ガリィちゃんとわたしたち   作:グミ撃ち

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第百八話です。




第百八話

 

 

「イガリマ、獅子機の頭部を切断……ですが、既に再生が完了しています」

 

「これで五度目……にも関わらずキャロル君の表情にはまだ余裕が見える、か」

 

 司令室の大型モニター……そこには奮闘する響の様子が映っていた。

 現在までに響が獅子機の機体に大きなダメージを与えたのは五回……だがその全てをキャロルは即座に修復し再び戦線へと復帰、依然勝利の女神がどちらに微笑むのかは分からない状況である。

 

「響、少し疲れてる……?」

 

「……複数のシンフォギアを展開する事により掛かる精神への負担、そして強大な相手との長時間に渡る戦闘による身体的な負担が響さんを蝕んでいるのでしょう」

 

 戦場を超遠距離から中継しているヘリからの映像……それを見ていた未来は、響の表情が僅かに曇りはじめている事に気付いた。未来と同じくその事に気付いたエルフナインが言うには、どうやら響の精神力と体力両方にかなりの負担が掛かっているらしい。

 

「それって、このままじゃ響が負けちゃうって事……? 」

 

「いや、響君よりも前にキャロル君の方に限界が来る可能性もゼロではない……キャロル君の表情を見れば望み薄かもしれんが、な」

 

 響は実に健闘していると言えるだろう。しかし忘れてはいけない、これがクソゲーを超えた超クソゲーである事を……獅子機を五度も再生して尚、キャロルにはまだまだ余裕が残っているという無慈悲な現実を⦅悲しみ⦆

 

「現状で響さんが勝利を勝ち取るための選択肢は二つあります……一つはキャロルの想い出が枯渇するのを待つ事」

 

「二つ……? 他にも何か手があるの?」

 

 消耗戦の先には絶望が待つのみ……ではエルフナインが考えた他に取れる手段とはどのようなものなのだろうか。

 

「はい、もう一つの手段は……キャロルのダウルダブラを破壊し、獅子機の再生を阻止する事です」

 

 エルフナインが考えるもう一つの勝機……それは獅子機内部のキャロルに攻撃を通し、彼女が纏うダウルダブラを破壊する事である。しかしそれが困難である事は火を見るより明らかな状況であり、エルフナインは硬い表情のままモニターを見つめ続けるのだった。

 

「獅子機を……? でも、キャロルちゃんはあの中にいるんだよね?それってどうしようもないんじゃ……」

 

「はい、生半可な攻撃ではキャロルに届く事はないと思います」

 

「響君は既に四種類のシンフォギアを同時展開している。が、いまだ獅子機内部にまでは攻撃を通せてはいないようだ」

 

 モニターに映る響は右手にガングニール、左手に天羽々斬の剣を構えながら禁月輪で空を駆け、周囲にはアガートラームの防御フィールドを展開し獅子機と戦闘を続けている。

 しかし、四種類のシンフォギアの同時展開により響のフォニックゲインは加速的に高まっていたものの、弦十郎の言う通りいまだ獅子機内部には攻撃を通す事はできていない、というのが現状だった。

 

「四種類……って事はまだ二つ残っているんですか?」

 

「はい、響さんが六種類のシンフォギアを同時展開する事ができればあるいは……」

 

「六種の同時展開……その負荷に響君の心身が耐えられればいいのだが……」

 

 まだ希望が残っている事に若干表情を緩める二人……だがモニターを険しい表情のまま見つめる弦十郎だけは、響の限界が近付きつつある事を察知していた。

 

 

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「はぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

「ガングニール、アガートラーム、天羽々斬、シュルシャガナ、イガリマ……これで五つか」

 

 四種のシンフォギアから射出された刃が、獅子機前方に展開された防御フィールドを力づくで破壊する。更に響は勢いを緩めずガングニールで獅子機を攻撃、その巨体を殴り飛ばし装甲を剥がし取った。

 

「これで六度目……五種類のシンフォギアを使いこなしている事にも驚きだが、これだけ想い出を注ぎ込んだ獅子機の装甲を削り取るとはな」

 

「はっ、はぁっ……」

 

「……あまり無茶はしない事だ。いくら限定解除により力が向上しているとはいえ、このままではお前の身体が持たぬぞ」

 

 一件優勢に見える響だが、実はシンフォギアの同時展開により身体にかなりの負荷が掛かっていたのである。

 その証拠に、被弾していないのにも関わらず響の鼻からは血が流れ落ちており、彼女の限界が徐々に近づきつつある事は明白だった。

 

「大丈夫!無茶するのには慣れてるから!⦅威風堂々⦆」

 

「鼻血を垂れ流しながら語る言葉がそれか……⦅呆れ⦆」

 

 しかし響に無茶を止める気は毛頭無かった。彼女の頭の中にあるのはただ一つ……自身の全力を尽くしキャロルに勝利する事だけである。

 

