感想評価を下さった方、ありがとうございます!
今後もゴールまで付き合っていただけると幸いです。
※誤字脱字や表現的に変に思うことがあれば、容赦なく突っ込んでいただけるとありがたいです。
探偵というものに休日は無い。
例え日曜、祝日であろうと常に依頼を待つ。
何故かって?
事件というものは時も場所も選んじゃあくれねえからだ。
だから俺は事務所に座って、風が
「翔太郎さん、今日って何か予定ありますか?」
そう言って問いかけてきたのは、俺の相棒セレナ。
優秀な頭脳を持つが、まだまだ未熟なお子様だ。
時にとんでもない事をしでかして、依頼人を含めて騒然とさせることもある。
まぁ、そんな相棒をフォローすんのも、極めてハードな男の役目てやつだ。
「いや、今日はまだ予定はねぇ。だが、依頼人を待つのも仕事の内だ。そういった意味じゃあ予定が入っているとも言えるな」
「良かった!それなら、もうすぐ響さんが来るそうなので出かけたりしないでくださいね」
…こいつは、俺の話を聞いていたのだろうか。
♢
「ありがとう、セレナちゃん」
数分後、事務所を訪ねてきた響にセレナがコーヒーを渡した。
彼女がここに来るのは、シンフォギアの力に目覚めてから、初めてになる。
翔太郎とセレナは仕事の関係で忙しく、響はノイズの対応に追われ、中々時間をつくることができなかったのだ。
「いえいえ、それより響さん。今日はどうしたんですか?」
「実は、翔太郎さん達に折り入ってお願いがありまして…」
いつにもない真剣な表情の響。
彼女は一度言葉を区切った後、一息ついてから意を決したように口を開いた。
「わたしを、翔太郎さん達の助手にしてください!」
「却下だ」
「って、えぇぇぇぇ!そ、即答ですか!?」
響の懇願に対する翔太郎の回答は、取りつく島もない拒絶。
ショックを受ける彼女に、翔太郎は話にもならないというように首を振った。
「いいか、ビッキー。俺は遊びで探偵をやってるわけじゃねえ、探偵てのは、どうしようもなく困った人達が助けを求めてくる仕事だ。それに応えるだけの覚悟がお前にあるか?人助けを趣味にしてんのは知ってるが、仕事として受ける以上訳がちげえぞ」
彼の言葉からは普段とは違い、冷たいとすら思えるほどの厳しさを感じる。
だが、それだけ翔太郎が探偵という仕事に、覚悟を持ってのぞんでいるのが分かった。
そして、それが分かったからこそ、響は重ねて懇願する。
「自分が全然ダメダメなのは分かってます。でも、それでも…わたしは"胸の覚悟"ていうのが何なのかを知りたいんです!」
彼女が心の底から絞り出した言葉が、事務所の中に響く。
その言葉に込められた思いは、2人にも強く伝わっていた。
只事ではない、そう思ったセレナが響に問いかける。
「なにか、あったんですか?」
「…うん。あの日、セレナちゃん達がロードドーパントていう怪物と戦った後なんだけどね」
そう言って響は数日前の出来事を話し始めた。
♢
「ノイズの出現を確認!」
「くっ、仮面ライダーが交戦しているこのタイミングでか!場所によっては大規模な乱戦になってしまいかねんぞ…直ぐに特定してくれ。それから一課にも我々二課がこの件を担当することを通達!」
風鳴司令の言葉に、二課の皆さんが頷くとそれぞれテキパキと動いていく。
す、凄い…一瞬で空気が変わっちゃった。
「出現位置特定、座標出ます…リディアンより距離200!」
「これは…仮面ライダーが戦っている場所とは少し離れているけど、ノイズの動きによっては接触しかねないわね」
了子さんの顔に汗が浮かぶ。
そっか…モニターに表示された地図上では、たしかに離れているように見えるけど、ノイズの動きなんて誰にも分からないよね。
もし、翔太郎さん達の方に動き出しちゃって、ノイズと怪物が一緒に襲いかかってきたら…2人がやられる?
そ、そんなの絶対に嫌だ!
そう考え込むわたしをよそに、翼さんが走り出していた。
って見てる場合じゃない、わたしも行かないと!
「待つんだ!君は、まだ…」
「わたしの力で誰かを助けられるんですよね?今は翔太郎さん達もいないし、戦えるのがシンフォギアを使える私と翼さんだけなら…わたし、行きます!」
風鳴司令に呼び止められたけど、わたしだって戦う力があるんだ。
この力で誰かを助けることができるなら、躊躇ったりなんてしない!
