ガリィちゃんとわたしたち   作:グミ撃ち

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第百十六話です。

なんというか、AXZ編の情報量が多すぎて辛いデス⦅白目⦆




第百十六話

 

 

『増援に向かっていた二名の到着をこちらで確認した。かなり損傷しているようだが、ガリィ君も一緒のようだ』

 

「……そうか、私にその報告が入っていないという事はつまり、パヴァリア光明結社はまだ諦めてはいないという事だな (損傷など私がすぐに直してやる、だから早く帰って来い……)」

 

 キャロル陣営がS.O.N.G.へと協力する事が決まった後にシャトーに作られた通信室……そこでは現在、キャロルとその側に立つ未来、そして画面の向こう側、S.O.N.G.司令室による会議が行われていた。

 今の状況は藤尭、友里、マリア、ガリィの四名が撤退を続けており、巨大な怪物に追い掛け回されているのだが……レイアとファラが間一髪で現場へと間に合った、というものである。

 

 しかしキャロルは現場に到着したという報告をレイア、ファラの両名から受け取っていない事から通信妨害を展開されていると推測し、同時に錬金術師が周囲に潜んでいる事を予想していた。

 

『錬金術による通信妨害……となると、撤退を最優先に考えるべきか』

 

「えっと、オートスコアラーの皆がいればシャトーに避難できるんじゃないの、キャロルちゃん?」

 

「転移が可能であるなら、ガリィが既にシャトーに避難して来ているはず。それが無いという事は……」

 

『……こちらへの対策は万全、という訳か』

 

 そう、情報通りガリィが無事であったなら、仲間と合流した時点でシャトーへと緊急避難するはずなのだ。

 しかし現在ガリィ達が車両での逃走を続けているという事は、それが不可能である状況……つまり、転移までもが妨害されている可能性が高いという事である。

 

「……先程にも言ったが、私が持つ転移結晶にバルベルデ国内の座標を記録した物は存在しない。故に今すぐ救援に向かったとしても、かなりの時間を要するだろう」

 

『いや、君にはシャトーを守ってもらわねばならないからな、それについては問題無い。とにかく今は耐え、戦力が揃うのを待って反撃に移るつもりだ』

 

「……ああ、それが最善だと私も思う」

 

「響、皆……お願い、早く……!」

 

 パヴァリア光明結社の錬金術師達による隙の無い追撃に追い詰められる仲間達。その劣勢を覆す事はできるのか、果たして……。

 

 

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「ガリィ、転移結晶はどうした?」

 

「アイツらとやりあった時に全部駄目になっちゃったのよ、ほら」

 

(先にマリアさん達に渡しておけばよかったかなぁ?)

(焦っててそんな余裕無かったし、三人を逃がす前提で足止めしてたからしょうがないよ)

【唯一錬金術が使えるあたし達にしか起動できないものだしね】

 

 一方、怪物に先制攻撃を加えたレイアとファラはガリィ達の乗る車両へと近づき、会話を交わしていた。

 

「あら、この状態では確かに駄目ね……レイアちゃん、敵戦力の殲滅を考えていたけど……ガリィちゃんの状態が良くないですし、ここは一旦撤退しましょうか?」

 

「ああ、それでいい。面倒な事になる前に、地味に退くとしよう」

 

 車両で逃走している事を不審に思った二体に満身創痍のガリィが見せたもの、それは破損して使い物にならなくなっている転移結晶だった。

 どうやら先程使った自爆技に転移結晶も巻き込まれてしまったらしい。

 

「た、助かったぁ~!!」

 

「はぁ、何言ってんのアンタだけは後でガリィが殺すって言ったでしょ? 大丈夫、アタシはアンタが死ぬまでちゃ~んと全部覚えててあげるんだからね♪」

 

「……元気そうで安心したわ、ガリィちゃん⦅遠い目⦆」

 

「皆、私とファラの周囲に。 シャトーへと地味に避難する」

 

 穴だらけになり倒れ伏した怪物を尻目に、レイアとファラは転移によるシャトーへの撤退を決断する。

 そして彼女達の周囲に藤尭、友里、マリア、ガリィが集まり、彼女達は無事に撤退を完了――

 

 

「……ちょっと何やってんのレイアちゃん? 転移結晶の起動に失敗するとかオートスコアラーとしてありえないんですけど⦅半ギレ⦆」

 

 

「……術式が起動、していない?――いやこれは違う……まさかっ!?」

 

 

 そう、何事も無く撤退は完了するはずだったのだ……。

 

 

 

 

「既にその術式についての解析は完了している。つまり妨害もお手の物という訳だ」

 

「お楽しみはこれからなのに、帰っちゃうなんてダーメ♪なんだからね♪」

 

 

 

 

 彼女達が……パヴァリア光明結社に所属する二人の錬金術師が現れなければ……。

 

 

「錬金、術師……!」

 

「うげ、やっぱり生きてるし……」

 

「マスターの危惧していた通り、転移を妨害されたか……! ファラっ!」

 

「ええっ! 数はこちらが上、勝機はあるはずです!」

 

(この人達ってぶっちゃけどうなん、強いの?)

