俺の夢見たバンド活動は何処へ   作:灰鳥

14 / 17
自分の中で考えついた夏休み小話を詰め込みました


夏の小話

「プールに行きたい」

「え、なに?急にどうしたモカ」

「夏だし、プールに行きたーい」

「あー、うん夏ね」

ここは山吹さん家のパン屋さん、ここでなんとなーく行ったらモカがいて、相席へ引きずり込まれて向かい合ってお昼を食べている。

何か夏休みなのにモカとか蘭とかとしょっちゅう会う気がするのは気の所為だろうか、いや気の所為じゃねえわ。

「行こーよ、シューくん」

「行くって…こないだ海行ったばっかじゃ?」

「海とプールは別腹なの」

べつ

「えぇ…」

「という訳で、今から行こ」

「え?今から?え?」

何だこの子、夏の暑さにやられて頭でもおかしくなったのか…、いや元から割とおかしくはあったけども。

「近くのあそこのプールなら割と空いてるし行こーよ」

「えぇ…というか、どうせならみんなも連れてこれば…」

「…ダメ?」

「よし行くか」

「やったー」

ここに明言しよう、可愛さとは時に人をとんでもない方向へと導くことを。なんなの…モカに上目遣いで涙目で見つめられたらもう断る訳には行かねぇだろ卑怯だぞ!。

まぁ…可愛いからいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ったー?」

「今来たとこ」

あれから二時間後、各々の準備を家で済ませ現地集合という形で集合した俺達は入口前で待ち合わせていた。

「モカちゃんは準備万端なのだー、シューくんは?」

「水着と浮き輪と、あと水筒、それと日焼け止め」

「よし、行こー」

「ちょっと待てどこへ連れていく気だ」

「女子更衣室♪」

「じゃあ俺こっちなんでぇぇぇぇ!!!!!!」

「あ…」

俺は全速力でモカの手を振りほどき、男子更衣室へと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして行っちゃったのー?」

「いや、あのまま行ってたら犯罪者だからね?完全にクソ野郎の烙印押されちゃうからね?」

「大丈夫だよー」

「どこが!?なんか俺に対して投げやりじゃないモカさん!?」

「あー、ほらそれより行こーよ」

「お、おう…」

自分から話を変な方向へもっていっておいて切り上げ時に俺が悪いようにするとかある意味で用意周到だよなこいつ。

「…なんかないのー?」

「ん?何が?」

「…知らなーい」

「え、えぇ…」

なにやら地雷を踏んだんでしょうか、モカさんのご機嫌がイマイチなようで。いや普段から機嫌の善し悪しが1番わかりにくいのがモカなんだけども。とりあえず今回ばかりはプイッと顔をそらされてるので怒ってるのだけは伝わった。それとなく…微妙にだけど。

「さて…俺達二人で来たわいいけどなにする?」

「あそこ行こー」

「ん?…あー」

モカが指さしたのはそこそこの人がいる流れるプールと言うやつ、まぁ…妥当だよな、みんな好きだもんね流れるプール。

童心のまま…いや、心のままに生きているモカならこういうのは好きそうだ、…その上に見えるウォータースライダーは是非とも避けて欲しいところだ。

「何青ざめてるのー?熱中症?」

「なるにしても、こんな涼しいところでなるか」

「それもそうだねー」

こんな水が飛び交う水戦争状態のプールで熱中症になるのは多分2時間ぶっ続けで遊んでる小学生とかだろうか…。

まぁ、今どきの小学生はそんな事しないだろうけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい心地ですなー…」

「そりゃ浮き輪に掴まって浮いてるだけのモカはな?」

まぁ、ある程度の予測はしていたけども。

案の定、マイペースモカさんは流れるプールで「あーれー」的な感じでどんどん離れて言ってしまったので俺が浮き輪の紐を引いて先導している次第だ。

見た目完全にペットの散歩だよな、問題ある。

「ていうか…」

「ん…どしたの?」

割と小さい浮き輪なのにモカがそこに収まるのは一体何故だろうか、女性の体は何かを潜り抜けるという事に対しては割と融通聞くとかいう無駄知識をリサ姉から聞いたことはあったけど、ぜったいその2つの実ったスイカが引っかかると思うんですけど。