♢
わたしが、ノイズの出現場所に追いつくと翼さんはもう戦っていた。
ノイズの数はとっても多いけど、それに怯むことなく剣を降ってる。
よーし、わたしも!
ちょうど翼さんに向かって襲いかかっていた、ピンク色の大きなノイズに、わたしは飛び蹴りを放つ。
「翼さん!」
わたしの呼び掛けに反応して、翼さんがノイズの後ろに回る。
やった!
ちょっとした事だけど、一緒に戦うことができたんだ。
そう思うとつい、にやけてしまう。
そして翼さんは、そのまま大っきな剣でノイズを切り裂いた。
今のでノイズは最後だったのかな。
あれだけ居たのに、もう周りには見当たらない。
そう思ってると、翼さんの無線機からこの場所のノイズを全部倒したこと、翔太郎さん達が怪物を倒したことが聞こえてきた。
良かった…2人とも勝ったんだ!
それが嬉しくてわたしは、翼さんに駆け寄った。
「あの2人、流石仮面ライダーですね!」
ニコニコと笑って話しかけるけど反応はない。
ただ、浮かれていたわたしは、それに構わず続ける。
「私も今は足手まといかもしれないけれど、一生懸命頑張ります! だから、私と一緒に戦ってください!」
「…そうね」
わたしは、翼さんが頷いてくれた事が嬉しかった。
これからは、翔太郎さんやセレナちゃん、翼さんと一緒に困ってる人を助ける事が出来るんだ!
そう思ったんだけど、それはすぐに否定されてしまう。
「貴女と私、戦いましょうか」
「えっ…」
振り返った翼さんの表情は、まるで仇を見ているようで怖い。
わたしは、言葉が間違って伝わってしまったのかと思って、慌てて訂正する。
「そ、そういう意味で言ったんじゃありません!わたしは「そんな事分かってるわ」っ、だったら、どうして?」
なんで翼さんが怒ってるのか、分からない。
わ、わたしはただ一緒に戦えればと思っただけなのに…
混乱しちゃったわたしに、翼さんが答えた。
「私が貴女と戦いたいからよ」
「え?」
そんな、どうして!?
何故という疑問で頭がいっぱいになる。
「私はあなたを受け入れられない。力を合わせ、共に戦うことなど、風鳴翼は許せるはずがない」
そんなわたしに構わず、翼さんは剣をかかげた。
やっぱり、分からない。
一体、どうしたらいいの!?
「アームドギアを構えなさい。それは常在戦場の意思の体現。貴女が、何者をも貫き通す無双の一振り、ガングニールのシンフォギアを纏うのであれば…胸の覚悟を構えてごらんなさい!」
わたしの頭は、もう限界だった。
常在戦場て何?アームドギアって、胸の覚悟てどういうこと!?
訳が分からなくて思わず叫んでしまう。
「覚悟なんて、そんな…わたし、アームドギアなんて分かりません!分からないのに、構えろなんて、それこそ全然分かりません!」
自分でも何を言っているのか分からないけど、思ってることを翼さんにぶつけた。
そうする事しか、わたしには出来なかった。
翼さんは、そんなわたしを冷たい目で見つめる。
「覚悟を持たずに、ノコノコと戦場を遊び半分で歩き回る貴女が、奏の…奏の何を受け継いでいるというの!」
♢
「その後、翼さんに剣を投げられて、でも風鳴司令が助けてくれたから大丈夫、だったんですけど…翼さん、泣いてたんです」
その時を思い返しているのか、響はコーヒーカップを強く握るしめる。
「わたしにはその理由が分からなかったし、その後も翼さんを傷つけちゃったけど…それでも、今のままじゃダメなんだって、翼さんの言葉を理解しないといけないんだって思いました!」
だから、と叫び、響は立ち上がって勢いよく頭を下げる。
「翔太郎さん達に"覚悟"を教えて欲しいんです!わたしが知ってる人の中で、2人以外にはこんな事頼めません!だから、どうかお願いします!」
そんな響を見て翔太郎はなるほど、得心した。
彼女が急に助手になりたい、などと言い出した原因は他でもない、風鳴翼にあったのだ。
探偵として働きたいのではなく、それを通して翔太郎達から彼女の言った覚悟、というものを学びたいのだろう。
探偵助手になる動機として不純ではあるが、それでも少女が必死になって考えた事を無碍にする気にはなれなかった。
だが、それを考慮しても簡単に許可などできない。
「ビッキー、お前の気持ちは伝わった。だがな…それでも俺は頷けねぇ」
翔太郎とて、彼女を助けてあげたい気持ちはある。
