ガリィちゃんとわたしたち   作:グミ撃ち

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IF編その一、です。

XV本編が最上なのは当然ですが、二次創作なので許してクレメンス⦅謝罪⦆




IF編その一 もしもXV七話にこの小説のガリィが介入したら

 

 

「ファラ……まだ、動けるか……?」

 

「……駄目ね、想い出の残量が完全に底を、ついているわ……もう間もなく完全に、停止するでしょう、ね……」

 

「そう、か……地味に、私も同じのようだ……」

 

主を守るため身を呈し倒れた二体の人形。主の敵を排除するという役目こそ果たせなかったものの、時間を稼ぐ事に成功した彼女達はその僅かな生涯を終え、永い眠りに就こうとしていた。

 

「後はミカとガリィ、に任せましょう……所詮、廃棄躯体の私達には……これが、精一杯みたいね」

 

「ああ……本体であれば、派手な活躍ができた、のだろうが……申し訳ありません、マスター……」

 

ここに倒れ伏すファラ・スユーフとレイア・ダラーヒムは以前装者達によって破壊された個体では無く、チフォージュ・シャトーの炉心に連結されていた廃棄躯体である。

そのため蓄積されたエネルギー……想い出は微々たるものであり、その状態では本来の実力を発揮できるはずもなく……ノーブルレッドの三人に敗北を喫してしまったのだ。

 

「ガリィ……後は、任せたわよ……」

 

しかしこの状況は運命であり必定……この後は彼女達だけでなく、残るミカとガリィも機能停止する運命にあり彼女達オートスコアラーは全滅するのが決定付けられた運命だった。

 

「ミカ……派手に暴れ、マスターを……」

 

この運命を覆すのは例え神であっても不可能……故に彼女達はここで短い生涯を終え――

 

 

 

 

 

「気付けば変な所にいるし、あいつらの声も聞こえないし……シャトーはなんでか壊れてるしおまけに見知った顔の人形はなっさけない事言ってるし最悪よ最悪、というかどういう状況なのよこれは!?」

 

 

 

 

 

――では、神ですら理解できぬ存在が現れたならどうだろうか?

 

 

 

 

「っ!? ガ、ガリィ……? どうして、ここに……?」

 

「……いや違う、この個体は……!」

 

突如現れた、この場にいないはずのガリィに驚愕する二体。しかしレイアは気付いた、その個体が廃棄躯体のガリィではない事に……そして、まるで幽霊の様に存在感が希薄な事に気付いたのだ。

 

「アンタ達廃棄躯体が出てるって事は、アタシ達は全滅したのかしら? で、その上でアンタ達が倒れてるって事は……襲撃があって狙われてるのはマスター、って事でいい?」

 

「っ!? えっ、ええ……」

 

「……お前は、何者だ?」

 

「そんな事はどうでもいいでしょ? それよりもアンタ達、後は任せたとか廃棄躯体だとか……ファラちゃんとレイアちゃんと同じ顔で情けない事ほざくんじゃないわよ、腹立つわねぇ」

 

傲慢な態度に攻撃的な言葉……ファラとレイアは、目の目に立つ個体が自身の知るものではないと確信した。

 

「……だけど、私達が所詮廃棄躯体なのは事実で――」

 

「ふ~ん、それじゃこの後アンタ達のマスターがどうなってもいいのね? 私達の仕事は終わりました~♪って事かしら☆」

 

「そんなわけないだろう! だが廃棄躯体の私達では蓄積された想い出も、何もかもが本体とは――」

 

煽るようなガリィの言葉に、反発するレイア。しかし目の前のガリィは、不機嫌な表情でその視線を真っ向から受け止め、そして……。

 

「ああもう馬鹿すぎて本当に腹立つわねアンタ達! 前のアタシ達が消えた以上、今はアンタ達が本物でしょうが!今、マスターを守れるのはアンタ達だけなんだからね!」

 

「――私達が、ほんもの……?」

 

「――マスターを守れるのは、私達だけ……?」

 

その言葉を理解した瞬間、全てを諦めていた二体の人形の目に僅かに、僅かにだが炎が灯った。

 

「~♪ どうやら目は覚めたみたいね――って時間も無いみたいだし、これからガリィがアンタ達に魔法を掛けてあげる☆」

 

「魔法……ですって?」

 

「何を……?」

 

神すら理解できぬ存在が使う魔法……それは、この場所とは別の世界で絶望の運命を覆した、奇跡を起こす力……。

 

 

