ではどうぞ!
「……ハジメ、気持ちいい?」
「ん~、気持ちいいぞ~」
「……ふふ。じゃあ、こっちは?」
「あ~、それもいいな~」
「……ん。もっと気持ちよくしてあげる……」
ハジメたちがオスカー・オルクスの隠れ家を拠点に準備を始めて2か月。今、ユエはハジメのマッサージ中である。何故、マッサージしているかというと、それはハジメの左腕が原因だ。ハジメの左腕には黒鉄の光沢を放つ義手が付けられている。
この義手はアーティファクトであり、魔力の直接操作で本物の腕と同じように動かすことができる。擬似的な神経機構が備わっており、魔力を通すことで触った感触もきちんと脳に伝わる様に出来ている。また、銀色の線が幾本も走っており、所々に魔法陣や何らかの文様が刻まれている。
実際、多数のギミックが仕込まれており、工房の宝物庫にあったオスカー作の義手にハジメのオリジナル要素を加えて作り出したものだ。生成魔法により創り出した特殊な鉱石を山ほど使っており、世に出れば間違いなく国宝級のアーティファクトになるであろう逸品である。もっとも、魔力の直接操作ができないと全く動かせないので文字通り宝の持ち腐れになりそうだが……
この二ヶ月で3人の実力や装備は以前とは比べ物にならないほど充実している。例えばハジメのステータスは現在こうなっている。
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:ーーー
天職:錬成師
筋力:10950
体力:13190
耐性:10670
敏捷:13450
魔力:14780
魔耐:14780
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+圧縮錬成]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・風爪・夜目・遠見・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・全属性耐性・先読・金剛・豪腕・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・限界突破・生成魔法・言語理解
レベルは100を成長限度とするその人物の現在の成長度合いを示す。しかし、魔物の肉を喰いすぎて体が変質し過ぎたのか、ある時期からステータスは上がれどレベルは変動しなくなり、遂には非表示になってしまった。もっとも、神羅に比べれば彼の足下に及んでいないだろう。だって桁がたったの三つだから
ちなみに、勇者である天之河光輝の限界は全ステータス1500といったところである。限界突破の技能で更に三倍に上昇させることができるが、それでも約三倍の開きがある。しかも、ハジメも魔力の直接操作や技能で現在のステータスの三倍から五倍の上昇を図ることが可能であるから、如何にチートな存在になってしまったかが分かるだろう。
……神羅?彼は文字通り次元違いの領域にいる。
新装備についても少し紹介しておこう。
まず、ハジメは〝宝物庫〟という便利道具を手に入れた
これはオスカーが保管していた指輪型アーティファクトで、指輪に取り付けられている一センチ程の紅い宝石の中に創られた空間に物を保管して置けるというものだ。要は、勇者の道具袋みたいなものである。空間の大きさは、正確には分からないが相当なものだと推測している。あらゆる装備や道具、素材を片っ端から詰め込んでも、まだまだ余裕がありそうだからだ。そして、この指輪に刻まれた魔法陣に魔力を流し込むだけで物の出し入れが可能だ。半径一メートル以内なら任意の場所に出すことができる。
物凄く便利なアーティファクトなのだが、ハジメにとっては特に、武装の一つとして非常に役に立っている。というのも、任意の場所に任意の物を転送してくれるという点から、ハジメはリロードに使えないかと思案したのだ。結果としては半分成功といったところだ。流石に、直接弾丸を弾倉に転送するほど精密な操作は出来ず、弾丸の向きを揃えて一定範囲に規則的に転送するので限界だった。もっと転送の扱いに習熟すれば、あるいは出来るようになるかもしれないが。
なので、ハジメは、空中に転送した弾丸を己の技術によって弾倉に装填出来るように鍛錬することにした。要は、空中リロードを行おうとしたのだ。ドンナーはスイングアウト式(シリンダーが左に外れるタイプ)のリボルバーである。当然、中折式のリボルバーに比べてシリンダーの露出は少なくなるので、空中リロードは神業的な技術が必要だ。最初は、中折式に改造しようかとも思ったのだが、試しに改造したところ大幅に強度が下がってしまったため断念した。そこでハジメはシリンダー部分を上部に飛び出させるように改造した。更に魔力の直接操作のギミックで排出も同時に行えるようにした。あとはガンスピンの要領で空中に転送した弾丸を装填できればいいのだが……