それなりに長い付き合いだ、響がいい加減な気持ちで言っている訳ではない、というのも分かった。
しかし、探偵というのは時に、自分の体を盾にしてでも、依頼人を守らなければならない。
特に彼らが扱う依頼は、ガイアメモリが関係している事が多く、命を失う危険と常に隣り合わせだ。
そんな事に、シンフォギアという力を持っているとはいえ、まだ子供の響を巻き込みたくは無かった。
「いいじゃないですか、翔太郎さん。響さんが、これだけ頼んでいるんですし」
そんな風に考えていたところに、セレナから響への助けが入る。
ガイアメモリの危険性、それを一番よく知っているはず彼女が、許可を出そうとしていることに顔をしかめる翔太郎。
そんな彼の目に、セレナが何かを隠し持っているのが見えた。
「お前、それ何持ってんだ?」
「え?いや、何でもないですよ?」
何でもないと言う割には、翔太郎と目を合わせようとしない。
彼女が、隠し事をしているのは明白だった。
「おい、それちょっと見せてみろ」
「お断りします。…え、ちょ、翔太郎さん!?どこ触ってるんですか、変態!スケベ!ハーフボイルド!」
「喧しい、お前みたいなお子様には興味ねぇよ!いいからさっさと見せやがれ!つーかハーフじゃねえ、ハードボイルドだ!」
実力行使によって取り抑えられたセレナ。
途中、抵抗したものの体格の差は大きい。
すぐに隠していた物、紙袋は翔太郎の手の中へと収まってしまう。
彼が袋の中を漁ったところ、出てきたのは風鳴翼のCDだった。
それは以前、響がセレナのために予約をしていた物と同じである。
「セレナ、お前まさかこんなんで買収されたのか?」
「…てへっ」
「ふっざけんな!たかがCDの1枚や2枚で靡いてんじゃねえよ!」
「むっ、翼さんのCDはたかがじゃないです!それに、助手にするくらい、いいじゃないですか!この前は俺が響のこと守ってやる〜だなんてカッコつけてたクセに!」
「はぁっ!?それだったらお前、響さんはあなたが思ってるほど弱くありません〜なんて言ってたろ!」
「その後、ちゃんと助ける時が来たなら〜とも言いました!」
小学生のようなやり取りを始めた2人。
響は2人を止めようかとも思ったが、元はと言えば自分の頼み事が発端である。
それにCDも自分が渡した物であるため、余計に止めに入り辛かった。
(うぇぇぇ、私じゃこの2人は止められないよ〜、助けて未来ぅ)
困り果てて、この場にいない親友に助けを求めるが、当然答えが返ってくるはずもない。
このまま低レベルな喧嘩が延々と続くかと思われたが、突如聞こえた事務所のドアを叩く音に、3人とも動きを止めるのだった。
♢
「お願いします…猫を、父の猫を探してください」
そう言って事務所を訪ねて来たのは、『中条朱美』。
今回、鳴海探偵事務所に猫探しの依頼持ってきた女性だ。
彼女の説明では、2週間ほど前に資産家の父親が亡くなっており、その父が可愛がっていた愛猫が居なくなった、とのことであった。
「父は厳格で、私達親族にはいつも怒鳴っていたような人でしたが、それでもこの子、チャオには優しく、まるで別人のように接していました。生前は揉め事も多かったのですが…今となってはこの子だけが父との思い出なんです。なんとか探してもらえませんか?」
中条は涙を隠すようにハンカチで顔を覆う。
彼女は体を震わせており、全身から悲しみが伝わってくるようだった。
それに対して、一番大きな反応を示したのは響である。
目に涙を溜めながら、翔太郎の方へと向き直った。
「翔太郎さん!この依頼、受けましょう!例えお父さんがどんな人だったって…思い出の綺麗なところは大切にしたいじゃないですか!」
「ビッキー、お前…」
何かを言おうとして、口を閉じる。
翔太郎は頭をガシガシとかくと、諦めたように笑った。
「たくっ、あたかもウチの所員みたいな反応してんじゃねえよ。マダム、この依頼、お受けしましょう。本来、猫探しなんてのは管轄外ですが事情が事情だ」
「一番の得意分野のくせに何言ってるんですか」
「そうなの?」
「はい!翔太郎さんてば、猫というかペット探しに関してはだけは、名探偵の名に偽り無しなんです!」
「ええ、私もこの事務所の方が、ペット探しだけは世界一だと聞いて来ましたの」
(俺の噂、どんだけ尾ひれついてんだ…しかも、ペット探しだけって何だよ!ペット探しだけって!)