「えっ、鼻血……って本当だ、鼻血出てる!」

 

「限界を超えた力の行使による負荷、それがお前の身体を蝕み始めているのだ。お前に纏わりつく光が負荷を軽減してはいるようだが、それにも限度があるという事なのだろう」

 

「へ~……それよりキャロルちゃ~ん! ティッシュかハンカチ持ってないかな~!?」

 

「……お前のような話を聞かない奴にはこれで洗い流せば十分だろう⦅半ギレ⦆」

 

「わぷっ!? つ、冷たいぃ~……」

 

 拭くものを所望した響に届けられたのはハンカチ……ではなく錬金術により放たれた水球だった。

 水球は響の顔面に見事クリーンヒットし、その光景を見たキャロルちゃんもご満悦である。

 

「これで少しは頭も冷えただろう? お前が無茶をする事を止めはしないが、冷静に判断する事だ」

 

「うぅ、酷いよぉ……」

 

「……さて、再開といこうか。 貴様がこれ以上無茶をせぬよう、そろそろ眠らせてやろう」

 

「っ!? そんな……」

 

 涙目で嘆く響に対し、キャロルはこれ以上響に無茶をさせぬよう戦いを終わらせることを決断する。そのためにキャロルはこれまで以上の……いや、これまでとは比べものにならない程の想い出を獅子機に注ぎ込むのだった。

 

「獅子機、最大出力……さあ、終わりにするとしよう」

 

「っ!――まっ、負けない!」

 

 幾度もの奇跡を起こした響を待っていたものは……絶望だった。彼女を絶望から救い上げられる者は……この場には誰も……そう、 この場には(・・・・・ )誰一人としていなかったのだ。

 

 

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「あれが私達も見た事が無い、マスターの派手な全力か。 これは流石に立花響でも厳しいだろうな」

 

「……ええ、あの子は十二分に健闘しているけど相手が悪すぎたわね」

 

 戦場から遠く離れた場所に避難している装者達を護衛している二体の人形は、戦いの終わりが近付いている事を予感していた。

 

「くっ! 仲間が窮地に立たされているというのに私は何も……!」

 

「くそっ!なにか手はねーのかよ!?」

 

「落ち着きなさい貴方達。焦る気持ちも分かるけれど、ギアを纏っていない私達じゃ足手纏いにしかならないわよ……」

 

「ああっ!? 響さんが、響さんがぁ~!!!!!」

 

「落ち着いて、切ちゃん。ちゃんと響さんは避けてるから大丈夫」

 

 レイア達と共に戦況を見守る装者達もまた、決着がつくまでそう長くは無い事を分かっていた。しかし、シンフォギアを響に託した彼女達にできる事は何も無かったのである。

 

「そう嘆く事はない。例え立花響が敗北したとしても、今のマスターなら戦後に交渉の余地はあるだろう」

 

「ええ、私もそう思いますわ。きっと悪い事にはならないはずよ」

 

 憑き物が落ちたような今のキャロルなら、戦後に協力関係を結ぶ事も難しくは無いはず……ファラとレイアはそう考えていた。

 というかチート獅子機を相手にここまで食らい付いただけでも、百点中百二十点⦅限界突破⦆を上げてもいいくらいなのだ。キャロルもそれは分かっているだろう。

 

「そういう問題じゃねーんだよ……あたし達が納得できねーんだ」

 

「私も雪音と同じ気持ちだ。立花の目を見れば分かるが、彼女はまだ諦めていない……必死で獅子機の攻撃を躱し抗っている」

 

「そんな響さんを助けたいのデス!!」

 

「……でも、私達に出来る事なんて、もう何も……」

 

「悔しいけど調の言う通りよ。今の私達が行ってもただの足手纏いどころか、護衛してくれている彼女達に迷惑を掛けるだけ」

 

 響を助ける手段を模索する装者達だが、もちろんそんなものが簡単に思い付けるはずも無い。彼女達にできる事はこのまま響の敗北を待つだけ……そう、それだけ――

 

 

 

 

「ねえ、アンタ達って馬鹿なの?やっぱりゴリラなの? アンタ達ができる事なんて最初から一つしか無いでしょうが」

 

(ふぁっ!?)

