ガリィちゃんとわたしたち   作:グミ撃ち

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第三十一話です。




第三十一話

 

 

 ガリィ・トゥーマーンは今日も監視の仕事をしていた。

 

≪なんだか慌ただしくなってるんだけど。たかが一日のためによくやるわねホント≫

 

(一日しかないから頑張って準備するんだよ)

(そういえばガリィちゃん、秋桜祭は…)

 

≪このイベントがあるから一週間以上も大人しくしてあげてたんじゃない、行くに決まってるでしょ≫

 

(デスヨネー)

(妙に大人しかったからそんな気はしてたよ…⦅遠い目⦆)

 

 ガリィの視線の先には秋桜祭の準備を進める私立リディアン音楽院の学生達の姿が見えていた。

 ちなみにガリィはもちろん参加する気である。未来さんに呼ばれちゃったからね、仕方ないね。

 

≪昨日の小競り合いの時だって何もしなかったんだから、少しくらい遊ばせなさいよ≫

 

(あそこで介入してたら絶対バレてたと思うんですけど⦅名推理⦆)

(少しくらい…ほんとぉ?)

 

 実は前日、装者同士の小競り合いがありガリィは建物の陰からそれを監視していたのである。

 翼がマリアに、クリスが切歌に倒されるなどガリィが手を出しそうなポイントはいくつもあったのだが、彼女は静かなものであり声達は不思議に思っていたのだった。

 

≪本当よ、少し遊んだら帰るつもりなんだから安心しなさい≫

 

(そっかぁ。よかった⦅安心⦆)

(ガリィちゃん最近大人しいね、落ち着いたのかな)

 

≪そういえば始まる時間を調べてなかったわね、後で調べてから帰還しましょうか≫

 

(((りょ~か~い)))

 

 珍しく大人しいガリィに安心する声達。どうやら彼女もやっと落ち着いてきたようだ、これで原作は守られるだろう、よかったよかった。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 そして翌日、本日は私立リディアン音楽院の学園祭に当たる秋桜祭が行われる日である。

 

(おい…)

(どういうつもりか説明して下さい⦅半ギレ⦆)

(ここに来るまでガン無視とか酷くないっすかね?⦅半ギレ⦆)

 

≪え~、ガリィなんのことかわかんな~い≫

 

 ガリィを寄ってたかって非難する声達、昨日安心したはずが一体何があったのだろうか。

 

(あのさぁ…)

(少し遊んだら帰るって言ったよね?⦅確認⦆)

 

≪そうね~≫

 

(それじゃあなんで…)

(どうして…)

 

 

(((開場前から来てるんですかねぇ!?⦅全ギレ⦆)))

 

 

 そう、ガリィは現在リディアンの門の前にいた。現時刻はまだ開場前であり、周りには生徒の父母と思われる人達が開場を待っているのが確認できる。その中で一人開場を待つ中学生くらいの少女は周りから浮いていた。

 

≪はぁ、そんな事も分からないのアンタ達⦅呆れ⦆≫

 

(分からないです⦅半ギレ⦆)

(何か深い考えがあるんだよ。ねっ、そうだよね?⦅願望⦆)

 

 ガリィの考えが全く読めない声達。一体彼女の考えとは果たして…。

 

 

≪そんなの一日中楽しむために決まってるでしょう♪ アハハハハハハ!! 馬鹿みたいに騙されちゃって、滑稽だったわよアンタ達!⦅愉悦⦆≫

 

(なん…だと…)

(うわぁぁぁぁぁぁ!!⦅発狂⦆)

(よくもだましたアアアア!!だましてくれたなアアアアア!!⦅憤怒⦆)

(何故…何故こんな事をするのですか…⦅悲しみ⦆)

 

 少し遊んだら帰ると言ったガリィだったが実はそれは嘘だった。開場前から門の前に待機している彼女は一日中がっつり楽しむ気である。しかし彼女は何故そんな嘘をついたのだろうか。

 

≪何故、ですって? 忘れたとは言わせないわよ…装者達の技に巻き込まれている時にアンタ達がガリィを煽った事を! あの屈辱を!≫

 

(まさか…S2CAの時の…⦅戦慄⦆)

(すっかり忘れてたゾ⦅油断⦆)

(そのためだけに一週間以上も大人しくしていたのか⦅驚愕⦆)

 

 そう、ガリィが一週間以上も大人しくしていたのは復讐のためであった。動機は声達に煽られたからというクソしょうもない理由であるが、当のガリィにとっては屈辱的だったらしい。彼女はとても満足気であった。

 

≪そんなに長い間リディアンの中にいたら、響ちゃんに会っちゃうかもしれないわね~♪ アハハハハハハ!≫

 

(根に…根に持っている)

(響ちゃんだけはマズいですよ!)

