ありふれた職業で世界最強 魔王の兄は怪獣王   作:夜叉竜

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 遅れてすいません!シンフォギアを書いた後、執筆にかかったのですが、いまいち納得がいくのが書けなくて………一回レンタルショップでVSシリーズ、モンスターバースシリーズを借りてきて、見て、それから書いてました。まあ、年内に間に合ってよかった………

 それでは、これが年内最後の更新です。皆さん、今年は色々ありましたがお疲れ様です。来年が少しでも良き年になるように。

 ではどうぞ!


第46話 ゴジラVSメトシェラ

 ゴジラとメトシェラが出現する少し前。その予兆はウルの町の避難民たちも襲っていた。

 ゆっくりとだが、確実に進んでいた彼らの後方から轟音が響いたのだ。最初、避難民たちは魔物が来たのではと軽いパニックに陥り、あちこちで悲鳴が上がった。慌てて愛子たちが落ち着かせようとしたが、

 

 「な、何だあれ……」

 

 どこかから漏れたそんな声に多くの者が反応し、そしてどうしてか全員がその方角が分かっているかのように町の方を振り返り、それを見た。

 後方、ウルの町を挟んだ平野部と思しき場所から突如として山が隆起した。それはそうとしか表現できない現象だった。

 あまりにも突然の、そしてありえない事態に、避難民の全員の思考が置き去りとなり、結果として誰一人として身じろぎもできず、ただただ呆然とその様子を見ていた。

 そして、高く高く立ち込めていた土煙が吹き飛ばされ、現れたのは山ではなく、あまりにも巨大な一匹の魔物だった。その巨大さは尋常ではない。かなり遠めだが、それでもウルの町のどの建物よりも遥かに巨大であることは分かる。それは遠近感も相まって、まるで町がミニチュアになったかのような錯覚を彼らに見せた。

 ゆっくりとそれが動き出しても誰もかれも動けなかった。まるで金縛りにあったように。まるでわずかな動きがそれの意識をこちらに向けてしまうと言わんばかりに。

 そうしていると、魔物の近場から再び土煙が立ち上る。天に届かんばかりに立ち上る土煙から、最初の魔物と同レベルの大きさの魔物が出現する。

 そこまで来て、ようやく彼らは状況への認識が追い付いてきたのか、ある者はカタカタと体を震わせ、ある者は唇を震わせながら一歩後退り、そしてある者は小さくうめき声を漏らす。

 そして、二頭の魔物が互いに咆哮を上げ、真っ向から激突した瞬間、恐怖が爆発する。

 その場が一瞬で悲鳴と絶叫で満ち、誰も彼もががむしゃらに走り出す。そこに秩序も何もない。文字通り無法。全員が魔物から距離を取ろうとして手にしていた荷物を放り捨て、邪魔になるならば子供だろうと老人だろうと関係なしに突き飛ばしてしまい、転んでしまった者は容赦なく後続の人間に踏みつけられてしまう。

 それは先ほどまで避難民を落ち着かせようとしていた愛子たちも同じだった。彼らの脳裏からは住民を守るという意識は吹き飛んでいて、全員が完全に腰を抜かしてへたり込み、顔面を蒼白にして、歯の根がガチガチをなっている。

 無秩序の集団となった避難民たちを護衛騎士や、一部の冒険者達がともすれば自分達も暴徒になりかねない状況で必死に恐怖を押し殺し、避難誘導しようとするが、数の比率が絶望的で、どうにもならない。

 瞬く間に彼らは散り散りとなって逃げまどっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大地を揺らしながら猛然と駆け出したゴジラとメトシェラが激突した瞬間、空間が破裂するような轟音と共に周囲一帯の空気がたわみ、揺れた。それは魔力を有していないにもかかわらず、その波が目視できるほど強烈なものだった。

 両者は激突と同時に激しく組み合った。メトシェラは顎の牙をゴジラに突き立てようとするが、ゴジラはその牙を真っ向から掴み、受け止め、押さえつけようとする。

 一切の小細工がない完全な力勝負。両者は咆哮を上げながら相手を押し返そうと全力で力を籠める。それだけで足元の地面が爆散するように隆起し、ちょっとした丘が形成され、その尋常ではない殺気に景色が歪んでいるような錯覚すら抱く。

 両者の力は完全に拮抗していたが、それを崩したのはゴジラだった。押さえつける力を不意に緩め、そのまま半身を後ろにずらす。唐突に拮抗を崩されたメトシェラは大きく前につんのめり、そのまま空いた空間に前のめりに飛び込んでしまう。

