第百三十二話です。 今回の話、書いてて全然楽しくなかったです……解説回って読むのもしんどいけど、書くのもしんどいという……(遠い目)
S.O.N.G.仮説本部潜水艦のとある一室……その中では現在、一人の男性が険しい顔を浮かべ、正面の大型モニターを見つめていた。
「……やはり、厳しいでしょうか?」
『と、いうより我々にもどうなるか分からん、と言った方が正確じゃな』
『気持ちは分かるが少し落ち着き給え、風鳴司令。 ここは一つずつ、状況を整理して行こうじゃあないか』
『今の所、横槍を入れて来ている者はそれほど多くはありません。なのにも関わらず、今から焦っていては身が持たないでしょう?』
正面のモニターを見つめる男性の名は風鳴弦十郎、国連直轄組織S.O.N.G.で司令を務める男である。
一方、弦十郎とモニター越しに会話しているのは、S.O.N.G.上層部の老人。その中でも特にS.O.N.G.を好意的に扱っている四人の老人だった。
ちなみに四人の内三人は男性、一人は女性なのだが――それぞれの特徴はガリィ曰く、『カー〇ルおじさん』『マフィアのボス』『インテリ眼鏡』『おばあちゃんじゃなくておばあ様』と言った感じらしい。
しかし彼らは一体、この場所で何を話しているのだろうか。
「……はい、おっしゃる通りです」
『ほっほっほ、素直なのは長所じゃな、君の。 オッホン!ではまず、S.O.N.G.に所属しておる者で今回、問題行動を起こした者についての処分から話して行こうかの』
どうやら彼らは現在、今回の一件についての処分対象について話しているようだ。
その中でもまず、S.O.N.G.に所属する者の処分内容から話して行くらしいのだが……。
『まずは風鳴弦十郎、君だ。 君は独断で本部を離脱し、その後数十分もの間を代理に任せた。これは間違いないね?』
「はい、間違いありません」
そのトップバッターは風鳴弦十郎……今回の作戦において、本部指揮を代理に任せ数十分の間離脱した罪を犯した男性である。
『ただし現地での戦闘には参加せず、ガングニールの装者、立花響を見送った後は迅速に帰還しています……もしもここで戦闘に参加していたとすれば、司令としての立場は危うくなっていたでしょうね』
「……はい」
『立花響の到着時間を早めた事。そしてあの状況では、それを行えるのが君だけであった事……結果的に見れば、君の判断は間違っていなかったという事だ、よって――』
『イエローカード……つまり大量の始末書、じゃろうな』
そんな彼の処分はどうやら始末書の提出(推定)で済むようだ。とはいえ今回は状況が味方しただけなので、老人達からすれば、実は割とギリギリだったりしたらしい。
『ただし今後は絶対に控え給えよ。君が実働班としての有効性を示せば示す程、それを理由に司令から引きずり落とそうとする声が大きくなるだろうからな』
「肝に、銘じます」
と、いう事で一人の処分についてはここまで。次の処分対象へ……というか一回の作戦で、複数の処分者が出るのって結構アレな事態なんじゃないだろうか……。
『ええ、これからは慎重にお願いしますよ。 それで次は……キャロルさんですね』
「ご迷惑をお掛けしました……続きを、お願いします」
と、とにかく次は二人目の問題児を紹介しよう。その名はキャロル・マールス・ディーンハイム……その罪状は、罪状は……あれ、なんだっけ?
