ガリィちゃんとわたしたち   作:グミ撃ち

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GX編 後日談 その五です。

今回は頭に浮かんだ話を脊髄反射で文字にしました⦅真顔⦆




GX編 後日談 その五

 

 

「えっへん♪ どんなもんだい!」

 

『な、なんと220点です! これは正に奇跡のスコアだ!この記録を塗り替える猛者は存在するのかぁーっ!?』

 

 アーケードの中にそびえ立つ一軒のゲームセンター……そこでは現在、とあるゲームの記録を競うイベントが行われていた。

 

「奇跡……奇跡だと?」

 

『おーっと、次なる挑戦者は見目麗しい少女のようです! ……お嬢ちゃん、名前を教えてくれるかな~?』

 

「おいおい、大丈夫なのかあいつ……」

 

「頑張って、キャロルちゃん!」

 

 そこに現れた新たな挑戦者、その名は――

 

 

 

「私か? ふっ、心して聞くがいい――私は……奇跡の殺戮者だ!!⦅威風堂々⦆」

 

 

 

 キャロ――じゃなくてき、奇跡の殺戮者さんです!⦅目逸らし⦆

 

 

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「馬鹿な、ありえぬ……この私がモグラ如きに遅れを取るなど……⦅死んだ魚のような目⦆」

 

「げ、元気を出してキャロル! 初めてだったんだから仕方ないよ!」

 

「いや、それを差し引いても酷すぎだろ……実際、同じ初めてだったお前(エルフナイン)はこいつの三倍近く点取ってるんだし⦅死体蹴り⦆」

 

「駄目だよクリス、本当の事でもキャロルちゃんが可哀想でしょ?⦅無意識の死体蹴り⦆」

 

「高位の錬金術師すら翻弄するとは……これは私も兜の緒を引き締めて掛からねば……!⦅SAKIMORIの眼光⦆」

 

 奇跡の殺戮者ことキャロルは即落ち二コマで敗北した……彼女はいくつもの穴から飛び出すモグラに翻弄され、参加者の中で最下位という屈辱を味合わされたのだ。

 

 ……あ、ゲームの話ですよ。ちなみに種目はモグラ叩きです。

 

「おねーさん、こんな所で何やってるのよ……というか220点って何よ、化け物じゃない」

 

「あ、秋桜祭の時の可愛い子じゃん! 久しぶり~、元気だった!?」

 

「えっ、もしかしてガリィちゃんの知り合い!? は、初めまして! 私リディアン2年の立花響です!」

 

「あっ、後輩ちゃんなんだ~! 私は森口美里、リディアンにいたんだけど今は卒業して大学生です!よろしくね♪」

 

【……誰?】

(すっごいキャラが濃かった人、多分一般人……なはず⦅遠い目⦆)

(秋桜祭でたこ焼き買った時の店番の人だよ~)

 

 なお、ガリィは思わぬ所で知り合いとの再会を果たしていた。 この森口美里という女性、実は秋桜祭でガリィにたこ焼きを売ってくれた人物である。

 ちなみに興味が無い事はすぐに忘却するガリィが覚えている理由は、彼女のキャラが濃かったからであった。

 

「よろしくお願いしますっていうかすごいですね! 220点なんて私初めて見ました!⦅尊敬の眼差し⦆」

 

「あはは、ありがと~♪ 初めてだったんだけどおもしろかったよ~」

 

「初めてでアレなの!? あ、相変わらず滅茶苦茶ね……⦅戦慄⦆」

 

「いやぁ、それほどでもないよ~」

 

「それほどでもあるわよ!? アンタ本当に人間なの!?」

 

【もしかしてこの人、貴方達が知らない四期以降の敵なんじゃ……】

(さ、流石にそれは……いや、でも……)

(まさか……まさかパヴァリア光明結社から派遣されたスパイなのこの人!?⦅悪乗り⦆)

 

