Vocaloid of voices   作:rufus

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ども、Rufusです

今回ははっきり言ってつまんないです、はい

内容的には次話へのつなぎです…

次から第一章に入ります


…長いとか言わないの


第七話 外出者と侵入者

世間から見れば、あたし達は「裏切り者」。

そんな肩書きを背負いながらも、あたしはここにいる。

隣にいるあたしの恋人も同じである。

後悔はしていない。罪だとも、思った事もない。

あたし達のした事は、正しいと思っている。

 

「…はぁ…」

 

ただ、時々あの日々が愛おしくなる事がある。いつも三人だった。

あたしに妹がいたのなら、あんな感じだったのだろうか…。

 

いや、今は過去を振り返ってはいけない。ただ前を見て、自分の信じる道を進むだけ。

それが、己の首を絞める事になろうとも。

 

♬#♭

 

「ぁ…あれ言うの忘れてた…」

 

私はふと、『master』の言葉を思い出した。

確か始業式はあの新人二人と「裏切り者」二人に行かせろと仰っていた。テトに言わなくちゃ…。

薄暗い通路を少し足を速めて歩く。途中で数人とすれ違ったが、誰もが私に対し会釈した。

正直、人の上に立つのは嫌いだ。今の私にはそんなもの考える余裕などないし、だからこそ、私は人目にあまりつかず、比較的無口な人が多い暗殺部隊に所属しているのだ。

テトの部屋の前に立つ。軽く二、三回ノックした。

 

「…テト?いますか?」

 

返事がない。試しにドアノブをひねるが回らない。鍵がかかっているようだ。

 

「どうしたの?ペッテンソンに用事でもあんの?」

 

右に首を振ると、そこには人がいた。

 

手には酒瓶を持って。

 

「…テトがどこにいるか知りませんか?」

 

「ペッテンソンならさっき出てったよ…ふわぁ…」

 

今にも眠そうな欠伸。どうやら相当酒を飲んだらしい。その証拠に、彼女の手に持つ酒瓶の中は、あと少ししか残っていなかった。頬も赤いし目もトローンとしている。相変わらずだな…と思った。

 

「ぁ…そういえば貴方に伝えたい事が…」

 

「なぁに…?あたしもう寝たいんだけど…」

 

「始業式の日、貴方達二人の出撃が決まりましたので、随時準備をお願いします」

 

「へーぃ…他に同伴者は…?」

 

「『ミルキーウェイ』とルコ、後『クッキー』と『悪夢』です」

 

「…随分多いんじゃないん…?あの三人の捕獲だけなら別にそんな人数割かなくとも…」

 

確かにその通りだ。そしてこれが私のミスだとは言いたくないので

 

「ルカが乱入してくるかもしれません。おまけにあの三人の戦闘能力も未知ですし…」

 

全うな意見だけを言って誤魔化した。それに彼女は納得して「そっかぁ…」と小声で呟いた。

 

「んじゃ…カイトにも伝えとくねー…」

 

今にも瞼がくっ付きそうな目を擦りながら、彼女、メイコと呼ばれるその人は去っていった。

にしてもこんな夜中にテトはどこに行ったのだろうか…?

 

だが、私は余計な詮索はせず寝ることにした。

 

♩♭♪

 

ジリリリリ…

 

唐突に鳴り響く騒音。その音に多少の嫌悪感を感じながら、アラームを止める。

起き上がる。いつも通りの風景。私の部屋。

ふと枕元を見ると…

 

「…もぅ食べられにゃい…」

 

「誰だこいつ!?」

 

私初音ミク、一生記憶に残る出来事に遭遇した。

 

 

 

「…なんであんたがいるのよ、ペッテンソン…」

 

「もっかいその名前で呼んでみやがれ!舌を切り裂くぞこんにゃろー!」

 

「…31のくせに若く見せるような事言わないでよ…」

 

赤い髪。ドリルのようなツインテール。私の寝室に潜り込んだ女は、重音テトと名乗った。

彼女はルカ姉の姿を見るなり、とても馴れ馴れしそうに接してきた。

ルカ姉は「別に悪人じゃないから平気よ」と言ってきたが、不法侵入した時点で悪人なのは言わないでおいた。

 

そして、彼女は自分が『UTAU』であると言ってきた。

それには心底驚いたし、何故敵であるルカ姉とあんなに慣れ慣れしいのか、疑問と疑惑が私の中で渦を巻いた。けど二人の様子から、テトという人が二重スパイをしているとは思えなかった。

おまけに彼女が31だとは思えなかった。

 

「にしてもさぁー?ウタの奴あいっ変わらず『master』にご執心でさぁ?何であんな奴の下で戦えるのか不思議で仕方ないわー」

 

