第七十六話です。戦闘後の話。
「――つまり貴様はあの男が立花響の父親だとは把握していなかった、という事か」
「はい、というか今聞いてビックリしてるくらいなんですけど…」
(ほんとぉ?)
(ペロッ…これは嘘を吐いている味だぜ…!)
(そうだよ⦅便乗⦆)
ガリィが命からがら帰還した後、ガリィはキャロルへと今回の件について説明していた。
「…成程、貴様の気紛れで奴は父親との再会を果たしたという事か」
「壊した神社を見に来た子供の中におっさんが交じってたんです。それで『コイツでいいや』って感じで⦅適当⦆」
「…その件については把握した。次にガリィ…貴様、あの装者に何をした」
「…??? どういう意味です??」
「マリア・カデンツァヴナ・イヴの事だ。 その力量の変化については貴様が身を持って知っているだろう」
(絶対死ぬと思ったゾ⦅真顔⦆)
(実際にこの件についてガリィちゃんはそこまで大したことはしてないんだよなぁ…)
(一体マリアさんに何があったんですかねぇ)
キャロルがガリィに問い詰めたい事…それは呪われた旋律に飲み込まれ暴走したにも関わらず、その僅か数時間後にマリアの力量が遥かに上昇していた事だった。
「へっ?いやいや何もしていませんってば!――そういえばマリ…あの女、『…自分の勘違いに気付いて子供みたいに泣いた』とかふざけた事言ってましたけど…」
「ふむ、勘違いか…つまりそれを気付かせ奴を化けさせた貴様が原因だろう、ガリィ」
「――えぇ…それはちょっと酷いですよぉ」
「ふっ、半分は冗談だ――まあ結果としては呪われた旋律を克服した装者が増員された…という事」
「あっ、だからあんまりガリィを怒らなかったんですね~。この事だけはマリアに感謝しないと♪」
(油断して名前で呼んでら)
(マリアさんとも仲良くなったんだなぁ⦅満面の笑み⦆)
(なお次で決着を付ける=ガリィ破壊 が濃厚な模様⦅悲しみ⦆)
今回の事でキャロルが怒らなかった理由、それはガリィの突拍子な行動の結果がキャロル陣営にとって非常に都合のいいものだったという事である。なおガリィがこのような行動に出た時は大体がこのように何故か良い結果になるので、これまで幾度もキャロルが考えたゴミ箱行きはその都度回避されてきたのだった。
「その感謝は次に邂逅した時にしてやるといい…これでレイラインマップ、呪われた旋律の入手経路、譜面…計画に必要な材料が遂に揃いつつある」
「そうですねぇ、次はなんでしたっけ?」
キャロルの計画に必要な材料は遂に揃いつつあった。しかしその中でも入手難易度が格段に高く、計画遂行に欠かせないものが一つ残っていたのである。
「チフォージュ・シャトー完成の最後の鍵…ヤントラ・サルヴァスパの入手」
「ああ、そうでしたそうでした。でも…どこにあるんですかそれ?」
(深淵の竜宮、だねぇ)
(原作では電気の供給路を潰して、そこから場所を割り出していたみたいだけど…)
(まぁそこはそのままなんじゃない? 他の手段も無さそうだし)
ヤントラ・サルヴァスパ…それは異端技術のパッチワークでありシャトーを完成させるのには必要不可欠な部品である。しかしガリィは、キャロルが部品が保存されている場所の特定に成功したとは聞いていなかったのだが…
「場所を特定する手段は既に考えている…が、今はレイラインの解放作業を優先し残りの三体を既に向かわせている」
「ふ~ん、それで皆外出してたんですねぇ…ガリィは行かなくてもいいんです?」
(座ってろ⦅威圧⦆)
(行ったらまた問題起こすでしょあなた!)