 即座にメトシェラはゴジラに反撃をしようとするが、当然彼の方が動き出すのは早い。ゴジラは両腕を振り上げ、真上からメトシェラの頭部に叩きつける。

 空気を震わせるその一撃はかなり効いたようで、メトシェラの巨体が大きく傾ぎ、頭部が地面に叩きつけられる。

 追撃せんとゴジラは再び腕を持ち上げるが、メトシェラもやられっぱなしではない。右腕を勢いよく薙ぎ払い、その一撃はゴジラの横っ腹に火花と共に直撃し、その巨体を揺るがす。

 不意の一撃にたたらを踏んでいるとその隙にメトシェラは体制を立て直し、そのまま頭部を破城槌のように振るい、ゴジラの腹部に渾身の頭突きをぶちかます。

 重量級の連撃に流石のゴジラも耐えきれず後ろによろめくが、すぐに踏みとどまり、咆哮を上げる。

 メトシェラも迎え撃つように咆哮を上げると再び両者は駆け出し、真っ向から激突する。

 今度は力勝負に移行しようとせず、互いに激突の衝撃で一旦距離を取ると、ゴジラは巨体を大きく回転させ、尾をメトシェラに叩きつける。轟音と共に叩きつけられた尾がメトシェラの巨体を大きく横滑りさせる。それだけで地面が土砂崩れでも起こしたように捲り上げられる。

 だが、メトシェラは倒れ込むのを堪えると、振り返ろうとするゴジラの横っ腹に突進を繰り出す。

 その一撃にゴジラも大きく吹き飛ばされる。かろうじて倒れ込む事だけは防ぐが、再び両者の距離が離れる。

 その間にゴジラは体制を整えようとするが、メトシェラはすかさず距離を詰め、その巨大な口を開け、ゴジラに食らいつこうとする。

 眼前にまで迫る巨大な顎をしかしゴジラは逆に距離を詰め、横っ面を殴りつけ、強引にその軌道を逸らす。

 対象を失い、バツン!と空気をかみ砕いた隙をゴジラは見逃さない。メトシェラの巨大な頭部に両腕を回し、力任せに押さえつけると、逆に首元に食らいつく。

 まるで山肌のような頑強極まりない甲殻にゴジラの牙は容赦なく食いこむ。流石にかみ砕くところまではいかないが、それも時間の問題だろう。

 だが、メトシェラも黙ってやられはしない。咆哮を轟かせるとゴジラを振りほどこうと激しく暴れ出す。ゴジラも振りほどかれまいとメトシェラを抑え込もうとし、互いにもつれるように暴れる。

 その被害は尋常ではない。その巨体が動くだけで地面が吹き飛び、地形が大幅に変えられていく。無数の瓦礫が四方八方に飛び散り、地面を抉る。轟く咆哮が大気を揺さぶり、空間が悲鳴を上げる。

 それは例えるとするならば、災害の殺し合い。台風と台風が、地震と地震が。それ一つでも人間の営みを容易く蹂躙できる自然災害同士が、己の持てる全ての力を持って相手を滅さんと喰らい合っている。

 その様相は想像を絶する地獄だ。その場の全てが、大地も含めて容赦なく蹂躙され、粉砕され、踏み潰され、吹き飛ばされる。そこにいるのを許される命は二つだけ、喰らい合う者同士だけだ。

 天を揺るがすように二つの咆哮がその場を呑み込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その光景をハジメたちは茫然とした様子で見つめていた。本来ならば逃げなければならないのだろう。脇目も振らず逃走するのが最善だ。幸いにもまだ距離はあり、被害も町にまでは届いていない。だが、ここもいつまでも安全ではない。戦闘状況ではここも十分にその被害に飲み込まれる領域だ。

 だが、動けなかった。ウルの町なぞちゃっちなジオラマのように薙ぎ払うような戦いを目の当たりにして恐怖に飲まれて、ではない。彼らは、ただただ圧倒されていたのだ。炎等を吐き合ったりも、特別な力を使ったりもせず、ただひたすらに互いにその身一つでぶつかり合っている原初の戦い。それはあまりにも苛烈で、凄絶で、そして人知を超えていた。まるで神話の世界に迷い込んでしまったかのようで、完全に彼らはそれに吞み込まれ(魅入られ)、動くことを忘れていた。

 

 「………なんと……凄まじい……」

 

 呆然とティオが口を開いた瞬間、ハジメ達はようやく正気に戻る。はっとすると、一瞬自分たちの状況が把握できていなかったのか周囲を見渡すが、すぐに思い出し、慌てて車内に身を戻し、

 

 「ヤバい!完全に呑まれてた………!ティオ!早く顔を引っ込めろ!急いで距離を取るぞ!」

 「え、あ……う、うむ!了解じゃ!」

 