(あ、嫌な予感がする)

(ガリィが悪いよガリィが!⦅先行入力⦆)

 

 

 のはずだったのだが、この場にはもう一体人形がいたのである。

 

 そう、正座させられている我らが主人公……ガリィ・トゥーマーンである⦅威風堂々⦆

 

 

「ガリィちゃん……⦅遠い目⦆」

 

「どうやらまだ説教が足りないようだな⦅半ギレ⦆」

 

 全く反省している様子の無い姿、それはキャロル陣営にとっては最早慣れた光景である⦅呆れ⦆

 しかしこのまま放置すれば延々といらん事を呟き続けるだけなので、レイアはもう一度ガリィを黙らせる事を決意するのだった。

 

「ま、待ってほしいのデス! その前に今ガリィが言った事を詳しく!詳しく教えて欲しいデス!」

 

「うん、教えてほしい」

 

 説教を開始すべくガリィに近寄るレイアを制止したのは後輩組の二人だった。どうやら彼女達はガリィの言葉に何かを感じたようで、その表情は真剣なものだったのである。

 

「おら、さっさと話せよ馬鹿人形。 ただし、くだらない事だったら説教だからな」

 

「……打開策が見当たらない以上、お前の閃きに賭けるしかなさそうだ。ガリィ、聞かせてくれ」

 

「貴方達、随分とガリィを信頼しているのね……⦅困惑⦆ こういう時のこの子は信頼できるって事なのかしら?」

 

 更に、クリスと翼も後輩組の考えに賛同の意思を示す。どうやらこれまでの経験で、こういうパターンのガリィは信頼できると判断したらしい。

 

「……分かった、説教は話の後まで見送るとしよう」

 

「チャ、チャンスよガリィちゃん! ここで挽回すれば許してもらえるかもしれないわ!」

 

 装者達の意見を聞き、レイアはとりあえず矛を収める事にした。これがガリィにとって恐らく最後のチャンスである、果たして彼女はゴミ箱行きを回避する事ができるのだろうか?⦅運命の瞬間⦆

 

 

 

「いや、別に許してもらうとかそんなのどうでもいいんだけど。 ねえアンタ達、響ちゃんのために自身を危険に晒す覚悟はあるかしら?」

 

(どういう事なの……?⦅真顔⦆)

(あかん、これは多分エラい事になる⦅経験則⦆)

(本当に口を開けば碌な事言わないなこの人形……⦅遠い目⦆)

 

 

 自身の生死が掛かる中、ガリィの口から出た言葉は装者達を煽るようなものだった。一体彼女は何を言いたいのだろうか?

 

「そんなもの、答えるまでも無い」

 

「ああ、くだらない事聞いてないでさっさと続きを言えよ馬鹿人形」

 

「以下同文」

 

「以下同文、デース!」

 

「えっ!? そっ、その……私も以下同文よ!⦅赤面⦆」

 

 それに対する装者達の答えは、聞くまでも無いものだった。マリアが若干戸惑っていたが、これは切歌と調の答えに被せるかどうかを悩んだからであり、彼女の意思自体は仲間と同じものだったのである。

 

「あ、そう⦅無関心⦆ それじゃさっさと響ちゃんの所に行ってあげれば? それで仲良くお手々繋いで合唱でもすればいいじゃない」

 

「合唱……? 危険地帯に赴き、歌えと言う事か?」

 

「お前なぁ……ギアを纏ってないあたし達が歌っても意味無いだろーが……」

 

(クリスちゃんが正論すぎて草)

(待って、ガリィちゃんの事だからこれで終わりじゃないと思う)

(うん、ここから絶対に面倒臭い事になるはず⦅警戒⦆)

 

 ガリィの思い付いた事……それは響とキャロルが戦っている場所に赴き、歌を届けるというものだった。しかしギアを纏っていない装者達が歌って何の意味があるのだろうか?

 

「はぁ? 響ちゃんの所にあるアンタ達のシンフォギア、それに歌を届ければいいだけでしょうが。そんな事にも気づけないクリスはやっぱりゴリラなのね⦅満面の笑み⦆」

 

「――は?⦅全ギレ⦆ どうやらお前、死にたいらし――」

 

 煽りを入れるのを忘れないガリィの言葉により、クリスが遂に噴火してしまう。しかし今のガリィの言葉……その真意に気付いたものが一人いたのだ。

 

「まさか……立花は全てのシンフォギアの力を引き出し切れていない、そういう事なのか?」

 

「あら、クリスと違って翼ちゃんは優秀ね♪ そう、響ちゃんは他人のシンフォギアを束ねて戦っているけど、その本来の持ち主はあの子じゃないの。つまり、他の五つのシンフォギアの力を限界まで引き出すにはアンタ達の歌が必要というわけ♪」

 

 響が仲間のシンフォギアの力を引き出し切れていない……それがガリィの考えた事だった。ならば五つのシンフォギアの本来の持ち主である彼女達が歌を届ける事で真の力が解放されるのではないだろうか。

 

「……そう、か。 今は響のギアと融合しているとはいえ、元々は私達のシンフォギアだもの。それに私達が歌を届ければ、もしかしたら……」

 

「まっ、あまり期待はしないでよね。 所詮アタシの想像に過ぎないんだから」

 

「……でも、それしか可能性が無いのなら」 

 

「やってみる価値はあるのデス!」

 

(あーあ……⦅諦め⦆)

(まーた敵側を助けてしまうのか⦅呆れ⦆)

(こういう時のガリィちゃんは悪い意味で冴えてるんだよなぁ……⦅白目⦆)

