俺の夢見たバンド活動は何処へ   作:灰鳥

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やばい、スランプ入った気がする


夏祭りはエイサホイサするだけじゃねぇ

「夏祭りって知ってる?」

「夏祭り…?」

「そ、夏祭り」

 

えーと…状況がいまいちよく分からないというか始まって四行目なんで分かるかこの野郎って人がほとんどだと思うんで状況説明しますね。

現在、あのドキッ!美少女だらけの合宿!…やめよう、このノリ自分でやっておいてなんだけどやめよう。

兎にも角にもあれから一週間が経過した、俺は課題を超特急で終わらせ、今はバイトとRoseliaとafterglowのコーチを渡り歩いている多忙極まりない日々を過ごしている。

そんな忙しい身のオレがこんな所で何をしているかと言うと暇だからブラブラしていると、蘭に会ってついでに羽沢珈琲店で奢らされている次第だ。

その蘭が、ご注文のカフェラテが来た時の第一声がこれだったという訳だ。

「夏祭り…巴が和太鼓って言ってた奴か」

「それもあるけど、本題はこっち」

すると蘭は店のレジ付近にあったパンフの山から一枚取ってこちらへ見せてきた、その内容は…。

「なになに…『例年、大きな盛り上がりを見せる花火大会ですが、今年は規模を二倍にすると広報担当が発表…それに伴い、演出時間も2倍になる予定』…」

「今年はいつもよりも規模が大きいからあんたも誘うってモカが」

「ならあいつ直接…あー、バイトか」

「それで、どうする?行くの?」

「まー、Roseliaの練習があったとしてもリサ姉とかあことかが夏祭り行きそうだよな、白金さんと友希那さんは引っ張られていくだろうし、紗夜さんは日菜さんに引っ張られていくだろうしな」

「それで行くの?」

「…そうだな、あれ以来特にどこにも遊びに行ってないしな」

「ん、分かったそう伝えとく」

「ところで蘭」

「何?」

「俺さ、実はもうモカからお誘い受けてんだよね」

「は?」

俺はモカとの数日前のLINEのトーク画面を見せる、というかモカとの会話頻度やべぇなめっちゃスクロールしたわ三日前なのに。

 

『シューくーん』

『何?どした?』

『今週夏祭りあるけどシューくんも行こー?』

『いいよ、暇だし』

『それと、蘭にも誘われると思うからこのトーク見せて誘ってもらったって言っておいてねー』

『おん、じゃな』

 

「蘭?」

「っ…/////」

なんでしょ?この可愛い生き物は、なんか急に顔真っ赤にしてトーク画面凝視してるんだけども。

「っ…!」

「え?」

ちょっと待ってください、何故俺を睨むんです!俺はなんも悪いことしてないやん!なんでやん!?。

すると蘭は黙って席を立ち、俺の隣で仁王立ちの姿勢で穏やかな顔に変わる。

いやまぁ…穏やかなのは顔だけで纏ってる黒くてなんかは全くわからん、いやまぁ…ちゃんとヤバいってことだけは伝わったけど。

「あのさぁ…」

「…おん…?」

「もっと早く言えよこのタコォォォォ!!!!!」

「おいちょっと待って!やめて!お願い!助けて蘭様!」

 

「あんぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…という、そこそこ大事な…いやこのやり取りに1000文字も使ってる時点でアウトだよなうん。

 

(仕切り直し)

 

…という、そこそこ大事なような大事でもないような経緯を経て。

 