「どこ見てんのー?」

「なんでモカがそのサイズの浮き輪に入る…?」

「女の子の力」

「塩の力みたいに言うなや…」

塩の力ってネタ知ってる人いるのかな、俺もギリギリその世代だから知ってんだけど。

…なんでこんな話してんだろ。

「ほへー…気持ちいいねー」

「なんて間抜けな声を…」

まぁ、モカがこんなにリラックスして心地よさそうにしている顔は個人的には大好きだ、うん、俺得だ。

「シューくんは、課題終わった?」

「終わってる」

前述のとおり、俺は前半にすごい勢いで終わらせたのでもうほとんどない。

「そういや…afterglowとRoseliaのメンバーの課題の進行状況確認しなきゃな」

「というか、それよりも勉強会またやればいいじゃーん」

「ダメだ、とてつもなくめんどくさいし、どうせ俺が準備担当だからダメだ」

「えー、ケチー」

「文句があるならおれをケチに育てた親に言ってくれ」

予め言っておくと俺の親のケチレベルは俺の比じゃないからな、というかモカの中のケチ判定はガバガバすぎるから真に受け過ぎないように。

「さて、シューくん」

「ん?どしたよ?」

「上をご覧くださーい」

「上?」

そうして上を見ると…

「きゃァァァァァ!!!!!」

「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」

「…」

そこには絶叫が響き渡るウォータースライダーのコースがあった。

「…嫌です」

「という訳で行こー」

「嫌です!絶対に嫌です!」

「よーし、レッツゴー」

「おい待て!俺はぜってぇー行かねえかんなぁぁぁ!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ー?」

「自分から誘っておいてそれを言ってしまう!?」

結論から言う、めっちゃ怖かった。あれを楽しんで乗れる人の神経が知りたい、まじで。

柄にもなくビビってしまった、恥ずかしい。

見られたのがモカでまぁよかった、モカじゃなかったらかなりしつこくネタにされるだろうしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんでまぁ、その後なんだかんだで遊び倒して気がつきゃプールが終わる時間になっていた。

その後、まぁ帰るしかないしでとりあえず着替えて自販機で自分用にホットコーヒーとモカ用にカフェオレを買って待ってたらちょうどよくモカが来たので送っていくという事になり、2人で帰路を辿った。

 

…別に帰り何があったとかは色々考えないでいただきたいということでひとつ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよー…ってあれ?」

「あんた、なんできたの?」

「いや今日練習じゃねえの?」

「はぁ…昨日連絡入れたんだけど、ひまりに急な用事が入って今日の全員での練習は休みだって」

「うわ…マジか、ていうか俺見てたのに忘れてたのかよ…」

蘭のスマホのトーク画面を見ると、そこには俺を含めたafterglowのメンバー全員の既読を示す、既読五の文字があった。

「ちょうどいいし、なんか弾いていったら?」

「今日は、アコギとエレキなんだけど…まぁ、わざわざここ来て何もしずに帰るのもあれだし…やるか」

「何弾くの?」

「そうだなぁ…夏だしな、うーん…快晴でいいか」

「じゃあ、私歌う」

「お、いいね」

実を言うとこうして2人で歌うのは何気に初めてではないのだ、2人だけひと足早く来てしまったりだとか、今日のようにどちらかが間違えてどちらかが自主練に来ていたりだとか偶然にも2人で弾くとかは割と結構ある。

ちなみに言うとたまにまりなさんに隠し撮りされて蘭が照れ隠しなのか知らないがこちらを全力で蹴ってくるのはもはや習性なのだろうか、もしくはツンデレなのだろうか。

俺はどちらでもあるとおもう。

「おーし、準備いいかー?」

「うん、いいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、決まった」

「いつも通りだけど…また、まりなさんに撮られてないか心配」

「あー…」

もはや盗撮の技術がなんかプロ並みになってきたまりなさん、隠し撮りされてる時はマジで存在感を一度も感じたことが無い。

「まぁ…あれよ、きっと居ないって信じよう」

「…だといいけど」

ていうか、相変わらず蘭の歌声は綺麗だなとね。もうほんとに素晴らしいの一言ですわ。歌ってる時の顔も最高に可愛い。

「ていうか、あんたって歌も上手いよね、何処でそんなに…」

「うちの親がカラオケ好きでな、歌のコツとが小さい時から色々教わったんだよ。まぁ…八割は我流で二割はオーソドックスなやり方って感じでやってると思えばいいか」

「だから…なんか癖あるんだ…」

「癖か…確かにあるかもな」

 