 

 これはあくまでガリィの想像に過ぎない話である。しかし装者達はそれに賭ける価値はある、と判断しているようだ。

 

「お前達の護衛を努めるのは構わないが……あの場所に近付くのは派手に危険だぞ」

 

「命の保証はできかねます。それでも行くと言うのなら、私達は全力で貴方達を守りましょう」

 

 装者達の表情を見たレイアとファラは、その意思が揺るがない事を確信しながらも最終確認を行う。それに対する装者達の答えはもちろん……。

 

「ああ、頼む」

 

「悪いな、面倒な事に付き合わせちまってよ」

 

「マスターからお前達を守れと命令を受けている。ふっ、それを拡大解釈すれば問題は無い」

 

「よろしく、お願いします」

 

「頼りにしているのデス!」

 

「貴方達を危険に晒す事になるのは申し訳ないのだけれど……」

 

「ええ、微力を尽くさせて頂きます」

 

 答えは満場一致であり、レイアとファラも彼女達の護衛を努める事を了解する。これで響を援護する準備は整い、後は全員で戦場に向かうのみである。

 

 

 

 

「あ、そう、頑張ってね⦅無関心⦆ ガリィは死にたくないからここで応援してるわね~♪⦅他人事⦆」

 

 

 

 

「「「「「「 はっ? 」」」」」」

 

 

(えぇ……⦅困惑⦆)

(この人形、もう響ちゃんの勝利を諦めていやがる……!⦅戦慄⦆)

(この後の展開が目に浮かぶようだ……⦅諦め⦆)

 

 なお一体ほど空気の読めない人形がいたが先程の件を許すという条件の元、彼女は無事に強制連行された模様⦅残当⦆

 

 

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「うあっ!?」

 

「想い出を限界まで注ぎ込んだ獅子機にとっての脅威は最早ガングニールのみ……その他のシンフォギアは所詮他人の所有物に過ぎぬのだからな」

 

 獅子機から放たれた火球がアガートラームの防御フィールドを貫き、響に襲い掛かる。これまではイチバルとアガートラームの防御で防ぐ事ができていた獅子機の攻撃だが、キャロルが想い出を限界まで注ぎ込んだ事によりそれは最早不可能となっていた。

 

「いたたたた……これじゃ近付く事もできないよぉ~……」

 

「……これ以上は時間の無駄だ、立花響。 私の懐に潜り込む事が不可能な以上、最早お前に勝機は無い」

 

 獅子機の性能が限界まで引き上げられた今、有効打を与えられるシンフォギアはガングニールのみだった。

 しかしその事を把握しているのはキャロルもであり、彼女は響を獅子機に近付かせないように攻撃を展開し響は既に何度も突撃に失敗していたのである。

 

「そ、そんなことないよ……まだ、私にだって可能性が――っ!?」

 

「ダウルダブラの弦をお前の後方に展開し、いつでも拘束できるように配置しておいたのだ」

 

 それでも諦めない響が再び攻撃を開始しようとした瞬間、背後から襲い掛かったダウルダブラの弦により彼女は拘束されてしまう。

 

「こ、こんなの力尽くでっ!――ど、どうして!?」

 

「私の錬金術は記憶を……想い出を焼却する量によって性能が変化する。つまり限界まで想い出を注ぎ込んでいる今、最早ダウルダブラの弦はお前でも簡単には引きちぎれぬ程の強度を誇っているという事だ」

 

 必死で拘束から逃れようともがく響だが、どうも簡単には行きそうもないようだ。

 そして、勿論キャロルがこの隙を逃すはずもなく……。

 

「こっ、このっ! このぉーっ!!!」

 

「お前の意識を断ち切り、この戦闘を終わらせるとしよう。 覚悟せよ、立花響……!」

 

 獅子機の口が開き、僅か前方に巨大な火球が生成され始める。標的はもちろん……無防備な姿を晒している響である。

 

「あーっ!? ちょっ、ちょっと待って待ってお願いだから~!」

 

「待たぬわ馬鹿者! ここで終いにせねば、お前がどれだけ無茶をしでかすか分からぬだろうが!」

 

 響の必死の『ちょっとタイム!』要請は無慈悲に却下され、火球は順調に大きさを拡大していく。どうやらキャロルは響の身体が心配らしく、この一撃で決めるつもりらしい。

 正気を取り戻し、本来の優しい性格に戻ったキャロルならではの判断である。

 

「うわ~ん! 嫌だよ負けたくないよ~!キャロルちゃん達と二度と会えなくなっちゃうよー!!!」

 

「暴れるな往生際の悪い! 分かった、戦いが終わってから話をしてやる!だから暴れるなと言ってるだろうが!⦅憤怒⦆」

 

「そう言って私が起きた時には誰もいなくなってるんだ! 酷いよキャロルちゃん!」

 

