ありふれた職業で世界最強 魔王の兄は怪獣王   作:夜叉竜

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 今年は2020年……奇しくもセブンスドラゴン2020の年に入りましたね……セブンスドラゴンシリーズ、リメイクして出してくれないかな……これ、すごく大好きなんですよね……初代はあいにくやってないんですが、それ以降は全てやりました。もっかいやりたいなぁ……

 ではどうぞ!


第29話 ウザくも危険な大迷宮

 かくして、ついにライセン大迷宮の攻略に乗り出した神羅達だが、想像以上に厄介な場所だった。

 まず、峡谷以上の魔力分解能力により、まともに魔法が使えない。魔懐よりはマシなのだが、それでもユエにとってはかなり厳しい場所だ。上級は使えず、中級以下は使えても射程は5mもいけばマシと言う状況だ。

 魔晶石の魔力も考えて使わなければあっという間になくなってしまう。並みの魔法使いでは軒並み役立たずになってしまうだろう。

 ハジメも例にもれず、外部に魔力を使う固有魔法はほとんど使い物にはならず、かろうじて纏雷は使えるが、出力は大きく下がってしまい、レールガンも威力は半減してしまっている。

 代わりに体内で発動するタイプの身体強化は影響を受けない。よって、ここでは元々桁外れの身体能力を持つ神羅と身体強化特化のシアが重要となってくる。

 神羅は至って変わらずなのだが……

 

 「殺ルですよぉ……絶対、住処を見つけてめちゃくちゃに荒らして殺ルですよぉ」

 

 大槌ドリュッケンを担ぎ、据わった目で獲物を探すように周囲を見渡していた。明らかにキレていた。どうやら入り口での出来事がかなりカンに触ったようだ。

 その心情が理解できるだけにハジメもユエも何も言えなかったのだが、神羅は小さくため息を吐くと、シアの頭に軽くチョップを落とす。

 

 「ハキュン!?し、神羅さん!?いきなり何をするんですか!?」

 「何をするではない。いつまでも怒りに目を曇らせるな。ここは大迷宮。どこから何が飛んでくるかは分からん。そんな状態ではあっという間に命を落とすぞ。それでいいならこちらは構わんが」

 

 神羅の苦言にシアはうっ、と小さくうめき声を漏らし、少ししてしょんぼりとして、

 

 「すいません、神羅さん、ハジメさん、ユエさん……」

 「まあ、気持ちは分かるから何とも言えないけどな……」

 「……ん……」

 「全くあの程度で……もっとどっしりと構えろ。ああいうのは相手すればするほど思うつぼだぞ」

 

 そう言われてもここに至るまでに同じようなトラップや言葉があり、あれ等をそうやすやすと無視はできないと思う。やはり億単位で生きている奴は器自体が違うのだろうか……とハジメたちは顔を引きつらせながらここまでの経緯を思い返していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 入口から少し進み、最初に出たのは広大な空間だった。階段や通路、奥へと続く入口が何の規則性もなくごちゃごちゃにつながり合っている。一階から伸びる階段が三階の通路に繋がっているかと思えば、その三階の通路は緩やかなスロープとなって一階の通路に繋がっていたり、二階から伸びる階段の先が、何もない唯の壁だったり、本当にめちゃくちゃだった。神羅はなんかこう言う絵画があったなぁ、と考えていた。

 

 「こりゃまた、随分と迷宮らしい場所に出たな」

 「……ん、迷いそう」

 「ふん、流石は腹の奥底まで腐ったヤツの迷宮ですぅ。このめちゃくちゃ具合がヤツの心を表しているんですよぉ!」

 「……気持ちは分かるから、そろそろ落ち着けよ」

 「とりあえず進もう。ハジメ、マーキングを頼むぞ。地図は我が」

 

 あいよ、とハジメは準備を始める。ここでいうマーキングとはハジメの追跡の固有魔法の事で、ハジメが触れた場所に魔力の痕跡を残すことで、その痕跡をたどれるというものだ。これは他のメンバーにも可視化すればわかるものだ。壁に直接効果を付与するので分解効果も及ばないようだ。