(いや、この人達一回も攻撃してないし……さっきのは全部ガリィちゃんの自爆だし⦅白目⦆)

【一番注意すべきなのは間違いなく、あのサンジェルマンって女でしょうね】

 

 怪物が倒れ伏す反対側に堂々と現れた二人の錬金術師、サンジェルマンとカリオストロ。

 そんな彼女達に対して即座に戦闘態勢を取るマリア、レイア、ファラの三名は、数の上で勝っている現状ならば勝ち目があると考えていた。

 

「……お前達は一つ、勘違いをしている」

 

「――なんだと?」

 

 しかし、実はその考えは大きな間違いだったのである。何故なら……。

 

 

「S.O.N.G.の皆さんが戦うのはあーし達じゃないって事よ♪ ほら、後ろ後ろ♪」

 

 

 カリオストロが指で示した方向……。

 

 

「……ガリィが確認するから、アンタ達は目を離すんじゃないわよ――――はっ?

 

 

 ガリィ達の後方には、既に特大の脅威が迫っていたのだ――

 

 

 

「グルルルルル……!」

 

 

 

「ど、どうして……さっきレイアちゃんがぶっ殺したはずでしょ!?」

 

 

(軍師、ガリィさん! どういう事なの!?)

(傷も全て修復されている……? つまりこの怪物は、キャロルさんの獅子機と同じような存在なのでしょうか……?)

【うーん……マスターのように自身の記憶を犠牲にするならともかく、普通はあんな怪物を創造するなんて難しいと思うわ。だから他に絡繰りがあるんだと思うのだけど……】

 

 

 後ろを振り返ったガリィの視線の先にはレイアの攻撃によって先程、身体を穴だらけにされたはずの超巨大な怪物が佇んでいた。

 しかも何故か怪物は無傷の状態である。そう、レイアが先程つけたはずの無数の傷は全て、まるでそんなものは無かったかのように消えていたのである。

 

「うふ、それはね♪ 死・ん・だ・フ・リ♪」

 

「これ以上逃走されるのも面倒だし、ついでに塞いでおくとしましょう」

 

「も~、サンジェルマンったら意地悪なんだから♪ それじゃ、私達は高みの見物と洒落込みましょうか♪」

 

「ええ」

 

 更に敵錬金術師は周囲に多数のアルカノイズを展開、これによりS.O.N.G.の面々は逃げ場を失ってしまう。だが、敵錬金術師達が次に取った行動は、ガリィ達にとって予想外のものだった。

 圧倒的有利なこの状況に勝利を確信したのか、それとも別の意図が隠されているのかは不明だが、敵錬金術師は戦場を離脱し、周囲の高台へと移動したのである。

 

「っ! ああもう次から次へと面倒臭いったら!!! レイアとファラはあの化け物、マリアはアルカノイズを潰しなさい!足手纏い二人はアタシから離れるんじゃないわよ!」

 

「っ、分かったわ! 二人共、あの怪物は任せたわよ!」

 

「ああ、了解した」

 

「マリアさんも気をつけて下さいね。私達を見下ろしているあの方々が、どのような手段を隠しているか分かりませんから」

 

(ガリィリーダー、略してガリーダーちゃんじゃないか!⦅適当⦆)

(アホな事言ってられる状況じゃ無いと思うんですけど⦅真顔⦆)

【とにかくもう一度レイアちゃん達に怪物を攻撃してもらいましょう、話はそれからね】

 

 しかし敵の理解できない行動に動揺する事もほとんど無く、S.O.N.G.の立て直しは早かった。

 ガリィの指示によりレイアとファラは怪物、マリアはアルカノイズと相対する事となり、一般人の二人については満身創痍のガリィが守護するようだ。

 

「ガリィちゃん、そんな身体で大丈夫なの……?」

 

「身体が動きにくいだけで術式の行使については問題無いわよ♪ こんな風にね☆」

 

「これは……! あの時の大蛇か!?」

 

「ふふん、どう? 超有能なガリィちゃんはね、アンタ達に助けられなくてもちゃーんと逃げる手段を用意していたってわ・け☆」

 

(逃げ切れたかは分からない、というか多分無理だったけどね)

【陸の上じゃ大した速度出ないのよねぇ⦅悲しみ⦆】

(あのクソでかい怪物に速さでも完敗とは、悲しいなぁ……)

 

 ちなみに満身創痍のガリィであるが、錬金術の行使については問題無く行えるため、水の大蛇を錬成する事ももちろん可能である。

 故にガリィは藤尭、友里の二人と共に大蛇の背に乗り、アルカノイズと怪物の攻撃から二人を守るつもりなのだろう。

 

「ああそうかよ、そりゃ悪うございましたね!――で、どうする気なんだよこれから?」

 

「んーそうね~、今みたいに逃げ回りながら敵の情報収集かしら?」

 

「あの怪物、キャロルちゃんの獅子機のような圧倒的な力を持っているというわけでは無さそうね。つまり厄介なのは――」

 

 その想定通り、大蛇は敵味方が入り乱れる中を器用に移動し難を逃れて行く。その最中、レイアとファラの攻撃が幾度も怪物の身体を貫くのだが……。

 

 

「ええ、レイアちゃん達に身体を切り裂かれた瞬間に発生する光、そして修復される――いえ、まるで攻撃した事実そのものが消えるような現象……アレを見破れない限り、アタシ達は延々とあのデカブツに付き合わされることになるでしょうね」

 

 

≪何ちんたらやってんのよアンタ達相変わらず役に立たないわねぇ!! こんなに頑張ってるガリィを見てなんとも思わないのというか早く助けなさいよお願いだから!!⦅零れ落ちる本音⦆≫

 

(もうちょっと、もうちょっとだけ待ってお願い! 実はコアがあってそれ以外のダメージは無効説とか、獅子機みたいに傷がつくたびに術者が修復してる説とか色々考えてるから!)