(また装者達が出動する展開になるのか…⦅未来予知⦆)
どうやらキャロルは既に数手先の展開を考えているらしい。そして今はまずレイラインを解放するため、ガリィ以外の三体を各地点へと送り込んでいるようだ。
「…貴様を向かわせると何が起こるか予想が付かん。故にここで待機していろ、いいな?」
(そうだよ⦅便乗⦆)
(そうだよ⦅便乗⦆)
なおガリィはお留守番である…この人形を向かわせると何が起きるか分からないからね、仕方ないね⦅悲しみ⦆
「はあ、まあ今日は疲れちゃったんでそれはいいんですけど…そうだ、響ちゃんってどうしてます?」
(あっ、確かにそれは気になるね)
(父親とはどうなったのかなぁ…)
思わぬ所で自由時間を勝ち取ったガリィの選択…それはもちろんキャロルとの雑談に自由時間を充てる事だった。
「…立花響、か――エルフナインを通して見ていた限りだが…奴はただ俯き、ペラペラと口を回す父親の話を聞いていただけだ」
(あかん⦅アカン⦆)
(原作より険悪…険悪じゃない?⦅危機感⦆)
「はぁ…? マスター、どうして逃げ出した方がそんなに余裕なんですかね…普通は逆じゃないですか?」
「俺に聞かれても知らん…とはいえあの態度には俺も思うところが無いとは言えんが」
「なーんか複雑そうですねぇ…それで、父親とはどうなったんです?」
「今日の夕刻に父親は解放…立花響は父親と連絡先を交換し、数日内に改めて直接話をするようだ」
(よ、よかった…その場でサヨナラになったら即死だった⦅安堵⦆)
(でもどうすんのよここから…)
(見守るしかないんじゃないかなぁ…)
どうやら響と父親の邂逅は原作通り上手くはいかなかったようだ。なんとか連絡先は交換したようなので、また次に会う機会を設けるようだが…このままではそれもうまくいく事は無さそうである。
「ふむふむ…あのですねマスター、この話の結末…気になりません?」
(ふぁっ!?⦅驚愕⦆)
(気になりますなります!⦅食い気味⦆)
(この人形…まさかキャロルちゃんまで巻き込む気なんじゃ…⦅戦慄⦆)
しかし、この人形の余計な一言によって流れは変わる事になる。トチ狂った人形にロックオンされた哀れな立花親子の未来は、果たして…⦅震え声⦆
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『オートスコアラーの目的はやはり装者達を強化する事、というわけか』
「ええ、あの人形…ガリィは私の言葉を否定せず、それどころか認めている様子だったもの」
「…だが私達を強化する事に何の意味があると言うのだ? キャロルの目的は世界の破壊…これを果たすためには私達は邪魔な存在なはず、それを何故…」
マリアがガリィとの戦闘から帰還した後、S.O.N.G.のメンバーは施設内の大部屋で情報共有を行っていた。ちなみに響と未来、そしてクリスは欠席である⦅父親のことがあったためで、未来とクリスは付き添い⦆
『確かにそうだな、目的に相反するこの行動に意味が無いとは思えないが…』
「…ガリィさんを始め、オートスコアラーは圧倒的優位な状況でも装者をそれ以上傷つける事無く例外なく撤退しています。更にアルカノイズという武器を持ちながら現在のところ被害者はゼロであり、彼女達が意図的に殺人を忌避している事は明らかです」
大型端末の先で考え込む弦十郎と、現在の不思議な状況を再確認する緒川だがその答えには辿り着けそうも無い様子である。
「もうガリィに直接聞いたらいいんじゃないデスか? 明日にでも遊びに来るかもしれないし」
「…私達のモジュール起動実験を見に来るかも」
「ガリィが見に来る可能性は否定できない。だが素直に質問に答えてくれる相手では無いだろうな…」
「ガリィは少し変わっていますが、それでもキャロルの人形という事は確かです。なので主の不利益になる事についてはまず答えてくれないでしょう」
最初の案はガリィに直接聞くというぶっ飛んだものだった。しかし当然却下である、オートスコアラーは主に絶対服従+主の不利益になる事はしないからね、仕方ないね⦅目逸らし⦆
『ふむ、後手に回らされ続けているこの状況を何とか打開したいものだが…』
「…一つ、気になる事があるのだけれど」