 

 復讐に燃えるガリィは声達の反応で更にご機嫌になっていく。もはやこの人形の頭の中はしょうもない復讐を果たす事だけでいっぱいだった。ちなみにもちろん後の事など全く考えておらずノープランである。

 

≪あら、あの人間って教師じゃないかしら? さぁ喜びなさいよアンタ達、楽しい一日の始まりをね!≫

 

(あぁ、地獄へと繋がる門が開いてしまう…)

(なんて小さい人間…じゃなかった人形なんだぁ)

(先生ー! ここに不審者がいまーす!)

 

 声達にとっては楽しくもなんともない時間の始まりを嬉しそうに告げるガリィ。そしてとうとう地獄の門が開く瞬間がやってきたのである。

 

「皆様、お待たせしました。秋桜祭、これより開場致します」

 

『パチパチパチパチ』

 

≪待ってました~、パチパチパチパチ~♪≫

 

 他の人間と同じく拍手するガリィ、その表情はご機嫌の極みであった。

 

≪さぁ行くわよアンタ達、覚悟はいいかしらぁ~?≫

 

(誰にも会わない事を祈るしかないのか…)

(私はもう開き直る事にした。さぁ行こうガリィちゃん!⦅ヤケクソ⦆)

 

 こうして門を潜り内部へと侵入するガリィ一行。果たして彼女は装者達と会わずに一日を終える事ができるのだろうか。

 

(ガリィちゃんの運命力なら絶対に誰かと会う⦅確信⦆)

(どうせ無理なら楽しむに限るよね! あはははは⦅諦め⦆)

 

 なお、声達のほとんどは既に諦めていた。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 秋桜祭が始まってから二時間、なんとガリィ一行は奇跡的に知り合いの誰とも接触してはいなかった。

 

≪なによ、普通に楽しいじゃない。こんな事なら適当に理由付けてマスターと来ればよかったわね~≫

 

 何故ならガリィが普通に学祭を満喫していたからである。味覚の無いガリィは食事には手を付けず生徒達が教室などを使って行っている出し物を巡っていた。ちなみに今は生徒達による手作りのお化け屋敷から出てきた所である。

 

(リディアンの皆さんの秋桜祭にかける情熱が、ガリィの暴走を止めたのか…⦅感動⦆)

(ありがとう…ありがとうリディアンの生徒さんたち!!⦅感謝⦆)

(なお、現在は昼になったばかりでまだ前半戦な模様⦅余計な情報⦆)

 

≪さぁ、次はどこに行こうかしらねぇ~っと♪≫

 

(バカな…ふ、普通に満喫している)

(そのままで頼むよガリィちゃん!)

(暴れんな…暴れんなよ⦅警戒⦆)

 

 しかし秋桜祭のパンフレットに意識を向けているガリィは完全に注意を疎かにしていた。そして…。

 

「…きゃっ、ごめんなさい」

 

「おっと、こっちこそごめんね」

 

 生徒の父親だろうか。四十代くらいに見える人とガリィはぶつかってしまったのである。その後謝罪をして特に問題は起きなかったのだが、声達はなぜかざわついていた。

 

(また二課の誰かとぶつかったのかと思ったゾ⦅安心⦆)

(私も絶対そのパターンだと思ったわ)

 

≪はぁ? そんな歩く度に連中とぶつかるわけないでしょうが、バッカじゃないのアンタ達≫

 

(でも、ガリィちゃんだから…⦅警戒⦆)

(警戒して当然なんだよなぁ…)

 

 どうやら声達は、ガリィが運命力を発揮し二課の装者とぶつかったのかと勘違いしたようだ。

 流石にそんなに頻繁に出会うはずがないのが普通なのだが、ここにいるのは今まで街に出れば二課に所属している人間と出会ってきた実績を持つガリィである。よって声達が警戒するのも無理は無いだろう。

 

≪さぁ~て、気を取り直して次は…≫

 