 一歩遅れてティオも正気に戻ると慌てて車内に顔を引っ込める。それを確認するや否やハジメは4輪をフルスロットルで爆走させ。ウルの町を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハジメたちがウルの町から離脱してしばらく経った頃、戦況に変化が訪れる。

 依然ゴジラは全力でメトシェラを押さえつけ、メトシェラの首元に食らいつき、メトシェラは何とかゴジラを振りほどこうと暴れている。だが、ゴジラは決して手を離さず、更に顎に力を込めていく。すると牙がさらに深く食い込んでいき、遂に首元の甲殻からバキバキと言う異音が響き始める。

 だが、それと同時にメトシェラは大きく体をよじり、その反動で大きく全身を振り回すと遂にゴジラの拘束から脱出し、更にすかさず右腕を持ち上げ、渾身の力でゴジラを殴りつける。

 空気が破裂するような轟音と共にゴジラの巨体が大きく後退し、よろめくが、ゴジラは何とか踏ん張って倒れるのを防ぎ、メトシェラを睨みつける。

 対しメトシェラはゴジラに追撃をしようとはせず、その場で彼を睨みつけると、大きく口を開ける。

 その瞬間、周囲の大気と言う大気が根こそぎメトシェラの口腔に収束し始める。それはメトシェラからすれば大きく息を吸い込んでいるだけなのだが、それだけで超大型の台風が発生したかのような爆風が吹き荒れ、無事だった木々が激しく揺れ、中には圧し折れるものまである。

 それを見たゴジラが訝しむように顔を歪めるが、何かされる前に潰すと言わんばかりに走り出す。

 大地を砕きながらゴジラは一気に距離を詰めるが、メトシェラのほうが一手早かった。

 息を吸い込み切ったメトシェラが首を僅かにもたげ、その胸元、喉元の筋肉が隆起するほど力込め、口を開いた瞬間、

 

 

 音が消えた。

 

 一瞬、奇妙なほどの静寂が戦場を支配した瞬間、今度こそ空間が爆裂した。そうとしか思えないほどの凄絶な爆音が轟き、ゴジラの巨体が文字通り吹き飛ばされる。

 さらにゴジラの周囲の地面が扇状に消し飛んだ。それは、そうとしか表現できない現象だった。確かにそこにあった地面が、森が、地形が、跡形もなくごっそりと消滅し、それによってできた巨大なクレーターにゴジラの巨体が地響きと共に叩きつけられ、更に大地を砕き散らす。

 それは原理としては単純。大量の空気をため込み、更にそれに魔力を上乗せして圧縮、破壊力を増大させて吠えるように打ち出す咆哮砲とでも呼ぶべき一撃。

 それは直撃すれば並みの存在なぞ塵も残らず消滅するだろう一撃。だが、それを喰らっても、ゴジラは健在だった。叩きつけられ、少なくないダメージを負ったゴジラだったが、うめき声を上げながらも大きく頭を振って上体を起こし、メトシェラに咆哮を上げ、警戒するように睨みつける。

 前世で、何度かこの種族とは戦ってきたが、こんな攻撃はしてこなかったはずだ。自分と同じように魔力を得て、新しい力に目覚めたか………

 面倒を感じつつゴジラは立ち上がる。今のゴジラは魔法が使えない。魔力は全て己の肉体すべてに回しているからか、それとも魔懐が発動しているからか、折角習得した重力魔法もこの状態では使えないのだ。しかも相手には魔懐はさほど効果を発揮していない。相手は新しい力を得たのに自分はその力を十全に使えない。もどかしさを感じつつもゴジラは頭を振る。それだけで重力魔法の事はあっさりと忘れる。

 意識を切り替えたゴジラはこちらに突っ込んでくるメトシェラを再び迎え撃つ。

 巨体と巨体が激突し、激しく空気が揺れるが、ゴジラはメトシェラの牙を掴むとそのまま真上からその巨大な頭部に頭突きを叩きこむ。

 脳天への一撃にメトシェラの巨体がゆらぐ。その瞬間、ゴジラはそのままメトシェラの巨体を振り回そうとする。メトシェラも何とか抵抗しようと踏ん張ろうとするが、ふらついた今はそれも満足にできない。

 ゴジラが一際大きく咆哮を上げ、全身の筋肉を隆起させ、その全てを開放し、メトシェラの巨体を投げ倒す。

 凄まじい地響きと共にメトシェラは横倒しになり、その隙を逃さず、ゴジラは追撃に蹴りを叩きこむ。

 メトシェラはうめき声を上げながら手足を激しくばたつかせ、抵抗する。だが、ゴジラはそれに構わず距離を詰め、メトシェラの頭部を抱き込むように掴むと、呻きながら先ほど以上に全身に力を籠め、上体を起こす。

