ガリィちゃんが変なのと一緒にキャロルちゃんをなんとかする話です。(適当)
原作を見てないと分からない部分が多々出てくると思われますので、原作を視聴してから読んで頂けると嬉しいです。
第一話
ガリィ・トゥーマーン
「戦姫絶唱シンフォギアGX」において主人公達の敵として登場した自動人形。
シンフォギア奏者であるマリア・カデンツヴァナ・イヴに執拗に絡み、最後はマリアの「SERE†NADE」によって爆散してしまうキャラである。
しかし、そんな彼女はこの世界においては少々様子が違うようで……。
「これからとーっても可哀想な主人公ちゃんをガリィが優しく慰めてあげるんだから☆」
(???)(ガリィちゃん頭お花畑なのかな?)(嘘だゾ、絶対善意で言ってないゾ)
何故かとてもおかしな事になっていた。
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-現在より数か月前-
キャロル・マールス・ディーンハイムは数百年を生きている優秀な錬金術師である。
外見は無害そうな金髪幼女であるが、そんな彼女は現在、世界をぶっ壊す計画を進めていた。
無害どころの話では無い、超有害の危険人物である。
動機は処刑された父の遺言であり、それを果たすために考え抜いた結論がこれであった、数百年生きてボケたわけではないと信じたい。
そんなキャロルは今、計画の要であり本拠地でもある「チフォージュ・シャトー」の建設を進めているところであった。
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「日本でノイズが暴れたようだ」
チフォージュ・シャトーの玉座に腰かけ、そう呟いたキャロルの視線の先には四体の女性型人形が直立していた。
ガリィ・トゥーマーン 全体的に青い 味方のほとんどに性根が腐ってると言われている、外見は子供寄り
レイア・ダラーヒム 全体的に黄色い 派手なのが好き、外見は大人寄り
ファラ・スユーフ 全体的に緑っぽい 礼儀正しくお嬢様口調、外見は大人寄り
ミカ・ジャウカーン 全体的に赤い 燃費が悪い、語尾に特徴がある。外見は子供寄り
キャロルの錬金術によって作られたこの四体の人形は世界ぶっ壊す計画の実働部隊であり、チフォージュ・シャトーと同じく計画の要でもあった。
おまえらの主人だろ計画止めろよと言いたいところだが、悲しいかな彼女達は人形であり主に絶対服従なので反抗することなどありえないし、そもそも疑問すら抱くことはない。
つまり誰もキャロルを止められない、バッドエンドまっしぐらである。
そんなキャロルの呟いた言葉であるが、日本でノイズと呼称される化け物がライブ会場に出現し、死者一万を超えるというものだった。
なおこの一万人以上の死者の中には、ライブの主役であった「ツヴァイウイング」の二人の内の一人、「天羽 奏」も含まれている。
「一万人の悲鳴が奏でる音楽なんて、さぞ盛り上がったんでしょうねぇマスター」
惨劇の内容を淡々と語るキャロルに一早く反応したのは、もちろんガリィである。
性根が腐っているガリィがこんなおいしいネタを逃すわけが無いとキャロルも分かっていたので、
「そうだな」と短く返すが、ガリィはお構い無しに話し続けるのであった。
「しかも主役の、なんでしたっけ?『ツヴァイウイングだ』そうそうツヴァイウインぐっ!!?」
他人の不幸を嬉しそうに話し続けるガリィだったが、いきなり頭を押さえ黙ってしまう。
ライブ会場で亡くなった方々の怒りで天罰が下ったのであれば良かったのだが、残念ながらそうではなくこの瞬間ガリィは
(あぁぁぁぁ、奏さんがぁぁぁぁ!!!!!)
(ちくしょうフィーネぜってぇ許さねぇからなぁ!?)
(ガリィちゃん今日も性根腐ってて安心する)
(確か響ちゃんも大怪我してたよねこの時)
(ガングニールの破片刺さるとか超痛そう)
頭に中で響く大量の声に襲われていた。
「!!!??」
「どうした、ガリィ」
突然黙ったガリィに怪訝な目を向けるキャロル、「あはは、なんでもないですよぅマスター」と返すガリィであった。
(なに、今のは……?)
いきなり頭の中で声が聞こえたのだ、内心大混乱である。
これが人間であれば幻聴で片づけられるかもしれないがガリィは人形なのでその可能性は無い、となれば
(故障・・・か?)
そう、故障しか考えられない。
とはいえガリィは優秀な錬金術師であるキャロルに作られた自動人形であり、今まで故障した事など一度として無かった。そのためガリィが今だ混乱から立ち直れていないところに
(あれ、今の反応……)
(いや待て、まだ分からん、ここは冷静にだな)
(いぇーい!ガリィちゃん聞こえてますかぁ~!!)