 再び歩きながらパンフレットに集中するガリィ。先程人とぶつかったばかりなのにまるで反省していないのがこのガリィという人形である。

 

(えぇ…⦅困惑⦆)

(せめてパンフレット見るなら止まってから見なさいよ)

 

≪うっさいわねぇ…歩きながらじゃないと全部回る時間が取れな…きゃっ≫

 

 注意する声達を無視して歩き続けるガリィ。そして…。

 

「こら、前を見て歩かないと危険じゃないか」

 

「あっ、ごめんなさい。これに夢中になって前を見ていなかったわ…」

 

 再びガリィは人とぶつかってしまったのである。また謝ってやり過ごすかと反省しないガリィが顔を上げた時、そこにいたのはなんと…。

 

「こちらも少し言い方が厳しかったな、すまない。だが事故が起こってからでは遅いのだ、それは分かってほしい」

 

「…ハイ、ソウデスネ」

 

 

≪…風鳴翼が来たのはちょっと予想外だったわねぇ≫

 

(まず反省しろよこの 馬 鹿 人 形 !)

(これは完全に人災ですよ人災!!)

(やっぱりガリィちゃんの運命力おかしい…おかしくない?)

 

 そうガリィがぶつかった相手は風鳴翼、二課に所属するシンフォギア装者である。ちなみにガリィとの面識は無いが会話はした事はあるという奇妙な関係であった。

 

「そうか、分かってくれると助かる。 ふむ、随分と熱心にそれを見ていたようだが、君は秋桜祭は初めてかな」

 

「えっと、ここの生徒の人と知り合いで呼ばれたので来ちゃいました…といってもその知り合いとはまだ会えてないんですけど」

 

「ん? 連絡は取っていないのか?」

 

「あ~、私スマホとか持っていなくて。それでまぁ適当に遊んでたら会えるかなーって」

 

「なるほど。 ふむ、そうだな…もし君が良ければだが、その知り合いの名前を聞いても構わないか? 何か力になれるかもしれない」

 

(あれぇ、何か雲行きが怪しくなってきたぞぉ⦅冷や汗⦆)

(翼さんは親切だなぁ⦅白目⦆)

(ここは丁寧にお断りして離脱しよう⦅提案⦆)

 

 何やら雲行きが怪しくなって来たのを察知して撤退を進言する声達。ここで名前を言うとおそらく面倒臭い事になるので当然の判断である。

 

≪~♪≫

 

(な、なんで楽しそうなのこの人形…?)

(い、嫌な予感がする…誰か早くこの人形を止めろぉー!)

 

 何も言わずご機嫌なガリィに猛烈な嫌な予感を感じる声達。そして当然ながらその予感は的中するのであった。

 

 

「別に構いませんよ。小日向未来さんと雪音クリスって言うんですけど」

 

 

「…なにっ? 小日向に雪音だと…」

 

 

 ガリィは何の躊躇も無くぶっちゃけた。これでまた面倒臭い事が増えてしまう…声達は存在しないはずの胃が痛むのを感じていた。

 

≪アハハハハ! 見なさいよこいつの顔、びっくりしちゃってまぁ♪≫

 

(もうし~らないっ⦅白旗⦆)

(友達がどんどん増えて嬉しいねガリィちゃん⦅白目⦆)

 

「はい、そうですけど…」

 

 内心をおくびにも見せずガリィは平然と返答した。相変わらずの無駄な演技力である。

 

「その二人だが、両方とも私の知っている後輩だ。今すぐ連絡を――」

 

 端末を取り出し二人に連絡を取ろうとする翼。しかし…。

 

「あ~、それで会っちゃうのもつまらないですし…そうだ、二人に私…ガリィが来てるって伝えてもらえませんか?」

 

 ガリィはそれを断り、その代わり翼に不思議な事を頼むのであった。

 

「??? それは一体どういう…」

 

「だって普通に会ったらつまらないじゃないですかぁ。私は夕方までいますから、見つけてご覧なさい♪ ってわけですよぉ」

 

「そ、そうか、それならば私が邪魔するのも悪いな。二人には後でそう伝えておこう。⦅変わった娘のようだな…二人とは一体どのような関係なのだろうか…?⦆」

 

 翼の親切を断った理由として変な事を言い出すガリィ。これには翼さんも困惑顔である。

 

