具現化し、それを使ってテロ組織を行っていた。
詳しく言うとなると、彼らは『DIVA』の元である『ヘッドホン』の技術を真似していた。
『DIVA』はヤマハが製作した特別な『ヘッドホン』を使って活動する。
この『ヘッドホン』には主に次のような機能がある。
歌とダンス、そして衣装着替えの自動化である。
元々この計画が実行されたのは、当時の社長のつぶやきだった。
「VOCALOIDの技術を人間に埋め込んだら、いつでも完璧に歌えるんじゃね?」
そのつぶやきにより、VOCALOID製作チームは一転この無理難題な計画を実行する事となった。そして結果できたのが、『ヘッドホン』というわけである。
よって機能の一つに、歌を入力されたデータ通りに、且つ本人の歌声はそのままに歌い上げる事がある。後々の見解では、アイドル活動にはダンスも自動にした方が都合が良いという考えにより、ダンスも自動化された。
衣装に関しては、かつてのVOCALOIDのコンサートのように衣装替えができたらなぁ…という製作者の願望によるものだった。また、歌とダンスによって体力が消耗される中の衣装着替えは、多少気の引ける作業だという現役のアイドルの意見からも参考にしたらしい。
そして、それらの機能は『ヘッドホン』にSIPカードを挿し込む事で利用が可能になる。
SIPカード(Song Information Processing Cartの略)とは前記に述べたような歌やダンス、そして衣装のデータを集録した専用カードである。もちろんこれが無いとそれらはできない。
さて、なぜ今更『ヘッドホン』の説明をしたかというと、『UTAU』がこの機能を悪用しているからである。
詳しく言うと、彼らは『ヘッドホン』とSIPカードを模倣した。それはあまりに不完全で私達の使っているものと比べたら雲泥の差だが、彼らのものはエンターテイメントの為に作ったものではなかった。
彼らは戦闘の為だけに作ったのだ。
『ヘッドホン』の構造を利用し、装着者に驚異的な身体能力を与えた。
そして前記に述べたように、曲を具現化してそれを自らの矛とした。SIPカードを利用して。
そしてその事実が判明した今、ヤマハは『UTAU』に関する事件は世間には解決したと公表し、政府もこのテロ組織は解散したとし、存在を隠ぺいした。その為、テロ組織がどう動こうと警察や自衛隊は動かず、動いたとしてもそれはいずれも事後処理でしかなかった。
しかし、いくら政府が隠ぺいしようと向こうの行動は過激化するばかり。その為、「国内にはいくつかのテロ組織、あるいはその支部が存在する」と何とか誤魔化してきた。無論、組織が行っているテロ行為の矛先が『DIVA』に向けられている事も。
以上の事から、『DIVA』には自分の身を自分で守ってもらうために、アーティストとしての音楽活動とは別に、戦闘訓練も行っている。
「…というわけよ」
長い長い説明を終え、そばにあった椅子に座る私。座った瞬間ため息が出た。
一方、分かり易く説明した…つもりだったが、さっきの説明で頭がパンクしている緑と黄色と黄色。
「…つ、つまりどういう事ー…?」
「つーまーりー…この間襲ってきた奴らは『UTAU』っていう組織の仲間で、そいつらはなぜか知らないけど私達を襲ってきて、それを何とかする為に私たちは戦闘訓練する事になってんの。お分かり?」
「うん!よく分かった!」
あーなんて元気のいい挨拶だこと…。天真爛漫っていいなー…。
リンちゃんの様子は今の説明でパァっと明るくなったが、残りの二人はどうも納得いかなそうな顔をしていた。
「…な、なんかわかんない事とかあるの…?」
「ありすぎて困ってるんだよ!!」
「…mjd?た、例えばどんな事とか…」
「どこで彼らがその…『ヘッドホン』の技術を手に入れたのか、なぜ俺ら『DIVA』だけを襲うのか…」
「いやそれは向こうにしかわかんないし、こっちとしてもどうしてなのか目星がつかないし…」
「第一『UTAU』が何者達なのか、そしてその目的すら分かってないじゃんか!『UTAU』が組織されてから最低で19年も経ってるのにだぞ!?おかしいだろ!」
「いやそんなの私に言われても…」
現在『UTAU』について分かっている事と言えば、幹部クラスの主要メンバーと、使ってくる曲と…そのくらいである。正直、情報が無さ過ぎる。主要メンバーの名前も全員が私達みたいに偽名だし…。
「後何でこんな説明するのに、わざわざ研究所まで来たん?」
そう、今私達は『家』にはいない。同じ『島』の中にある、ヤマハが管轄するDIVA、及びVOCALOIDの研究施設に、私達はいる。そしてその中にある会議室の一つを貸し切って、今の講演…というか説明をしたのである。
確かに今の説明をするだけなら、『家』の中にある比較的大きい部屋で話せば済む事だ。
その疑問について、私はこう答える。
「これからその戦闘訓練をしてもらおっかなーって思ってて…」
「「「はぁ!?」」」
三人が同時に同じリアクションをしてくる。当然、彼らの目は点になっている。