依頼人の言葉に内心、不満を感じていたが表情には出さない。
下手に反感を買われて、依頼を取り下げられたら困るからだ。
翔太郎は一つ今回の依頼で、響を試すことにした。
(マダムには悪いが、少しばかり付き合ってもらうぜ)
♢
依頼人が帰った後の事務所内で、再び俺とビッキーは向かい合う。
助手の件について、まだ話が終わっていないからだ。
「翔太郎さん!私、諦めません!今日は認めてもらうまで帰らないつもりです」
「お前たしか門限つきの寮だったろ」
「説得します!この通り、お泊まりの準備もして来ました!」
後ろの方で、「響さんとパジャマパーティーです」なんてアホな事言ってる奴がいるが、冗談じゃない。
「勘弁しろよ、ビッキー。俺達ただでさえ、あそこの先生には迷惑かけてんだから」
「あぁ!コックローチの時とかですね。あれは…今思うと申し訳なかったです」
こ、こいつ他人事みたいに言いやがって!
まだ、セレナの暴走特急具合が酷かった頃、俺たちは依頼の関係で、リディアン音楽院を訪れた事がある。
そん時は、不審者に間違われるわ、セレナの奴が平気でリディアンの女生徒拉致るわ、事件解決そっちのけでダンスに興味示すわで散々だった。
当分、リディアン関係で問題は起こしたくねぇ。
それに、多分ヒナにも連絡入れてねえだろうしな。
あいつに黙って、ビッキーを夜遅くまで連れ回したのがバレたら、絶対また怒んぞ。
いや、俺が黙って来いとは言ったけどよ、まさか泊まりに来るとは…
か、体が震えてきやがった、今日はビッキーを帰らせねぇと、色んな意味で身が持たねえ。
「ビッキー、ひとまずお泊まりは無しだ」
「え、じゃあ助手にしてくれるんですか!?」
「いいや、まだだ。この依頼でお前が俺の助手に相応しいか、テストをしてやる。言っとくが猫探しの依頼でも、引き受けた以上は大事な仕事だ。お前が不甲斐ないとこ見せたんなら、すぐにテストは中止する」
「なるほど…分かりました!望むところです」
どういった反応を示すか、不安だったが何とか納得したみたいだな。
しゅっ、しゅっとか言ってシャドーボクシングを始めやがった。
…こいつ、猫探しで何する気だ?
「それなら今すぐに街に出るぜ、ついて来な」
「はい!」
「はーい!」
いや、セレナ、ビッキーを後ろに乗せるからお前は留守番だろ。
「セレナちゃん、置いて来て良かったんですか?」
「仕方ねぇよ、足がないんだからな」
あのじゃじゃ馬娘、最後の最後までぐずりやがった。
後で機嫌とっとかねえと、面倒くさいことになりそうだぜ…
「まぁ、セレナについては追々考えんぞ。それより今は依頼だ」
「はい!」
「いいか、ビッキー。何もいきなり猫を見つけろ、なんて事は言わねえ。だがな、少なくとも俺に、お前なりの"本気"を見せてみな。そうしたら助手として今後も働かせてやるよ」
俺もビッキーも考えてから動くタイプじゃねえ、動いているうちに答えを見つけるタイプだ。
だから、どんだけ口で説明しても意味はない。
まずは体を動かさせること、それが大切だと思う。
助手として雇う気は無いが、これで悩み解決のきっかけでも掴めりゃいいんだがな。
「流石にやり方も教えねえのは酷だからな。猫探しのコツについては教えといてやる」
「はい、お願いします!」
「いい返事だ。猫も人も基本は同じで、逃げてる相手の気持ちになりきりって、予想する。それだけだ」
♢
「にゃおーん、にゃー、にゃー、にゃ〜ん」
響は、翔太郎から教えてもらったやり方で街中を探していた。
時折、通行人から後ろ指をさされたり、写真を撮られそうになったが気にしていない。
それはテストのためでもあるが、依頼人の想いに応えたいというのが、一番の理由だ。
「にゃ〜、にゃ〜、にゃにゃにゃっ!けほっ、けほっ」
既に太陽は沈みかけており、辺りは薄暗い。
昼過ぎから長いこと探し続けているため、彼女の体は疲れ切っていた。
時には膝をつき、茂みに入った事もあるせいで、服も所々汚れている。
それでも、その目は諦めていない。
真っ直ぐに一直線に、立花響は突き進む。
そんな彼女を、携帯電話を片手に翔太郎は見つめていた。
「あいつ、やっぱ根性あんな」
『響さん、ですからね。翔太郎さん…やっぱり響さんを助手にするのは反対ですか?』