「やった、ありがとうございます♪ あの、さっきからずっとそうじゃないかって思ってたんですけど、お姉さんってもしかして風鳴翼さんですか?」

 

「? あぁ、そうだが――」

 

「やっぱり! 私のお姉ちゃんがファンなんです。 前のライブにも一緒に行ってたんですけどあんな事になっちゃって…でもまた見に行きますから、応援してます!」

 

「はは…なんだか目の前で言われると照れるわね。でもありがとう、嬉しいわ」

 

≪お姉ちゃんがファン⦅ガリィはファンとは言っていない⦆≫

 

(突然の畜生ムーブやめーや)

(はぁ~⦅クソでか溜息⦆)

(翼さんが嬉しそうなのがまた…)

 

 あなたのファンですと面と向かって言われ赤面する翼。だが目の前のファンの内心は畜生一色である、親交を持つならファラだけにする事を強くおすすめしたい。

 

「おっと、そろそろ行かなければ。二人との話も聞いてみたかったのだが、時間切れのようだ」

 

「あらら、残念。じゃあ二人にでも聞いておいてください、おもしろい話が聞けますよ、きっと♪」

 

「はは、そうだな、期待しておこう⦅変わった娘だが悪い人間では無さそうだな、安心した⦆」

 

「ふふ、それじゃあさよならです、翼さん」

 

「あぁ、ガリィ…だったな? また機会があればどこかで会おう」

 

 確かに悪い人間ではないというのは間違っていない。なぜなら目の前にいるのは悪い人形だからである⦅屁理屈

 こうしてガリィと翼のファーストコンタクト⦅二回目⦆は、また畜生人形に騙された人間が一人増えてしまうという結果に終わったのであった。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 ガリィ・トゥーマーンは満足していた。

 

≪はぁ~、我ながら完璧な立ち回りだったわ。ガリィが来ているのも二人に伝えられるし、これで午後からは更にスリリングに楽しめるわね♪≫

 

(リスクが跳ね上がっただけだと思うんですけど⦅名推理⦆)

(一週間以上我慢したからいつもよりはっちゃけてるじゃないですかヤダーっ!!)

 

 外の出店を巡りながら自画自賛するガリィ。声達が先程の事でうるさいので食べ物で黙らそうとガリィは外へと出てきたのだった。

 

≪ほら、これでも味わって黙りなさいよアンタ達。うるさくって仕方ないんだからもう≫

 

(((おいし~♪)))

 

 なお、主のガリィと同じく声達もチョロかった模様。お似合いの主従である。

 

≪さーて、うるさいのも静かになったし、次の目的地――≫

 

 いくつかの食べ物を声達に提供し、最後にたこ焼きの屋台へと足を運んだガリィ。しかし頭の中で話している途中に突然ガリィは黙ってしまったのであった。一体どうしたのだろうか。

 

 

「いい匂い…切ちゃん、たこ焼きにする?」

 

「調はたこ焼きが食べたいんデスか?」

 

 

≪…ちょっと、聞いてないわよ≫

 

(うせやろ…⦅呆然⦆)

(あえて黙っていたのに…)

(なんという、運命力…)

 

 たこ焼きの屋台に並ぶガリィの前から聞こえてきた声、それは彼女が最近聞いた声であり、そして見た姿であった。

 

≪変な語尾と空回りのガキがいるんですけど。 へぇ、アンタ達ガリィに黙ってたのね≫

 

(そ う だ よ⦅威風堂々⦆)

(伝えてもリスクしか生まれないと思ったからね、仕方ないね)

 

 そう、声達は伝えた場合のリスクを恐れてあえてガリィには伝えていなかったのである。しかし彼女の運命力はそれを凌駕してしまい出会ってしまったのであった。

 

≪はぁ、今日はこいつらに絡む気なんてないんだから、このままやり過ごすわよ≫

 

(そ、そっか、よかった)

 

≪ま、黙ってたアンタ達には後でゆっくりお話してあげるから覚悟してなさいね♪≫

 

(そんなぁ…)

(ちくしょーーー!!)

