ありふれた職業で世界最強 魔王の兄は怪獣王   作:夜叉竜

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 すいません。後々の展開でちょっとうまくない所があったので書き直して投稿し直します。

 やっぱり完成してすぐ投稿はいかんですね……


第96話 迸る紅蒼の炎

「綺麗………」

 

 フェルニルのブリッジでユエは思わずと言うように呟いていた。それはその場の全員が思った事だ。

 今が戦場の真っただ中だというのに、思わず見惚れてしまうほどにモスラは美しかった。眩い光が夜空を昼間のように照らし、その中で極彩色の美しい翅を羽ばたかせその姿はまさに神の降臨のようだ。

 ゴジラは首を巡らして背後のモスラを見上げるとモスラは応える様に鳴き声を上げる。それに応える様にゴジラも吠えるが、それはこれまでの彼からは考えられないほどに優しい音をしている。

 直後、忌々し気な咆哮が大気を震わせる。ゴジラとモスラが即座に目を向ければ、吹き飛ばされたギドラが起き上がり、こちらを威嚇するように大きく翼を広げている。

 ゴジラが咆哮を上げながら駆け出すとモスラもそれに続く様に飛翔する。

 二匹を迎え撃つようにギドラが雷撃を放つと、モスラは瞬時にゴジラの前に飛び出して大きく翅を羽ばたかせて光輝く鱗粉をまき散らす。

 雷撃が鱗粉に激突した瞬間、弾けるような音と共に雷撃が四方に弾き飛ばされてしまう。

 その隙に鱗粉を拭き散らしながらモスラがギドラとの距離を詰めると、ギドラは雷撃を纏った翼を繰り出すが、モスラは急上昇して回避し、それと入れ替わる様にゴジラが両腕に炎を纏いながら正面から突っ込む。ギドラは雷撃を纏った翼を盾にするように自身の前にかざそうとする。それを見たゴジラの背びれが激しく明滅し、

 背びれから勢いよく炎が噴出し、それと同時に地面を蹴り付けたゴジラの巨体が一気に加速。瞬時にギドラの懐に潜り込み、炎爪が右頭部に叩きつけられる。

 確かな手応えと共に右頭部が引き裂かれ、絶叫が上げる間にゴジラは右拳を強く握り込む。それと同時に右腕からさらに激しく炎が吹き上がり、拳が青く染まる。ゴジラはそれを渾身の力でギドラの腹部に叩きつける。直後凄まじい爆発が起こり、ギドラは打ち上げられるように吹き飛び、地面に叩きつけられる。

 ギドラが苦し気な咆哮を上げていると、上空からモスラがカマを振り上げながら急降下する。

 ギドラの左頭部と中央頭部が迎え撃つように雷撃を放とうとした瞬間、モスラの口から糸の塊が放たれ、ギドラの中央頭部に纏わりついてしまう。

 糸を振りほどこうと中央頭部が激しく首を振り回す横で左頭部がモスラに雷撃を放つもモスラはすぐさま身をひるがえして回避する。

 苛立つように左頭部が咆哮を上げていると、その隙にゴジラはギドラの尾を掴み上げるて力任せに振り回して投げ飛ばす。ギドラはそのまま地面に激突するが、その勢いを利用して即座に立ち上がり、ゴジラとモスラを睨みつける

 炎爪を叩きつけられた右頭部は左目付近が大きく抉られ、傷口が焼きつぶされているせいで見るに堪えない状態になっている。

 それでもギドラの戦意は衰えていない。全身から雷撃を放出して糸を吹き飛ばすと怒りの咆哮を上げて魔喰で大地から魔力を吸い上げて傷を治しながら魔力によって威力を増幅させた雷撃をゴジラとモスラ目掛けて雷撃を乱射する。

 モスラは素早く飛翔して回避し、ゴジラは背びれから炎を噴出させると爆発的な勢いで加速し、雷撃を掻い潜り、加速の勢いを乗せたぶちかましを繰り出す。

 空気が破裂するような轟音と共にギドラが吹き飛ばされるが、ギドラは空中で大きく翼を広げて態勢を整えると、両翼に雷撃を纏わせ、ゴジラ目掛けてギロチンのように両翼を叩きつけてくる。ゴジラは両腕に炎を纏わせて振り下ろされる雷撃の刃を正面から受け止める。

