ガリィちゃんとわたしたち   作:グミ撃ち

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第五十七話です。

キャロル陣営とマリアの話。




第五十七話

 

 

「も~!マスターのせいで予定が狂っちゃいますよぉ、プンプン!」

 

 ガリィはシャトーに帰還後、響が歌えなくなってしまった事をキャロルに報告し、そして何故か怒っていた。

 

「…把握した。俺が直接――」

 

「そんな事したら逆効果に決まってるじゃないですかぁ! もうこの件はガリィに全部任せて、マスターはいつもどおり偉そうに座って待ってて下さい、ねっ♪」

 

 そしてガリィは自分が優位に立っているのをいい事に、この件に関して自由に行動する権利を手に入れようと画策していた。⦅策士⦆

 

「…そうだな⦅落ち込み⦆」

 

≪やったわね♪≫

 

(幼女の弱みに付け込むとか酷い…)

(主人公復活のためだからね、仕方ないね⦅苦渋の決断⦆)

(実際キャロルちゃんが直接出て行くと何が起こるか分からないからなぁ)

 

 目論見が成功し内心ほくそ笑むガリィである。⦅畜生⦆ しかしこれで動きやすくなったのも事実なので。この件についてはあまり強く言えない声達であった。 

 

「あぁ、落ち込んでるマスターも可愛いです…モフモフしていいですかいいですよねガリィいきまーす!⦅食い気味⦆」

 

「…貴様等にガリィの補助を任せよう。期間は立花響が再びギアを纏うまでとする⦅されるがまま⦆」

 

 落ち込んでいるキャロルの表情が琴線に触れたようでちょっかいを掛けだすガリィ。しかしキャロルはいつものように怒る事はせず、何故かされるがままである。何か考えがあるのだろうか?

 

「は、はい…⦅困惑⦆」

 

「りょ、了解しました…⦅困惑⦆」

 

「マスタ~、いつもみたいにガリィに怒らなくていいのカ?⦅率直な疑問⦆」

 

「最近になって気付いたのだ、俺が構うからこの馬鹿が付け上がるという事をな。 故に放置しておいて構わん、その内に飽きるだろう」

 

 キャロルが怒らない理由、それは怒る事それ自体がガリィを喜ばせているのではないかと考えたからだった。これでガリィはその内飽きるのだろうか、果たして…。

 

 

 -  三十分後  -

 

 

「マスタ~、今日の夕食は何がいいですか? オムライス?カレー?ハンバーグ?どれにしましょうかね~♪」

 

「…」

 

 三十分後、そこにはキャロルを抱きかかえ超ご機嫌なガリィと、死んだ目で自分の失敗を悟ったキャロルの姿があった⦅悲しみ⦆

 

「えっ?子供メニューばかりが嫌なんですか? も~マスターったら背伸びしちゃってぇ~♪」

 

「…かましい」

 

 あっ⦅察し⦆

 

「だったら大人っぽく辛口のメニューにしてみますか? あ、でもマスターは甘口が大好きですもんねぇ…どうしたものかし――」

 

 

 

「やかましいわっ!!⦅大噴火⦆」

 

 

 やっぱり今回も駄目みたいですね…⦅悲しみ⦆

 

 

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「立花、小日向! 二人とも無事か!?」

 

「そんな焦んなよ先輩、相手があいつならどうせ…」

 

「マ、マリアはどこデスか…?」

 

「降りてこない、ね…」

 

 響達を乗せた車がS.O.N.G.本部に到着したとき、そこには四人の装者が待ち構えていた。

 

「あはは…見ての通り私達は大丈夫なんですけど、その…」

 

「マ、マリアさんが…⦅目逸らし⦆」

 

 相変わらず嘘が吐けない響はつい車の中に目線を送ってしまい、それに気付いた装者達が一斉に車内へと目を向けると…。

 

 

 

「恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい――」

 

 

 

「「「「えぇ…⦅困惑⦆」」」」

 

 

 そこには三角座りで顔を膝にうずめ『恥ずかしい』を連呼するマリアの姿があった。これには全員が文句無しで困惑である。

 

「一体、何があったというのだ…?」

 

「どうせあいつが原因なんだろ?⦅ジト目⦆」

 