「…あのねぇ、あんた愚痴だけを言いに来たの?それだけなら帰ってくれない?」

 

「いやいや待って待って!私はあんたさん達に重要な話を持って来たんだよ!」

 

「だったらそれだけ言ってさっさと出て行きなさい!」

 

「えー…ぱくっ…久々にルーちゃんの手料理食べたかったんだけどなぁ…ぱくっ」

 

「今食べてるじゃない!」

 

さりげなく、彼女はリンちゃん用に作ったスクランブルエッグを食べていた。随分と幸せそうな顔をしているのはルカ姉の腕の良さなのか、それともわざとなのか…。

 

「…ミク姉…」

 

「ぁ…リンちゃんおはよ…」

 

背後から寝ぼけ眼のリンちゃんがやってきた。どうやら、朝一番の来客に戸惑っているらしい。

私が彼女について色々と説明してあげた。するとリンちゃんが一言。

 

「…おばさんじゃん…」

 

「誰がおばさんじゃぁ!」

 

私の耳に届くか届かないかの声量だったのに、テトが異様に反応した。その怒り狂った様子を見て、リンちゃんは、怯えて私の影に隠れてしまった。

 

「あ…その子がリンちゃん?またまた可愛いねぇ~」

 

「…手を出すつもりなら容赦しないわよ?」

 

「そんな事しないよぉー。私はルーちゃんだけで十分!」

 

「ふざけんな!あんたと一夜を共にするつもりなどあるかぁ!」

 

あんなに叫んでるルカ姉初めて見た気がする。というか話随分それたなぁ…。

とりあえず、私は腹が減ったので椅子に座り、怒鳴りあってる二人をよそに目の前の朝食を食べ始めた。リンちゃんも、赤毛のおばさんに怯えながら椅子に座り朝食を食べ始めた。

 

「あれ…?私のスクランブルエッグは…?」

 

「あ………いいや、私のあげるよ」

 

リンちゃんのスクランブルエッグはさっきおばさんが食べてしまった。それを知らないリンちゃんは、一つだけ空になっている皿を見て不思議そうな顔をした。

 

「あ、ちょっとー。二人だけ朝食食べ始めるなんてずるぃー」

 

「黙りなさい!とりあえずその重要な話だけ言って帰って!」

 

「へーい…」

 

とうとう諦めたか、赤毛のおばさんは今の言葉でうなだれた。そして、こう切り出した。

 

「…始業式の日…『UTAU』は新人さん三人、襲いに来るよ」

 

「「…へ?」」

 

お…襲われる?一体どういう事…?

 

「今ここには後一人いないけど…ミクちゃんとリンちゃん、そしてレンくんが、始業式の日に襲われるって言ってるのー」

 

し、始業式?始業式って…私達の転校先での…?

その言葉に私は心底驚かされた。と同時に彼女に対して疑惑が生まれた。奇襲をかけるのに、それを敵に伝えるなど向こうにとって何のメリットも無いのに、それをするなんてどうかしてる。

第一敵に自分達の計画を知らせるという大胆な事をする、という事は裏で何か考えてるに違いない。どう考えても、彼女は怪しかった。

疑いの目が向けられる中、彼女は淡々と始業式襲撃計画についての詳細を話し始めた。

 

「襲撃時刻は午前10時頃。始業式の真っ最中に襲撃する。メンバーは…天音と欲音とこの間ここに襲いにきた新人の二人。…ウタの事だからもしかしたら後二人くらい増えるかもね」

 

「そう…。分かったわ。こちら側でもちゃんと対策は取っておくわ」

 

そしてルカ姉は、彼女のいう事を素直に受け入れた。まぁさっきまでの会話からして、そうなるとは予想はしていたが、にしてもあっさりとした受け入れに、私は戸惑いを隠せなかった。

そんな私を見て、テトはこう言った。

 

「…まぁそんな顔されても仕方ないか…。後々、私とルーちゃんの関係について教えてもらえるよ」

 

そう言い、彼女は笑顔を見せた。そして玄関から去っていった。

 

♫♩♭

 

そろそろ、だ。

 

本部の方から連絡を受けて1時間弱。そろそろ到着するはずだ。

突如知らされたメンバーの追加。それは意外であったと同時に、怒りを覚えた。

新しい「家族」がやってくるのは大変喜ばしい事だ。だが、それが誰かの命令である、というのが気に食わない。そして今までと同じように戦闘訓練をさせるんだろうなと思うと、非常に腹が立った。

 

私達は、ただの手駒に過ぎないのかな…。

 

