ガリィちゃんとわたしたち   作:グミ撃ち

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第二十六話。懲りずに番外編です。




第二十六話

 

 

 ルナアタック事件から一ヶ月が経過したある日、ガリィは復興作業が行われている街をいつもの監視スポットから眺めていた。

 

≪週に一度とはいえ退屈ね、なーんにも起こらないじゃない≫

 

(まぁキャロルちゃんからすればフィーネみたいな前例があったし警戒して当然だよね)

(私達は三ヶ月何も起こらないって知ってるけどねぇ)

(知ってるからこそ余計に暇なんだよなぁ)

 

 ガリィは監視の任務を続けているのだが、その頻度は週に一度に減少していた。

 フィーネの脅威が過ぎ去った事とキャロルが裏からも監視の目を入れているため、頻繁に監視する必要が無くなったからである。

 そして今日はその週に一度の監視の日なのだが、何も起こらない事を知っているためガリィは退屈だった。

 

≪この一ヶ月、未来ちゃんがまた死にかけた事くらいしか起きてないんだけど≫

 

(一ヶ月に一回起きる様なレベルの事件じゃないと思うんですけど⦅名推理⦆)

(最近まで三日に一回ノイズが出現する修羅の街だったからね、仕方ないね)

 

 ここ一ヶ月でガリィの印象に残っている事は、誰かの悲鳴を聞いて助けに行った未来がノイズに襲われた事くらいであった。

 前と同じように間一髪で響が間に合ったのだが、現場で錬金術を使う寸前だったガリィはいつもギリギリで駆け付ける響にまた怒っていた。

 

≪…よし、ショッピングに行きましょう≫

 

(えっ)

(あのさぁ…)

(それでOTONAと遭遇した事もう忘れちゃったの? 鳥頭なの?)

 

 以前ガリィは街に降りてショッピングの途中に、風鳴弦十郎と遭遇してしまった事があった。

 その後はリディアン付近の繁華街を避けて買い物していたのだが、あまりにも暇すぎてじっとしていられなくなったようだ。

 

≪前だってガリィの巧みな話術で乗り切ったでしょうが、それに今日は眼鏡に帽子スタイルで行くからバレないわよ≫

 

(ほんとぉ?⦅半信半疑⦆)

(私達も暇だから遊びには行きたいけど…⦅隠せぬ本音⦆)

(嫌な予感しない? 本当に大丈夫?⦅警戒⦆)

 

≪大丈夫に決まってるでしょ、ガリィにおまかせです☆≫

 

 

 

 -  約一時間半後  -

 

 

 

「あのっ! あなた、もしかして…」

 

 

 

≪だから言ったのよ…ガリィは嫌な予感がするって≫

 

(⦅言って⦆ないです)

(楽しくて長居し過ぎましたね…⦅反省⦆)

(巧みな話術⦅自称⦆の出番だゾ)

 

 

 

「おい待てって言って――――なんだ、知り合い見つけただけかよ」

 

 

 

≪ねぇどうするのよオマケまで付いてきたじゃない≫

 

(知らんがな)

(これはもうダメかも分からんね…)

(相変わらずフラグ回収する能力高いっすね)

 

≪はぁ…気が乗らないけど逃げるわけにも行かないわね…≫

 

 相手は二人、撤退は不可能と判断したガリィは何食わぬ顔で振り向いて返事をする事にした。

 

 

 

「私に何か…――――あれ、もしかしてあの時のお姉さんですか?」

 

 

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 あの事件から一ヶ月経ったある日、私は授業が終わったら響と買い物に行く約束をしていたのです。しかし…

 

「私が…クリスと?」

 

「ごめんね未来…」

 

「補講なんだしそれはいいんだけど、今日は翼さんがクリスに付き合うって話じゃなかったんですか?」

 

 私立リディアン音楽院は二週間前から新しい校舎で授業を再開していました。

 しかし一週間前まで行方不明扱いだった響と翼さんが授業に復帰したのは僅か三日前の事で、二人は十日の授業の遅れができてしまっていたのです。

 もっとも学業優秀な翼さんについては十日の遅れなどたいした問題では無かったのですがこの子、立花響にとっては死活問題だったようで…。

 