 しかし響は負けるわけにはいかなかった。何故なら自分の敗北は、キャロル達との永遠の別れを意味する事と同じだからである⦅響の想像⦆

 故に、響はこの勝負に絶対に勝たなくてはならないのだ!⦅強弁⦆

 

「あぁもう!残念だが時間切れだ、大馬鹿者! この後の話は、お前が目覚めてから聞いてやるから安心して倒れるがいい!」

 

「い、嫌だぁー!! 翼さんクリスちゃんマリアさん調ちゃん切歌ちゃん未来ぅー!!! 誰か助けてぇ~!!!」

 

「非戦闘員に助けを求めるな! 少しは静かにできぬのかお前は!⦅半ギレ⦆」

 

 しかし無慈悲にも巨大な火球は完成してしまい、獅子機の口から響に向けて発射――

 

 

 

 

 

『~♪』

 

 

 

 

 

「――歌、だと……? この声は、まさか――」

 

 

 されると思われた瞬間、キャロルの耳に聞こえたのは『歌』だった。しかもその声に彼女は聞き覚えがあり、そちらへと顔を向けるとそこには……。

 

 

「み、みんな!? なんで、どうして!?」

 

 

 響の目に映っていたのは翼、クリス、マリア、調、切歌の五人だった。獅子機と響が戦う真下で旋律を奏でる彼女達を響は驚愕の表情で見つめていた。

 

 

「……何のつもりだ? シンフォギアを纏っていないお前達が歌ったところで、何の意味も無いはずだが……」

 

 

 戦場に突然現れた装者達の狙いが分からず、彼女達を訝しげな表情で見つめるキャロル。しかし……。

 

 

「まあいい、どちらにせよ立花響の意識を刈り取ればこの戦いは終わるのだ。 故にこれで……終わりだ!」

 

 

 キャロルは装者達を気にする事無く火球を響に向けて発射する。その威力は響を殺めず、かといって意識を保つ事もできないような絶妙な力加減がされていた。

 

 

「あーっ!待ってって言ったのにキャロルちゃんの鬼!悪魔!金髪幼女~っ!!!」

 

 

 自身に迫る巨大な火球を避けるため、必死で手足をバタバタさせる響。しかし抵抗も無駄に終わり、流石の響も諦めるかと思われた時であった。

 

 

『アガートラームで防御しなさい!早く!』

 

『イチイバルのリフレクターもだ!ぼさっとしてんな馬鹿!』

 

 

「っ!? これ、念話……!?」

 

 響の脳内に仲間達の声が響き渡り、彼女へと武装を展開する指示を出す。しかし目の前の火球はアガートラーム、そしてイチイバルの防御ではとても防げそうにない事は明白なはずだが……。

 

『マリアさん、クリスちゃん! その……それじゃ多分ダメだと思うというか、なんというか……』

 

『いいから早く展開しなさい!怒るわよ!』

 

『うっさい!あたし達を信じろ!』

 

『っ!? はっ、はいぃ!』

 

 響は自身の意見を述べるものの、マリアとクリスの凄まじい剣幕に押され慌てて防御手段を展開し始める響。先程までは簡単に突破されていたもので、果たして獅子機の攻撃を凌ぐ事ができるのだろうか。

 

 

「……シンフォギアを展開したか、無駄な足掻きを……」

 

 

 そして当然、キャロルはその判断を愚かなものとして一蹴する。やがて火球はイチイバルの展開したリフレクターに衝突し、一瞬の内に突破する……はずだった。

 

 

 

「――――突破できぬ、だと……?」

 

 

 

「――えっ!?なんで、どうして!? さっきまでは全然ダメだったのに!?」

 

 

 しかしその予想に反し、イチイバルのリフレクターは火球を押し留める事に成功していた。先程までとは明らかに違う光景にキャロル、そして響の両者は驚愕を隠し切れずその光景を呆然と見つめていた。

 

『うわ、マジであの馬鹿人形の予想通りかよ!?』

 

『こういう時のガリィの提案は頼りになるのデス!』

 

『でも、リフレクターが少しずつ壊されて……このままじゃ響さんが!』

 

『そう心配するな、月読。 まだもう一つ、マリアのアガートラームが残っている』

 

『ええ、イチイバルがここまでやってくれた以上、私のアガートラームだって負けていられないわ』

 

 

『えぇーっ!? 私にも分かるように説明してよ~! 』

 

 どうやらこの現象が起こった理由を仲間達は把握しているらしい。なお、当事者の響だけが完全に置いてきぼりな模様⦅悲しみ⦆

 

「火球の威力はこれまでで最大のもの……それをシンフォギアで防ぎきれる可能性など皆無なはず。 奴らが歌った事が原因なのか?シンフォギアを纏ってすらいない連中の歌が、どのような事態を引き起こしたというのだ……?」

 

