新庄雄太郎鉄道短編集  車窓に眺める殺意の風景   作:新庄雄太郎

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特急白鳥の車窓は、窓を眺めると日本海が見えてきます

特急「白鳥」で北陸本線と羽越本線を舞台に書いてみました


特急「白鳥」 北陸・羽越連鎖殺人

大阪、青森間を結ぶ特急白鳥は、東海道本線・湖西線・北陸本線・信越本線・白新線・羽越本線・奥羽本線を日本海縦貫して長い距離を走る特急電車である、大阪を9時55分にに発車し、新大阪、京都に止まり列車は湖西線に入り、窓の外に琵琶湖を眺めながら近江塩津駅に通過すると右手から北陸本線の線路が近づいてくる、やがて合体し特急「白鳥」は湖西線から北陸本線に入る、北陸本線に入ると敦賀、福井、金沢、富山、魚津、糸魚川、直江津、長岡、新潟、酒田、羽後本荘、秋田、弘前、終着青森には22時51分に到着する約12時間の旅である。

 

2月9日 未明 グリーン車

 

10時25分、京都駅に到着した特急「白鳥」は、多くの人が北陸や東北へ行かれる人も多くいた。

 

「あなたもこの列車に乗るの。」

 

「ええ、私は富山へ行くんです。」

 

「そうなんですか。」

 

特急「白鳥」は近江塩津を通過して北陸本線に入った、窓を眺めると雪が降っていた。

 

「わぁ、雪だわ。」

 

「本当だ。」

 

そこへ、車内販売がやって来ました。

 

「ジュースとお菓子と弁当はいかがですか。」

 

「すいません、缶ビールとつまみを。」

 

「私は、サンドイッチとチョコレートをください。」

 

「はい。」

 

金沢駅 12時50分

 

「かなざわー、かなざわー、ご乗車有難うございました、金沢です、」

 

と放送が流れた、51分に特急「白鳥」は金沢を発車するのだ。その時、アナウンスが流れた。

 

プルルルルルルルルル。

 

「お待たせしました、間もなく5番線ホームから12時51分発の「白鳥」号青森行が発車します、まもなく特急列車青森行が発車します、お乗りの肩はお急ぎください、5番線の列車が発車します、ご注意ください。」

 

プァーン!

 

特急「白鳥」は金沢を発車した。

 

そこへ、車掌がやって来た。

 

「すみません、乗車券を拝見させていただきます。」

 

「はいっ。」

 

ガタン、ガタン、ガタン

 

その時、男は1人の女性を起こそうとした、ところがその女性はアイスピックで刺されて死んでいたのだ。

 

「うわーッ!」

 

富山 13時36分。

 

特急「白鳥」は13時35分に富山駅に到着した。

 

そこへ、駅員と鉄道公安隊が跨線橋を通ってホームに降りてきた。

 

「どこだ、死体が見つかったのは!。」

 

「35分に着いた青森行の特急「白鳥」のグリーン車内に。」

 

「死んでるのは女性のようです。」

 

第一の事件は富山で起きた、白鳥の殺人事件は富山県警から特捜班に連絡が入った。

 

「小野由美子、35歳、わかりました、早速こちらで調査します。」

 

高杉が言う。

 

「今富山県警から捜査協力要請だ、小野由美子を調査してくれ。」

 

「わかりました。」

 

早速、南と小泉は小野が勤務するブティックへ向かった。

 

「すいません、鉄道公安隊の南です。」

 

「同じく小泉です。」

 

そこへ、1人の男がやって来た。

 

「どうもお待たせしました、私は副社長の岩城です。」

 

「早速ですが、小野社長についてですが何か気づいたことはありませんでしたか。」

 

「そうですね、彼女はよく1人で旅をするのも好きでしたし。」

 

「そうですか、1つ質問してよろしいですか、特急「白鳥」には乗りましたか。」

 

「いいえ、私は白鳥に乗らなかったですよ。」

 

「そうですか。」

 

「公安官さん、私は山形まで行かなけらばならないのでこれで。」

 

「そうですか。」

 

特捜班に戻った、南と小泉は報告した。

 

「そうか、白鳥には乗らないか。」

 

「恐らく、新潟行の雷鳥に乗って山形へ行くと思われます。」

 

「そうか。」

 

そして、第二の事件が起きた。

 

山形県・酒田市

 

「わっ、ナニコレ。」

 

「キャーッ。」

 

山形県の酒田で殺人事件が起きた、被害者は副社長の岩城 清二さん54歳、死因は毒殺によるものだった。

 

特急「白鳥」の殺人事件は富山と山形で起きたので合同捜査に特捜班も加わった。

 

「第一の事件は解けたよ、そして酒田で起きた第二の事件の謎、この日犯人は特急「白鳥」に乗って9時55分に特急白鳥は大阪を発車し、富山には13時35分に着く、そして酒田には18時49分に到着する。」

 

「犯人は2人いたって事になりますね。」

 

と、梶村は言った。

 

「犯人は、上野から信越本線に乗り直江津で白鳥に乗った。」

 

「白鳥は直江津には何時に始発何ですか。」

 

「直江津には、14時50分に到着し、52分に発車する。」

 

「なるほど、1人は金沢で降りて、2人は直江津で白鳥に乗り酒田へ向かった。」

 

と、高山は言った。

 

「そうだ、高山の言う通りだ。」

 

「じゃあ、犯人は酒田で降りて新潟から新幹線に乗ったのね。」

 

「そういう事だ。」

 

南は高山、桜井、小泉、水野、香川、岩泉と共に犯人の確保へ向かった。

 

「だ、誰だてめぇ。」

 

「鉄道公安隊だ。」

 

「くそーっ。」

 

3日後、小野由美子及び岩城清二殺害容疑で2人の男を逮捕した、犯人は悪徳総会屋の人間だった、彼らは会社を売り、乗っ取ろうとしたことの恨んでの犯行だった。

 

特急「白鳥」で起きた北陸と羽越の殺人事件は特捜班の活躍で事件は解決し、幕を閉じた。

 

 

 

 

 




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劇中の特急「白鳥」は平成元年のダイヤを使用しています

特急「白鳥」は2001年のダイヤ改正で廃止されました

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