 ハジメは早速壁付近にマーキングして、そのまま進んでいく。目の前の壁自体が発光している長い通路を進んでいると、

 

 ガコンッ

 

 そんな音を響かせてハジメの足元の一部が沈む。その音にハジメたちがえ?と足元に視線を向けた瞬間、通路の先の壁から高速回転、振動している丸鋸が現れ、迫ってくる。

 

 「回避!」

 

 ハジメはそう叫びながらマトリックスのようにのけ反り、ユエとシアがしゃがんで回避する中、神羅はその場に立ったままだ。そのまま丸鋸は神羅の体に激突、ギャリギャリと耳障りな音を立てるが、服は切れず、薄皮一枚切れない。神羅はそのまま丸鋸に手をかけ、軽く力を籠める。それだけで丸鋸はバキンッ!という音と共に砕けちる。だが、まだ終わりではなかった。更に、そこに上方から無数の刃がギロチンのように振り下ろされてくる。

 ハジメ達はすぐさま回避するが、神羅はその場で上に向かって拳を薙ぎ払う。拳が刃に触れた瞬間、丸鋸のように砕け散っていく。

 

 「……どうやら完全な物理トラップみたいだな……魔眼石じゃ何も分からなかった……」

 

 今までの迷宮での罠は魔力を用いる物ばかりだった。それによって先入観を持って行動してしまった。

 

 「ふむ……厄介だな……まあ、見てから対処できるだけマシか……」

 「……神羅は対処する必要……ある?」

 「神羅さん……本当にとんでもないですぅ……」

 

 神羅を見上げながらシアは戦慄の表情を浮かべている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トラップに注意しながらハジメたちは進んでいく。神羅が最前列に立てばそれだけでほとんどの罠をある意味で無力化できるかもしれないが、それでは意味がない。なので神羅は最後尾に位置してもらい、後方からの罠を警戒してもらう事にした。

 一応魔物の類は出てきていない。この環境では魔物も十全に力を発揮できないからだろうか……

 

 「うぅ~、何だか嫌な予感がしますぅ。こう、私のウサミミにビンビンと来るんですよぉ」

 

 下り階段を下りていると、シアが不意にそう言い、それと同時にハジメたちは足を止める。

 ここの罠はハジメ達ではほとんど感知できない。だからこそ、彼らはどんなに些細な変化でも見逃さないように努めていた。

 

 「と、なるとこの先に何かあるのか……?とりあえず「ガコンッ」おい嘘だろ!?」

 「……動いてないのに!」

 

 直後、階段から段差が消え、スロープに変化。さらにそこからよく滑るタールのような液体があふれ出してくる。

 

 「ちっ、全員掴まれ!」

 

 神羅はそう言うと同時に変化して黒く、長い尾を生やし、自分はスロープに指を突き立てて体を固定する。ハジメ達は即座にその尾に掴まるが、

 

 「うきゃぁぁぁ!?」

 

 シアはそんな器用なことはできず、そのまま転倒して後頭部を強打。悶えている間に滑落していく。

 

 「だぁぁ、世話が焼ける!」

 

 ハジメは左腕の義手から錬鎖を飛ばしてシアの背中のドリュッケンに届かせ、そのまま巻き付け固定させる。

 シアの滑落が止まり、ドリュッケンの重さが加わり、義手から異音が響き、ハジメは落ちそうになるが、根性で耐える。

 どうにか滑落せずに済んだことで神羅達は息を吐く。

 

 「おい、シア。早く登って掴まれ!重いんだよ!」

 「ちょ、ハジメさん!いくら何でも女の子に重いっていうものじゃないと思うんですけど!?」

 「事実だろうが!ドリュッケンの重さも加わってんだぞ!」

 「そうですけども!」

 「……余裕そうだな」

 

