第七十七話です。
「――彼女達によって破壊されたと思われる建造物は全て、レイラインの上に存在している物のようです」
「レイライン…つまり、霊脈のようなものか」
「楔を破壊し、レイラインを解放する…」
ガリィによる襲撃⦅定期イベント⦆から一夜明け、S.O.N.G.司令室では頭脳班による会議が行われていた。
「錬金術師キャロルの目的は世界を破壊する事――だとすればこれは…」
「――はい、これは世界を破壊するために必要な作業に違いありません。ですがその具体的な方法までは…」
「そうか…緒川、被害を免れている地点はどうなっている?」
「現在、監視と警備を配置していますが…オートスコアラー相手では力不足は否めません」
キャロルが世界を壊す方法…それはレイラインを利用し世界を分解する事である。しかし情報がまだ不足しているため、弦十郎達は依然その事に頭を悩ませていた。
「ふむ、明日は切歌君と調君のモジュール起動実験が行われる…装者達を警備に回す事は難しいか」
「はい、それに響さんの調子があまり良くなさそうですので…」
「…弦十郎さん、明日の実験中は響さんを司令室待機にしてはいかがでしょうか?」
「そうだな、幸いマリア君が調子を上げているようだし彼女に頑張ってもらうとするか」
頭脳班の判断によって明日の実験では待機となった響。マリアが覚醒した一方でまた誰かが調子を崩す…シンフォギア装者とはデリケートなものである。
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「…ガリィ」
「はーい、なんですかぁ?」
(いやぁ、今日は平和でいいですね!)
(おい馬鹿やめろ!退屈だからってフラグを立てるんじゃない!)
所変わってこちらはシャトー内部、キャロルの自室である。そこでは現在、キャロルとガリィが夕食後の雑談をしているところである。
「貴様が矢鱈と目を掛けている装者二人が明日、イグナイトモジュールの起動実験を行うようだ」
「あらら、また盗み聞きですかマスター? というか別に目を掛けてなんかいませんってば」
「…それでガリィ、貴様はどうする気だ?」
「――へっ? どうする気って言われても…流石に敵陣のど真ん中ですし、ガリィ一人じゃ死んじゃいますよぉ」
(殺されはしないと思うゾ、殺されは)
(絶対に捕まるけどね)
(フレンズガードも警戒されてるだろうしねぇ)
いつも通りちょっかいを掛けに行くかと思われたガリィだが、今回は自粛するようだ。流石に無策で敵陣のど真ん中に突っ込めば爆死or捕縛されるので仕方がないのだが…。
「俺には貴様が破壊されるのではなく捕縛される未来しか見えないのだが…まあ行く気が無いのならばそれで――」
ガリィの言葉を聞き安心したような様子のキャロルだが…しかし彼女は忘れていた。オートスコアラーにはもう一体、トラブルメイカーが存在する事を…。
「話は聞いたゾ! ガリィが行かないならアタシが行くゾー!」
「…マスター、どうして扉をちゃんと閉めなかったんです?」
「…貴様より先に俺は入室したと記憶しているが?⦅半ギレ⦆」
(ガリィが悪いよガリィがー!)
(扉くらいちゃんと閉めなさいよ!)