 火球はイチイバルのリフレクターをなんとか突破したものの、その先に待つアガートラームの防御フィールドに阻まれ完全に勢いを失っていた。

 その理解不能な光景を見せ付けられたキャロルの思考は原因を探す事で一杯になっており、動揺っぷりは響の存在を忘れる程のものだった。

 

 

『今が勝機だ、立花! 千ノ落涙を放て!』

 

『っ!? こ、これってどういう事なんですか翼さ――』

 

『話は後だ! まずはその纏わりつく糸を断ち切らねば!』

 

『はっ、はいぃ!!』

 

 

 キャロルが呆然としている隙に、仲間達は響へと次の指示を出す。そして一瞬の後、響は周囲に無数の剣刃を展開……その全てをダウルダブラの弦へと放った。そして……。

 

 

「――すっ、すごい……! あれだけ暴れてもダメだったのに、こんなに簡単に……!」

 

 

「っ!? 弦を、切断しただと……それもガングニールではなく、天羽々斬で!?」

 

 ダウルダブラの弦は『千ノ落涙』により切断され、響を拘束から解放した。仲間達と念話で繋がる響とは違い、キャロルはその信じられない光景に立ち尽くす事しかできない。

 

『今です、響さん! 禁月輪で距離を詰めて下さい!』

 

『イガリマとガングニールで更にスピードアップするのデス!!』

 

『うっ、うんっ! 任せて!』

 

 故にこれは最大の好機である。 チャンスはキャロルが立ち直るまで……故に仲間達は、響に突撃を仕掛ける指示を出す。そして響はそれに従い、シンフォギアを展開し獅子機へと迫るのであった。

 

「――っ!? ちぃっ!」

 

 加速しながら獅子機へと迫る響の姿に気付いたキャロルはすぐに迎撃を開始する。周囲に展開した錬金陣からは無数の砲撃が、そして獅子機の角からは強力な雷撃が響へと放たれ彼女へと迫るのだが……。

 

「なんと……イガリマァァァァーッ!!!!!」

 

『なんと……イガリマァァァァーッ!!!!!』

 

 響はイガリマを横に構え、超高速でコマのように回転を開始。その結果、周囲に凄まじい暴風を引き起こし砲撃と雷撃を力技で薙ぎ払ったのである。

 

「馬鹿な!? 私の、獅子機の攻撃がそんなもので!?」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」

 

 遂に獅子機の下に潜り込んだ響。彼女は回転したそのままの勢いで獅子機へと体当たりを仕掛け、その巨体を遥か上空へとかち上げる。そして……。

 

 

 

『~♪』

 

『『『『『~♪』』』』』

 

 

 響は歌う……最高の一撃を放つために。

 

 装者達は歌う……想いを、力を本当の意味で一つに束ねるために。

 

 

「巨大な腕……? 立花響のアームドギアか!?(そうか……! この出鱈目な力はユニゾンによるものか!? 立花響が六種のギアを束ねるだけでは足りず……歌を束ねた時にこそ、奴等の本当の力は解放されるという事か……!)」

 

 上空へと吹き飛ばされた獅子機内部にいるキャロルの視界には、右手のアームドギアを巨大な拳に変形させた響の姿が見えていた。

 この時点でキャロルは悟る、これこそが装者達の全てを束ねた本当の力だと……力を束ねる事、そして歌を束ねる事の両方を成し遂げた時にこそ、シンフォギアの真の力は解放されるのだという事を。

 

 

「~♪(みんなの力を、想いを、そして歌を! 全てを束ねたこの拳で私は……キャロルちゃんと手を繋ぐんだ!!)」

 

 

 シンフォギア装者によるユニゾン……その劇的な効果は切歌と調がミカとの戦いで見せたものを見れば分かるだろう。

 

 では、二人であれだけの力を発揮したユニゾンを六人で行えば……? 

 

 

「立花に力を! 天羽々斬!」

「その馬鹿は任せたからな! イチイバル!」

「あの子が望む未来を掴み取るために……アガートラーム!」

「戦えない私達の分までお願い……! シュルシャガナ!」

「あたし達の全部、響さんに託すのデス! イガリマァァァァーッ!」

 

 

 更にその力の全てを一人に集約する事ができれば……?

 

 

 

「たかが装者六人のユニゾン程度で、強化した獅子機を貫けるものかぁっ!」

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!!!!!!」

 

 

 

 限定解除六人分、そして更にユニゾンにより爆発的な力を生み出す響のアームドギア……それがキャロルの反撃を躱そうともせず真っ直ぐに獅子機へと突撃して行く。

 

 

 

「っ!? 馬鹿な……なんだ、なんだその力は!?」

 

 

 

 キャロルの錬金術、そして獅子機の放つ火球や雷撃が嵐の様に激しく飛び交う中を響のアームドギアは突き進む。その信じられない光景をキャロルは受け入れられず、そして……。

 

 

 

 

「繋ぐこの手が私の……私達のアームドギアだぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!」

 