 神羅のつぶやきにユエはう~~ん、と小さく唸る。

 その後、シアが錬鎖をたどって神羅の尾に掴まると、神羅はそのままゆっくりとスロープを下っていく。すると、

 

 「兄貴、道が途切れてるぞ」

 

 ハジメが指さした先は、確かに道が途切れている。神羅達は慎重に下っていき、ふちにたどり着くと、そっと顔を出して下を覗き込む。そしてすぐにハジメたちはその行いを後悔した。

 下には夥しい数のサソリが蠢いていたのだ。どれもこれも大きさは十センチほど。魔物と言うより普通のサソリに見える。だが逆にそれが嫌悪感を際立たせる。

 顔をしかめながら目を背けるように顔を上げて4人はぴたりと動きを止める。天井にはあの石板のように文字が彫られており、読みやすい様に光っている。

 

 〝彼等に致死性の毒はありません〟

 〝でも麻痺はします〟

 〝存分に可愛いこの子達との添い寝を堪能して下さい、プギャー!!〟

 

 ここに落ちた被害者は麻痺毒で動きが取れず、サソリに全身たかられた状態で必死に藁にもすがる思いで天井に手を伸ばすだろう。そしてこの言葉を目にするのだ。その時の心境はいかほどか……

 

 「これは確かに………かなり性格が悪いな……」

 

 神羅の言葉に全員が同意するように頷いていた。

 その後、下に横穴を見つけたので、折角だからとそちらを進むことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後も、進む通路、たどり着く部屋の尽くで罠が待ち受けていた。突如、全方位から飛来する毒矢、硫酸らしき、物を溶かす液体がたっぷり入った落とし穴、アリジゴクのように床が砂状化し、その中央にワーム型の魔物が待ち受ける部屋、そしてそれらに漏れなく付随するウザい文。最初はこれらに煽られ、ストレスがマッハだったハジメ達だった。やはり神羅並みの精神力が必要なのだろうか……

 そんな時、入った瞬間、天井が落ちてきた部屋に突入したのだが、ハジメ達は即座にその場にしゃがむも神羅はその場に立ったままだった。結果は目に見えていた。案の定その天井は神羅の頭に直撃すると同時に甲高い音と共に弾き返される。そのまま至って冷静に4人で部屋から出ると、目の前には、

 

 〝ぷぷー、焦ってやんの~、ダサ~い〟

 

 と、あったのだが……

 

 「残念でした~~~!神羅さんのおかげで何ともありませんよ~~~だ!どんな気持ちですか!?頑張って用意した罠をあっさり無力化された気分は!」

 

 シアがここぞとばかりに文字に向かって煽りかえしていた。ここまでさんざん煽られ続け、それに反応し続けていたのだ。そうでもしなければ精神衛生上よろしくなかったのだろうが……

 

 「……完全にミレディと同類ではないか……」

 

 だが、そんな事を言ったらそれこそ彼女がどうなるのか分からないので黙っておくことにした。

 そのまま時に文字に対して煽りかえしながら罠を乗り越えて進んでいくと、スロープ状の螺旋を描くように下っていく通路にたどり着く。

 いかにもな場所であるため警戒しながら4人は進んでいくのだが、やはりと言うべきかガコンッという音が響く。スイッチもくそもない。まるで見ながら任意で起動させているような感じにハジメたちは文句を言いたくなる。

 それでも即座に全員が警戒していると、ゴロゴロゴロゴロと明らかに何か重たいものが転がってくる音が響いてくる。

 4人がすぐさま振り返れば、カーブの奥から通路と同じ大きさの大岩が転がってきた。定番と言えば定番だ。

 だが、ユエとシアは逃げようとはせず、どうしよう、と顔を見合わせる。なぜならあの程度、神羅が片手で受け止める未来しか見えないからだ。

 だが、その神羅の前にハジメが立つ。

 

 「……ハジメ?」

 「ハジメさん?」

 

 二人の呼びかけに答えず、ハジメは腰を深く落として右手を前に突き出し、左腕を引き絞り、正拳のような構えを取る。そして義手からは甲高い音が鳴り響く。更に靴からスパイクを練成して体をしっかりと固定。