「その予定だったのだが急な打ち合わせが入ってな。どうしたものかと悩んでいた所で立花と会い、補講の話を聞いたというわけだ」

 

「えっと、予定の空いた私が代役をって事ですか?」

 

「その通りだ小日向、どうか頼まれてくれないだろうか」

 

 どうやら翼さんも響と同じく急用が入ってしまったようで、そこで響から補講の話を聞き予定の空いた私に代役として白羽の矢が立ったようです。

 

「いえいえ、予定が潰れて暇になっちゃいましたし、むしろ私からお願いしたいくらいです」

 

「そうか、そう言ってもらえると助かる。ありがとう」

 

「うぅ、補講がぁ…行きたくないけど先生が絶対に来なさいってぇ…」

 

「こ~ら、わざわざ響一人のために補講開いてくれるんだからそんな言い方したらダメでしょ、もう」

 

 そう、今日から急遽始まる事になった響の補講は、先生方が響のためだけに開いてくれるものなのです。

 もともと学業が得意ではない響に十日のブランクは厳しいと考えて、先生方が十日分の授業内容を放課後一対一で教えてくれるというありがたいものなのですが、響は嫌そうな顔を隠しません。まったく、響ったら進級できなくなっても知らないんだから…。

 

「あの、クリスはもう知っているんですか?」

 

「既に雪音には私の事は伝えてあるが、小日向の事も私が連絡しておこう。待ち合わせは十五分後、校門の前でどうだろう?」

 

「分かりました。それじゃ響、ちゃんと勉強するんだよ?」

 

「…は~い。いいないいなぁ~、クリスちゃんと未来と買い物行きたかったよぉ…」

 

「ありがとう小日向。この借りは後日何かの形で返そうと思う」

 

 不安はあるけど私は響はやればできる子だと信じているので、これ以上は何も言わない事にします。

 そして翼さんは今回の事を借りだと思っているみたい、そんな事気にしなくていいのに…。

 ここで断っても翼さんの性格だと多分無駄になると思う。よし、それなら…。

 

「そうですか…じゃあ今度またみんなで遊びに行きませんか? もちろん今度はクリスも一緒に」

 

「いいね未来~、それ採用! ねっ、翼さんもいいですよね!?」

 

「いや、それは勿論構わないのだがそんな事で借りを返した事には…」

 

 案の定翼さんは納得してくれていないみたい。でも響の勢いに押されている今がチャンスです!

 

「私達にとって憧れの先輩と遊びに行く事はご褒美みたいなものなんです。ねっ、響♪」

 

「もちろんだよ未来! 私達翼さんともっと遊んだりしたいんです!」

 

「こ、こんなに人がいる所でそんな事言わないで! 分かった、分かったから!」

 

 私と響の攻勢に屈してしまう翼さん。これで貸し借りは無しという事で決着です。

 

「ではそろそろ私は行きますね。響、頑張って」

 

「そ、そうか…小日向、雪音を頼む」

 

「はい、任せてください翼さん」

 

「未来~、私頑張るからお土産…」

 

「はいはい、何か買って来てあげるから。それでは翼さん、失礼します」

 

「あぁ、気を付けてな」

 

 こうして二人と別れ校門に向かう私。もしかしたらクリスは先に着いているかもしれない、私は気持ち早足で校門へ向かうのでした。

 

 

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「ちっ、あたしは一人でいいって言ったのに…」

 

 

 

「あはは…そうなんだ」

 

 私と合流したクリスの第一声がこれでした。どうやら彼女は一人でも行く気だったようですが、まだこの街に慣れていないはずなので付き添いはあった方がいいと私は思うのです。

 

「えっと、今日はよろしくね」

 

「お前こんな面倒臭い事、なんで引き受けたんだよ」

 

「えっ、嫌じゃなかったし断る必要ない…よね?」

 

「…はぁ、あのバカと親友やってるだけあるわお前…」

 

 響の親友って言われた事は嬉しいけれど、どこか馬鹿にされている気がする…。

 というかこんな所で立ち話してる場合じゃないので私は本題を切り出すことにした。

 

「それで、今日は日用品を揃えに行くんだよね?」

 

「それで合ってる、編入だのなんだので揃える暇が無かったからな」

 