 

 

 

 極大の威力を誇る一撃が獅子機を頭から貫き、爆音と暴風が周囲を包み込んだ。

 

 

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「無理すんなお前! 身体にヒビが入ってんぞ!?」

 

「無理は地味に承知! だが、ここでお前達を守るのが私達の使命なのだ!」

 

「翼ちゃん、マリアさんも! 私の後ろから離れないで!」

 

「あ、ああ……!」

 

「ありがとう……覚悟はしていたけど、これは予想以上ね……!」

 

 響とキャロルが空で激しく戦う中、その眼下で戦況を見守る仲間達もまた戦いを繰り広げていた。

 地上は破壊の嵐が吹き荒れ巨大な岩が紙屑のように飛び交う地獄のような状況と化しており、オートスコアラー達は装者達を必死で守っていたのである。

 

 

「ちょっとくっつくんじゃないわよアンタ達! 動きにくいでしょうが!」

 

「だって、くっついていないとガリィに見捨てられそうだし……というか動けない」

 

「ガ、ガガガガガガガガガリィはあたし達を見捨てないって信じているのデス! でも一応!念のためデスから!」

 

(まーたガリィ君はやってしまいましたなぁ……)

(今までのがユニゾン抜きの力だったとはたまげたなぁ……⦅白目⦆)

 

 なおガリィには年少組がしがみついており、彼女が逃亡するのを全力で阻止していた模様⦅残当⦆

 

「というかなによ響ちゃんのアレ!? なんでアンタ達が歌っただけであんな化け物が生まれるの!?」

 

「……ユニゾンした時の私達、フォニックゲインが何倍にも上昇するんだって」

 

「つまり、あたし達六人が限定解除状態でユニゾンすれば……あんな風になるんデスね~⦅他人事⦆」

 

(やっぱりガリィの一言が原因じゃないか!⦅憤怒⦆)

(この人形は結局どっちを勝たせたいんですかねぇ?⦅素朴な疑問⦆)

 

 ガリィが見上げる先……そこでは巨大拳の形を取ったアームドギアで獅子機へと突撃する響の姿が見えていた。

 獅子機の攻撃をものともせず堂々と突き進むその姿はガリィから見れば化け物としか思えないのだが……そもそもの原因はやはりコイツである。いらん事を言わなければキャロルの勝利→戦後の相談という形で平和に終わっていたかもしれないのに……⦅後の祭り⦆

 

「……私達の力と想い、そして歌を束ねた拳。 全く、あの子らしいわね」

 

「ああ、五指に見える五つの結晶……あれが私達のシンフォギアを束ねている証拠なのだろう」

 

 獅子機へと突撃する響のアームドギア、その五指には青、赤、白、緑、桃色の結晶のようなものが付属されており、それが仲間達のシンフォギアを束ねた証拠であった。

 

「これで勝てなきゃ、本当にどうしようもないデス……だから!」

 

「勝ってください、響さん……!!」

 

 もはや装者達に残された力は無くこの一撃が彼女達の最大の一撃である。

 これで獅子機を攻略する事が出来なければ敗北が確定する状況で、装者達は勝負の行方を真剣な表情で見守っていた。

 

 

「次は随分と派手な一撃のようだな……! ファラ、ガリィ、衝撃に備えろ!」

 

「ええ、分かっています! ガリィちゃんもいいわね?」

 

 それに対し、オートスコアラー達は数秒後に襲い来るであろう衝撃に備えていた。彼女達はキャロルの勝敗には拘りは無いため、今は自身のすべきことを優先して行うようだ。

 

「……」

 

「ガリィ、ちゃん? どうかしたの?」

 

 しかしガリィだけは、上空をボーっと見つめていた、その視線の先には響の姿、そして……。

 

 

 

「マスター!!!」

 

 

 

 響の巨大なアームドギアに貫かれる獅子機の姿が映っていた。

 

 

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「響君の力が凄まじすぎて気付かなかったが……まさかまだ全力を発揮できていなかったとはな」

 

「皆さんのシンフォギアを束ねても、歌っているのは響さん一人でした。それではユニゾンによる効果は望めなかったという事ですね」

 

「皆、大丈夫かな……?」

 

 司令室の大型モニターでは現在、爆音と暴風により状況が把握できずにいた。しかし響のアームドギアが獅子機を貫いたシーンは確認できていたので、後は彼女達が無事かどうか……それが問題である。

 

「映像、回復します!」

 

「これは……装者達は無事です! どうやらイチイバルのリフレクターで保護されていたようです!」

 

 それから一分ほど後……映像が回復したモニターには装者達とオートスコアラーの姿が映っており、彼女達の周囲にはイチイバルのリフレクターが展開されていた。そして……。

 

 

「――響っ!」

 

「響さん!」

 

 

 未来とエルフナインが見つめるモニターには、仲間達の向こうに見える響の背中が映っていた。

 