(事実そのものが消える……時間軸への干渉、は現実的じゃありませんよね? それなら何かに肩代わりさせているという方が可能性は高いでしょうか?)

【手傷を肩代わりさせるなんて都合の良い術式、どれ程の触媒を用意すれば行使可能になるんでしょうね? まあもっとも、パヴァリア光明結社くらいの巨大組織なら不可能では無いんでしょうけど】

(とりあえず現状は手傷を肩代わりさせていると仮定し、それが真実かを検証しましょう。今からその検証方法をガリィちゃんに――)

 

 レイア、ファラの攻撃が身体を貫く度に強く発光する怪物、そして一瞬の後に修復される身体……そのような光景が数分の間に何度も繰り返され、戦闘は終わりの見えない持久戦へと突入していた。

 

 そんな中、打開策を模索するガリィ内部考察班は徐々に真実へと近づきつつあり、その真偽を確かめるべく動き出す。

 まずは怪物が傷を何かに肩代わりさせている可能性……このパターンであった場合、キーマンとなるのは――

 

 

 

 

「いい、マリア? 今からアタシが言う事を忠実に実行しなさい、分かったわね?」

 

 

 

「っ!? 貴方、突然何を言って――!?」

 

 

 

(点の攻撃が全て修復されるのであれば、面の攻撃を行い修復できない規模の損傷を与えればどうなるのか……まずはそれを検証します!)

(マリアさんにはそれを可能とする技がある! そう、我々が初めて死を覚悟したあの技が!)

【貴方達って週に一度は死を覚悟している気がするんだけど……主にこの子が原因で⦅遠い目⦆】

 

 

 マリア・カデンツァヴナ・イヴ。アルカノイズの掃討中、突然耳元で囁かれビクっとしてしまったシンフォギア装者である。

 

 

 

「化け物の反則染みた力、その原因を突き止めるのにアンタの力が必要なのよ」

 

 

「私の、力ですって……?」

 

 

「ええ、今ここにいる中でそれが可能なのはアンタだけ……リンカーの限界時間、そろそろでしょ? だからその前に、ガリィが見せ場を与えてあげる♪」

 

 

(この推測が外れていた場合、次は『コアのような何かをぶち抜かないと倒せない説』を検証しましょう。 その場合は全員で一斉攻撃を行い、確実にそれを破壊します)

(……錬金術師の二人にも注意しておかないとね)

【反応してくれたらむしろ儲けものよ。だってそれはあたし達が、その時行っていた検証に危機感を感じたって事なんだから】

 

 

 こうして始まる怪物攻略作戦……果たしてガリィ達は、不死身の怪物の謎を解き明かす事ができるのだろうか。

 

 

 

「ふふっ、全く……たった一人で敵陣から脱出するとはな」

 

「聞いたクリスちゃん!?ガリィちゃん無事だって! よかったよぉ~!!」

 

「ふっ、ふん……アタシはべっ、別に? あんな奴の心配なんかし、してないし!!」

 

「……(すっごく嬉しそうな顔にしか見えないのデス……)」

 

「……(クリス先輩、分かりやすいなぁ)」

 

 

 そして、救援に向かう五人の装者はガリィ達を救う事ができるのか。戦いは続く……。

 

 

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「……シンフォギア装者の実力については想定内、と言った所ね。ただし――」

 

「二体の人形達については予想以上、ガリィって子も戦闘能力以外は優秀、連携も取れているみたいだし……やっぱり味方に引き入れた方が良さそうね♪」

 

 サンジェルマンとカリオストロ、パヴァリア光明結社に所属する二人の錬金術師は、怪物と激戦を繰り広げているS.O.N.G.の面々を高台から見下ろしていた。

 どうやらこの二人、怪物の運用実験を行いながらS.O.N.G.の戦力分析を行っているらしいのだが……その結果、カリオストロはキャロル陣営を味方に引き入れる必要性を再確認したようだ。

 

「……味方、か」

 

「? どうしたの、サンジェルマン?」

 

「いえ、カリオストロの言う通り連携が取れていると感心していただけよ (そう、連携が取れ過ぎている……青い人形を中心に、まるで何年も共に戦ってきたかのように……)」

 

「そうそう、立派よね~♪」

 

