窓から眩しい光が部屋に差し込み、私を照らす。
(眩しい、あぁ、眠い、意識が起こされていく)
まだ寝たい、そう思いながら私、明石 蓮は目を覚まし、近くにある目覚まし時計は、6時30分を指している。
そう、朝だ
私はまだ布団に居たい、まだ寝ていたい、などといった考えとは別にベッドから重い腰を上げ、階段を下っていきリビングへと向かう。
(なにを作ろう)
私は、朝食を作る準備を始めようとした瞬間
「あ!蓮くん、おはよう」
彼女、羽沢つぐみに呼び止められた。
なぜ彼女が家にいる?などといったことは考えない、なぜなら今ではそれが
彼女と、いや彼女達と私は所詮幼馴染というやつであり、その中でも特に二人が仲が良いというだけのことである。
「おはよう、つぐみ」
私は彼女のことが好きだ、ただそれは所詮叶わぬ願いというものである。
なぜ?それは彼女にはもう思い人と言われるものがあるからだ。
彼女の家は喫茶店を営んでおり、必然的に彼女は手伝うことになる、その時におそらく同年代の客に一目惚れをしたという。だから私は自分の気持ちに嘘をつく、彼女のバレないように、他の幼馴染に悟られないように。
私は、今日も嘘をつく。
「それでどうかしたか?」
「ううん、そういうわけじゃないけど、折角だし朝ごはんでも作ろうかなって思って」
「そうか、ありがとな」
「そんなことないよ!蓮くんにはいつも相談に乗ってくれたりしてくれてるからその恩返しみたいなものだよ?」
「そうか」
「うん、じゃあなにがいい?」
側から見たら一見ラブラブなカップルのように見えるが実際は、ただの幼馴染としての交流と、いつもの恩返しのようなものだ。
「なんでもいい」
「なんでもいいって…うん!わかった」
そういってつぐみは私の家のキッチンへと向かっていき、私はリビングのソファーに座りいつも愛読している本を一冊テーブルからとり、挟んである栞をとり読み始めた。
そうして何分経っただろうか、私は小説に読みふけっていると彼女が私を読んでいる声が聞こえたので、私は読み途中の本に栞を挟み、料理が運ばれているテーブルへと向かっていった。
「簡単なものしかできなかったからごめんね?」
「いや、十分だよありがとな」
「どういたしまして!」
「それじゃあ食べるか」
「「いただきます」」
私たちのご飯は静かだ、別段何か喋るわけでもなく話題が常に飛び交っているわけでもない、そして私は基本食事をするときは話さないので尚更である。
「そういえば蓮くん、今日から高校生だね」
「あぁ、そうか今日は入学式だっけか…っとそろそろ家出るか」
いつの間にか食べ終わっていた食器を片付け、私達は家を出ることにした。
「いくか」
「うん、行こっか」
「「いってきます」」
私達はそういって家を出た。
あぁ、死にたい
どうでしたか?
ちなみに主人公は死にたがりです