 瞬間、凄まじい衝撃が炸裂して雨粒を残らず吹き飛ばし、ゴジラの周囲の地面が陥没する。

 うめき声を漏らしながらゴジラはギドラを地上に引き摺り墜とそうとするが、その前にギドラの中央頭部が大口を開けて迫りくる。

 とっさに首を捻って噛み付きを回避したゴジラは逆に中央首に噛み付くが、その瞬間左右の頭部がゴジラの両肩に喰らい付く。

 ゴジラは即座に振りほどこうとするが、直後ギドラの両首を赤い光が流れていくと、苦悶の咆哮と共にゴジラから力が抜けてしまう。その隙に噛み付きを振りほどいた中央首もゴジラの喉元に喰らい付く。そのままゴジラから魔力を吸収していき、それに比例するようにゴジラは弱っていく。

 即座にモスラが援護しようと鎌を振り上げながら急降下すると、ギドラの翼から無数の雷がモスラ目掛けて撃ち出される。

 モスラは鱗粉を纏うと避けようとせず正面から突っ込む。雷が次々とモスラを襲い、耳をつんざく轟音が響き渡る。先ほどまで弾き返されていた雷撃だが、今度は弾かれるどころか鱗粉を容赦なく焼き焦がし、モスラを押し返そうとする。それでも構わずモスラは雷撃を突破しようとするが、雷撃は更に密度を増してモスラを呑み込もうとする。

 モスラが苦し気な声を漏らした瞬間、ギドラの上空からフェルニルが急降下しながらミサイルとレールキャノンが頭部目掛けて乱射する

 ゴジラも被弾するが頭部への集中攻撃に一瞬ギドラの身体が強張る。その瞬間、モスラは一気に加速して雷撃を突破すると、そのままギドラ目掛けて突っ込み、至近距離で波動を放つ。

 波動の直撃によりギドラの態勢が崩れた瞬間、ゴジラはどうにか右首と中央首を振り払い、左首も振りほどこうとするが、その前に左首はひと際強く顎に力を込め、

 ぶぢりとゴジラの肩の肉を食い千切る。

 空気を揺るがすような咆哮を上げてゴジラは大きく後ろによろけ、血を流す傷口を抑える。

 ギドラの左首は食い千切った肉をそのまま飲み込み、口を血で濡らしながら咆哮を上げる。

 中央首と右首がよくやったと言わんばかりに口元を歪めると、三つの口から一斉に雷撃が放たれる。

 ゴジラは即座に熱線を放って撃ち落とそうとするが、雷撃の内、二つが熱線と相殺し、最後の一つはゴジラの肩の傷口を直撃する。

 全身を貫くような激痛に襲われ、ゴジラの熱線が弱まると同時に雷撃が熱線を押し返してゴジラに迫るが、その前にモスラが割り込み、鱗粉を自身とゴジラを覆うように展開する。

 雷撃が鱗粉のバリアに直撃し、四方八方にまき散らされる。それを回避しながらフェルニルが再びギドラとの距離を詰め、ミサイルとレールガンを次々と直撃させる。

 だが、今度はギドラは動きを止めたりせずにゴジラとモスラに雷撃を放ち続ける。

 

 「このっ………そんな風に無視するんだったらな……これならどうだ……!?」

 

 機体を旋回させてギドラの上を取ると、ハジメは操縦桿を強く握り込む。それと同時にフェルニルの下部が開き、そこから直径が10m近くある巨大なミサイルがせり出してくる。

 対怪獣投下型質量ミサイル、フルメタルミサイル。その名の通り、このミサイルには発火石等の爆発物は使われておらず、その構成のほとんどがアザンチウムなどの頑強な鉱石を利用した、言ってしまえば加速装置がついただけの鉄塊だ。ただし、その重量は圧縮練成によって総重量数十トンにも及ぶ。

 それを目標の上空から投下、加速させてぶつけるという兵器と呼ぶことすらおこがましい武装だ。だが、純粋な質量と落下エネルギー、さらに加速が合わさった威力は絶大極まりない。