 気楽な表情でS.O.N.G.陣営の奮闘を見つめるカリオストロ。しかしそれとは対照的に、サンジェルマンは僅かに疑念を抱き始めていた。

 そう、主であるキャロル・マールス・ディーンハイムを組織に利用され苦汁を飲まされているはずの人形達……彼女達とシンフォギア装者との間に、溝のようなものが全く見えて来ないのである。

 

「…… (まさか錬金術師キャロルは、自分の意思でS.O.N.G.に協力している? いや、だとすれば彼女の記憶については……それに先程の人形の態度についても説明がつかない……現実的に考えられない、か)」

 

 この時、サンジェルマンの脳裏にはキャロル・マールス・ディーンハイムが記憶を失っておらず、その上でS.O.N.G.に協力しているというありえない可能性が浮かんでいた。

 

 しかし彼女は、その可能性が現実的では無いと即座に考え直す。

 まず一点、キャロルがS.O.N.G.との最後の戦いで行使した規格外の力は間違いなく彼女の記憶を全て焼却している事。その後彼女が力を一切行使していない事からも、その点については間違いないはず。

 もしも何らかの要因で彼女が記憶を保持していた場合も、世界を破壊しようとしていた彼女が正反対の理念を持つS.O.N.G.に協力する事は絶対に考えられない。

 

 そして更に、ガリィという人形が見せた先程の反応……あの表情は深い憎しみと悲しみ、そして怒りを感じているのは明らかだった事。その直前までの軽薄な態度から考えても、ガリィという人形はS.O.N.G.にそれを悟られないように道化のような振る舞いをしていると考えられる。

 人形達は主による命令で縛られ、S.O.N.G.への協力行動を取らざるをえない状態……彼女達が自動人形である以上、原則として主の命令には絶対服従である事は確実なのだ。

 

「…… (人形達から抑えるとは言ったが、結局主を引き摺り出さねば意味は無い、か……これについては局長と話してみる必要がありそうね)」

 

 その結果、サンジェルマンは掴みかけた真実を手放してしまう事となる⦅悲しみ⦆

 だが待ってほしい……彼女達にはそう、頼りになるアダム・ヴァイスハウプト局長がついているのだ⦅最後の希望⦆

 聡明で完璧な彼ならば、きっとサンジェルマンが抱いた僅かな違和感にも絶対に気付く事ができるはず……なお、気付いた所で難易度がルナティックなのは変わらない模様⦅悲しみ⦆

 

 

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「藤尭先輩によると、ガリィの発案によりこれからマリアさんが怪物の撃破に挑戦するようです。上手く行けばこれで終わる可能性があるとの事ですが……」

 

「ふむ、そうか……マリア君の限界が近づいている以上、その前に怪物だけでも倒したいという事だろうな」

 

「……キャロル、どう?」

 

『この怪物に起こっている現象だが、被害箇所をその都度修復する獅子機とは明らかに別のものだ。これは私の推測だが、恐らく被害そのものを無かった事にしているのだろう』

 

 ガリィ達がてんやわんやになり、サンジェルマン達が戦力分析をしている一方、S.O.N.G.司令室では藤尭の持つノートPCから送信されている動画を元に、頼りになる元ラスボス系金髪幼女が推測を立てている所である。

 ちなみにクソゲ――ではなくキャロルちゃんだが、動画を見た第一声で既に正解へと迫るチート――ではなく有能っぷりを見せ付けていた。

 流石は元ラスボス、味方に付くとパラメータが色々とぶっ飛んでいる。

 

「被害そのものを、か。 キャロル君、その対策について君の意見を聞かせてほしい」

 

『そうだな……術者である錬金術師を潰すのが一番現実的だが、相手がこのような高度な術式を行使する実力を持つ以上容易では無い、か』

 

 現在、キャロルが考える最善の策は敵錬金術師を潰す事だが彼女の語る通り、現状の戦力では間違いなく困難である。

 ならば現場でガリィ達が行っているように、不死身の怪物の謎を解き明かす方法を試しながら増援を待つ、というのが現実的だろうか。

 

 

「っ! マリアさんの攻撃、怪物に命中しました! 怪物、首から上を吹き飛ばされています!」

 

 

「……これでどうだ、と声高に言いたい所だが……」

 

『さて、消し飛ばされる程の甚大な被害であればどうだろうな』

 

 

 そんな中、現場では大きな変化が起こったようだ。

 司令室に届いた映像の中央では首から上の部分が消滅した怪物が映っており、そして画面の端にはトラウマを刺激されたのか、不機嫌そうな表情をしているガリィが映り込んでいた。

 

 

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「マリアさん、お願い!」

 

「派手にぶちかませ!」

 

 レイアが放った巨大なコインと、ファラが発生させた竜巻が怪物を襲いその動きを止める……そして、その隙を逃さず――

 

 

「これで……終わりよっ!!!」

 

 

 アガートラームの左腕から放たれた 砲撃(HORIZON†CANNON)が怪物の巨大な顔面を全て飲み込み、その後に残ったものは……。

 

 

「……」

 

 

 巨大な顔面を全て吹き飛ばされ、断末魔を上げる事すら許されず倒れ伏した怪物の姿、そして――。

 

 

「こんな非常識なのをガリィに向けて平気で撃ったなんて……あっ、頭おかしいんじゃないのアンタ!?⦅震え声⦆」

 