(気付かなかった私達も悪いけどさぁ…)
結局、起動実験にはミカとガリィ⦅ミカのお守⦆が赴く事になった。最近ミカは色々退屈してたからね、仕方ないね⦅謎理論⦆
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「こちらは準備完了だ」
『大丈夫デース!』
『私も準備できています』
そして翌日、予定通りに切歌と調のモジュール起動実験が行われようとしていた。
『万が一暴走してもあたしらが止めてやるから心配すんな』
『そうだ。お前達に助けられた私が、今度はお前達を助けよう』
『普段通り、冷静にね。あなた達ならきっと大丈夫』
切歌と調の近場に控えているのはギアを纏った翼、クリス、そしてマリアだった。彼女達は万が一、二人が暴走した場合のストッパー…要はガリィがマリアにしたように気絶させる担当である。
「うぅ、本当なら私も行かなきゃいけないのにぃ…」
「今回は我慢するって言ったでしょ? ほら、先輩達みたいに二人を応援しよ?」
「暴走状態を抑えるのは容易ではありませんが、お三方なら大丈夫なはずです。なので二人を応援しましょう、ボクも応援します!」
司令室に待機しているのは弦十郎、緒川、オペレーターの二人、エルフナイン、未来、そして響である。今回は戦力に余裕があるので調子を崩している響は待機となっていた。
「――司令、全ての機器のセッティング、完了しました。いつでも始められます」
「装者達の準備も完了しています」
「藤尭、友里、ご苦労だったな。ではこれより暁切歌、月読調両名のイグナイトモジュール起動実験を開始する」
そして全ての準備が終わり、弦十郎が実験の開始を告げる。この時、S.O.N.G.に所属する誰もが二人の成功を疑っていなかった。しかし…。
「なーガリィ~、あのチビッ子達ちゃんと強くなれるのカ?」
「…ま、大丈夫でしょ。 でもそうねぇ、もしも失敗する可能性があるとすれば…」
「???」
「きっとそれは調の方でしょうね――太陽のような力強い輝きに当てられ続けたあの子には…陰ができていてもおかしくないもの」
「???」
(何言ってんだコイツ⦅真顔⦆)
(中二病かな?⦅優しい眼差し⦆)
(すまねぇ、ガリィ語はさっぱりなんだ)
その光景を見つめる人形、その一体だけは僅かに眉を顰め失敗の可能性を示唆していた。
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「調、いくデスよ」
「うん、切ちゃん」
「「イグナイトモジュール、抜剣!!!」」
起動実験の開始が宣言された後、切歌達は躊躇なくイグナイトモジュールを起動させた。
「ふっ、思い切りの良い事この上無いな」
「笑ってる場合じゃねーだろ…こっからがキツいってのに」
「二人とも、自信があるみたいね」
それを見つめる三人の装者も、不測の事態に備え二人を見守っていた。
「切歌ちゃん調ちゃん、負けないで…!」
「どうか無事に…成功しますように…!」
「…現在のところ、バイタルには問題ありません」
「…一度呪いに触れた経験が生きている、か」
司令室では順調な様子に大人達が僅かに胸を撫で下ろしていた。
「ウウ…うううううううっ!!⦅予想以上に辛い、デス!⦆」
「ああ…うああああああっ!!⦅これが…呪い…!?⦆」
『役立たず』
『不良品』
『母を…ナスターシャを殺した』
『犯罪者』
『弱い』
そして二人は今、呪いを克服するために必死で抵抗していた。脳裏に浮かぶ様々な光景、そして嫌でも湧き上がって来る負の感情…それが二人へと牙を剥いていた。
「⦅役立たずなのは自覚してる!だから一歩ずつ、自分達のできる事をやるんデス!⦆」
「⦅不良品の私達でも必要としてくれる人達がいる…だから!⦆」
しかし二人はその光景から逃げ出そうとはせず、それどころか真正面から向き合っていた。それは呪いを克服するための最適解…二人はそれを無意識に実践する事ができていた。
「負けて…!」
「たまるかぁぁぁっっ…!」
故に二人は呪いに耐える事を、そして凌駕する事ができ――
『…無愛想だし気味が悪いわね。あっちの金髪の子は明るいから一緒にいて楽しいのに…』
「――――えっ…?」
それはとある研究所で職員が何気なく放った一言だった。
『あははー、切歌ちゃんはすぐ仲良くなれたから月読さんも大丈夫かと思っちゃった。ごめんね?』
それはとある学園の生徒が放った悪意無き一言だった。
「ち…違う…私は――」
「っ!?――調!」
この時点で切歌はモジュールの起動に成功していた。しかし隣の少女は…依然呪いとの戦いを続けていたのだ。
『私は…どうして切ちゃんみたいにうまくできないんだろう…』
それはとある少女が思わず呟いた独り言だった。
「うう…違う違う違う!!私はっ、わたしはぁ…」
「調っ!? 一体どうしてデスか!?」
「おいおいどうしたってんだよ! さっきまで順調そのものだったじゃねーか!」
「構えろ雪音! 暁は月読から距離を取れ!」
「調は呪いについては把握していたはず…つまりこれは、調自身が知らなかった想いに呑まれかけている…?」
その異常な様子を見て駆け付ける装者達。そしてその中でもマリアは冷静にその原因を思考していた。
「切歌ちゃんのモジュール起動を確認、ですが…」
「調ちゃんのバイタル、乱れています。このままでは…!」
「調ちゃんっ!?」
「順調そうに見えたのに…どうして…!?」
「…実験を中止する。調君が暴走した場合は、装者三名による鎮圧を――」
そして司令室では、弦十郎が実験の中止を宣言しようとしていた。しかし…。
『全く、今日は見るだけで済ますつもりだったのに…ほら、落ち着きなさいな』
その直後、調の通信機を通じて聞こえて来た音声…それは――
「「ガリィちゃん!!!」」
未来と響の声が示す通り、そこに現れたのはガリィ・トゥーマーン…最早現れても誰も驚いてくれなくなった哀れな人形である。
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「ガ…リィ…?」
「ほら、意識がある内に何があったか話しなさい。アンタの事だからどうせ切歌についてでしょ?」
(い つ も の)
(安心感すら感じるよね)
(ガリィコーチ…まだ働くと言うのですか…?)