「歌では負けないから」

「いや、友希那さんとか蘭に勝てる気は全くないからな?」

「そうなの?」

「お前らは肺活量とか技術とかがそもそも別次元なんだよ…」

「…どうも」

「教える身としては何かと教えた事をすぐ出来るようになって助かると言えば助かるが…」

「…が?」

「…ちょっと嫌な話してもいいか?」

「…うん、いいよ、たまには」

「…たまに不安になるんだよ、どんどん上手くなるお前らを見てるとな」

「なんで?」

「いつか、俺は置いていかれんじゃないか、見捨てられんじゃないかってな」

「…」

「もう話してもいいか…、俺は中一の時にバンド組んでたんだよ、メンバー数3人の小さなバンド。仲も良くてお互いを信頼してた、でも俺は当時はその中でも一番下手だった、そんな俺を見捨てるかのように他の2人は俺の代わりのように上手い人を新メンバーに迎えた、俺と同じ楽器が得意な奴を。もちろん、最初はついて行った、でもだんだん辛くなった。このままズルズルと置いていかれるのは嫌だった。だからそのバンドをやめて一人で頑張ることにした。1人でやれば比較対象もないから置いていかれるなんてことはないって思って、たった一人で努力してここまで来て、お前らと出会って成長した俺なら人に教える事も出来るんじゃないかって、でも今じゃ最初は俺が上手かったのに、もう今じゃ振り返ればすぐ後ろに迫ってくる」

「…」

「正直に言う…1番怖いのはお前だ、蘭」

「私…?」

「蘭が、俺が教えて一番伸びた、他の誰よりもだ…。でもその分怖くなった…、もしまた同じ事があれば…俺は…!」

そうして最後の言葉言い切る前に、蘭は俺を抱き締めた、まるで泣きわめく子供をあやすかのように優しく…。

「…蘭?」

「ずっと、抱えてたの?」

「…えっと、まぁ、はい」

俺の考えは、酷く…傲慢だと思う、自分の都合で勝手に怯えているだけだ。それなのに、蘭は…。

「私、ずっとお父さんにバンド反対されてる」

「…え?」

その時に、蘭が俺の肩に顔をうずめた。

「初めて、バンドの話をして反対された時…お父さんの事を嫌いになった…。お父さんに反対されても練習に行けば忘れられた、でも家に帰るとまた思い出して、時々…泣きたくなる」

「…」

俺はその蘭の独白を黙って聞いていた。

そうやって話しているうちに、蘭は思いを堪えきれなくなって泣き出した。泣き声を聞いてか、まりなさんが扉からこちらを覗いていた、静かにするように視線を送ると黙って去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…落ち着いた?」

「…ごめん」

「いいっての」

それからしばらくして、何故か顔の赤くなった蘭が落ち着いたのかやっと離れてくれた。ずっとあった温もりが無くなると寂しいもんだな…。

「さてと…帰るか」

「…待って」

立ち上がろうとする俺を蘭はシャツの裾を引っ張って引き止めた。

「…行かないで」

「蘭…」

「ひとりに…しないで…」

俯いて見えない表情はきっとさっきと同じで泣いているのか…、あるいは。

「今日はちょっと…帰りたくない」

「…はぁ?」

「行きに…お父さんとちょっと揉めて…」

「…」

今日、気づいた事がある。

今までずっと蘭は強い女の子だと思っていた、強くてクールでかっこよくて…それ以上に可愛い魅力的な女の子だって。

でも違った、傷つきやすくて、寂しがり屋で、そんで誰より優しい普通の女の子が美竹蘭だったんだ。

「…着替えは…あるか?」

「え?」

「着替え、ある?」

「うん…汗かくと思って、一応…」

実際には蘭は汗などかいていなかった、恐らく行きと帰りの猛暑でかいた汗を何とかしようと持ってきたのだろうが、今日はいつもよりは少し気温が低かったため、汗はかいていなかった。