「…仕方ねぇだろ。危険に巻き込むだけじゃねえ。時には、この街の汚いところを見ないといけないのが、この仕事だ。あいつにはそんなもんを見せたく無い。もう二度と…な」
『それは…そうかも知れませんが…』
「それより、もうリディアンの門限が近い。俺はビッキーを送ってくるから、戸締りして事務所で待ってろ」
翔太郎はまだ、何か言いた気だったセレナを無視して、響の元に向かう。
まだ続けられますと主張する彼女をなだめ、バイクに乗せると2人で走り去る。
こうして猫探しの依頼1日目は終了した。
♢
どこか西洋の城を思わせる建築物の中、広い食事場を思わせる場所で、金髪の女性が椅子に座っていた。
ただ、その身には何も纏ってはいない。
美しく伸びた金髪、張りのある胸、くびれた腰、無駄な肉のない足。
それを惜しげもなく披露する女性には、美しさだけではなく、どこか怪しげな空気すら感じられる。
妖艶、その言葉がまさに適していた。
その側には、紅い服を着た少女が不機嫌そうに佇む。
「おい、フィーネ。本当にアイツを仲間にする気かよ」
少女からフィーネと呼ばれた美女は、少しだけ口角を上げ微笑む。
「ええ、クリス。あの男は随分と頑張ってガイアメモリを売ってくれたみたいでしょう?功績には報いるべきではないかしら」
それを聞いた
彼女もフィーネの言うことにある程度は納得しているのだろう。
「いっそ、あなたの婿にでもしてみる?きっと尽くしてくれるわよ。それこそ体が灰になるくらいに、ね」
「はぁっ!?じょ、冗談じゃねえぞ!なんであたしがアイツと!」
本気なのか揶揄っているのか。
判断に困る声音に、クリスは赤面しながら大声で反論した。
そんな2人に、扉の開く音が聞こえてくる。
「ははは、相変わらず仲がいい」
笑いながら入ってきたのは、黒髪の男。
その姿は黒いスーツに白いスカーフ。
そして、そのスカーフには一点だけ血が滲んだような模様がある。
それは、以前、翔太郎がウォッチャマンから聞いたガイアメモリの売人の特徴と一致していた。
男は悠然とフィーネの前まで歩いて行くと、その場に傅く。
「あなたにコレが使いこなせるかしら?」
そんな男に対し、フィーネはガイアメモリとWとは違うベルトを差し出す。
メモリの方はどこか強い力を発しており、通常のそれよりも、大きな力を有していることが分かる。
ただのガイアメモリでも、常人であればその毒素で、容易く命を奪う。
それよりも更に大きな力であれば、その代償は計り知れない。
だが、男は怯むことなく、むしろ微笑んですらみせた。
「自慢の婿の誕生ですよ。
それを聞いたクリスは、金魚のように口をパクパクと開けては閉じる。
一方のフィーネは耐えきれない、というように吹き出してしまった。
男はそれを満足そうに眺め、服を脱ぐ。
露わになる引き締まった体。
鍛え抜かれた胸筋、六分割された腹筋、そしてなにより、美しく引き締まった美尻。
完璧な肉体美がそこにはあった。
その腰に、
『ナスカ』
クリスの「脱ぐ意味ねーだろ、変態」という言葉を聞きながら、男は腰のドライバーに装填した。
そして、その姿を青いドーパントへと変える。
「ようこそ、須藤霧彦。いえ、雪音霧彦とでも呼びましょうか?」
「おいやめろ!フィーネ!」
「ははは!お好きなように呼んでください。お義母さん」
「お前も笑ってんじゃねぇ!否定しろ!そして、フィーネの事を母とか言うな!」
フィーネ様にしばかれたい人生でした。
間違いなくあの人はドSです。
感想や評価などいただけると、どMはトライアルに目覚めますので、よければお願いします。
仮面ライダーナスカてどう思いますか?
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おう、アリだろ。あくしろよ
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どMに尻彦さんは扱えねーよ、消えな
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そんな事よりアクセルだろJK
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エターナルまだかよどM