「待ち合わせ…場所っと、ここだよな?」

俺は合宿の時に、黒服の人達から貰った服を着て祭り会場へ来ていた。待ち合わせ時間まであと5分ほどあるからまぁ…時間はある。

「おーい、シューくん」

「なんだ、来てた…のか」

「どしたのー?そんなまるでこの世に降臨した天使を見た顔をして」

「今のお前の傲慢すぎる自画自賛で正気に戻れたありがとう」

「えー」

単刀直入に言う、浴衣を着ている蘭とつぐとひまりとモカ、可愛い。

マジ天使!ていうか蘭は絶対和装似合うと思ってたけどここまで似合うとは意外だな、巴も巴で法被が良く似合う。

「ちぇー、折角可愛さを武器に色々と奢らせようとしてたのにー」

「可愛い顔してなんてこと言いやがるんだこのピンク」

「一応言っとくけど私とつぐは関係ないから」

「それは分かる、うん」

まぁ…蘭がこの格好でデレながら「買って♪」って言ってきたら迷わず「うん♪」と、返してしまうだろう、キモっ!。

「なんか変な事考えてない?」

「気の所為だろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「花火は何時からだっけ?」

「20時」

「まだ1時間半ぐらいあるねー」

「そうだな…、あんまり遅くなるとアレだし花火見て帰れるようにしないとな」

「じゃあ、適当に屋台回って食べてく?」

「それが妥当だろ、ていうかひまりとつぐと巴は?」

「巴の和太鼓についていったー」

「…行くか」

「そうだねー、丁度一周するみたいな感じになりそう」

「うん、そうしよう」

はてさて…何を食べようかな、個人的にはコーンバターとかフレークポテトとか祭りでしか食べられないものを食べたい。

あと、祭りの漬物きゅうりめっちゃ美味しいのわかる人いる?俺の地元の漬物きゅうり超美味しかったんだよね、聞かれてないけど。

「シューくん、荷物持ちよろしくねー」

「よろしく」

「おん…分かってはいたけどな」

そう、こうなる事が分かっていたから途中で高田連れてこようか悩んだまである。

まぁ…絶対カオスになるからものの数秒で考えを改めたけどな。

「ていうか、モカ、ひまりとつぐと巴は?」

「んー?えっと…和太鼓の準備だって、つぐとひーちゃんは手伝いに行ったー」

「折角だし見てくか…」

「そーだねー、はい」

「ん?何これ?」

「手、繋ご」

「え…」

「だってほらー、はぐれたりしたらあれじゃなーい?」

「いや、でも荷物持てなくな…「いーから」蘭!?」

あれ?なんか意外な人が介入してきたよ!?。

「よーし、それじゃ3人で行こー」

「待ってこのまま行くん!?」

神様、周りからの視線が激しいです。それに気づかない2人には何と声をかければよろしいでしょうか?僕にはさっぱり分かりません。

ただ一つ、言うべきことがあります。

 

助けてぇぇぇぇぇ!!!!!!。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーっ…」

「何?なんかあった?」

「いや…色々と精神的にな」

あの後周囲の異様な視線に晒されながら、だいぶ歩いて今は巴の和太鼓を見ながら買ってきたものを食べている。良かったよ漬物きゅうりあって、美味しい美味い最高。

家でめっちゃ作ろ、作り置きして常備してよ。

「あんれ?また、気づいたらモカとかいない」

「さっき、「かき氷を買って参ります」って言って走ってった」

「自由人か、他2人はついてった感じ?」

「そ、迷子にさせるといけないからって」

「過保護だなぁ、いやモカだしワンチャンあるか…」

うん、ワンチャンどころかツーチャンぐらいありそうだな普通に。

「まぁ…モカだし」

「そう、モカだしなぁ…」

いつぞやのデー…買い物の時も、あん時も手、繋いでたっけな。懐かしいか、あれももう…二ヶ月前か。

「もう…4ヶ月か」

「何が?」

「俺が蘭やモカ達、リサ姉や紗夜さん達、circleのメンバーと出会って」

「あー…懐かしいかも」

「時間の流れは早いもんだな、あっという間に歳をとるんだから」

「そう…なのかな?」

「蘭?」

「ねぇ、修人」

蘭が少しだけ距離を詰めて手を…握るまではいかないが、そっと俺の指先に蘭の指先が絡まる感覚だけは見なくても伝わった。

「修人はさ、今楽しい?」

「蘭…?」

「私達と一緒にいて…楽しい?」

「…何言ってんだよ、楽しいに決まってんだろ」

「そっか…よかった」

「…ん?なんか通知が…」

「どしたの?」

「ちょいまち…あー」

「なに…え…」

俺が見せた端末の画面にはモカからのLINEが来ていた。

そこには『モカちゃん達は先に花火の場所へ向かっているであります』と、なっていた。

「…行くか」

「だね…」

「手、離すなよ」

俺は、さっきまでは指先が絡まるだけだった蘭の手をしっかりと握る。

「…うん」

「よし…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、こっちだよー」

「蘭、大丈夫か?疲れてね?」

「大丈夫、ほら早く行く」

「お、おぉ…」

と…蘭に背中を押されて俺は河川敷に来ていた。

「あ、おっそーい!」

「え…なんでリサ姉」

「私は今日お祭り行くって言ってたでしょ」

「いやそうじゃなくて、なんでここに…」

「モカがみんなで一緒に見よーって誘ったんだって」

「あー…」

「モカちゃんはうっかりさんなのでシューくんにだけ伝えるの忘れていましたー、テヘペロ」

「おい…」

俺が河川敷を見下ろすとそこには、なんかcircleの面々が全員いた。

やばい浴衣美少女やばい、俺ここで死んでも本望だわやったぜ神様!。

「あ、始まったよー!」

誰かがそう言って皆がスマホで写真を撮ったり目を輝かせて見たりしている。

「ふっ…」

「どうしたのー?急に笑い出して」

「いや、別に…」

「楽しいよねー、こういうの」

「あぁ、そうだな」

「これからもずっとこうしてみんなで楽しめたらいいねー」

「あぁ」

「だからね…シューくん」

「ん?」

するとモカは一瞬何かを言いかけたが、躊躇するように目を伏せた。

「うーん、やっぱりなんでもなーい」

「なんだそりゃ…」

 

 

 

 

 

 

 




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