『単刀直入に言おう、彼女が処分される事は無い』
「っ……それは、確実なのでしょうか?」
ざ、罪状はよく思い出せないが、とにかくキャロルは処分を免れる事が濃厚らしい。しかし弦十郎はその詳しい理由が気になるのか、老人達へと聞き返すのだった。
『ほっほっほ、嬢ちゃんは旅行中に災難に遭い、大事な装備を失ってまで敵の足止めを行ってくれたのじゃろう?書類上は、じゃが』
『あのキャロル君をそこまで追い詰める事が可能な……それ程の脅威が相手であれば、救援要請を出した事に何ら問題も無い。更に現地でパヴァリア光明結社は、日本へと侵攻する寸前だったと聞いている』
するとこの老人達、なんと嫌な顔一つせずに詳しい解説を始めたのである。
……実はこの老人達、シャトーに眠る美術品の扱いやらでキャロルと接点がありその結果……小さな身体で頑張る彼女の事を孫娘かなんかと思っている節があるのだ。なお実年齢。
『その状況での介入は、むしろ英断であったと私は考えます。故にそれらを踏まえて尚、彼女の処分を求める者などいるはずが――いえ、外部から一つだけ届いていましたね』
『そういえばそうじゃった!普段とは違い、誰も相手にせなんだから忘れておったわ、かっかっか!』
「もしや、その一つというのは……まさか――」
『気にする事は無い、風鳴司令……君と同じく、親類に苦労する者として胸中お察しするよ』
「やはり……ですか」
と、いう訳で老人達の詳しい解説を聞いた結果、キャロルに処分を科すことは不可能――なはずなのだが、どうやら一件だけそのような声が届いているらしい。しかもどこで今回の件を聞きつけたのか、即座に届いたようで……全く、世の中には困った人もいるものである。
『キャロル君についてはこんなものでいいだろう。そして最後は……ガリィ・トゥーマーンだな』
「はい」
そして最後を飾るのは……S.O.N.G.が誇るトラブルメーカー、ガリィ・トゥーマーンである――のだが……
『契約条項に則り、問題は無し――以上』
「……キャロル・マールス・ディーンハイムが命の危険に陥っている場合に限り、ガリィ・トゥーマーンは自己判断で彼女の救援行動に移る事ができる」
『ガリィさんが契約時に、これだけは譲れないと主張した約定ですね。そして今回の一件、キャロルさんはダウルダブラを失う程の窮地に立たされていました』
『つまりはそういう事じゃな。それにしてもガリィの嬢ちゃん、誰よりも早く慌てて飛び出すとは、余程キャロル嬢の事が大切なんじゃろうて、ほっほっほ!』
まさかまさかのセーフである。
なお、これについては弦十郎も分かっていたようで、契約内容を確認しただけでこの話は終了のようだ。
……ちなみにキャロルの処分と同じく、ガリィの処分を求める声が一件だけ届いていたようだ。この段階では同一人物かどうかは分からないが、そんな人物が果たして複数いるのだろうか……だとしたら怖い話である。
「詳細な説明、ありがとうございました」
『構わないよ。それに、ここまでは前座のようなものだしね』
『そう、問題は次じゃな、次』
『彼女達の処分については国連内外を問わず、既に様々な意見が寄せられていますからね』
『その意見を集約し、総合的に判断する事になると思うが……首謀者が残っている現状、彼女達の協力を求める声もかなり多いのが現状だ』
これでS.O.N.G.については終了、なのだが問題は次である。
そう、多数のパヴァリア光明結社構成員と共に、今回S.O.N.G.が捕縛した幹部の三人……彼女達の処遇について、ここからは話すようだ。
「そう、ですか……」
『まず処遇が決まるまでの間だが、武装を没収した上で潜水艦内に軟禁し、君達に監視及び取り調べを命じる。ここまでは既に聞いているだろう?』
「はい、三名にも了解を得ています」
サンジェルマン、プレラーティ、カリオストロについてはまず、上で処遇が決定するまでの間、潜水艦内から外部への一切の移動を禁じる。同時にその際、彼女達の主武装であるティルフィングの欠片を没収し、国連から派遣された職員に預ける事。これが今の所の彼女達の扱いだった。