「ちょっとガリィ!? やめて、やめてったら!」

 

(ガリィちゃんとマリアさんは相変わらず仲が良いなぁ!⦅目逸らし⦆)

(ちなみにガリィちゃんの時はイグナイト状態だったから、今のとは比べものにならないゾ⦅白目⦆)

【……この子が一撃も入れられずに負けただけあるわね⦅遠い目⦆】

 

 大蛇の口から水を放ち、マリアへと嫌がらせをする情けない人形の姿があった。

 自分の口でこの技(HORIZON†CANNON)を使い怪物を倒せと指示しておいてこの仕打ち、流石はガリィと言った所である⦅白目⦆

 

「……ガリィ、アルカノイズの掃討は地味に完了した。後は錬金術師だけだ」

 

「怪物に動きはありませんね。核のようなものが消失したのか、それとも他の要因があったのかは分かりませんが……」

 

 ちなみにガリィがマリアと遊んでいる間にも、二体のオートスコアラーは僅かに残っていたアルカノイズの掃討をしっかりと行っていた。

 同じオートスコアラーなのにも関わらずこの違い……全く、個性的な人形達である⦅好意的解釈⦆

 

「ふぅん、一発目の策で大当たり……ねぇ、随分とこちらに都合の良い展開だこと (アイツらの表情に全く変化が見られない……元々怪物には期待していなかったのか、もしくはハズレだったのか……)」

 

「おいおい……まだ錬金術師が残ってるっていうのに、不安になる事言わないでくれよ……」

 

(脳が弱点だった?いや、それなら先程、レイアさんの攻撃で頭部を攻撃された時に反応があったはず……となればやはり、面攻撃による多大な範囲の損傷は修復できないのでしょうか?)

【それが一番可能性が高いんじゃないかしら? 勿論これで本当に倒せていれば、の話だけどね】

(マリアさんの限界時間が近付いてるし、これ以上復活されたらちょっとヤバいかも……)

 

 残る敵はこちらを見下ろす二人の錬金術師のみ……なのだが、性格が捻くれているガリィは現状に違和感を感じているようだ。

 怪物が倒れたにも関わらずサンジェルマンとカリオストロの表情には全く変化が無く、それを見たガリィは自分達の策が失敗に終わった可能性を考え始める。

 そして、問題は怪物の事だけでは無く――

 

「っ……!」

 

「今アンタに抜けられるとキツいってレベルじゃ無いのよ……だから辛いと思うけど、もう少しだけ頑張って頂戴」

 

「ええ、最初からそのつもりよ。 ふふっ、貴方が心配してくれるなんて、なんだか珍しいわね」

 

 怪物を倒した直後、マリアが遂に限界時間を迎えた事もだった。

 キャロル陣営との激戦を戦い抜いた事で以前より適合計数が大きく上昇、ギアを纏っての行動時間が大きく伸びていたマリアだったが、流石に限界時間を迎えてしまったのだろう。

 

「ふん、勘違いすんじゃな――っ!? 全く、今日は嫌な予感ばっかり当たる日ね……!」

 

(う、嘘でしょ……マジで不死身、なの……?)

【一つ目の検証はハズレ、ね。 次はどうするの?】

(っ! そうですね……立ち上がりはしたものの、吹き飛ばされた顔面はそのままです。つまり他の部位にも顔面と同様の大きな損傷を与えれば、戦闘能力を全て奪う事が可能なはずです!)

 

 そして更に、ガリィ達にとって特大の逆風となる出来事が起こってしまう。その出来事とは――

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 顔部分を全て失った蛇の怪物が、何事も無かったかのように立ち上がったのである。

 

 

「……どうやらガリィの言う通り、派手に面倒な化け物のようだな」

 

 

「頭部を吹き飛ばされても動き続けるなんて、私達でも不可能――あっ⦅ガリィを見てしまい、咄嗟に目を逸らすファラ姉さん⦆」

 

 

「……ガリィ、次の指示をお願い」

 

 

「焦らないでちょっと落ち着きなさいな。アンタが吹っ飛ばした頭が修復可能なのか、まずはそれを確認してからよ」

 

 

(ホラー映画に出て来るゾンビですら、頭を吹っ飛ばせば倒せるってのに君はさぁ!⦅半ギレ⦆)

【この状況でも敵は動きを見せないのね……なんだか不気味だわ】

 

 

 再び立ち上がった頭部の無い怪物を前に、止めを刺すべく再び戦闘態勢を取るS.O.N.G.の面々。

 ガリィ内部考察班の推測が当たっていれば頭部と同様、身体にも大きな損傷を与えれば勝利する事ができるはずなのだが……。

 

 

 

「わーお♪ やるじゃない♪」

 

「問題はここからね。さあ、最後の実験を始めましょう」

 

 

 しかし、それは敵錬金術師にとって願っても無い展開だった。何故なら――

 

 

 

「っ!? なによあれ、怪物が何重にも……」

 

 

 

 驚愕するマリアの視線の先……そこでは怪物の周囲の景色が歪み、吹き飛ばした頭部の幻影のようなものが多数出現していた。そして……。

 