『気になる事? マリア君、話してみてくれ』
今の状況を打開するための策を考える弦十郎。しかしそれとは別に、マリアはある疑問を抱いていた。その疑問とは…。
「確かガリィは、私と戦闘する前に神社の破壊を行い響の父親を攫った。そうよね?」
『ああ、そうだ』
「ガリィは私達の前に現れた時、『ガリィはお仕事なのに随分と楽しそうね、アンタ達』と言っていたわ。つまり神社の破壊は…」
「キャロルによる命令で行った、という事か」
相変わらず無意識にヒントを与えているガリィである⦅悲しみ⦆ まあキャロルの計画に気付かれたところでそれを防ぐ気満々のガリィには痛くも痒くも無いのだが。
『その事については既に調査を開始している。近い内に結果が出るはずだ』
「あら、そうなの。まあ、私が気になる事を貴方達が見逃しているはずがないものね」
「神社を壊したりして何の意味があるんだろう…?」
「神様が嫌いで壊したんデスかね?⦅適当⦆」
神社を破壊した目的…それが分かるのは明日、『各地の神社や寺が無残な姿になっている』という報告が届いてからの事である。依然、装者達はキャロルの掌の上で転がされたままであった。
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「響…」
「ちっ、あのままアタシがいれば殴ってやったのに…!」
「…二人とも、ありがとう。だけどクリスちゃんは言い過ぎだよ、あはは…」
作戦会議をしているメンバーとは別室で響達は休んでいた。その理由は父親と会話をした後の響の状態があまり良いものではなかったからであり、それに未来とクリスも付き添っていた。
「響には悪いけど、クリスの気持ちも分かるかな。お父さん、酷かったね…」
「っ!――酷いなんてもんじゃねえ! どの面下げて『やり直したい』だの『口添えしてくれ』だの言ってるんだよ! しかも…アタシ達もいる場所でそんな話を平気でするとか何考えてんだ!?」
響の父親の発言、それを聞いた時にもクリスは激しく怒り殴りかかる寸前だった。しかしそれを察した後輩二人⦅切歌、調⦆により強制退出させられ、それ故に今になっても怒りは収まっていなかった。
「…お父さん、昔から少し空気が読めないところがあったんだ。それで、今日もみんなの前でつい話しちゃったんだと思う」
「…響、お父さんに会いに行く時私も同席しちゃダメかな?」
「――えっ?」
「えっ?じゃねーよ。そんな状態のお前を一人で行かせられるかっての!」
明らかに元気が無い響を心配し、父親との話し合いの場への同席を提案する未来。しかし…。
「ありがとう…だけど大丈夫、きっとお父さんも今日は色々あって少しおかしかっただけだと思うから」
響はやんわりとそれを拒否した。響は父親の事をまだ信じているのだろうか…。
「…そう、分かった」
「っ!?――お前、何言って――」
「クリス、これは響の家族の問題だよ。友達とはいえ響がいいって言っている以上、私達が間に入るわけにはいかない」
そして未来は今回の件について干渉しない事にしたようだ。響が拒否した以上、家族の問題に外野が割り込むには時期尚早だと思ったのだろう。
「っ――そうかよ…けどその話し合いであのおっさんがそのままだったら、アタシは許さないからな!」
「うん、ありがとうクリスちゃん…もし駄目だったら、その時は頼らせてもらうね」
「その時は私も遠慮しないから、分かった?」
「あはは…未来もありがとう」
しかし、彼女達は知らない。その話し合いの場にとある主従が乱入する事を…それにより事態が混沌と化してしまう事を…。
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「…」
「どうしたの? こんな時間に」
マリアと響の件もあり、予定を変更して施設に宿泊する事になった装者達。そして皆が寝静まった深夜、海が見えるベランダに二人の女性がいた。
「マリア、か。眠れないのか?」
「ええ、今日は昼寝をしたせいか眠れないのよ…まあ私が暴走したのが原因なんだけど⦅目逸らし⦆」
そこにいたのはマリア、そして翼だった。マリアについては言っての通りの理由なのだが、翼は何故こんな所で夜更かしをしているのだろうか。