 そう、クリスは二課の人達の尽力によって、三日前から私立リディアン音楽院へと編入して通っているのです。

 更に、住居不定だった彼女は新しい住居を与えられ、そこからリディアンへと通学しています。

 

 しかし手続きなどで多忙を極めたクリスの家は現在、基本的な家具は揃っているものの他は壊滅的という状況だったわけで…。

 

「うん、分かった。私じゃ力不足かもしれないけど、よろしくね」

 

「ん。その…よろしく…

 

 よろしくの所が小声になるのがクリスらしくて私は笑いそうになる。でもクリスはきっと笑ったら怒るだろうからなんとか我慢、そして私達は歩き出すのでした。

 

 

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 -  買い物中  -

 

「これなんかシンプルでいいんじゃないかな、どう?」

 

「…あたしは、こっちの方が…」

 

「わっ、意外と可愛いの好きなんだ~」

 

「わ、悪いかよ!」

 

「ううん、良いと思うよ。じゃあそれ、買っちゃおうか」

 

「………うん」

 

 

 -  買い物中  -

 

 

「まだ編入して三日だけど。どう、少しは慣れた?」

 

「…」

 

「そっか、何かあったらいつでも相談してね」

 

「…ん」

 

 

 -  買い物中  -

 

 

「…それで響ってば慌てちゃって川に飛び込んじゃったんだよ。あの時はびっくりしたなぁ…」

 

「お前ってあのバカの話する時ほんと楽しそうだな…」

 

「ふふっ、だって親友ですから♪」

 

「あ~はいはい、そんなの見てりゃ分かるっつーの」

 

 

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「まだ時間には余裕あるけど、次はどこ行こうか?」

 

「そうだな…カーテン、見に行きたい。今部屋にあるやつ地味だから」

 

 一時間ほど店を回って色々な小物を買った。あたしの付き添いらしいこいつは、嫌な顔一つせず次の店に行こうと言ってくる。本当に変な奴…まぁ感謝はしてるけど…。

 

「そう、それじゃ良い店があるか…ら…」

 

「――? なんだよ急に。疲れちまったのか?」

 

 急に黙り込むバカの親友。立ちっぱなしだったから疲れたのかと思ったがどうも様子がおかしい。

 

 

 

「――――っ! ごめんクリス! すぐ戻るからちょっとここで待ってて!」

 

 

「はぁ!? お、おい待て!」

 

 急にどこかに向かって駆け出したバカの親友。驚いたあたしが慌てて後を追いかけると、どうやら知り合いを見つけただけのようだった。ったく、驚かせるんじゃねぇよ…。

 

 

「私に何か…――――あれ、もしかしてあの時のお姉さんですか?」

 

 

 …あれ? こいつ、まさか…。

 

 

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「覚えててくれたんだ…。一ヶ月前にあんな事があったから心配してたんだけど無事だったんだね、よかったぁ」

 

「お姉さんこそ無事でよかったです。お姉さんがまた泣いていないか心配していたんですよ?」

 

「泣いてないっ、からかわないでよ、もう」

 

「ふふ、ごめんなさい♪ また会えたのが嬉しくて、つい意地悪してしまいました」

 

(この変わり身の早さよ、恐ろしい…)

(クリスちゃんがすごい顔してるんですけど…)

(これは正体がバレてますねぇ)

 

 心にも無い事をペラペラと話し続ける人形。その態度からは一切の違和感を感じさせない役者ぶりである。

 

「はい、許してあげます♪ それで…あなたもお買い物中かな」

 

「…おい」

 

「はい、日用品の買い出しに来たんですけど、色々見てたらこんな時間になっちゃって」

 

「おい」

 

「その気持ち分かるなぁ、色々と目移りしちゃうんだよねぇ…」

 

「そうなんですよ~、服とかも見たくなっちゃってほんと困りますよねぇ」

 

「おい!」

 

≪ちっ、うるさいハエがいるわね。叩き潰していい?≫

 

(無視するから怒ってんじゃないですかね?)