 

 

「ガアアアアアっっっ!!!!」

 

 

 

 頭部を消失している本体にその幻影が重なり強烈な光を放つとそこには……頭部が復活し、再び咆哮を上げる怪物の姿があった。

 

「……周囲に現れた幻影、あれが不死身の怪物の絡繰りですか」

 

「成程ね……手傷を追う度に無傷な状態の身体を引っ張り出し、この世界の身体に定着させていた、と――ってバカじゃないのそんなのマスターでも難しいレベルなんですけど!?」

 

「あれ程に派手な術式を起動するには、生半可では無い触媒が必要なはずだが……」

 

 その現象を直に見た事で、不死の怪物の絡繰りを察知したオートスコアラー達。

 不死の怪物の秘密……それは手傷を追う度に並行世界の身体に肩代わりさせ、自身は無傷の状態で復活するというクソゲーの権化キャロルちゃんも少しびっくりするくらいのチート術式である。

 

 しかし待ってほしい。これだけのチート術式を使うには当然、それ相応の触媒が必要なはずである。

 パヴァリア光明結社はそれだけの触媒を何処で手に入れたのだろうか……。

 

【――魂をエネルギーに変える術式……まさかアレは、この怪物を使役する為に……!】

 

≪はぁ? いやいや人間の魂なんてちっぽけなもの、千人分集めたって無理に決まってるじゃ――まさかあいつら、万単位の人間を殺してエネルギーに変えたって言うの?≫

 

(彼女達が肉体を弄っているなら、見た目通りの年齢では無い……つまり、キャロルさんのように百年単位をこの為に費やしてきたとしたら……)

 

≪アンタの推測が正しいとして、一日一人殺せば三万人、二人殺せば七万人以上の魂を回収できるわね。 ふーん、七十億人を分解しようとしてたマスターよりは小者だけど、中々の気狂いじゃない♪気に入ったわ☆≫

 

 しかしガリィ一行、実はその触媒を手に入れる方法を直に見ていたのである。

 それは先程のオペラハウスで起きた出来事、サンジェルマン達が軍人達の存在そのものをエネルギーへと変換した術式だった。

 

「どれだけの人間を殺したかは知らないけどアンタ達、大した悪党なのね♪ というかもしかしなくても、歴代一番の殺人鬼じゃないかしら☆」

 

≪まっ、とりあえず煽るだけ煽っておきましょうか♪ これに反応すればアタシ達の推測が事実だって証明できるんだし、やらない手は無いわよねぇ~☆≫

 

(事実だったらヤバすぎる相手なんですがそれは……⦅戦慄⦆)

【他に可能性があるとすれば、あたし達の知らない聖遺物を使っているくらいしかありえないのよね……】

(簡単に軍人達を殺せたはずなのに、あの術式を選択したって事は……つまりそういう事だと思うよ?)

 

 そしてすかさず高台に向けて煽り散らすガリィ・トゥーマーンである⦅呆れ⦆

 ついでにしっかり大蛇を操作し、怪物から距離を取る事も忘れずに行うガリィ、その無駄の無い動きは流石の一言であった。

 

 

「っ……言ってくれるじゃないの」

 

「挑発に乗らないで、カリオストロ。 あの程度の罵詈雑言、今までに何度も聞かされているでしょう?」

 

「……あの青い人形、さっき壊しておいた方が良かったかもしれないわね」

 

「それはまた次の機会に考えましょう。プレラーティをかなり待たせているし、そろそろ切り上げるわよ」

 

 一方、煽り耐性があまり無かったのだろうか、ガリィの煽りを真面目に受けしかめっ面を浮かべてしまうサンジェルマン達。

 これによりガリィは自分達の予想が当たっているのを確信し、同時にサンジェルマン達の精神力が決して強固では無い事を看破。後々に攻める材料として記憶に留めるのだった。

 

 

「ガアアアアーーッ!!!」

 

 

「ど、どどどどうすれば倒せるんだよこんな化け物!?」

 

「ふふん、それはね~……ガリィわかんな~い♪ という事でマスターが対策を思い付くか、増援が来るまで頑張って逃げましょうか☆」

 

「……あの、ガリィちゃん? 怪物が私達の方に真っ直ぐ向かって来るんだけど……」

 

「ええ、勿論バッチリ見えてるわよ☆ ではでは~、捕まったら即お陀仏の鬼ごっこの始まり始まり~♪⦅能天気⦆」

 

≪うーん、マスターがいない時点でほぼ詰んでる状況なんだけど……響ちゃん達が来るのを待って、あの大量殺人鬼二人をぶっ殺すくらいしか取れる手段が無いわよねぇ≫

 

(ガリィ選手、大蛇を巧みに操作し避ける避ける! 唯一の取り柄である精密操作は健在、健在です!)