結論から言うと一ヶ月間の猛特訓で見事、ハジメは空中リロードを会得した。天歩の最終派生技能、瞬光、を使って知覚能力を引き上げ、時間の進みが遅くなった世界で空中リロードが可能になったのである。なお、瞬光は、体への負担が大きいので長時間使用は出来ないが、リロードに瞬間的に使用する分には問題なかった。
次に、ハジメは魔力駆動二輪と四輪を製造した。
これは文字通り、魔力を動力とする二輪と四輪である。二輪の方はアメリカンタイプとオフロードタイプの二種類あり、オフロードは神羅の要望でそう言うデザインになった。どうやら兄はそう言うデザインが好きらしい。
四輪は軍用車両のハマータイプを意識してデザインした。車輪には弾力性抜群のタールザメの革を用い、各パーツはタウル鉱石を基礎に、工房に保管されていたアザンチウム鉱石というこの世界最高硬度の鉱石で表面をコーティングしてある。おそらくドンナーの最大出力でも貫けないだろう耐久性だ。ちなみに神羅は鉱石を握りつぶしていたので間違っても強く叩いたりしないように注意してもらわなければならない。エンジンのような複雑な構造のものは一切なく、ハジメと神羅の魔力か神結晶の欠片に蓄えられた魔力を直接操作して駆動する。速度は魔力量に比例する。
更に、魔力駆動車は魔力を注いで練成が発動するようになっており、これで地面を整地することで、ほとんどの悪路を走破することもできる。また、どこぞのスパイのように武装が満載されている。ハジメも男の子。ミリタリーにはつい熱が入ってしまうのだ。まあ、適度に神羅がハジメをこちらに引き戻していたので夢中になりすぎたと言う事はなかったが。
魔眼石というものも開発した。
ハジメはギガヒュドラとの戦いで右目を失ってしまい、それを気にしたユエと神羅が考案し、創られたのが魔眼石だ。
生成魔法でも、流石に通常の眼球を創る事はできなかったのだが、生成魔法を使い、神結晶に、魔力感知、先読を付与することで通常とは異なる特殊な視界を得ることができる魔眼を創ることに成功した。
これに義手に使われていた擬似神経の仕組みを取り込むことで、魔眼が捉えた映像を脳に送ることができるようになった。魔眼では、通常の視界を得ることはできない。その代わりに、魔力の流れや強弱、属性を色で認識できるようになった上、発動した魔法の核が見えるようにもなった。
魔法の核とは、魔法の発動を維持・操作するためのもの……のようだ。発動した後の魔法の操作は魔法陣の式によるということは知っていたが、では、その式は遠隔の魔法とどうやってリンクしているのかは考えたこともなかった。実際、ハジメ達が利用した書物や教官の教えに、その辺りの話しは一切出てきていない。おそらく、新発見なのではないだろうか。魔法のエキスパートたるユエも知らなかったことから、その可能性が高い。
この魔眼によってハジメは、相手がどんな魔法を、どれくらいの威力で放つかを事前に知ることができる上、発動されても核を撃ち抜くことで魔法を破壊することができるようになった。ただし、核を狙い撃つのは針の穴を通すような精密射撃が必要ではあるが。神羅の魔懐に比べたら使い勝手は悪いが、強力な手札だ。
ちなみに、この魔眼、神結晶を使用しているだけあって常に薄ぼんやりとではあるが青白い光を放っているので、ハジメの右目は常に光るのである。こればっかりはどうしようもなかったので、仕方なく、ハジメは薄い黒布を使った眼帯を着けている。
白髪、義手、眼帯、ハジメは完全に厨二キャラとなった。鏡で自分の姿を見たハジメが絶望して膝から崩れ落ち四つん這い状態になった挙句、神羅に中学校の時に創作したキャラみたいだなと言われた結果、丸二日ハジメは意識を失っていた。それ以降、ハジメの前ではその手の話題には触れないことが二人の暗黙の掟となった。
新兵器についてはギガヒュドラの炎で破壊された対物ライフル、シュラーゲンも復活。アザンチム鉱石を使い強度を増し、バレルの長さも持ち運びの心配がなくなったので三メートルに改良した。〝遠見〟の固有魔法を付加させた鉱石を生成し創作したスコープも取り付けられ、最大射程は十キロメートルとなっている。
また、とある階層でラプトル系の魔物の大群に追われた際、ハジメは手数の足りなさに苦戦したことを思い出し、電磁加速式機関砲:メツェライを開発した。口径三十ミリ、回転式六砲身で毎分一万二千発という化物だ。銃身の素材には生成魔法で創作した冷却効果のある鉱石を使っているが、それでも連続で五分しか使用できない。再度使うには十分の冷却期間が必要になる。
さらに、面制圧とハジメの純粋な趣味からロケット&ミサイルランチャー:オルカンも開発した。長方形の砲身を持ち、後方に十二連式回転弾倉が付いており連射可能。ロケット弾にも様々な種類がある。