(そりゃ知ってる顔が百八十度反対の態度で話してたらそうなるわな)

 

 

「あっ、ごめんねクリス。この子はえっと…前に私を助けてくれた子なんだ」

 

 

「お前に言ってんじゃねぇよ。おい、そこの奴」

 

 

「…ふぅん、なにかしら? 馬鹿で短気そうなお姉さん♪」

 

 

 

「――っ!? お前――――やっぱり性悪中学生じゃねぇか!!」

 

 

 とうとう確信に至ったクリス。まぁガリィはどうせバレると思って隠す気ゼロだったので当然なのだが。

 

 

「はぁ、相変わらずねアンタ。いきなり怒鳴るなんて猿じゃないんだから、やめなさいよ見苦しい」

 

(なぁにこれぇ…⦅混乱⦆)

(ガリィちゃんはノーガードで打ち合う事を選択した模様)

 

 

「え、なに、二人とも知り合いなの?? というかその話し方…」

 

 置いてきぼりにされ戸惑いながら二人に問いかける未来。クリスと知り合いだったのも驚きだが、それ以上に少女の口調がおかしい事に驚愕しているようだ。

 

 

「なんなんだよその気持ち悪い喋り方は! 猫被ってんじゃねぇよバカ!」

 

「はぁ? 私は礼儀を尽くすべき相手には相応の態度で接するのよ、分かる?」

 

 まぁ簡単に言うと『おまえみたいな奴にはこの態度で十分なんだよ』という事である。

 

「あの…」

 

「あら、ごめんなさいお姉さん。このお猿さんがうるさいからつい」

 

「誰が猿だ! なんでこいつには丁寧であたしにはそんな態度なんだよ!」

 

「それが分からないからアナタは猿なのよ。バナナあげるからちょっと静かにしててくれない?」

 

「ふざけんな! おまえほんと腹立つな!」

 

 

 

「あのっ!!! とりあえず、どこかで座って話そう、ねっ?」

 

(ナイス未来さん!)

(未来ちゃん一人でこの二人を止められるのだろうか…⦅不安⦆)

 

 

 ケンカ腰で言い合う二人を見て埒が明かないと思った未来は、一旦二人を止め落ち着いて話すことを提案するのだった。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

「へぇ…そんな事があったんだね」

 

 

 ストローで氷を転がしながらつぶやく未来。三人は現在カフェの屋外席に座っていた。

 少女とクリスが出会った時の話 ――クリスの悩んでいた事などは言っていない―― を聞いた未来は、不思議な縁もあるものだなぁと思っていた。

 

「そうなんです。でもまさか三回も会うなんて…こんな事ならもっと早くお姉さんと会えた方が嬉しかったのに残念です」

 

「あはは、そう言ってもらえるのは嬉しいけど」

 

「お前騙されんなよ、コイツの腹の中真っ黒ってレベルじゃねーんだからな」

 

 またも喧嘩腰になりつつある二人に外の席にしてよかったと心底思う未来。しかしこの二人、水と油もいい所である。相性が悪いのかそれとも良すぎるのか…。

 

「というか私はアンタが再就職してうまくいってるのが驚きなんだけど」

 

「どういう意味だよ! アタシだってやればできるっつーの!」

 

「うん、私もクリスはちゃんとやれてると思うよ」

 

「本当かしら、お姉さんは優しいから評価甘そうだし…」

 

「どうしたら信用するんだよおまえは…」

 

 少女はクリスが新しい職場でうまくやれているのが信じられないらしい。未来がフォローするものの、その疑問は解消されてはいないようだ。

 

「まぁいいわ。それよりお姉さん、気になっていた事があるんですけど聞いてもいいですか?」

 

「えっ、私に? いいよ、私に答えられる事ならなんでも聞いてね」

 

「えっと、前に言っていた親友ってまさか…」

 

「なんだよ、こっち見んなばーか」

 

 少女の視線がクリスに向けられまた未来へと戻る。その動きで少女の疑問を察した未来はすぐに返事を返すのだった。

 

「それは別の子。でも、もちろんクリスも大事な友達だよ」

 

「あ、そうなのね。よかったじゃない、アンタにも友達できたみたいで安心したわ」

 

「お前ら二人とも変な事言ってんじゃねぇ!」

 

 未来に友達と言われ赤面すると同時に少女にからかわれ怒るクリス。そんなおもしろいリアクションをしているからからかわれるのでは…。

 

 

「さて、そろそろ私は帰らせてもらおうかしら。久しぶりに会えて嬉しかったわお姉さん、あと一応アンタもね」

 

「いっつも一言余計なんだよおまえは…」

 

「あ、ちょっと待って。えっと…良かったら連絡先と、名前教えてくれないかなって」

 

 未来は前に少女の名前を聞きそびれていた事が気になっていたのだ。せっかく再会できたのだから今度は聞いておきたいと思うのは当然であった。

 

「連絡先はごめんなさい、私スマホとか持ってないから。でも名前なら喜んで」

 

 そう言うと少女は背筋を伸ばして二人を見る。そして…。

 

 

「ガリィです。よろしくお願いしますね♪」

 

 

(本名言っちゃっていいの?)