「響ちゃんの無事を確認! マジかよ……あの獅子機に勝ったのか、すごいな……!」

 

「響ちゃんだけの力じゃないわ、装者皆の力を合わせて勝ち取ったのよ」

 

「よ、よかったぁ……」

 

「後は、キャロルが無事であれば良いのですが……」

 

 響の無事な姿を確認し勝利に沸き立つオペレーターの二人と安堵する未来、そしてキャロルの安否を心配するエルフナイン。それぞれ思う事は違うものの、戦闘が終了した事は全員が確信していた。しかし……。

 

 

 

「いや、待て……! 何故響君はアームドギアを解除していない? 何故土煙の先を見つめている!?」

 

 

 

 弦十郎だけは気付いた。響がいまだアームドギアを解除していない事を……そして、厳しい表情で土煙の先を見つめている事を……。

 

 

「そ、そんな……まさか、まだ……!」

 

 

「あれは……キャロルちゃん……?」

 

 

 そして次の瞬間……弦十郎の疑問が正しかった事を証明するかのように、土煙の先から一人の女性が現れたのだった。

 

 

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「ふん……まさかよりによってガリィの声に意識を繋ぎ止められる事になるとはな……」

 

「キャロルちゃん……!」

 

 煙の向こうから現れたのはキャロルだった。ファウストローブは破れ、ダウルダブラの琴も大きく損傷しているその姿は正に満身創痍である。

 

「……見事だ、立花響。 今のお前は私を……獅子機すら凌駕する力を誇っている」

 

「……ううん、これは私一人の力じゃ無くてみんなの力だよ。私一人なら絶対に勝てなかったもん」

 

「仲間との絆が成した奇跡、か……」

 

 響との会話を続けるキャロルの表情には笑みが浮かんでおり、対する響も照れくさそうに返事をしていた。

 

「ここまでボロ雑巾のような姿になったのは、パパを殺した連中に追われ、必死で逃げ続けていたあの時以来だな……」

 

「キャロルちゃん、これ以上は……」

 

 静かに行われている二人の会話……それを仲間達とオートスコアラーは見守っていた。

 

「ああ、分かっている。 だから――」

 

 そして遂に、響が勝利を勝ち取る瞬間が――

 

 

 

 

 

「次の一撃で決着をつけるとしよう……お互いに満身創痍である以上、それが最善だろう」

 

 

 

 

 

 来る事は無く……キャロルは再び瞳に闘志を燃やし、最後の宣戦布告を行うのだった。

 

 

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≪ねぇ、これ……戦闘が終わった後、もしかしてアタシ怒られるの?≫

 

(心配しなくともゴミ箱行きは確定ゾ⦅満面の笑み⦆)

(誰一人味方はいないよ!⦅悲しみ⦆)

(S.O.N.G.に売り渡されるんじゃね?)

 

 キャロルと響が語り合っている姿を見つめるガリィは、ようやく自分が仕出かした事と向き合い始めていた。ちなみに完全に手遅れな模様⦅悲しみ⦆

 

≪ど、どうしてガリィがこんな目に……! アタシはただ思った事を口にしたり、行動したりしただけなのに!?≫

 

(よく分かってるじゃん、それが原因だよ)

(その行動がことごとく大惨事に繋がっているんですがそれは……⦅震え声⦆)

(今回こそはダメそうですね……⦅諦め⦆)

 

 思った事を言うのは構わないのだが、それがことごとく事態を引っ繰り返している事をいい加減学んでほしい……声達は切実に思っていた。

 

≪クソがっ……! ガリィはこれからマスターと薔薇色の人生を送る予定なのよ!? 何か、何か手は無いかしら……アタシの評価が一瞬で最高になるような、そんな逆転の一手……!≫

 

(ないです⦅即答⦆)

(夢はゴミ箱の中でゆっくり見よう、なっ!⦅生暖かい目⦆)

(ガリィに奇跡は起きない、はっきり分かんだね)

 

 ガリィは往生際が悪いので逆転の一手を模索していたのだが、もちろんそんなものが存在しないのは明白である⦅無慈悲⦆

 ガリィの未来はゴミ箱かS.O.N.G.に雑用係として売り渡されるかのどちらかと言ったところだろうか……彼女の未来は暗い⦅悲しみ⦆

 

 





遅くなってすまぬ、すまぬ…⦅謝罪⦆

ちなみに遅れた経緯は

とりあえず書く→展開に納得がいかない(最初に書いていたのは響が一人でvitalizationしたりしていました⦅白目⦆)→全部消す→書けなくなる→でも書く

といった感じです⦅遠い目⦆ あと、他の装者達を蚊帳の外にするのもなんだかなぁ…と思ったのでこういう展開にしました。

あっさりとやられた獅子機君ですがまだ切り札が残っているので安心して、どうぞ⦅満面の笑み⦆

次回も読んで頂ければ嬉しいです。



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