なお、これらの兵器の試射には神羅が実験台になってくれたのだが………どれも彼に傷一つつける事叶わなかった。
あと、ドンナーの対となるリボルバー式電磁加速銃:シュラークも開発された。ハジメに義手ができたことで両手が使えるようになったからである。ハジメの基本戦術はドンナー・シュラークの二丁の電磁加速銃によるガン=カタに落ち着いた。典型的な後衛であるユエとの連携を考慮して接近戦が効率的と考えたからだ。最強たる神羅は接近戦は当然ながら人間になってからは投擲で遠距離もこなせるのでその時その時で変えていくスタイルだ。
他にも様々な装備・道具を開発し、更にオスカーの工房の中にあった数々のアーティファクトも回収してある。どれもこれも能力の多様、利便性においてはハジメのよりも強力な代物ばかりだ。なにせ中には魔力操作がなくても使える強力無比なのがあるのだから。
しかし、装備の充実に反して、神水だけは神結晶が蓄えた魔力を枯渇させたため、試験管型保管容器十五本分でラストになってしまった。枯渇した神結晶に再び魔力を込めてみたのだが、神水は抽出できなかった。やはり長い年月をかけて濃縮でもしないといけないのかもしれない。
では神羅の莫大な魔力ならばどうかと試しにやってもらったのだが、意外なことに不可能だった。いくら魔力を籠めても神結晶から神水は得られなかったのだ。それどころか試しにやってみた神結晶の欠片が最終的には崩壊してしまった。これはユエの見解だが、恐らく、神羅の魔懐が原因だろうとのことだ。どうやら魔懐は魔力その物にも少し宿っているようで、一定量の魔力がたまると自動的に発動するようだ。結果魔力の塊である神結晶は崩壊してしまった。まあ、かなりの量溜めないと発動しないようなので普通にアーティファクトを使う分には問題ないようだが…
と、このようにもう使い道が無くなってしまった神結晶だが、捨てるには勿体無い。いくら予備があると言ってもだ。
そう、予備だ。ハジメたちはオスカーの宝物庫からもう一つ、ハジメが手に入れた物より一回り小さいが、神結晶を手に入れていた。異空間に放り込まれていたからか魔力はたまっていなかったが。手記を見るに、どうやらオスカー・オルクス、あろうことか神結晶を手作りしたらしい。これを知った時、ユエが壊れたように笑みを浮かべて戻すのに少し苦労した。
まあ、とにかく、神結晶を捨てたくないハジメは、神結晶の膨大な魔力を内包するという特性を利用し、一部を錬成でネックレスやイヤリング、指輪などのアクセサリーに加工した。そして、それをユエに贈ったのだ。ユエは強力な魔法を行使できるが、最上級魔法等は魔力消費が激しく、一発で魔力枯渇に追い込まれる。しかし、電池のように外部に魔力をストックしておけば、最上級魔法でも連発出来るし、魔力枯渇で動けなくなるということもなくなる。
そう思って、ユエに魔晶石シリーズと名付けたアクセサリー一式を贈ったのだが、そのときのユエの反応は……
「……プロポーズ?」
「なんでやねん」
ユエのぶっ飛んだ第一声に思わず関西弁で突っ込むハジメ。
「ふむ、こっちでもプロポーズには指輪を使うのか」
「ん。神羅もモスラにどう?」
「ふうむ、あいつはああいうのは好かないだろうが……」
「あの、二人とも……無視しないでくださいます?」
ちなみにだがユエにもそれ以外の新装備がある。一つは黒盾。それはオスカー製の品物なのだが、凄まじい機能を持っていた。それ自体の強度もさるものだが、この一対の盾、表面に何やら空間に干渉するタイプの魔法が施されているようで、片方の盾で受けた攻撃を対となる盾から放逐すると言うある意味最強の防御能力を持っていた。しかもこの盾、感応石と言う遠隔操作が可能となる鉱石によって手に持たずに自在に動かせる。さらに、一本のナイフが鞘に納めた状態で服の内側に装備している。これもオスカー製のアーティファクトだが、これも凄まじい。何せ神羅の皮膚に傷をつけたのだ。と言っても、紙の端っこでかすった程度の血すら出ない傷だが。この事実にハジメとユエは奇声を上げながらダバダバと走り回ったのは彼らにとって抹消したい過去だ。まあ、二撃目からは通らなくなったのだが。
どうやらこのナイフ、何らかの魔法が込められているようで、凄まじい切れ味を誇る。だってアザンチウム製のブロックを真っ二つにしたのだから。
後衛であり、神羅とハジメがいるユエには過剰ともいえる装備だが、怪獣と言う存在との遭遇が危惧されるならば、最低限度の自衛ができなければ話にならない。ナイフはまあ、振り回すぐらいしかできないが、黒盾は今では自在に動かすことができるようになっていた。
なお、神結晶は一部、大きな塊のままで保管してある。これはとあるものを作るために用意しているのだ。まだまだハジメの腕ではとっかかりすらつかめないが、それでも、妥協する気はハジメにはなかった。