 

 

 

「こっちだ! 地味に私達についてこい!」

 

「急いで! 今の状態では、例えミカでも長くはもたないはずです!」

 

「というかここは何処なのよ――って急に元気になっちゃってもう!ついていけばいいんでしょついていけば!⦅半ギレ⦆」

 

 

 

 

 

これより絶望の運命は音を立てて崩れ去る事となる。

 

この先現れる神は知るだろう、自身すら知らぬおぞましいものが存在する事を……そして、真の力を得た錬金術師の恐ろしさを……神が絶望する時は、近い。

 

 

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「まだ、負けて、ないんだゾ……!」

 

機能停止が迫っている事を自覚しながら、ミカ・ジャウカーンは闘志を保ち続けていた。

 

「う、う~……動けない、ゾ……」

 

しかし、その闘志に身体が反応する事は無く、彼女は運命に飲み込まれ――

 

 

 

 

「あら、廃棄躯体とはいえ流石はミカちゃんね♪ そこのヘタレ共とは大違いでガリィ感激です☆」

 

 

 

 

前の脚本? ああ、それはちょっと失くしちゃいまして……質は大きく落ちちゃいますけど、違う脚本でいくしかなくなっちゃったんです……⦅悲しみ⦆

 

 

「ヘタレ……いや、まあ否定はできないのだが……⦅遠い目⦆」

 

「だって仕方ないじゃない、残された僅かな想い出ではどうしようもなかったんだもの……⦅遠い目⦆」

 

 

「――オっ?……レイア、ファラ、それに……お前、誰ダ~?」

 

 

「ん~、今は急いでるから後でいい? という事で――ちゅっ」

 

 

次々と解き放たれる人形達……しかし最大の問題はここではない。運命が決定的に崩壊するのはこの後、とある金髪幼女にガリィが口づけをする瞬間である⦅震え声⦆

 

 

 

 

「元気一杯だゾ、ガオ~!!!⦅威嚇⦆」

 

「ミカの腹を満たす程に派手な想い出……どうやら私達は、とんでもない存在と出会ってしまったようだな」

 

「ええ、ですが助かったのも、この子に目を覚ましてもらったのも事実ですわ。 貴方には感謝しなけばいけませんね」

 

「そんなのいいからいい加減にここが何処なのか教えなさいよー! うぇぇぇぇーん、考察班がいないからガリィ全然分かりませぇぇぇぇん!⦅嘘泣き⦆」

 

 

 

 

突如としてノーブルレッドに迫るクソゲーの使者、ガリィ……果たして彼女達は、悪魔が到着する前に任務を遂行する事ができるのだろうか……。

 

 

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「……(もう、前も見えなくなったわね……これじゃ、音も……)」

 

主の覚醒を見届け力尽きたガリィ・トゥーマーン(廃)。彼女は既に視力を失っており、残された聴力だけで戦況を聞き届けていた。しかし……。

 

 

「アハハハハハ! 今度は簡単には負けないんだゾ~!!」

 

 

「人形達は確かに機能停止していたはず!? なのに、どうして!?」

 

 

「私の中で何かが騒ぎ立てるのです……『二度とマスターを一人にするな』と!」

 

 

「……(この声は、ミカちゃん……? それに、ファラちゃんも……?)」

 

 

ガリィ(廃)に備え付けられている周囲の音を拾うセンサーは、明らかに戦況が変化している事を察知していた。

 

 

「そんな!? 先程までとは、動きがまるで違うであります!?」

 

 

「お前達――何故……?」

 

 

「終幕にはまだ早い! そして、マスターを幸せにする事こそが私達の使命!」

 

 

「アタシはもっと速くなれる……強くなれるって、声が聞こえるんだゾ!」

 

 

「くそっ! こんな出鱈目あり得ないんだぜ!!」

 

 

「……(レイアちゃんまで……? 皆、無事だったの?)」

 

 

周囲の音を聞けば、三対の人形が無事だった事は明白……だがエネルギーが枯渇寸前だったはずの人形が何故、敵を押し返しているのだろうか……それがガリィには理解できなかった。

 

 

「成程ね、ここのアンタ達は そっち( ・・・)を選んだ……いえ、それとも選択肢すら無かったのかしら?」

 

「もう一体!? どうして今になって!?」

 

「はあ、面倒臭いけど仕方ないわね……アンタ達!アタシはこっちのマスターとそこの倒れてるのをなんとかするから、しばらくその雑魚と遊んでてあげなさいな!」

 