ちなみに三人を潜水艦内で軟禁する理由は簡単、彼女達が暴れた場合のためである。
そもそもサンジェルマン達の実力は、ティルフィング抜きでも通常状態のシンフォギア装者を上回っている。そのため彼女達が暴れた場合に鎮圧できるのはS.O.N.G.のみであり、故にこの潜水艦に軟禁するのが一番の安全策なのだ。
『処遇が決まるまでは恐らく、かなりの時間を要するでしょうが……その間、彼女達には一切の戦闘行動を行わせないようにお願いしますね。勿論それは、首謀者が出現し戦闘に突入した場合も含めてです』
「……はい」
『騙され、利用された事には同情するよ。しかし、だからといってはい、共同作戦を行おう、というわけにもいかないんだ。彼女達は少なくとも、エスカロン空港で殺人を犯した危険人物であることは間違い無いのだから』
『それにそ奴らが全て本当の事を言っているかどうか、こちらは確信できんからのぅ……無いとは思うが、首謀者と狂言を行い、我々を罠に嵌めようとしている可能性もゼロではないのじゃ』
なおアダムとの戦闘が再発した場合でも、サンジェルマン達の戦闘参加は認められていない。
その理由は彼女達が利用され、アダムの指示に従っていただけだったとしても、先日エスカロン空港で殺人を犯した事に違いは無く、そもそも現状で信用しきるのは危険、という判断からである。
まあこれについては当然、というかむしろこれで『よし、共同作戦だ!』となる方が絶対にどうかしている。
「軟禁中に首謀者との戦闘が発生した場合についても、渋々ではありますが納得してもらっています……ただし飲む条件として、捕まえた場合は好きなだけ殴らせろ、とも言われましたが」
『……言葉を話せる程度で済ませるのなら、いいだろう。記録にも残さなくて構わない』
「ありがとうございます。恐らくですが、これで今の所は大人しくしていてくれるでしょう」
『復讐は何も生み出さないけど、気分はスカっとするからね』
『その通りじゃ! ワシもあのクソ爺を殴り倒してスカっとしたいと何度思った事か!カッカッカ!』
『自重して正解でしたね。そんな事をすれば今頃、返り討ちに遭ってお空の上だったでしょうから』
と、いう感じでサンジェルマン達の処遇についてはこのようになっているのだが……実はまだ、彼らが一番頭を悩ませている事が残っているのである。その内容とは――
『では、この話はここまでとしよう――そして次が、今後においての一番の問題だ』
『神の力の顕現……随分と大きな話になって来ましたね』
『フィーネが正体を現した時と違い、情報を共有する時間があるのが救いかのう』
『とはいえ首謀者の居場所は依然不明ですから、予断を許さない状況には変わりありません』
「はい。アダム・ヴァイスハウプトの狙いは恐らく、強大な神の力の占有――それを防ぐためには、日本各地のレイラインを死守しなければなりません。更に――」
逃亡したアダム・ヴァイスハウプトの目的――その件について弦十郎と老人達は情報共有を始めるのであった。
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「神の力ってなんだよ⦅真顔⦆」
「月遺跡の掌握を、容易に行える程の強大な力――くらいに思っておけばいいワケダ」
「まっ、今となってはそれも本当か分からないんだけどね~。アダムの奴が嘘吐いてるかもだしぃ」
弦十郎と老人達が情報共有をしている頃……S.O.N.G.仮説本部内休憩ルーム。そこでも情報共有の場が開かれていた。
その中心となるのはプレラーティ、カリオストロの二人。そしてその周囲には響以外の装者達と未来、そしてキャロルを除いた四体の人形達が集まっていた。
「日本各地のレイラインを解放し、儀式を行う。そして――人形に神の力を降し、意のように操る」
「そうねぇ、翼ちゃんの言う通り♪ あーし達はそのために、日本への侵攻準備を整えていたの☆」
どうやら彼女達はこの場所で、プレラーティ達によるネタばらし(完全版)を聞いているようだ。