「お前ら、準備はできたか?」
二人がマッサージをしていると、神羅が部屋の中を覗き込む。
「ああ、兄貴。そうだな……うん、もう大丈夫だと思う」
「……ん。分かった」
神羅には目立った装備はないのだが、それでもサポート用に宝物庫に閃光手榴弾、音響手榴弾、他にも様々な道具を所持している。
ちなみに3人の服装だが、ハジメは黒に赤のラインが入ったコートと下に同じように黒と赤で構成されたズボン、コートの下には白いシャツにカッターシャツ、首元に黒のスカーフをネクタイのように巻いている。左袖は肩口あたりに吸着性のある魔物の皮が使われており、着脱可能になっている。ユエは前面にフリルのあしらわれた純白のドレスシャツにフリル付きの黒色ミニスカート。その上から純白に青のラインが入ったロングコートを羽織っている。足元はショートブーツにニーソだ。神羅は一転、下は黒の袴に荒縄風の帯に黒い靴。上は黒い和服のような服に青い雷光のような模様が入った黒い羽織を着ており、和装となっている。なんとなく、ハジメが神羅にはそれが似合いそうと言ってユエが頑張って制作したのだ。
これらの服もオスカー謹製のアザンチウムの金属糸で編まれた服に魔物の素材を合わせ、防具としても通用する。更に神羅の服は神羅の魔力によっていずれは神羅の能力をもってしても破れないようになると言う。もう何が来ても驚かない自信がハジメとユエにはあった。
神羅は起き上がった二人を見て、満足げに頷く。
「うむ。真面目にやってたようで何よりだ」
「真面目って……兄貴、俺たちだって……」
「少し前まで目を離せば交わっていたくせに何を言っている」
神羅が呆れたように言うとハジメは言葉に詰まり、ユエはほんのりと頬を染めて体をもじもじとさせる。
実はこの二人、この隠れ家での生活中に一線を超えたのだ。まあ、それ自体は別にいい。神羅自身、ハジメに恋人ができるのはうれしい事だし、ユエなら任せられると思うし、そう言う仲の二人が求めあうのは自然な事だ。だが、一つ問題があるとすれば、文字通り所かまわず交わるようになったことだろう。
他人の情事を見て欲情するようなことはないが、流石に頻度が頻度だと思い、控えるように釘を刺したから最近はまあ、マシになったのだが……
「さて、それでは………そろそろ行くか」
その言葉に二人は頷く。ついに、3人は地上へと出るのだ。
3階にある魔法陣を起動させながらハジメは神羅とユエに声をかける。
「ユエ、兄貴。俺の武器や俺達の力は、地上では異端だ。聖教教会や各国が黙っているということはないだろう」
「……ん」
「危機的状況にもかかわらず、ぜいたくな連中だ」
「兵器類やアーティファクトを要求されたり、戦争参加を強制される可能性も極めて大きい」
「ん……」
「どうせ使えないくせに……浅ましい連中だ……そいつらならまだいい。だが、この世界には怪獣たちがいるのは明らかだ。奴もな……言っておくが、我とて無敵ではないぞ?神とやらも、どれ程かは不明だ。万が一があるやもしれん………我についてくれば、お前たち人間にとって、命など有って無いような旅になる……最後の確認だ。本当についてくるのか?」
「何度も言わせんな、兄貴」
「……ん」
神羅の顔を見上げて二人は頷く。
「たとえ何が来ようと、俺たちは兄貴と一緒に戦う。俺たちが兄貴の背中を守れば何者にも負けねぇよ」
「………そうか。では、行くとするか」
そして転移の魔法陣が光り輝き、3人を包み込んでいく………
ズゥン……と大地を揺らすような音を立てながら彼は眼下の景色を眺めていた。遥か彼方まで続く樹海。中には数十メートルを超える樹木の密集地があるが、彼には及ばない。
数ヵ月前、突如として感じた謎の気配を警戒し、彼は住んでいた場所からわざわざ海を渡り、ここに来た。ここには王がいない。ならば自分がやるしかないと彼はここまで来た。しかし、たどり着いた時にはもう気配も感じず、しかし警戒を続けていた。
だが、少し前、彼はわずかにだが感じたのだ。自分が認めた王の気配を。彼もここにいる。ならばあれは彼の?いいや違う。あれは彼の力ではない。ならば一体……
彼は荒々しく鼻息を漏らし、唸り声を上げると、激しくその両手で胸元を叩き、
ヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!
木々を激しく揺らし、大地を揺さぶる咆哮を轟かせる。
分からない。だがこれだけは言える。もしもふざけた真似をする奴がいるのならば………自分が容赦なく殲滅する。そう彼は決意する。
ユエのナイフはありふれ零のメルジーネ海賊団の副船長、クリスの固有魔法、一閃が付与されたオリジナルアーティファクトです。
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