突然の乱入者が…そして信頼できる相手が現れた事で調は理性を取り戻す。しかし時間が無い事には変わらないので、ガリィは調に全てを話すように急かしていた。
「あたしの事…デスか?」
「そうよ…というか全然驚かないわねアンタ、今日はミカちゃんまで来てるのに…」
「そうだゾー!ガオ~!⦅威圧⦆」
(オートスコアラーの一番やばい奴だゾ)
(ほらもっと驚いてホラ!)
しかしガリィは自分が現れたにも関わらず無反応な切歌が不満だった。何故反応されないのか、自身のこれまでを思い出してみて欲しいところである。
「…お前、また性懲りも無く出てきやがったな…⦅呆れ⦆」
「ここが敵陣の中心という事を分かっているのか…?⦅呆れ⦆」
「切歌の事…? まさか、調は…」
(あっ、これは慣れちゃってますね⦅悲しみ⦆)
(悲しいなぁ…)
そして他の装者達には呆れられていた。最早ガリィの出現に驚いてくれる人間はいないのだろうか⦅悲しみ⦆
「ああもううっさいわねアンタ達! ちょっと向こうに行ってなさいな、調はアタシと切歌で何とかするから!」
(敵とは一体…⦅哲学⦆)
(ガリィコーチに任せるんだ君達!)
(そうだよ⦅便乗⦆)
その結果、なんだか面倒臭くなったガリィは切歌以外⦅ミカも含む⦆を追い払う事にした。ちなみに当然抵抗しようとした装者達なのだが切歌の懇願によって渋々了承した模様。
「う、ううううう…」
「調っ!? 何があったか話してほしいデス!」
「落ち着きなさい切歌…ねえ調、今から私が言う言葉の中に思い当たるものがあれば正直に言いなさい」
「思い、あたる…?」
(今日は静かな立ち上がりですね⦅警戒⦆)
(様子を見ているのでしょうか? しかし早くしなければ調ちゃんが暴走してしまうかもしれません⦅注意⦆)
邪魔者⦅?⦆が居なくなった後、ガリィと切歌による調救出作戦が行われ始めていた。まずはガリィによるジャブ…。
「嫉妬」
「――っ!?」
「嫉妬…デスか?」
(静かな立ち上がりと言ったな…あれは嘘だよ!!⦅ゲス顔⦆)
(嫉妬…あ~成程、だから気付いてたのか)
(ガリィちゃんにとっては最も身近な感情だね~)
では無くいきなりの右ストレートである。というかガリィが放った言葉はこれ一つであり、調も動揺を隠さずにはいられないようだ。
「その反応だと当たりね…はあ、アンタって神経質というか…潔癖症な所があるのかしら」
「嫉妬…私、切ちゃんに…」
「――ど、どういう事デス!? 調がどうしてあたしなんかに!?」
(ガリィは質問に答えたりしない!それが答えよ⦅畜生⦆)
(自分で考えて、気付く事にこそ価値があるんです⦅適当⦆)
会話についていけず狼狽する切歌。しかしガリィは説明する優しさなど持ち合わせていないのでもちろんスルーである⦅無慈悲⦆
「無自覚だったものに突然気付かされてビックリしちゃったのね。だけど大丈夫…それは誰だって持っている感情よ、それこそアタシだってね」
(むしろキミはその道のプロだと思うのですが…)
(あっちで嫉妬、こっちで嫉妬…それがガリィちゃんです⦅遠い目⦆)
ちなみにガリィは『嫉妬』させれば右に出る事がいない程のエキスパートである。響に嫉妬、ミカに嫉妬、マリアに嫉妬…数えれば切りがないです⦅真顔⦆