 ハジメがトリガーを押し込めば、ミサイルが投下。直後に爆炎を噴き出しながら一気にギドラ目掛けて加速する。その音に気付いた中央首が流石に無視はできなかったのかミサイルに目を向けると雷撃を放つ。雷撃がミサイルを呑み込み、加速装置を破壊されるがミサイルは雷撃を押しのけながら真っ直ぐにギドラに襲い掛かる。

 すると、ギドラは雷撃を放つことをやめて大きく羽ばたきながらその場から飛び退き、目標を失ったミサイルはそのまま地表に激突し、

 空気を震わせながら地面を爆散させてしまう。着弾地点を中心に地面が砕け散るだけでなく、激しく隆起して文字通り地形が変わってしまう。

 

 「外したか……!」

 「でも神羅達を助けられた。このまま……」

 「っ!?ハジメさん私に操縦権を!!」

 

 一瞬で顔を真っ青にしたシアが絶叫じみた声を上げた瞬間、ハジメは即座にフェルニルのメイン操縦権をシアに移す。フェルニルの操縦士はハジメが担っているが、シアが副操縦士としての権限を持っている。

 シアがフェルニルを加速させた瞬間、雷撃がフェルニルがいた空間を薙ぎ払う。だが、ギドラは続けてフェルニル目掛けて雷撃を乱射する。

 

 「皆さん、掴まって!」

 

 シアはが叫んだ直後、続けてフェルニル目掛けて雷撃が連続で襲い掛かるが、フェルニルは凄まじい機動で雷撃を回避し続ける。重力魔法を使ったG軽減の機構のおかげで負担はほぼないが、まるで嵐の中に放り込まれた機動にハジメ達は声を上げることもできない。

 シアがフェルニルの副操縦士である理由はシンプルだ。彼女がハジメパーティーの中で二番目に乗り物の操縦に長けている事、そして彼女の技能、未来視による先読み起動だ。シアが未来視で敵の動きを予測して指示したのでは遅すぎるという事で彼女が副操縦士となったのだ。

 しかし、幾らフルメタルミサイルと言う枷が消えた事によって軽くなったとはいえ操縦しながらの未来視はシアの負担が大きい。

 現にフェルニルが雷撃を回避するたびにシアの顔には玉のような脂汗が浮かび上がる。

 

 「シア!あまり無理を……」

 「ここで無理をしないでいつするんですか!」

 

 吠えながらシアは懸命に雷撃を回避していると、ゴジラが爆炎と共にギドラに向かって突っ込んでショルダータックルをぶちかまし、巨体を吹き飛ばす。

 地面に叩きつけられながらもギドラは素早く起き上がり、咆哮を上げると忌々し気にフェルニルを睨みつけたのちにゴジラに目を向ける。

 ゴジラとギドラが再び激突するのを確認して、シアは顔を土気色にして過呼吸のように荒く息を吐きながら崩れ落ちるように椅子にもたれかかる。

 

 「大丈夫かシア?」

 「ハジメさん……ええ、何とか。ですが魔力がほぼありません。もう操縦はできません」

 「分かった。休んでてくれ。後は俺達でやる」

 

 ハジメの言葉にシアはそのまま椅子にもたれかかった状態で脱力する。

 

 「ティオ!兄貴たちの様子は!?」

 「偽王は抑えられているが………それでも劣勢を強いられておる」

 

 モニターの中でゴジラとモスラとギドラが激しく戦っているが、押されているのはゴジラとモスラだった。

 ギドラが放つ雷撃をモスラは鱗粉をまき散らして弾き飛ばし、その隙にゴジラが突っ込んで体当たりを繰り出すが、ギドラはそれに耐えると中央頭部がゴジラに喰らい付き、激しく振り回す。

 ゴジラは何とか振りほどこうとするが放たれた雷撃が全身を貫くと苦悶の咆哮を上げる。モスラがすかさず援護に向かうがギドラは残った頭部から雷撃をまき散らし、モスラを寄せ付けようとしない。

 ゴジラは雷撃に襲われながらも右腕を叩きつけてギドラを振りほどこうとするが、それでもこれまでの威力はない。

 