 

 とりあえずここはやり過ごす事に決めたガリィ。だが声達への説教はきちんとやるらしい、ガリィは根に持っていた。

 

 

「切ちゃんが食べたいものでいいよ。持ってきたお金、少ないから」

 

「それはそうですけど…それならあたしだって調の食べたいものでいいデス!」

 

「…⦅なんだこいつら…⦆」

 

 ガリィの前で繰り広げられる二人の少女の会話。それを見るガリィの目はとても冷たかった。

 

「でも、それだと切ちゃんの食べたいものが買えなくなっちゃうから…」

 

「それであたしのを買っちゃうと調の食べたいものが買えなくなるじゃないデスか! そんなのは嫌デスよ!」

 

「…⦅よし、あと十秒だけ待ってあげましょう⦆」

 

 ガリィは後十秒だけ待ってあげる事にしたようだ。なお十秒後どうなるかは誰でも分かる模様。

 

「あっちの焼きそば…さっき見てたよね、切ちゃん」

 

「そっ、それはいい匂いに釣られただけデス! だからたこ焼きでいいじゃないデスか!」

 

「さん、にぃー、いち、 ゼロ」

 

「「…え?」」

 

 二人が言い合う中、後ろから突然聞こえて来た声。それに二人が反応し振り向くと、そこには…。

 

 

 

「アンタ達後ろに私が並んでるのが見えないの大体何買うか決めてないんなら並ばずにその辺で考えなさいよ馬鹿じゃないんだからあっアンタ達馬鹿なのねだから人に迷惑かけている事にすら気付けないのかぁごめんなさいねでもガリィは優しいから馬鹿なアンタ達にも分かるように説明してあげる…買わないならそこをどきなさい!邪魔なのよ!!」

 

 

 

「えっ、あのっ…⦅混乱⦆」

 

「なんデスかこの人!? 滅茶苦茶怒ってるデス!」

 

 

(あぁ…やっぱり駄目だったよ…)

(運命力ってすげー⦅適当⦆)

(これで絡んでないのはマリアさんだけになりそうですね⦅遠い目⦆)

 

 とうとう噴火したガリィに対し怯える調と驚愕する切歌、彼女達はこの後どうなってしまうのだろうか。

 

 

 長くなったので後半へ続く。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

「~♪」

 

「…ファラか」

 

「おはようございます、マスター」

 

「随分機嫌が良さそうだな、珍しい」

 

 ある日のシャトー、珍しくとても機嫌が良さそうにしているファラを見つけたキャロルはなんとなく話しかけてみる事にした。

 

「えっ、顔に出ちゃってましたか? 嫌だわ、恥ずかしい」

 

「別に恥ずべき事でもあるまい、ガリィに比べれば可愛いものだ」

 

「それは少しガリィちゃんが可哀想では…えっと、実はガリィちゃんにこれを買って来てもらったんです。それで…」

 

「ご機嫌というわけか…中身は?」

 

 ファラが持っていた袋の中身を聞くキャロル。常識ポジションのファラなら変な物はありえないという判断である。

 

 

「えっと、風鳴翼のCDです♪」

 

 

「………は?」

 

 

 だからこそ裏切られた時のショックは大きい。キャロルは無表情のまま固まってしまった。

 

「安心して下さいマスター、戦闘に支障はありません。風鳴翼が相手であっても手心など決して――――」

 

「違う、俺が聞きたいのはそんな事ではない」

 

 思わず突っ込んでしまうキャロル。彼女はこの時、ガリィと絡む時に感じる様な嫌な予感がしていた。

 

「えっと、それでは何を…?」

 

「何故、風鳴翼のCDを手に入れる必要があるのか」

 

 

 

「えっと、前のライブでその…気に入ってしまいましたの⦅照れ⦆」

 

 

 照れながら翼のファンになった事を報告するファラ。ちなみにこの言葉を聞いた瞬間、キャロルの目は光を放つのをやめた。

 

「……そうか、好きにするがいい。俺はシャトーの建設に向かう」

 

「マスター、何かお手伝いできる事は」

 

「俺一人で構わん、自由にしているがいい」

 

「分かりました。 行ってらっしゃいませマスター、お気をつけて」

 

「あぁ」

 

 ファラと別れシャトーの廊下を歩き建設作業へと向かうキャロル。その目は死んでいた。

 

 

(何故話しかけてしまったんだ俺は…)

 

 

 そしてその頭の中は後悔でいっぱいだった。なおファラがこんな事になったのもガリィが絡んでいる模様、汚染が広がっていくシャトーの未来は暗い。

 

 

 





ガリィが翼さんにバレなかったのは余所行きの声で喋ってたからです(強弁)

次回も読んで頂けたら嬉しいです。


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