「いやいやいや、いきなり言われても困るよルカ姉!」
「そーだよー!剣とか銃とか使った事無いのに無理だよー!」
「だからそれを今から学ぼうとしている訳で…」
何とか説得してみるが、向こうは口を閉ざす気配は無い。確かにいきなりこんな事言われても、動揺するのは当たり前の事。私もそうだったし。
今私達には時間というものが残されていない。アイドルとしても、兵士としても。だからこそ、いや今じゃないと間に合わないのだ。敵は私達の居住する場所を知っている。またいつこの間のように奇襲を受けて、いつ殺されるか分からない状況下にあるのだ。
さっきも言ったように、私達には時間がない。
私が守らなくちゃ、いけないのだ。
私と黄色二人組と言い争ってる中、ミクは俯いたまま右手を垂直に上げた。
それに気付いた私達は黙り、負のイメージ漂うミクに恐る恐る聞いてみた。
「な、何か質問があるのでしょうか…?」
「ルカ姉…『UTAU』って人達は曲のイメージを現実に出して、それで戦ってるんだよね…?」
「う、うん…。そうだね…」
「だとしたら…イメージ次第でそこら辺の銃や剣より、圧倒的に強いんだよね…?学んで何かあるの…?」
その質問を聞いた私は、一つ言い忘れていた事があるのに気付いた。
「あ…。ごめん、その事に言い忘れてた事があったわ…」
♯♪♫
全面鋼鉄で出来た壁。その一角に、ガラスごしに見える初々しいアイドル三人組の姿が見えた。
「これから私が手本を見せるんだから、ちゃんと見ててよね?」
『『『はぁーい』』』
『ヘッドホン』から聞こえる三人の声。リンとレンはともかく、ミクはさっき『家』で泣いてから吹っ切れたようだ。
円柱状になっているこの広い部屋。この部屋はシュミレーションによる戦闘訓練を行う為の部屋だ。その為壁や天井のあちこちに、変な機械が取り付けられている。
新人の三人が戦闘訓練にあたる際、向こうは私に手本を見せるよう言ってきた。それに対し、私はそれを受け入れた。まぁ、こんな事言われるのもいたしかない上、BSIPカードを説明するには実際に見せた方がいいかな…と考えた結果、する事にした。
BSIPカードとは、名前からしてSIPカードを改造したもので、『UTAU』がSIPカードを改造し曲を具現化した事に対し「こんな事で負けてられるかぁ!」と言わんばかりに作り上げたものである。
これは『UTAU』の改造したものと全く同じ機能を持つ。つまり曲を具現化し、戦う為のカード。何で戦うかというのは曲ごとで全く異なる。銃でバカスコ撃つものもあれば、魔法のようなもので戦うものがある。
今から使うのは「星屑ユートピア」という曲で、私が12歳の時に自分の持ち歌とした。
これは『星屑』という小さな惑星を操って戦う。…今からそれを見せるので詳しい説明は省く。
「準備いいわよ」
『了解…フィールド展開…』
無口な研究員の声が聞こえた。それと同時に私の周りに『敵』が現れた。
『敵』は私を見るなり、銃を構え、一斉に発砲してきた。
「…shield」
私がそう呟くと、私の周りで渦を巻いていた『星屑』は私を中心に円状の壁を作った。その壁は、青白く輝き、それは星の輝きそのものだった。
バーチャルの敵の放った弾丸は、『星屑』を貫通することなく、床に落ちる音が響いた。
「…needle」
次に私が呟くなり、『星屑』はまた形を変えた。
シールドの形態はそのままに、そこから何本ものニードルが飛び出した。ニードルは『敵』に向け真っ直ぐに伸び、体を貫通した。
だが血は飛ばず、叫び声も聞こえない。ましてや倒れる音も聞こえなかった。
先ほども説明した通り、『敵』はすべてバーチャル。死が確定した瞬間、彼らは煙のように消えた。
しかし、まだ終わりではない。私の上から新たな敵が現れた。
手には剣や槍。そして周りには自分で作ったシールド。私は接近戦に持ち込まれた。
「…hands」
でも私は冷静に対処した。まだ空に舞う敵を、周りのシールドから伸びたでかい手で一斉に潰した。
機械に感情があるのかは知らないが、今の攻撃で向こうも本気になったらしく、『敵』を四方八方に出現させた。壁も天井も敵に覆い尽くされ見えない。この状況を例えるなら…何とか無双とか言うゲームで出てくる異様な敵の数、と言ったら分かり易いのか…?
最も、今の状況はそれより遥かに多いが。
「…powder」
次に唱えたのはパウダー。『星屑』は私の言う通りに、粉となった。それでも『星屑』は光を放ち続けるため、辺り一面霧がかかった様に白くなった。
そして、私は最後の手を繰り出す。
「birth!」
その瞬間、霧は消えた。しかし、それと同時に爆発が起きた。それもこの部屋を覆い尽くすほどの爆発。
私の半径5mは炎が届かないようにしたが、それでも熱気は火傷するほど伝わった。
ほんの一瞬の爆発が終わり、周りには何も無くなった。どうやら終わりみたい。
「…はい終わり。そこの三人ちゃんと見てたー?」
『『『い、いえすまむ!』』』
…どうやら彼らにとんだ印象を与えてしまったらしい。