(なお、上に乗せられている一般人二人は既にリバース寸前な模様⦅悲しみ⦆)

【まだまだ先は長いかもしれないんだし、吐いちゃった方が楽だと思うんだけど……】

 

 そして二人の怒りに呼応するように怪物は再びガリィ達……いや、ガリィに向けて攻撃を開始した。

 自信は満身創痍でありながら仲間達の代わりに敵の攻撃を引き受ける……うーん、これは間違いなく主人公ですね!⦅好意的解釈⦆

 

 

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「他の世界の自分にダメージを肩代わりさせるって……そんな事、本当にできるの?」

 

『理論上は、な。 術式の使用には当然、相応の触媒が必要となるが……ガリィが気付いた通り、恐らく人間の魂そのものを変換したエネルギーを触媒としているのだろう』

 

 オペレーターの二人が未来がミカに攫われた時以来の窮地に陥っている頃、増援であるシンフォギア装者五名は現場まであと数分という位置にまで接近していた。

 

「そ、そんなトンデモ、どうすれば倒せるんデスか!?」

 

『方法としては、そうだな……存在そのものを分解し、無に帰す。もしくは、肉体以外に干渉する攻撃手段で術式そのものを不安定にする……後は、怪物に効果のある哲学兵装を用意するくらいか』

 

 ちなみに現在、彼女達はS.O.N.G.司令室を中継してキャロルとの作戦会議中である。

 しれっと無に帰すとか言っちゃえる辺りは流石ラスボス系金髪幼女、もしも彼女が現場にいればサンジェルマン達は確実に詰んでいただろう⦅今後も出て来ないとは言っていない⦆

 

「それって結局、お前以外には不可能って事じゃねーのか?」

 

『いや、暁切歌と月読調の持つシンフォギア……魂に干渉する力を持つザババの刃であれば、術式を乱す程度なら可能かもしれない。それが失敗すれば術者を倒すしか方法は無いが、お前達五人が加わればそれも不可能では無いだろう』

 

「成程……了解した、我々はキャロルの言う通りに動くとしよう」

 

『……すまないな。私が敵戦力を過小評価していたばかりに、お前達にいらぬ負担を掛けてしまった』

 

「こんな事になるなんて誰も予想できなかったんだし、キャロルちゃんの所為じゃないよ。 だからちょーっと待ってて!絶対にガリィちゃんを、皆を無事に連れて帰って来るから!」

 

『っ――全く、お前と言う奴は……それなら私は、お前が好む菓子を用意して小日向未来と共に待っているとしよう』

 

 そして話す事数分……シンフォギア装者達は方針を固め、戦場へと駆け付ける事となる。

 

「あれが怪物、デスか……?」

 

「思っていたよりも、大きい……」

 

 そこで装者達が見たものは、超巨大な蛇のような怪物、そして……。

 

「……よかったぁ~、みんな無事みたいです!」

 

「丘の上に立つ二人の女性……彼女達がパヴァリア光明結社に所属する錬金術師か……!」

 

 丘の上からガリィ達を見下ろす、二人の錬金術師の姿であった。

 

「あいつらが馬鹿人形を……いくぞお前等!⦅勘違い⦆」

 

 戦況を確認し終えた五人の装者達。彼女達は戦場へと降り立つため、開け放たれたヘリの扉から空へと身を投げ出していく。

 そう、彼女達は間に合っ――

 

 

 

「っ!? マリアさん危ないっ!!」

 

 

 

 たと思われた瞬間、彼女達が見せられた光景……それは、突然膝をついたマリアに怪物の咢が襲い掛かる光景だった。

 

 

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「ぐぅっ……! (身体が、急に重く!?)」

 

「っ!? マリアっ!!!」

 

 怪物の突撃……これまで一度としてガリィ達を巻き込めなかったその攻撃が今、遂に一人のシンフォギア装者を飲み込もうとしていた。

 

「っ!? (こんな、時に……!)」

 

 これまでと同じように、怪物の攻撃を躱そうとしたマリア・カデンツァヴナ・イヴ……そんな彼女を襲ったのは、リンカーの効果時間切れによる戦闘能力の著しい減少である。

 

「させん!」

 

「はあっ!」

 

 怪物がマリアへと迫る中、仲間の異常事態を即座に察知したレイアとファラによる攻撃が怪物を襲い、その身体に傷をつけていくのだが……。

 

 

「ガアアアアアアッ!!!」

 

 

 怪物は、止まらない。身体を穴だらけにされたにも関わらず、その勢いは止まる事無く一直線にマリアへと迫り続ける。

 

 

「デカいだけの分際で、そいつに触るんじゃねぇ!!」

 

 

 そんな窮地の中、その怪物に最後の援護を加えたのはガリィ・トゥーマーン。彼女は残された右手を前方にかざし、巨大な氷柱で怪物の身体を貫くのだが……レイアとファラの同時攻撃で止まらなかった怪物がガリィの攻撃でどうにかできるわけも無く、怪物はその巨大な口を限界まで広げマリアを――

 

 

 

 

 

 

 

「ガアア、ァァ――――ガ……ガッ……GA……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 飲み込む寸前、まるで時が止まっているかのように怪物はその動きを完全に停止した。

 

 

 

「――っ! レイア、今の内にマリアを!アンタが一番近い!」

 

「っ! 了解した!」

 

「動きが完全に止まった? ですが、何故……?」

 

(えっ、なにあれ!?)