 ちなみに全参加者の挑戦が終わった結果、彼女の記録は塗り替えられる事は無く……そして、最下位の記録も塗り替えられる事は無かった模様⦅悲しみ⦆

 

 

 

「お前だけは絶対に、絶対に私が倒して見せる……!⦅迫真⦆」

 

 

「ボクは信じています、奇跡が起こる事を……! キャロル、頑張って!⦅ハチマキ装備⦆」

 

「はぁ……才能皆無なんですからもう諦めましょうよマスタ~⦅無慈悲⦆」

 

 

 それから後日、必死の形相でモグラ叩きに挑戦する幼女⦅応援団付属⦆の姿がたびたび目撃されるようになるのだが……それはまた別のお話。

 

 

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「ニシシ♪ 司令のおっちゃん! 今日のアタシは、昨日より百万倍強いんだゾ!」

 

「なにっ!? 百万倍だとぉ!?」

 

「おっさんまで悪ノリしてんじゃないわよ全く……まっ、今日はテストみたいなものだから好きにしなさいな」

 

「強化されたミカに付き合えるのは、マスターか風鳴司令くらいのものだろうな」

 

「強化、と言うには少し語弊があるかもしれませんわね。 実際は性能を縮小したものですし」

 

(新機能だよ新機能! 外だから被害も気にしなくて大丈夫!)

【潜水艦の中じゃ試せないものね、化け物同士の対決だし】

(この機能を使ったミカちゃんなら、いくらOTONAと言えども……!⦅フラグ⦆)

 

 翼とファラが戦った遊園地跡地……そこで人類最強とオートスコアラー最強による戦いが始まろうとしていた。

 

「いや、話は聞いていたが正直楽しみでな……今日は仕事が手に付かなかったほどだ」

 

「はぁ、なんでアンタみたいなのが司令なんかやってんのよ……まあいいわミカちゃん、新機能……バーニング・メモリーを見せてあげなさいな」

 

「分かっタ~! おっちゃん、いくゾ~!」

 

(制限時間は十分です!⦅延長されないとは言っていない⦆)

【控えめに言って反則よねぇ】

(私が敵ならこんなのと絶対戦いたくないゾ⦅震え声⦆)

 

 どうやら今日がミカの新機能を試すための催しのようだ。ちなみに参加者は弦十郎とオートスコアラー四体であり、もしも不具合が起きればシャトーにいるキャロルに報告する手はずになっている。

 

「本来であれば想い出だけでなく、派手に自身をも焼却してしまうミカの切り札(バーニングハート・メカニクス )……マスターはそれを、想い出だけに留める事に成功した」

 

「その変換効率は以前よりも悪いどころか、最悪と言っても過言ではありません……しかし、その問題点はガリィちゃんという人形の存在によって克服する事ができます」

 

「十分足らずで全てのエネルギーを派手に焼き尽くす極悪な機能……だが、側にガリィが居ればその時間は派手に永遠へと変わるという訳だ」

 

 戦況を見つめる三体の人形の目には、驚異的な速度を発揮するミカの姿が映っていた。

 なお、最初は戸惑っていた弦十郎は既に対応し始めている模様⦅白目⦆

 

「今日こそアタシの勝ちだゾおっちゃん! アハハハハハハ!!」

 

「これは俺もうかうかしていられんな!⦅攻撃的な笑み⦆ はあぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 凄まじい攻防を続ける人外達だが、片方はただの人間である⦅遠い目⦆ ただの人間の方が有利に見えるが、それでも彼はただの人間である⦅強弁⦆

 

 

「えぇ……⦅困惑⦆ あの状態のミカちゃんでも無理とか頭おかしい、おかしくない?」

 

「この状態のミカ相手に優勢を取るとは……まさか、以前よりも地味に強くなっているのか?」

 

「最近はよく訓練に励んでおられるようですし……何か心境の変化でもあったのかしら?」

 

(OTONAは何と戦うつもりなんだろう……⦅遠い目⦆)

(神様、とか……?)