「よし…うち、来るか?」

「…いいの?」

「いいっての」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…これって」

「どっかの赤メッシュが食い損ねたやつと同じもん」

「あ…」

そんな今から4ヶ月ぐらい前の話をしたのにも関わらず、蘭は当時の事を思い出して顔を真っ赤にした。毎回思うが、異性の家に泊まるってそんなに女子からしたらやばいのだろうか?。

「その…ごめん」

「え、なんで?」

「いや、作ってくれてたのに帰っちゃって…」

「いやそれはいいよ、ほらほら早く食べちゃって」

「うん…」

そう言うと蘭はテーブルに並べられたオムライスを食べ始めた、するとさっきまでの落ち込み用が嘘のようにどんどん表情が明るくなって行った。

「どう?」

「うん、美味しい」

「そりゃよかった」

 

 

 

 

 

 

 

その後、色々すっ飛ばし…。

「うーん…困ったな」

「どうしたの?」

「ベッドがひとつしかない…」

「敷布団は?」

「ない、誰か止める事になるなんて高校入った時は想像もしてなかったからな」

「それはそれでちょっと悲しくない?」

「うん…ちょっとだけな」

いかん、悲しみの向こうへとたどり着いている場合ではない。

「さて…とりあえず蘭はベッド行け、俺がソファで…」

「ダメ…」

「え、でも女の子をソファに寝かせて俺がベッドで寝るのは男としての何かが許さないというか…」

「そうじゃなくて…」

 

「一緒にベッドで寝よ?」

「…ファ!?」

 

「おい、蘭気は確かか!?」

「…その、今の私ちょっと自分でもおかしいと思うんだけど」

「なに?」

「一人で寝るの怖い…」

「何故!?」

色々と突っ込みたいというかなんというか、目の前の甘々蘭の涙目で見上げてくるお願いをとるか、男としての何かをとるか。

迷う余地などどこにもなかった。

「えっと、ちなみに聞くけど…」

「…なに?」

「あんたって異性と寝たこと…」

「あるわけねえだろんなもん!?」

いや、ちょっと迷った。

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてこうなった!?」

「なに?独り言?」

「こんな状況だったら独り言のひとつぐらい言うわ」

「せっかく2人なんだから独り言喋ってないで私も話しかけてよ」

「お前今日どうしたなにがあった!?」

「色々吐き出してスッキリしただけ」

「にしては飛ばしすぎじゃない!?」

はてさて、ダブルサイズではなくシングルサイズのベッドで寝ているのでとても狭い…ではなく近い、とても近い。

あとなんでか知んないけどさっきから蘭が手を離してくれない、これじゃ恋人みたいじゃねえかおい!。

「うん、でも確かにちょっと…」

「今更!?」

「あのさ、明日になったら今のあたし、忘れて?」

「この期に及んで!?」

何だこの可愛い生物は食べてもよろし…おっと犯罪だ。

多分蘭は俺が自分の理性と12ラウンドなんてとうに超えるレベルの死闘を繰り広げていることなんて知らないだろうな。

「お願い、でも今だけはちょっと…こうさせて」

「え、何を…っ!?」

そう言うと蘭は俺の胸にすっと顔を埋めて手を背中に回して寝息を立て始めた。

 

え、ちょっと待って…。

 

「まさかの寝落ち!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから翌朝に正気を取り戻した蘭はなんか顔真っ赤だし、目逸らしてくるしで理不尽でした、でも2日経ったら普通の対応させて貰えました。

女心はわからんザキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




すいません、悲しい現実(テスト、バイト)が忙しい上に精神的にちょっとアレだったのもあって離れてました、あとなろうでちょっともっかいいちから始めるためにプロット考えてたのもあります。
この度は誠に申し訳ありません!。
リゼロに関しては書き始めてはおりますので今月中に上げたい所存で御座候。
しばしお待ちください!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。