時々そう思う事がある。けど、私は歌うのは好きだし、アーティストになるのも幼い頃の夢でもあった。それが叶えられて嬉しいが、それ相当、いやそれ以上の責務を背負ったのは、今でも腑に落ちなかった。おまけにそれを高校生や中学生までにも背負わせるなんて…。

この世は私が思っている以上に、残酷なのかもしれない。

 

正午過ぎ。私は昼飯で使った食器を洗っていた。

今は3月。つい最近まで水がかなり冷たくて、食器洗いするのが億劫になっていたが、今ではそうでもなくなった。

リビングからは、新しい「家族」を今か今かと待っている三人の声が聞こえてきた。

 

「ねぇ!みんなでどんな人が来るかよそーしてみよーよ!」

 

「んーそうだなぁ…。私はすんごい無口な人が来ると思うなぁ」

 

「…どんな人かはさっき時原さんに教えてもらったじゃん…」

 

「そーだけどさー…この紙に書いてあるのは名前とか外見とかそのくらいじゃーん。だからどんな性格かをよそーするのー!」

 

「あーはいはいそーですね…」

 

リンちゃんがいつ無くテンションが高いのは、きっと新しい人が来るという事の期待感からだと思う。

今日、この「家」にやってくるのは二人。どちらも女の子。

片方の子はこっちで住むことになるが、もう片方の子は家の事情で住まないらしい。今回は挨拶、ということで来てもらう事になったという。

食器洗いを済ませ、濡れた手を拭いて、リビングにでた。私は部屋に戻って部屋の片付けをする為、賑やかに盛り上がる三人に交ざる事無く、リビングを後にした。

 

 

「さて…と、片付けなくちゃ…」

 

とりあえず、ベットで寝れる程度には片付けたのだが、その他は襲撃された直後のまま。相変わらず物という物が散乱していた。

新しい二人が来る前に、出来るとこまでやっておこう。

私は床に散らばった本を拾い始めた。

 

 

終わんねぇ…。

片付け始めて30分。一向に終わる気配がない。膨大な数の本をしまった本棚が倒れた為、本が散らかっているのは当たり前なのだが、当の本棚がでかい為これをどかさない限りこの部屋の安息は訪れることはない。

しかしこれは困った。私一人じゃこんなのどかせないし、かといってこれをどかさない限り片付けは一向に終わらない。おまけにこれをどかさないと他のところの片付けもできない。

 

「どうしよっかなぁ…」

 

途方に暮れてしまった。ベットには大量の本。床に本の姿は無くなったのは良かったが、くつろぐにも床じゃ汚いしベットに寝っ転がれないし…。

あっそうだ!本読もう!…ってここにある本、全部読んだったんだ…。

 

ゴンゴンゴンゴン

 

突然のノックに、つい体が跳ねてしまった。

急いでドアを開けに行く。

 

「だあれ?…ってミクちゃんどうしたn…」

 

「来たよ来たよ来たんだよぉ!早く来てぇ!」

 

「あ、もう来たの?」

 

随分早い気がした。本部からここまで徒歩だと2時間はかかる。その為、私の到着予定時刻より30分も早かった。よっぽどのせっかちなのだろうか…。

私は興奮状態のミクちゃんをなだめ、一緒にリビングに向かった。

しかし彼女の興奮は納まる事を知らず

 

「でねでね!その子すんごく可愛くてお人形みたいなの!」

 

「はいはいそーですか…」

 

どうして彼女はこんなに興奮しているのか…確かに資料で顔は見たが、二人ともとても可愛かった。ミクちゃんもそのはずだが、それを実物が遥かに上回った、という事なのだろうか…。その興奮のあまり、彼女の歩くスピードはとても速く、追いついていくだけで精一杯だった。

 

「それでね!『好きな食べ物は?』って聞いたら『……特には…ない…』って答えたんだよぉ!可愛いでしょ!」

 

「そ、そうね…」

 

何だこいつ…まるで親バカみたい…。

歩くスピードは尋常じゃないのに、早口で新しく来た二人の一つ一つの挙動を話してくる。そんな体力あるなら別の事に使ってほしいなぁ…。

 

当然リビングに着いた時にはもうバテバテだった。

 

「連れてきたよ!二人とも!」

 

玄関先には、二人の女の子が私を見てとても驚いた顔をしていた。ここまではいつも通りの展開。

続いて私は自己紹介をした。

 

「貴方達が新しい『DIVA』ね?初めまして、巡音r…うっ」

 

ここで予想だにしない出来事が起こった。

突如腹部に伝わる圧迫感。恐る恐る目を下に向けると、銀髪の少女が私に抱きついていた。

 

「………会いたかった…」

 

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