それによると彼女達はどうやら神の力とやらを使い、月の遺跡を掌握。そしてその後、バラルの呪詛から人類を解放し、人類の心が一つに……という夢のようなハッピーエンドを目指していたらしい。
「そしてバラルの呪詛を解除し、人類を再び一つへと束ね……この世界から、支配という概念を無くす。それが貴方達の目的、で合っているわよね?」
「そうだ。私達二人はサンジェルマンの望みを叶えるため、彼女と共に数百年の間、あのアダム……詐欺師野郎に従って来たワケダが……」
「……でも――」
「ええ、見事に騙されちゃったったってわ・け――ってそんなに悲しい顔しなくても大丈夫よ、調ちゃん♪ サンジェルマンはともかく、あーし達はアダムに死ぬ程ムカついてるだけだから、ねっ?」
しかしその願いは叶わなかった。いや、今となっては例え、バラルの呪詛を解除しても叶うかどうかすら分からない、という状況になってしまっているのだ。
そう、アダム・ヴァイスハウプトという男に、数百年間も騙され続け、そして裏切られたが故に……。
「えっと……騙されて、それでたくさんの人を犠牲に、したんデスよね? 辛かったり、しないデスか……?」
「言っておくが、私とカリオストロは元から救いようの無い人間だったワケダ。だから罪悪感なんざ微塵も感じてないし、サンジェルマンの為なら文字通りに何でもする。それだけはこれからも変わらないワケダ」
「プレラーティの言う通りよん、切歌ちゃん♪ 昔のあーし達ってば、ほんっとーにダメダメな奴だったんだから☆」
「そ、そうデスか――ってそれは流石に駄目デスから!二人共、ちゃんと反省するのデス!!」
「反省しても死人は帰って来ないワケダ」
「敵討ちがしたい人は、あーし達を殺しに来ればいいんじゃない? まっ、簡単にやられるつもりもないんだけどね~☆」
ちなみに、サンジェルマンについては本気で落ち込んでいるのだが、二人は案外そうでもないらしい。
というのもこの二人、『革命とかぶっちゃけどうでもいいけど、サンジェルマンが望むなら命懸けで頑張る』という理由だけで数百年間の間頑張ってきたという、『サンジェルマンガチ勢』なのである、色んな意味で凄い。
なので二人共、理想の世界が実現できなかった事に対してはほとんど気にしておらず、人を殺した事に対しても『いや、だって殺さなきゃサンジェルマンが困るし……』と平然とした様子である、怖い。
「サンジェルマンの願いを叶える前に、死ぬわけにはいかないというワケダ」
「た、大した忠誠心ですわね……」
「そーう?普通じゃない?ねえ、プレラーティ?」
なお、カリオストロはこれが普通だと思っているらしい。やはり数百年以上も生きていると、どこがとは言わないがおかしくなってしまうのだろうか、気になるところである。
「は? 惚れた女に尽くすのと、恩人に報いる事を一緒にしてほしくないワケダが?」
「……? えっ、プレラーティってもしかして……あの人の事が好きなの!?うそでしょ~!もう女の子になっちゃってるのにぃ~!?」
「……数百年間自覚無しとは、もう乾いた笑いしか出ないワケダ、ハハハ……」
「女の人同士……やっぱり難しいのかなぁ」
「???」
「気にするなミカ、私達には地味に関係の無い話だ」
と、いう感じで雑談を交えながら中を深めていくS.O.N.G.所属メンバーとプレラーティ、カリオストロの二人。
「……」
……いや、一人だけ例外がいた。仲間達が和気あいあいと雑談する様子を見つめながら、輪から外れ壁際で黄昏ているのは……ガリィであった。
「そういえばお前、珍しく静かだよな? どうかしたのか?」
その珍しい様子に気付いたクリスは、ガリィがいる壁際へと移動し彼女へと話しかける。心優しい彼女の事だから恐らく、何かあったのでは、と心配したのだろう。
「んー?……別に、気が乗らないだけなんだけど……ああでも、ちょっと考えてた事はあるわね」
「?? なんだよ?」
(でもさー、神様に私達一般人の理屈なんて通じるのかなぁ?)