【エネルギーが枯渇した? いえ、それにしてはなんというか……】

(えーっと……アレだ! 機械がバグった時!あんな感じ⦅適当⦆)

 

 その状況に困惑しながらもマリアの救助へと走るガリィ達、そして……。

 

 

「どういう事なのよ~!?」

 

「……どうやら術式に不備があったようね。 一度回収して、再度術式の確認を行いましょう」

 

「えぇ、嘘でしょ!? も~、嫌になるくらい確認もテストもしたはずなのにぃ~!」

 

「気持ちは分かるけどそういうのは後にしなさい。とにかくプレラーティと合流するわよ」

 

「はーい♪ シンフォギア装者のあ・な・た、運が良かったわね~♪」

 

 

 この事態を重く受け止めたサンジェルマン達は怪物を回収し、戦場からプレラーティが待つオペラハウスへと転移し、足早に姿を消した。

 

 

「マ、マママママリアさん!!!」

 

「マリア! 大丈夫なんデスか!?」

 

「マリア、怪物に食べられちゃうかと思った……!」

 

「え、ええ……私は無事、なんだけど」

 

 そして一足遅く駆け付けた五名のシンフォギア装者……彼女達もまた、状況が全く理解できない様子だった。

 

「……大丈夫か?」

 

「ええ、勿論♪ ちょーっと面倒臭い連中に絡まれちゃったけどね☆」

 

 

 

「錬金術師は撤退した、か……」

 

「どうやら怪物の地味な不調は、あちらにとっても想定外の出来事だったようだな」

 

「どちらにせよガリィちゃんの事もありますし、一度本部に戻り指示を仰ぎましょうか」

 

 しかし、敵錬金術師が撤退した事で彼女達が全員無事に長い夜を超えられたのは事実である。

 こうしてパヴァリア光明結社に所属する錬金術師とのファーストコンタクトは、お互いに脱落者無しという形で決着するのだった。

 

 

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 いきなり番外編シリーズ。 ミカ・ジャウカーンと仲間達編

 

 

 響、未来の場合

 

 

「ひびき~! みく~!」

 

「あっ! ミカちゃーん!こっちこっちー!」

 

「もう一度確認するけど、今日は私達がミカちゃんをエスコートしてあげるんだからね?」

 

「うん、分かってるよ! アクアリウム、楽しみだね~♪⦅分かってない⦆」

 

「アハハ、ソウダネ……⦅遠い目⦆」

 

 

 響=可愛い妹分で妹弟子、お世話してあげなきゃ!⦅と、響本人は思っている⦆

 未来=響と同じくらい手がかかる年下の子⦅実際は年上⦆

 

 

 翼の場合

 

 

「つばさ~! アタシにもそのかっこいいの、教えて欲しいんだゾ!」

 

「? 私の剣術をか? だが、今日のお前の腕ではどうにも難しいな……」

 

「ン~、違うゾ? つばさのかっこいい喋り方、アタシに教えて欲しいって言ってるんだゾ?」

 

「なん、だと……」

 

 

 何故かいつも想定外の絡みをしてくる。

 

 

 クリスの場合

 

 

「今だけはアンタと共闘してあげるわ馬鹿クリス。そして……あの調子に乗ってるクソガキに地面の味を覚えさせてやるのよ!⦅憤怒⦆」

 

「ふん、馬鹿人形と一緒なのは気に入らねーが他は同意見だ。あの人形、お前だけじゃ無くあたしまで舐め腐ってやがるからな⦅全ギレ⦆」

 

「ニシシッ♪ ガリィとクリスは似た者同士なんだゾ!」

 

「「はぁ!? コイツと一緒にすんな!!」」

 

 

 ガリィと似ているため、お気に入り。

 

 

 マリアの場合

 

 

「ありがとう、助かったわ。 次はこっちの資料をエルフナインに届けてもらえる?」

 

「っ! 褒められたゾ! 褒められたらうれしいから、アタシもっと頑張るんだゾ!」

 

「焦らず、ゆっくりでいいからお願いね (話し方と性格で誤解されがちだけどこの子、キャロルをベースにしているだけあって実はかなり優秀なのよね)」

 

 

 母と娘。

 

 

 切歌と調の場合

 

 

「夢にまで見た夢の国デース!!」

 

「てーまぱーく??? なんかよく分かんないけど、楽しそうだゾ!」

 

「二人共、早く行こう?」

 

「ちょっと待ちなさいアンタ達、ここからは自由行動だけど一つだけ言っておくわ。 トラブル起こしてアタシに迷惑を掛けたら殺す、集合時間に遅れても殺す、以上! 好きに遊んで来ていいわよ♪」

 

「「「はーい!」」」

 

「で、アンタはどうするの? ガリィは子供騙しのショーにちょっかい掛けに行く予定だけど、一緒に来る?」

 

「……ええ、貴方が一番トラブル起こしそうで心配だし付いて行くわ」

 

 

 普通に友達。

 

 





ようやく原作でいう二話の途中まで来ました⦅白目⦆

次回は戦闘後のSONG視点とパヴァリア組視点を書いて……いつ終わるんやろこれ⦅絶望⦆

次回も読んで頂けたら嬉しいです。


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