つ、つまりそれ故に調の持つ感情に当たりを付ける事ができたのだろう、結果オーライですね⦅強弁⦆
「…私、知らなかった…自分がこんなに切ちゃんに嫉妬してたなんて、知りたくなかったよぅ…」
「あらら、甘えん坊なんだからもう…というかこれ、ガリィじゃなかったらとんでもない事になってるんだけど…」
「あわわ、あわわわわわ!⦅錯乱⦆」
(黒い霧が纏わりついて来るぅ!!⦅恐怖⦆)
(だ、大丈夫…これは人間特攻で人外には効かないはず…)
調はガリィの胸に縋りつき、そして涙を流し続けた。ちなみに調の全身はまだ呪いに包まれているので、人形のガリィで無ければ巻き込み事故確定である。
「…ほら、勇気を出して切歌に話して見なさい。それできっと…ね?」
「グスっ…うん…」
「調…」
(あ、最後の重要なところを切歌ちゃんにぶん投げましたね)
(何言ってんだい!見せ場を譲ってあげたに決まってるダルルルォ!⦅目逸らし⦆)
ガリィは頃合いを見て、調を切歌と向かい合わせる。そして…。
「…切ちゃん、私ね…貴方が羨ましかった。感情をしっかり表現できるところが、すぐに誰かと仲良くなれるところが、そして…こんな私を親友と呼んでくれるところが…!」
(や、焼ける…!その純粋な心が私の邪な心を焼き尽くすぅ…!)
(そのまま焼け死んで、どうぞ⦅無慈悲⦆)
その心の内を、晒け出した。
「…馬鹿ですね調は…あたしだって調のいつも冷静なところが、空気の読めない私と違って気遣いができるところが…そして、こんな私を親友と呼んでくれるところが…大好きデス」
「――ああ、そうなんだ。切ちゃんも、一緒なんだ」
(私も、一緒です⦅迫真⦆)
(嘘だゾ、この二人より酷いに決まってるゾ⦅確信⦆)
この時、既に調を包む黒い霧は殆ど消滅していた。恐らく、調にその感情を見せたのは呪いの最後の足掻きだったのだろう。
「ふふん♪それで、素敵な歌は聞かせてくれるのかしら?」
「うん…!」
(よし!いつもどおり纏まったな!⦅白目⦆)
(さて、軍師に逃走案を考えてもらわなきゃ!)
(…調さんを――)
(((((却下⦅先行入力⦆)))))
その言葉を最後に黒い霧は消滅し、調は呪いを克服する事に成功した。
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「な、何をやっているのよ!? あんな光景見せられたら私がガリィと戦いにくくなるじゃないの!」
「馬鹿! 無駄口叩いてる暇があったらコイツをなんとかしろよ!」
「オートスコアラー・ミカ…これほどとは…」
「アハハハハ♪ お前達悪くないけどー、最強のアタシにはまだ遠いゾ~!」
調が呪いを克服する一方、残りのメンバーは色々あって何故か戦闘に突入していた。ちなみにマリアが見たのは調がガリィに縋りついている光景である。
「クソッ! 当たらねぇぇぇぇぇぇっ!!!⦅全ギレ⦆」
「くっ!?――なんという力…!?」
「今のはよく受け止めたナ! だけどこのままじゃお前ー、ぺちゃんこになっちゃうゾ~!」
ちなみに三対一にも関わらずミカは優勢だった。イグナイトを使用していないとはいえ…ミカちゃん強すぎぃ…!