 

≪バカね、もしまた会った時に嘘の名前じゃボロが出るかも知れないでしょ≫

 

(偽名呼ばれて反応するの忘れたりな)

 

 ガリィは本名を教える事にしたようだ。まぁバレた所で問題は無いだろう、多分。

 

 

「ガリィちゃん…ハーフ、なのかな? あっ、未来です、小日向未来。よろしくね」

 

「…クリス。呼ぶならクリス先輩って呼べよな」

 

 どうやらクリスは先輩と呼ばれたいようだ。まぁもはやオチは見えているのだが…。

 

 

「分かったわ、未来お姉さんにクリスね」

 

「うん、ガリィちゃんは私達の後輩だね」

 

「なんであたしは呼び捨てなんだよ…」

 

 案の定である。そして自己紹介を終えるとガリィは席を立った。どうやらこれで帰る事にしたらしい。

 

「私の分のお代、ここに置いておきます。それでは、また縁があるといいですね」

 

「あの、えっと…秋桜祭!」

 

「…え?」

 

 別れの挨拶をするガリィに声を掛ける未来。一体どうしたのだろうか。

 

「まだ大分先なんだけどリディアンの学園祭があるの。その日は外部の人も入場できるから、来てくれたら嬉しいなって」

 

「おいおいこんな奴呼んで大丈夫なのか? 滅茶苦茶にされても知らないからな」

 

 どうやら未来はガリィを学園祭に誘うつもりだったらしい。そこでならまた会える可能性も高い、と考えたのだろうか。

 

 

「…そうですね、お姉さんのお誘いですし急用が無ければ行くことにしますね。その時はエスコートしてくれたら嬉しいです♪」

 

「もちろん。よかったら私の親友にも会ってあげてね」

 

「あのバカと性悪…混ぜるな危険ってレベルじゃねぇぞそれ…⦅戦慄⦆」

 

 

≪悪いわね未来ちゃん、それだけはお断りなのよ≫

 

(ビッキーだけはマズいんだよなぁ…)

(私の魔法を見せてあげる。とかやっちゃったからね…)

 

 そう、他のメンバーはただの一般人ガリィで通す事ができるのだが、響にだけは錬金術を見せてしまっているため顔を合わせる事ができないのだ。

 

「それじゃ今度こそ行きますね、さよならです」

 

「うん、またね」

 

「じゃーな、性悪中学生」

 

 

 去っていくガリィを見送る二人。果たして次に再会する時は味方か…それとも…。

 

 

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≪どう? 完璧に切り抜けたわよ。さぁガリィを褒めなさい!≫

 

(いや確かに良かったと思うよ、でも…)

(そもそもの原因が、ね)

(もう一人がクリスちゃんじゃなくて響ちゃんだったら終わってたんですがそれは…)

 

 そう、もし未来と一緒に来ていたのが響だったら非常にまずい事になっていただろう。少なくともドヤ顔で褒めろと言えるほど余裕な状況では無かったのである。

 

≪完璧というかもう慣れたわ。これなら響ちゃん以外は遭遇しても問題無いわね≫

 

(OTONA…⦅小声⦆)

 

≪…やっぱり買い物は離れた所でしましょう⦅結論⦆≫

 

(ソッスネ)

(まぁ誰にも会わないのが一番安全だから…)

(あと二ヶ月、暇だけど我慢だな)

 

≪はぁ、あと二ヶ月もあるのね…≫

 

 

 こうして今回もなんとか窮地を乗り越えたガリィ。二期が始まるまではあと二ヶ月である。

 

 





次からG編に突入かもう一話番外編を挟むか悩み中です…。

次回も読んで頂けたら嬉しいです。


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