「成程、それは眠れないわけだな」
「ふん…そういう貴方はどうなのよ?」
「私か? 私は…今日の事を思い返していただけだ」
「今日の…? それって、響の事かしら?」
「…ああ、立花とお父上の和解…やはり一筋縄ではいかない様でな」
翼が気になっていた事、それは響と父親の事だった。どうやら翼は二人が和解してほしいと思っているようだ。
「和解…? 切歌達に聞いた話だと、とても和解できそうには思えないのだけれど…」
「…そうだな。 だがそれでも私は…あの親子には和解してほしいと思っている」
「翼…?」
虚空を見つめ、そう呟く翼を怪訝な表情で見るマリア。その言葉の裏にある翼の真意は果たしてどのようなものなのだろうか…。
「いや、なんでもない。所詮は外野の戯言…決めるのは立花本人であるべきだ」
「そうよね…そしてできればこの話の結末が、あの子にとって幸せなものになってほしいと思っているわ」
「ふっ、それは私も同じだ」
響の幸せを願う年長者二人であるが、その幸せをぶち壊しかねない脅威が迫っている事を彼女達は勿論知らない⦅悲しみ⦆ というか知っていたら間違いなく止めるだろう、イグナイトモジュールを起動して。
「…ずっと思っていたんだが、雰囲気が随分変わった…というか柔らかくなったな」
そして話が一段落したのを見計らってか、翼は気になっていた事をマリアに聞く事にしたようだ。それはマリアの雰囲気が柔らかくなったことであり、その変化には他の装者達やエルフナインも気付いていた。
「なによ突然? 私は何も変わったつもりは無い…とは言えないわね」
「呪いに打ち勝ったことで、何か心境の変化でもあったのか?」
マリアは自身にあった事を思い返し、即座に言葉を訂正した。なにせ暴走→夢の中で妹と邂逅→覚醒 と正に盛り沢山であるため、これで心境が変わらない方が珍しいだろう。
「心境の変化はあったと思うのだけれど…呪いについては否定するわ」
「?…どういう意味だ?」
「…私は貴方達のように、真正面から呪いを克服する心の強さを持つ事はできなかった」
「なんだと…? ならばどのようにして呪いを…?」
自身の心臓付近に手を当て、何かを思い返しているマリア。その姿を翼は、先程のマリアがしたような怪訝な表情で見つめていた。
「…呪いそのものを受け入れようとしたのよ。まあそれもエルフナインや
「…(呪いを受け入れた…だと?)」
マリアが何気無く言った言葉に翼は驚愕し言葉を失っていた。翼は一度、呪いに飲み込まれる寸前まで追い込まれた経験があるためマリアの言っている事が可能だとは思えなかったのである。
「ガリィや切歌達にも助けられたし…というか私、迷惑かけ過ぎじゃない? 年長者なのに…⦅落ち込み⦆」
「マリア、お前はその…呪いが見せた心象風景を、受け入れたのか?」
そんな翼を余所にマリアは一人落ち込んでいた。まあ今回の件で周りに迷惑を掛けた事については否定できないので仕方ないのだが…。
「えっ、そうだけど…と、いうよりそれしかできなかった…と言った方が正しいわね」
「――そ、そうか…それは大変だったな(その結果があの大穴、というわけか…)」
マリアの救援に駆け付けた時に見た大穴…その理由を翼は理解した。呪いを跳ね除けるのではなく、受け入れる事でマリアは強くなったのだ。
「…次は切歌達の番だけど大丈夫かしらね、あの子達」
「あの二人については問題無いだろう。何があったのかは分からないが、ガリィとの一件後の成長は私も感じているところだ」
「またガリィなの…? 本当に性格以外は優秀なのね、あの人形」
「ふふ、全くだ。彼女が味方であれば――」
そして二人の会話は続き、夜は更けて行く…。
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「やっと終わったゾ…」
「文句も言わずによくやったな、ミカ」
「そうね、偉いわよミカちゃん」
既に日付が変わった深夜、レイラインの解放作業に向かっていたオートスコアラー達はシャトーへと帰還していた。
「遅くなったが…マスターへの報告を――」
「その必要は無いわよ。アタシが代理なんだから♪」
(キャロルちゃんは既に就寝したゾ)
(もちろん原因はこの人形さ!)