【あなた達を一般人と呼ぶのは、少し抵抗があるんだけど……言っている事は分かるわよ】
(うーん、それで人類全部巻き込むような神様にフィーネさんが恋してたのかと思うと、うーーーん……)
しかしガリィ自身、特に異常があって黄昏ていたわけではない。ただ少し気になる事が脳内で議論されていたので、それを聞いていただけ――というのが真相である。
「さっきバラルの呪詛を解除して、人類の心を一つにする。で、世界から支配構造を無くす……それでハッピーな世界になるって言ってたじゃない?」
「……それが、どうかしたのか?」
(心が一つになる=人の痛みが分かる=平和! うん、完璧な理論やな⦅確信⦆)
【アダムって人が嘘を吐いていなければ、そうでしょうね】
(人類全部が意識共有体……つまり私達みたいになるって事だよね? それ、本当に大丈夫なの色々な意味で)
なお現在、ガリィの脳内で一番ホットな話題は『バラルの呪詛』についてである。
どうやら声達の一部が、ほんの僅かに引っ掛かりを覚えた事で、いつの間にか大論戦へと突入してしまったらしいのだが……。
「いや、あいつらの目的は別にいいのよ、好きにすればって感じだし。問題はバラルの呪詛の方」
「バラルの呪詛……?」
「確かバラルの呪詛って、フィーネが神様と同じ場所に行こうとして、それで神様の怒りを買って掛けられた呪いなのよね?」
「あ、ああ、フィーネの奴がそう言ってたと思――ってお前、それ何処で聞いたんだよ!?」
(私達は、何でも知っているよ⦅意味深な微笑み⦆)
(※ただし、三期までに限る)
【これが四期なのだとしたら、終わった後平和に暮らせるといいんだけど⦅フラグ⦆】
バラルの呪詛……それは神々――別名アナンヌキが、人々の相互理解を阻むために掛けた呪いである。
かつて先史文明期の巫女、フィーネが思いを寄せていた神の一柱、『エンキ』。彼女は彼に想いを伝えるため、バベルの塔を建設していたのだが……その塔は神々によって無残に砕かれ、更にフィーネの行動に怒りを覚えた神は、人類から統一言語を奪う呪い、バラルの呪詛を世界中に撒き散らした。
まあその後なんやかんやして、フィーネさんはバラルの呪詛発生装置である月の破壊を企てて神様に会おうとした……というのが原作一期の話である⦅適当⦆
「そんなの今はどうでもいいでしょ。それで、その部分でちょっと引っかかったことがあるんだけど……」
「……言ってみろよ」
「どうして罰を与える対象が、人類全部だったのかしら? だってそうでしょ?やらかしたのはフィーネの老害ババアなんだから、罰を与えるのはフィーネ一人か、それを手伝った連中くらいでよくない? いや、神様にこっちの常識が通用しないって言われたらそれまでなんだけど……」
「……言われてみれば、確かにそうだな……」
(そうだよ⦅便乗⦆)
(しかも人類全部にペナルティ科したの、その一回だけでしょ? えっ、なんでフィーネさんだけそんなに激怒されてんの?)
【人間如きが神に並ぼうなど、不敬である!って感じかしら? でも、結局どうして連帯責任なんでしょうね?】
――おっと、バラルの呪詛の説明はここまでにして、ガリィ(とわたし達)の気になる事の続きでなのだが……ガリィ一行が気になる事……それは何故、神々が人類全てにペナルティを科したのか、という疑問だった。
そもそも、仮に神様が鬼のように激怒したとしても、それをやったのはフィーネさん一人、もしくはそれを手伝った者達が原因である。なのに何故、関係無い人類まで共通言語を奪われてしまわなければいけないのか……仮に自分がその時代、平和に過ごしていた人類だと想像すれば分かるが、どう考えてもとばっちりである、酷い。
「でしょう? なんでババア一人のやらかしで人類全部がとばっちり受けなきゃいけないのよ……あっ、もしかして連帯責任とか言わないわよね? だとしたらアタシ、二度と神社にお賽銭入れたりしないわよ」
「日本には色んな神様がいるんだから勘弁してやれよ……でも、確かに気になるな」
「……もしかしてあのババア、なんか勘違いしてたんじゃないでしょうね……? ねえクリス、自分がフラれたと思ってメンヘラ粘着ストーカーにメガ進化したあの女なら、あり得ると思わない?」
「フィーネが、勘違い……? でも、だとしたら何を勘違いしてたんだよあいつは……?」
(そう、私達の仮定が当たっているとしても、それが全然分からないんです。人類から言葉を奪う事が、何の意味を持っているのかが全く……)
【確か、他者が理解できなくなったことに恐怖を抱き、人類が殺し合いを始めたのもこの後よね。つまり、その前までは人類は平和に過ごせていたって事でしょう? それなのに、どうしてそんな事をしたのかしらね?】
(私達の視点では、どう考えてもメリットゼロだよねぇ……うーん、神様ってば頭おかしくなっちゃったのかなぁ?)