「アハハハハ! 分かったゾ、なんか薄いガリィ!!」

 

「了解した、派手にリベンジさせてもらうとしよう!」

 

「マスターへの説明は任せます、それと……できればガリィも助けてあげて」

 

「あーはいはい、分かったわよ」

 

 

「……(なに……? 何が起きているの……?)」

 

 

ガリィ(廃)が状況についていけず混乱している間にも、運命はガラガラと音を立てて崩れていく。どうやら今回の被害者はノーブルレッドの三人、そして後に現れる神様と何処かのおじいちゃんのようだ⦅悲しみ⦆

 

 

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「マスター、あの……想い出の方は、もしかして……」

 

「……知りたいか?」

 

≪あり得ません! 人形であるガリィがキャロルに想い出を譲渡できるなんて!? それも、キャロルの限界容量を満たす程の想い出を……!≫

 

「あっ⦅察し⦆ やっぱりいいです」

 

三体の人形とノーブルレッドが激しく交戦する中、この世界にもクソゲーが誕生するという非常事態が発生していた⦅悲しみ⦆

 

「ふむふむ、つまりここはアタシ達が全滅した場合の世界って事ですかぁ」

 

「そうだ、貴様という存在が何故現れたのかは不明だが――貴様、その身体は……?」

 

「あらら、どうやら時間切れみたいですねぇ……まっ、ここはアンタ達が主役の世界なんだから、後はアンタ達でなんとかしなさいな♪」

 

どうやらここでおぞましいナニカの出番は終わりらしい。元々存在感が希薄だったガリィの身体が更に薄くなり、この世界から立ち去ろうとしていた。

 

「……言われなくともそのつもりよ。だけど……ありがとね」

 

「ふふっ、また会えるかもしれないしサヨナラは言わないわよ☆ だから、またね♪」

 

僅かな時間を共にしたおぞましいナニカと別れを交わすガリィ(廃)、彼女はなんだかんだと窮地を救ってくれた人形に感謝をしているようだ。

 

「……」

 

「こっちのマスター……キャロルはまだ世界を、奇跡を憎んでいるんでしょう?」

 

「……それがどうした」

 

「いえいえ、奇跡を憎むのは別にいいと思うんですけど、でも……こんな奇跡なら、少しは受け入れてもいいと思いませんか♪」

 

「っ!?――戯言を……!」

 

「ええ、ただの幽霊の戯言ですとも♪ それじゃ、こっちのマスターが誰かと手を繋げる事を祈りながら――さよ~なら~☆」

 

こちらの世界のキャロルと言葉を交わし、おぞましいナニカは元の場所へと戻っていく……その姿が完全に消えるまで二人は見届け、そして……。

 

 

 

 

「待たせたな、賊共」

 

 

 

 

戦闘とすら呼べない、蹂躙劇が開始されようとしていた。

 

 

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≪――ん?≫

 

(っ!? みんなガリィちゃん戻って来たよ!! もう、どこ行ってたのさ!?)

(いきなり消えたから心配したじゃない!!)

(近くにいる感じはするのに消えてるんだもん、ホラー現象だよ!)

 

どうやらガリィは戻って来たようだ。声達の言葉を聞くと、ガリィは突然消えてしまっていたようだが……。

 

≪えっと……そうだ、深夜勤務に飽きてガリィと交代して……夢でも見てたのかしらね?≫

 

(ちょっと、自己完結しないでよ!)

(ガリィさんが表に出てくれてるから誰にも気付かれてないけど、超焦ったんだからな!)

(で、実際何処にいたの?)

 

≪ん~? 確かノーブルレッドの三人が敵になって……アタシ達の廃棄躯体と戦ってたわね≫

 

(???)

(ガリィ君、明日キャロルちゃんに診てもらおう!)

(はい解散解散! お疲れ様でした!)

 

≪いや、嘘じゃないんだけど……まあどうでもいいわね。表に出てゲームしよーっと☆≫

 

 

果たしてガリィが見た景色は夢か、それとも現か……。その答えを知る者は……。

 

 

 

 

『なんだその力は!? 我は、我はそんなものは知らぬ!!!』

 

 

 

 

「ククッ、貴様にそれを知る必要などあるものか……消えろ」

 

 

 

 

ここではない別の世界に、居るのかも知れない。

 

 





まあ長くやるのもアレなので、この辺で。続きを書くかどうかは不明です⦅適当⦆

という事で次回も読んで頂けたら嬉しいです。


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