 「明らかに神羅の動きが鈍くなってる。どうして……」

 「肩の傷だよ。あれのせいで神羅君は思うように動けないんだよ」

 

 ゴジラの肩は大きく肉が食い千切られている。流石に骨までは見えていないがそれでもかなりの重傷だ。あれでは満足に左腕は動かせない上に雷撃は容赦なく傷口を抉るだろう。

 モスラの援護もあって今は互角だがこのままでは押し切られてしまうだろう。

 何とか援護したいがフェルニルの武装はギドラにはほとんど通用しない。唯一通用するフルメタルミサイルもすでにない。絶大な破壊力の代償に取り回しは最悪だし作成に使う鉱石の量も莫大だ。フェルニル作成もあってか用意できたのはあの一発だけだったのだ。

 もはやハジメ達にできる事は………

 

 「ヒュペリオンを撃ち込む。それしかない」

 

 ハジメの言葉にユエ達ははっと顔を上げる。それはハジメが対怪獣を想定して作り出した太陽光を収束させたレーザーを成層圏から撃ち込む衛星兵器だ。それも怪獣を想定してか自分でもやり過ぎたのではと思うほどの威力を持たせている。これならば間違いなくギドラに大きなダメージを与えられるはずだ。

 

 「分かった、ハジメ。準備をする。いつでも……」

 「それしかない……それしかないんだが……今は撃てない……!」

 「撃てないって……どうして、ハジメ君!?」

 

 香織の言葉にハジメは悔し気に唇を噛みながら顔を上げて黒雲に覆われた空を睨みつける。

 

 「あの雲のせいで狙いをつけられないんだ……!」

 

 ヒュペリオンは成層圏から地上に撃ち込む衛星兵器だ。すでにヒュペリオンは戦場の頭上に展開されているのだが、その地上はギドラが発生させた黒雲に覆われてしまっている。そのせいでヒュペリオンの狙いをつけられなくなってしまっている。この状態で撃つなんてあまりに無謀すぎる。見当違いの場所に撃ち込みかねない。最悪ゴジラやモスラ、自分達が巻き込まれてしまうかもしれない。そうなっては本末転倒だ。

 

 「だったらハジメ、私を外に出して!魔法で雲を吹き飛ばす」

 「待つのじゃユエ!あの雲はかなりの魔力を有しておる!生半可な魔法では吹き飛ばせんし、そもそも外はかなりの嵐じゃ、危険すぎる!」

 「だったらなおさら最上級魔法じゃないと!私だったらいける!」

 「で、ですが、もしもユエさんに何かあったら……!」

 

 ユエ達が激しく言い争う間にもギドラはゴジラ達に猛攻を仕掛け、二匹が押されていく。急がなければなならない。せめて目印ができれば………

 そこまで考えてハジメははっと顔を上げてユエに目を向け、

 

 「ユエ、お前の魔法の中で滅茶苦茶目立つやつあるか!?」

 「め、目立つ……!?それは………蒼王龍だったらすごく目立つと思うけど……」

 「よし、だったら………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギドラが全身を使ったぶちかましを喰らい、ゴジラは大きく後方に押しやられるが地面を抉りながら勢いを殺す。