第二波が来た。
「※§δΔΣΘε!?」
追い打ちを食らい声にならない声を上げるガリィ。
これはさすがにおかしいと思ったのか今まで黙っていた他の人形達がガリィに「どうしたガリィ、派手な声を出して」「今日は普段にも増しておかしいわね」「お腹が空いたゾ・・・」と一斉に、いや一体は他の二体と声を出すタイミングが重なっただけで話を聞いていたのかも怪しいのだが、話しかけてくるのだった。
(あ、これは聞こえてますね)
(ガリィちゃんとりあえず落ち着いて、深呼吸しよう)
≪できるか!あたしは人形だ!≫
(お、立ち直った)
(ガリィちゃん周り見て、めっちゃ見られてるよ~)
(とりあえず外の空気吸いたいとか言って席を外したらいいと思います!)
なぜ謎の声達がガリィに執拗に空気を吸わせようとするのかは分からないが、若干立ち直ったガリィも席を外すのは賛成だったのでマスターであるキャロルに部屋から出る許可をもらおうとこう言ったのだった。
「マスター、ガリィ外の空気が吸いたくなったので~、席を外してもいいですかぁ~」
失礼、ガリィは全く立ち直れていなかった。
ほら、人形が外の空気を吸いたいとか言い出したのでキャロルちゃんも目を見開いてガリィをガン見である。
(アカン)
(ガリィちゃん突発的なアクシデントに弱いのね)
「空気を……か?」
「イ、イヤですよぅマスター、人形だってこのご時勢空気ぐらい吸いたくなりますってぇ、ほらス~ハ~、ス~ハ~」
百歩譲ってご時勢うんぬんで吸いたくなったとしてもそもそも人形がどうやって呼吸しようというのか、ガリィを見るキャロルの目は可哀想な者を見る目に変わりつつあった。
そしてそんなトチ狂った発言に反応したのはキャロルだけでは無かったのだ。
「ガリィ、ワタシ達は人形だ、呼吸はできない」
レイア・ダラーヒムは真顔でそう言った。
「ガリィちゃんなりのジョークなんでしょう、笑ってあげたほうがよろしいのではないですか、マスター」
ファラ・スユーフはフォローしているつもりが追撃になっていた。
「お腹ペコペコだゾ……」
そしてミカ・ジャウカーンは空腹だった。
(レイア姉さんの無慈悲なマジレス)
(ファラ姉さんの追撃も刺さってますね)
(ミカちゃんは大丈夫なんですかね・・・)
「おまえらうっさい!マスター、ちょっとしたら帰ってきますんでぇ、お願いですよぉ」
最初から普通にお願いしていればよかったのにガリィジョークのせいでもはや怪しさしか感じない。
混乱してたからね、仕方無いね。
「……構わんが、後で異常が無いか検査する。それまでは好きにするといい」
自分の人形が突然トチ狂った事を言い出したので当然の判断である。
しっかり外出許可はくれるキャロルちゃんはかなり優しい方だろう。
(やったぜ)
(検査で異常出たらやばいんじゃないですかね……)
(私達は異常じゃ無いからセーフ)
「はぁ~い、ガリィ了解でっす。それではさよ~なら~」
こうして窮地を乗り切ったガリィはくるくると身体をターンさせながら部屋を出ようと出口に向かうが、その寸前で「ガリィ……」と名前を呼ばれ振り返ると、ミカがこっちを見て何かを言いたそうにしているところだった。
「何、ガリィになんか用?」
早く外に行きたいガリィが不機嫌そうにそう返すと、ミカはお腹を押さえながらガリィを見つめるばかりであった。
この時点でガリィはミカが何を言おうとしているのか確信したが、万が一何か重要なことを伝えようとしているかもしれない気がしない事もないので、十秒だけ待ってあげる事にした。
(私ミカちゃんがこれから何言うか分かっちゃったよ……)(多分みんな分かってるゾ)(燃費がね……)
「お腹ペコペコだゾ……チューしてくれよガリィ~」
ガリィは十秒無駄にした事を後悔していた。
(知ってた)(補給してまだ三日しかたってないんですけど……)
ミカは動力源を自分で調達する機能が無いため、唯一動力源を他者に受け渡せるガリィに頼るしか無いのだが今はタイミングがとにかく悪い。
きっとミカちゃんはお腹が空きすぎて話を聞いてなかったのだろう。
そこでガリィが部屋から出て行こうとしていたので慌てて声を掛けたのだろうが……
「我慢しろ、アタシは今忙しいんだ!」
この塩対応である、ミカはガクッとうなだれて「うぅ~」と唸るが、そのままガリィは部屋を出て行ってしまうのであった。
後に残されたのは怪訝な顔をしたままのキャロルに唸るミカ、そしてため息をつくファラ、レイアだったが彼女達はこの時、ガリィがとんでもない事になっているなど知る由も無かった。
次回 ガリィちゃんと私達 に続く
ガリィちゃんの「アナタみたいなめんどくさいのを戦わせる方法をよ~く知ってるの」の所の声が一番好きです。