【この人なら勝ってもおかしくないと思える所が恐ろしいわよね⦅遠い目⦆】

 

 戦況はOTONA優勢、ミカが必死に食らいつくという状態になっていた。実はこのOTONAは最近、何か心境の変化があったのか鬼気迫る表情で訓練を行っており成長しているところなのである⦅遠い目⦆

 ……これ以上強くなって彼は何と戦うつもりなのだろうか……⦅白目⦆

 

「ガリィ~……もうスッカラカンだゾ……」

 

「はいはい、チュッ……っと、ファラちゃん時間は?」

 

「九分四十五秒……ほぼ予想通りですわね」

 

「次は補給した後の戦闘可能時間を確かめるとしよう。 風鳴司令、地味にもう少し付き合ってもらえるだろうか?」

 

 

「ああ、あと二時間程度なら問題無い!」

 

 ちなみにこの男が言う二時間後というのは、仕事に戻らなければいけない時間である。

 つまり仕事が無ければ……いや、この話はやめよう⦅白目⦆

 

 

「これで元気満タンだゾ! おっちゃん、次はさっきのアタシより百億倍強いから覚悟するんだゾ!」

 

 

「百億倍だとぉ!? ……ならば俺は、百兆倍の力で相手をするとしようか……!」

 

 

 

 おねがいだからやめてくださいちきゅうがこわれてしまいます⦅失神⦆

 

 

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「残ったリンカーは一人三本、デスか」

 

「大事に使わなきゃいけないね」

 

「ガリィが私達の代わりに働いてくれたお陰で消費は抑えられた……あの子には感謝しなければいけないわね」

 

 バルベルデ攻略作戦が伝えられた後、元FIS組は自分達の状況を確認していた。

 

「……ちょっと思った事があるんデスけど」

 

「? どうしたの、切ちゃん?」

 

「? 今回の作戦についての話、かしら?」

 

 その途中、切歌は何とも言えない表情を浮かべていた。どうやら何か考えている事があるようなのだが……。

 

 

 

「いや、大した事じゃないのデスけど……この三本を使い切る前に、全部終わっちゃうんじゃないデスかね……?」

 

 

 

「「……」」

 

 

 

 その言葉を聞いたマリアと調はとある金髪幼女の姿が頭に浮かび、何とも言えない表情になった。

 

「キャ、キャロルはその……シャトーの解体で忙しいから⦅目逸らし⦆」

 

「そ、そうよ……それに、パヴァリア光明結社にシャトーを奪われるわけにはいかないもの。 あの子には守りについてもらわないと⦅目逸らし⦆」

 

 マリアと調は、まだ見ぬパヴァリア光明結社の錬金術師が気の毒になった。キャロルと直接戦った彼女達はその恐ろしさを身を持って知っており、更に今回のキャロルは手加減無しを公言している。

 つまりパヴァリア光明結社の錬金術師は、自分達の時よりも酷いクソゲーをプレイさせられる事になるのである。これは同情不可避⦅悲しみ⦆

 

 

「エルフナインもリンカーの生成を頑張ってくれているみたいデスけど……正直焦る必要は全然無いと言うか、大事な睡眠時間を削らなくても構わないというか……⦅目逸らし⦆」

 

 

「切ちゃん、お口チャック。 慢心、ダメ絶対⦅真顔⦆」

 

 

「相手は非道な行いをしている敵よ、容赦する必要など無いわ⦅思考放棄⦆」

 

 

 結論:悪党に慈悲は無い、シネ⦅無慈悲⦆ である⦅白目⦆

 

 

 なお何処かの倒置法で喋る局長は、この時点で何の対策も考えていない模様。幹部の誰か、早く気付いてお願い!!⦅届かぬ叫び⦆

 

 





作者はですね、こういう感じの頭空っぽな話を書きたくてこの小説を書き始めたんです⦅大満足⦆

次回も読んで頂けたら嬉しいです。



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