 ギドラは追撃に動こうとするが、モスラが援護に入る。その間にゴジラは荒く息を吐きながら左肩の傷に目を向ける。

 ギドラのような再生力を持ってない自分では傷の再生も容易ではない。再生魔法が使えたらいいのだが、今の自分では使えない。

 忌々しい、と言わんばかりに顔を歪めながらゴジラは大きく唸りながらギドラを睨みつけ、突進した瞬間、

 空を揺るがすような咆哮と共に空に巨大な蒼い炎の龍が出現する。

 モスラが驚いたように目を向け、ギドラが警戒するように睨みつけ、ゴジラが訝し気に見つめる先で、炎龍はそのまま上昇していき、黒雲の中に消える。

 ギドラの左首が訝しげに首を傾げ、残り二つの首が警戒心をむき出しにしていると、黒雲を切り裂く様に炎龍が飛び出してギドラ目掛けて襲い掛かる。

 ギドラが迎え撃つように雷撃を放つと炎龍は一方的に吹き飛ばされてしまう。

 ギドラが嘲笑するようにふん、と鼻を鳴らした瞬間、ゴジラが猛然とギドラに組み付く。

 ギドラはすぐさま振りほどこうとするが、ゴジラは右腕と牙を用いて抑え込むと、背びれから一気に炎を噴出させ、その勢いを利用して駆け出し、ギドラを一気に押しやる。

 ギドラは何とか逃れようとするが、モスラが上空からギドラの首目掛けて糸を吐きかけ、雁字搦めにしてしまう。

 その隙にゴジラはギドラを押しやり続け、最後に渾身の蹴りを腹に撃ち込んでギドラを吹き飛ばす。

 吹き飛ばされながらもギドラは倒れ込む事だけは避け、放出した雷撃でもって糸を引きちり、咆哮を上げた瞬間、

 

 そのギドラ目掛けて天から極大の閃光が黒雲を吹き飛ばしながら降り注ぐ。

 

 天と地を繋ぐように出現した直径50mはある光の柱。触れたものを一切の例外なく消し去る無慈悲なる破壊。大気を焼き焦がし、闇を切り裂いてまるで昼間のように太陽の光がギドラに襲い掛かる。そのギドラが押しやられた場所は先ほど蒼王龍が雲の中に消えていった場所だった。ハジメは蒼王龍を使って座標を特定したのだ。だが、ただ普通に撃っただけではギドラに警戒心を抱かせかねない。だから雲を突き破らせた後にわざわざ奴にぶつけた。そしてゴジラはハジメ達の意図を正確に読み取り、ヒュペリオンの照射位置にギドラを押し込んだのだ。

 結果、例え怪獣であろうと無傷ではすまない一撃が直撃し………

 

 「あれでまだダメなの……!?」

 

 香織が愕然とした表情でギドラを見ていた。ギドラは苦し気な咆哮を上げながらもヒュペリオンの一撃に耐えていた。莫大な熱と膨大なエネルギーがギドラを襲い、鱗を焼き焦がそうとしているが、表面が焦げ付いているだけだ。その威力で身動きはとれていないようだが、それでもギドラにはほとんど通じていない。

 

 「っ………化け物が………!」

 

 蒼王龍を撃ち終わり戻ってきたユエが消耗したように息を荒げながら忌々し気にギドラを睨みつける。シアとティオも悔しげに顔を歪めるが、

 

 「いいや、十分すぎる」

 

 ハジメだけはしてやったりと言わんばかりの笑みを浮かべていた。

 

 「どう言う事?ハジメ君」

 「確かにヒュペリオンはあいつには通じていないが、動きは封じ込めてる。そして……そこを兄貴は絶対に見逃さない」

 

 その言葉にユエ達がはっとしていると、ゴジラが両腕を広げた体制で全身に力を込める。

 今の自分の攻撃では奴にダメージを与えられるがそこまでだ。やつはそれを再生できる。エネルギー切れを狙おうにも奴は周囲の魔力を食い荒らしているから期待できない。やつを倒すには一撃で致命的なダメージを与えなければならない……ならば今ここでその一撃を放つだけだ。

 己の心臓でもある魔力炉心を限界まで酷使し、莫大な魔力を生み出す。生み出して、溜める。溜める。溜めて溜めて溜めて、溜め続ける。

 エネルギーが高まるにつれ、背びれがかつてないほどの光を放つ。そして尾の背びれからは青白い炎と共に激しいスパークが迸る。その光はゆっくりと背中に向かってせり上がっていき、それに伴って噴き出す炎とスパークの勢いが強まっていく。広げられた両腕には尋常ではない力が込められており、目や喉元、大きく開けられた口腔の奥どころか胸元すら青白く輝き、スパークを発する。

 それにギドラが気付いた瞬間、

 

 ゴジラはその全てを開放、口腔から青白くスパークを放つ螺旋を描いた熱線が打ち出す。

 ヒュペリオンで釘付けにされているギドラにそれを避けることはできず熱線は黄金の巨体を捉え、

 

 地上が紅蓮に染まる。

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