「マリアとは、面識が無かったはずデスけど…」

 

「だからこそ危険かもだよ、切ちゃん…」

 

 その原因がガリィによるものだと推測する仲間達。これがガリィが彼女達と育んだ絆の結果である⦅悲しみ⦆

 

「マリアさーん、着きましたよー!」

 

「外に出て皆に無事な様子を見せてあげませんか?⦅説得⦆」

 

「嫌よ…皆に見せられる顔なんて私にあるわけないじゃないの…⦅籠城⦆」

 

 そして一方、マリアは車内で籠城の構えを見せており、このままでは一夜を車内で過ごしてしまいそうな勢いであった。

 

「お気持ちは分かりますが…僕も車を車庫に入れなければいけないので…」

 

「…このまま車庫まで連れて行ってちょうだい…そこで一夜を過ごすわ⦅断固たる決意⦆」

 

「えぇ…⦅困惑⦆」

 

 これには現代のNINJA緒川さんも困り顔である。このままでは車を車庫に入れる事ができず皆も本部に入る事ができないので、装者達はマリアの説得を開始するのだった。

 

 

 -  十分後  -

 

 

「マリア! いい加減に観念するデス!」

 

「駄目、全然動かない…」

 

「マリアさーん! どうしよう…このままじゃマリアさんのお家が車の中になっちゃうよ~!」

 

 必死にマリアを説得している三人だが、依然彼女は車内への籠城を続けていた。

 

「みんな~!」

 

「最強の助っ人がご到着、ってな」

 

「もはや詰みだ。観念しろ、マリア」

 

 そしてこの場にいなかった未来、クリス、翼の三人はどうやら誰かを呼びに行っていたらしい。彼女達が呼んできた人間とは…?

 

「ふ、ふんっ、誰が来ようと私は狼狽えずここを動く事もないわ! だからいい加減に諦めて車を――」

 

 

 

「ふむ…マリア君、すまないが多少手荒にやらせてもらうぞ」

 

 

 

「――――――えっ?」

 

 

 この後すぐにマリアは車外へと強制的に引き摺り出された⦅無慈悲⦆

 

 

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「ガリィ」

 

「? どうしたのレイアちゃん、ガリィに何か御用かしら?」

 

 キャロルを大噴火させた後、ガリィは玉座の間から逃亡していた。⦅いつもの⦆ そしてガリィは廊下を悠々と歩いていたのだが、ガリィを追い掛けて来たレイアが後ろから声を掛けて来たのである。何か用があるのだろうか…?

 

「次にお前が出張る時に私も同行したいのだが…」

 

「…ふぅん、確かにマスターはガリィを補助するようレイアちゃん達に言っていたけど…なんだか妙にやる気じゃない」

 

(珍しいね)

(確かに)

 

 どうやらレイアは次の任務でガリィに同行するつもりのようだ。しかし普段はあまりこういう事をしないレイアが見せるやる気にガリィは少し驚いていた。

 

「…前回の失点を取り返したい、それが理由だ」

 

(あ~、前のアレかぁ…)

(ひどい事件だっったね…⦅遠い目⦆)

 

「いやいや前のは全部ミカちゃんが悪いに決まってるじゃないの…」

 

「ミカは関係ない。私が納得できない、それだけだ」

 

 レイアは前回の事をいまだに気にしていたようだ。前回の件については完全に彼女は被害者だと思うのだが、どうやら本人は納得できていないらしい。

 

「…あ~はいはい、それでレイアちゃんが納得できるならガリィは全然構わないわよ」

 

「そうか、よろしく頼む」

 

「はいはいよろしくね~♪ それじゃ明日か明後日辺りにでも行きましょうか」

 

「了解した」

 

(これって原作ではミカちゃんが行くところだよね?)

(あの事件が原因でこうなったのか…)

(ま、まぁレイア姉さんなら大丈夫でしょ⦅ガリィから目を逸らしつつ⦆)

 

 これで話は決まったようだ。次に出陣するオートスコアラーはガリィとレイア、彼女達は果たして立花響の復活を見届ける事ができるのだろうか…。

 

 





今回は次話への繋ぎの話なので短いです。

次回も読んで頂けたら嬉しいです。


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