では、ここで一つ頭を柔軟にして考えてみよう……そう、そもそも――フィーネさんの認識が間違っていた場合である。
例えば神様は、フィーネさんに怒っていたわけではなく何か別の理由……そう、頭がおかしくなっていたのではないだろうか?……いや、流石にこれは考えにくいのは分かっているが、そうでもないと説明がつかない、それくらいには意味不明な行動なのだ。
「それはアタシにも全然分かんないけど、ちょっと変なのは確かでしょう? まっ、ふと思っただけだから忘れて頂戴――って事で、アタシもあの三流錬金術師と親睦を深めてきま~す♪じゃあね~☆」
「っておい!最後は投げっぱなしかよ……」
(結論、意味わからん!以上!)
【分からないものは分からない、そこは正直に認めないとね】
(神々の間で何かが起こった……? でも、そうだとしてもバラルの呪詛を撒き散らす理由が分からない……駄目だ、お手上げです)
そんな感じで結局は分からない、というしかないのが現状である。せめてフィーネさんが健在であれば、もう少し詳しい事を知れたのだろうが……シンフォギアを作れなくなった事といい、本当に惜しい人を亡くしましたね……。
「ねえ、あの変態に信用できる部分なんか一つも無かったと思うんだけど、よかったらアタシに教えてくれない?」
「……力だけは信用していたワケダ。まぁ、その他については自分でも分からないワケダが……⦅遠い目⦆」
「なんだかんだ話すのが上手くて、すっかり騙されちゃったのよね~……実際、言う通りにしていたからここまで来れた部分もあったしぃ~」
(死体蹴りやめーや⦅真顔⦆)
(い つ も の)
(全裸の変態さんでも強ければ部下ができる。私、覚えました!)
と、いう事でこれ以上の議論が無駄だと悟ったガリィは仲間たちの輪へと飛び込み、その後はこの話題について話すことは無かった。
しかしこの時……ガリィ一行のこの行動が、真実へ届く寸前まで来ていた事を、誰一人として気付く事は無かったのである。
「人類の言葉を奪う、か……それって、もしかしてナニカを妨害するため、とかか?」
そして、それは雪音クリスにとっても同様であり……彼女もまた真実へと手を掛け、そしてその事に気付かず……やがて記憶から薄れ――その手を手放した。
主要キャラの会話シーンで、誰が話しているか分かるように気を付けてること。
響 → ムードメーカーをイメージしてテンション高めに書く
翼 → とりあえず難しそうな言葉ぶち込んどけばOK
クリス → 口調を荒めに
マリア → お姉さんっぽく、ただし似たような喋り方のキャラがいるので実は扱いにくい
調 → 言葉を話す前に『……』を入れたりする。
切歌 → 最低一回は『デス』を文章に入れとけば大丈夫
キャロル → ~せよ、~できぬ、みたいな感じ(アバウト)
ガリィ → ♪とか☆入れときゃOK(これについてはカリオストロも同様)
レイア → 最低一回は『地味にor派手に』を文章に入れる
ファラ → ですわ口調
ミカ → 語尾をカタカナにする
サンジェルマン → マリアとほぼ同じ、つまり一緒に会話させるのが難しい
カリオストロ → ガリィと同じ
プレラーティ → ワケダ
エルフナイン → 一人称が唯一の『ボク』なのでできるだけ文章に入れる
OTONA → 男キャラが少ないので普通に
NINJA →丁寧語
次回はキャロル、サンジェルマン、響の出番。つまり戦後処理の後編。
次回も読んで頂ければ嬉しいです。