「――そこよっ!」
「っ!?――おっ? おおおおオっ!?」
「――完璧なタイミングだと思ったのに躱されるなんて…!」
「お前すごいナ! 髪の毛とはいえアタシに当てれる奴はなかなかいないゾ!⦅最大限の称賛⦆」
まだまだ余裕のあるミカを悔しそうに見つめる装者達…しかし…。
「…オートスコアラーを捕獲するこのチャンスを逃すわけにはいかん。…俺も混ぜてもらいたいのだが、構わないか?」
「いいゾ! アタシは何人相手でも最強だからナ!ガオ~!」
そこに新たな挑戦者が現れた。その名は風鳴弦十郎、S.O.N.G.司令にして人類最強と目される人物である。
「…おっさん、実は戦いたくて仕方ないんだろ?⦅ジト目⦆」
「――いや、そんな事は――」
「司令、表情がなんというか…攻撃的な笑顔になっています⦅ジト目⦆」
「普段は司令室に缶詰だものね、胸中お察しするわ…⦅同情⦆」
「…さあ、来ぉい!!!!!」
「アハハハハ! 行くゾ~!!!」
なお彼が現れた真意は定かではない…定かでは無いのだ⦅真顔⦆
「貴様等ぁ…!⦅全ギレ⦆」
「いやいやガリィは悪くないですってば! 出て行ったのは呪いを克服させようとしただけですもん!!⦅必死⦆」
「…あのおっさん、多分本気のアタシより強いゾ…⦅ボロボロ⦆」
(今回はガリィちゃんはセーフでは…?)
(ミカちゃんが司令と戦ってて死ぬ程ビックリしたゾ…)
ちなみにガリィとミカは命からがら逃げ延びる事に成功していた。…えっ、手段…?そりゃもちろんフレンズガード⦅調ver⦆だよ!
「気付いたらミカちゃんが戦ってて超焦ったんですよ! というかガリィが機転⦅フレンズガード⦆を利かせてなかったら多分ミカちゃん壊されちゃってたんですから!⦅必死⦆」
(…軍師の案が結果的にミカちゃんを救ったのだ…!)
(確かにフレンズガードが有効なのは否定しないけどさぁ…)
「…確かに今回、貴様に説教するのは酷というものか。…ミカ、貴様は説教だ…その後に身体を直してやろう」
「分かったゾ…だけどおっさんの所為で想い出無くなっちゃったからガリィ、その前にチューして欲しいゾ…」
「…構わないですか、マスタ~?」
「…いいだろう(それにしても風鳴弦十郎…奴は本当に人間なのか…?⦅戦慄⦆)」
ガリィとミカによる起動実験見学ツアーの結果は、ミカの実力が凄まじい事…そしてそれ以上の化け物がいるという事をキャロルが再確認する、という結果に終わった。
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「――逃がしたか…! だが久々に張り合いのある相手だったな!⦅超笑顔⦆」
「…おい⦅ボロボロ⦆」
「…叔父様⦅ボロボロ⦆」
「…ねえ?⦅ボロボロ⦆」
「…むっ、どうした!?」
戦闘が終了した後、弦十郎を出迎えたのは何故か全身が汚れている装者達だった。一体何があったのだろうか…?
「…どっかの馬鹿と人形の化け物同士の戦いに巻き込まれたんだよ!」
「私は叔父様の一撃の余波を受け、壁に衝突しましたが⦅半ギレ⦆」
「貴方…壊滅的に団体戦に向いていないわね…⦅呆れ⦆」
その原因は化け物同士の戦闘に巻き込まれたからであった。ちなみに装者が吹き飛ばされた主な原因は弦十郎の一撃である。
「………すまん」
その言葉を聞いた数秒後、弦十郎はその場で九十度頭を下げ謝罪した。それは先程まで鬼神の様に戦っていた男とは思えない程に哀愁が漂っていた…⦅悲しみ⦆
呪いうんぬんについてはマリアの時にがっつりやったので軽めにしました。…決して飽きたからでは無いです⦅真顔⦆
次回も読んで頂けたら嬉しいです。