 

 「これぐらい………てめぇで何とかできないとなぁ!」

 

 そう吠えながらハジメは勢いよく左腕を繰り出し、大岩に叩きこむ。凄まじい轟音と共に大岩全体に罅が走り、大岩の勢いが大きく減衰する。

 

 「ラァア!!」

 

 そのまま勢いよく拳を振りぬき、大岩を逆に粉砕する。ひじのショットシェルを使った加速、技能の剛腕、さらに振動を与えて対象を粉砕する振動破砕、全部盛りの一撃を以て神羅のようにトラップを強引に突破したのだ。

 ふう、とハジメが満足げに息を吐いていると、

 

 「ふむ、やるな、ハジメ」

 「ありがと。まあ、兄貴だったら片手で軽く受け止めてたんだろうがな……」

 

 まだまだだ、とハジメが首を横に振っていると、はしゃいだ様子のユエとシアが駆け寄ってくる。

 

 「ハジメさ~ん!流石ですぅ!カッコイイですぅ!すっごくスッキリしましたぁ!」

 「……ん、すっきり」

 「まあ、これでここら辺は安全だろう……」

 

 神羅がそう呟いた瞬間、ふたたびゴロゴロと言う聞き覚えのある音が聞こえてくる。その音にハジメ達3人が固まり、ゆっくりと振り返れば、黒光りし、表面の穴から何やら液体を垂れ流しながら転がってくる巨大な鉄球だった。

 

 「……嘘ん……」

 「な、なんですか……あの液体……」

 「まあ、普通の液体ではないだろうな」

 

 そう言うと神羅はそのままハジメたちの前に立つ。ハジメ達は即座に神羅の後ろに少し離れて待機する。

 そして神羅はそっと右手を前に突き出す。そこに鉄球が激突するのだが、神羅の体はびくともしない。見事、右手一本でその鉄球を押しとどめた。

 が、

 

 「ぐぅ!?」

 

 その瞬間、神羅の手に焼けるような痛みが走り、神羅は即座に鉄球を持ち上げると勢いよく投擲、鉄球はそのまま壁に激突すると壁を粉砕しながら消えて行ってしまう。

 

 「兄貴どうした!?」

 「な、何が起こった!?」

 「何ですか何ですか何なんですか!?」

 

 神羅が苦し気にうめき声を上げると、その様子にハジメたちは慌てて駆け寄ろうとするが、

 

 「来るな!ユエ、風壁でお前たちを包め!」

 

 神羅の一喝にハジメたちは急ブレーキをかけて停止し、ユエは即座に風壁を発動させ、ハジメ、自分、シアを風の壁で包む。

 その間に神羅は右手を宝物庫から取り出した布で拭うと、周囲に目を向け、その場でしばらく待つ。

 そして少しすると、布を宝物庫にしまい、ハジメ達の方を向き、

 

 「急いでここを出るぞ。説明はここを出た後にする」

 「え、ええっと……お、おう」

 「……ん」

 「は、はい!」

 

 神羅の有無を言わさぬような言葉にハジメたちは戸惑いながらも頷くと、風壁を解いてすぐさま移動する。

 そのまま通路の先を進んでいき、明らかにヤバ気な液体で満たされたプールをこえてたどり着いた長方形型の部屋にたどり着いたところで、ようやく一息を吐き、神羅に視線を向ける。

 

 「それで兄貴……一体どうしたんだよ。あの液体は……」

 「これがその答えだ」

 

 そう言って神羅が見せた右手を見て、ハジメとユエは大きく息を呑み、シアはひっ、と声を漏らす。

 その右手は爛れていた。赤く膨れ、皮がめくれあがってしまっており、中の肉が一部見えてしまっている。

 