(みんな~、お帰り~)
「ガリィ、ちゃん?」
「ガリィーっ!!⦅突進⦆」
彼女達を出迎えたのはキャロルではなくガリィだった。どうやらキャロルの代理で待っていたようだが…。
「はいはい、想い出よね? それじゃ、チュッ、と♪」
(今はご機嫌だから優しいね)
(キャロルちゃんのお陰やで)
「代理…という事はマスターはもうお休みなのかしらね?」
「そのようだ。ガリィ、今夜のレイライン解放作業は完了した」
「はい、終わり♪ そしてご苦労様でした☆」
(お疲れ様でした)
(やりますねぇ!)
ガリィは作業の様にミカへの補給を済まし、彼女達へと労いの言葉を掛けた。どうやらキャロルと長い時間話すことができてご機嫌らしい。
「ありがと、ガリィ。…すっごく退屈だったしつまんなかったゾ⦅不機嫌⦆」
「あらら、ミカちゃんってば随分ご機嫌斜めなのね」
「ただ建造物を壊すだけの地味な作業だからな。ミカには物足りなかったようだ」
「そうね。でもミカちゃんはよく頑張っていたわよ」
(チューの後にミカちゃんが不機嫌なのは珍しいね)
(つまらなかったんだろうねぇ)
想い出を補給されたにも関わらず、珍しくミカは不機嫌なままだった。戦闘を好むミカにとっては、余程作業が退屈だったのだろう。
「ふ~ん、それならアタシが遊んであげてもいいわよ♪」
(何言ってんだコイツ⦅真顔⦆)
(君はどちらかと言うと遊ばれる方なんだよなぁ…⦅呆れ⦆)
「っ! ホントか!? 遊ぶ、遊ぶんだゾ!」
「…ガリィは派手にご機嫌なようだな」
「…マスターが眠っているのは、もしかして⦅察し⦆」
キャロルが既に眠っている理由…それはガリィにずっと纏わりつかれていたからであり、その所為で彼女は疲れて眠ってしまったのだった…ちなみにガリィは超ご機嫌で元気いっぱいである。
「しょうがないわね~♪ それじゃ、今日はアタシと特訓よ!」
「お~!」
「…程々にな」
「行ってらっしゃい…⦅遠い目⦆」
(もうどうにでもな~れ♪⦅白目⦆)
(ま、まあいつもみたいに遊ぶだけだから…⦅震え声⦆)
そして二体の人形は何処かへと去っていく…それを止める者は誰もいなかった。
- 翌朝 -
「ん、うぅ…朝か、結局昨日は――」
翌朝、キャロルは目を覚まし体を起こした。しかし、次の瞬間に彼女の目に信じられない光景が飛び込んで来たのである。
「おはようございまーす…⦅全身ボロボロ⦆」
「マスター…直してほしいんだゾ⦅両腕破損⦆」
「――は?」
(やっぱりダメだったよ…)
(恐らく今までで一番の被害である)
目の前で佇む二体の人形…その姿は何故かボロボロで、ミカに至っては両腕を破損していた。
「…ちょっと暴れすぎちゃって…すいませぇーん…」
「ガリィと必殺技を試してたらこうなっちゃったんだゾ…」
「…」
(あんなもん必殺技やない!ただの自爆技や!)
(威力だけは凄まじかったですね…⦅遠い目⦆)
キャロルは心の底から思った、『コイツらは何を言っているんだ』 と
「それでアタシも吹き飛ばされちゃって、こんな事に…」
「…また腕か、レイアにガリィ、そしてミカ…」
「うぅ~、悪かったと思ってるゾ…」
(今回の説教は何時間だろう⦅遠い目⦆)
(さあ…)
そして二時間の説教の後、腕は無事直してもらえたが二体には特訓禁止令⦅永続⦆が出された。残当。
気付けば五日くらい経ってました…今回は何故か書く気が起きない期間が長かったです⦅白目⦆ 次回は切調のモジュール起動実験かな?
次回も読んで頂けたら嬉しいです。