 「そ、それは……」

 「あの液体でやられた。床などが溶けていなかったところを見ると、恐らくあれは毒の類だったのだろう」

 「ちょ、ちょっと待てよ……兄貴にここまでのダメージを与える毒って……」

 「この世界の人間であれば、触れるだけで即死だな……毒耐性など、無い様なものだ。気化したものを吸っただけでもアウトだろう」

 「……だから風壁で防御を……」

 「そ、そんな毒があるんですか……?」

 「トータスにはないであろうな……恐らく、我の世界の物であろう」

 

 そう言いながら神羅は宝物庫から包帯を取り出し、右手に巻いていき、更に力を開放する。こうしておけば、しばらくすれば毒も中和され、傷も癒えるだろう。

 

 「さて、それでここは………」

 

 神羅が部屋の中に目を向ける。それにつられてハジメたちも視線を向ける。部屋の中には無数の騎士の像が立ち並んでいる。

 その奥には黄色の水晶が埋め込まれた祭壇のようなものがある。

 

 「いかにもな場所だな。ここがミレディの隠れ家か?」

 「そうなると……最後のガーディアンがいるはずだ。それに、獣級試練もな。恐らく……」

 

 神羅がそう言っていると、目の前の騎士象たちの目にあたる部分が光り輝き、ガシャガシャと音を立てながら動き出す。恐らくゴーレム騎士というものだろう。その数、およそ50体。

 

 「まあ、そうだよな……兄貴、下がっていてくれ」

 「いいのか?この程度、片手でもどうにかなるぞ」

 「そうかもしれないけど、流石に頼りっぱなしはな……」

 「……ん。ここは私たちに任せて」

 「……そうか。分かった。ならば任せよう」

 

 そう言うと神羅は後ろに下がる。

 

 「え、ええ……?神羅さん抜きでやるんですか……?」

 

 ハジメとユエがやる気なのに対し、シアは少々及び腰だ。まあ、本来は温厚な一族の彼女だ。いかに神羅に稽古をつけてもらい、それなりに戦闘を経験したとはいえ、まだまだ経験不足だし、心のどこかで神羅に頼っていたと言うのもあるだろう。

 

 「シア」

 「は、はいぃ! な、何でしょう、ハジメさん」

 

 緊張した様子のシアに、ハジメは優しく語り掛ける。

 

 「お前は強い。俺達が保証してやる。こんなゴーレム如きに負けはしないさ。だから、下手なこと考えず好きに暴れな。ヤバイ時は必ず助けてやる」

 「……ん、弟子の面倒は見る」

 「それに、本当に不味い時は我も参戦する。そう気負う必要はない」

 

 3人の言葉にシアは息を呑むと、小さく笑みを浮かべながら気合を入れなおすようにドリュッケンを取り出して構える。

 

 「はい、やってやりますよ!」

 

 それと同時に、ゴーレム騎士たちが一斉にハジメたちに向かって襲い掛かる。




 神羅にダメージを与えた毒は当然モンスターバース産ですが、オリジナルの毒物です。一応これの設定は活動報告に上げていますが、こっちにも出します。

 ベーレム
 
 ペルム紀に生息していたヒトデと同じ種類の生物。体内で強力な毒素を生み出し、それを獲物や外敵に吹き付ける。毒素は海水に溶け、海水中の微生物が分解することで効力を失う。現代の環境では数日かかるが、ペルム紀当時の微生物ならば数時間で分解されていた。厄介なのは分解されるまでの間、一帯の海水は毒素に侵され、耐性が無い生物は死に耐えてしまう死の海域となる事。だが、ペルム紀の海生生物はほとんどがある程度の耐性を持っており、最低限の耐性でも数日留まるか、原液をかけられなければ耐えられるため生態系にはさほど影響はなかった。また完全な耐性を持つ生物も少なくないためベーレム自体は被捕食者側である。酸性などはないが、皮膚に触れるだけでも危険なため、扱う場合、浸透性のない素材でなければならない。

 今回の毒はベーレムの毒を濃縮したものであるため、普通の物よりも毒性が格段に強いです。
 なお、ユエが触れた場合、自動再生が発動する前に即死します。
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