 すると、何万トンとあるであろうメトシェラの巨体をゆっくりとだが持ち上げられていく。数百メートルもの巨体が持ち上げられ、抵抗するようにメトシェラは激しく宙に浮いた手足を振り回すが、ゴジラは揺るがない。

 そしてゴジラは軽く左右に体を振って勢いをつけ、そしてその勢いを乗せてメトシェラを投げ飛ばす。

 先ほどとは逆にメトシェラの体が宙を舞い、地面に叩きつけられる。凄まじい轟音と共に再び大地が砕け、地割れが引き起こされる。

 それだけの一撃を受けながらも、だが、メトシェラも怪獣。ゆっくりと頭を振って体を起こすと咆哮を上げ、そのまま空気を吸い込み始める。

 再び周囲の大気がメトシェラの口腔に猛烈な勢いで吸い込まれていくが、黙ってみているゴジラではない。

 即座に走り寄ってメトシェラとの距離を詰めると、そのまま巨体を持ってぶちかましを繰り出す。

 凄まじい轟音が響き、メトシェラの巨体が大きく傾ぎ、空気の吸引が収まる。

 それでもゴジラは止まらない。そのまま連続で体当たりをぶちかまし、メトシェラの巨体をのけ反らせ、巨体を大きく回転させて尾を至近距離で叩きこみ、メトシェラを再び吹き飛ばす。

 だが、メトシェラは両腕の爪を使ってブレーキをかけて強引に勢いを押し殺す。そして止まると同時に一気にゴジラとの距離を詰め、大口を開けて食らいつこうとする。

 ゴジラは即座にそれを回避するが、メトシェラは続けて噛み付こうとする。ゴジラは迫る口を牙を掴み上げることで押さえつけようとする。それでもメトシェラは諦めず、ゴジラを押しのけ、喰らい付こうと顎を開閉させる。

 ゴジラはそれを力ずくで押さえつけ、逆に大きく息を吸い込み、

 

 ゴガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

 

 全力の咆哮を叩きこむ。そこには魔力が込められていないため、メトシェラのような破壊力はない。だが、至近距離で大音量をぶち込まれたメトシェラは呻きながら嫌がる様に頭を振り、力が弱まる。

 それと同時にゴジラはメトシェラを押し返し、距離が離れたところでゴジラの巨体が再び回転、強靭な尾の一撃がふらつくメトシェラを直撃し、大きく吹き飛ばす。

 大きく距離が離れたところで、ゴジラはメトシェラを睨みつけ、それ(・・)を繰り出す。

 ゆっくりと揺らめく尾の先端の背びれが青白く輝きだす。その輝きはゆっくりと背びれをたどって背中に向かって登っていく。それに伴って口を開け、大きく息を吸い込む。全身の筋肉が脈動し、大きく胸元がせり上がり、その顎に凄まじい力がかかる。

 そしてゴジラが態勢を整えようとするメトシェラを青白く輝く目で睨み、その力を全て解放した瞬間、

 

 口から青白い、チェレンコフ色の炎を凝縮した熱線が放たれる。

 

 それは直撃すれば万物を滅却させる焔。熱量ではミレディの白陽すら超えるであろう人知を超えたまさに神の一撃。それに耐えられる者はいない。

 その熱線がメトシェラの左側頭部を直撃する。だが、流石は同格と言ったところか、メトシェラは健在だった。それでもかなりのダメージがあるようで、ここに来て初めて悲鳴を上げながらその巨体がその威力に大きく押し返される。

 何とか押し返そうとするのだが、それも叶わない。絶対的に押し負けており、熱線が直撃している側頭部の甲殻が赤熱化し、融解を始める。

 そしてゴジラがダメ押しと言わんばかりに熱線の出力を上げた瞬間、爆裂音が轟き、メトシェラが絶叫を上げながら吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

 爆発を起こしたメトシェラの左側頭部は甲殻が融解し、目が潰れてしまっている。そしてその頭部にあった牙が根元から圧し折れていたのだ。その眼前に圧し折れ、宙を舞っていた牙が突き刺さる。

 だがそれでもメトシェラは健在だった。咆哮を上げながらジタバタと手足を動かし、どうにか起き上がり、ゴジラを残った隻眼で睨みつける。

 それをゴジラは真っ向から受け止め、咆哮を上げながら逆に睨み返す。

 そのまま両者は動かない。互いに視線だけで相手を殺さんとするように睨みつけ、唸り声をあげる。先ほどまでの凄まじい戦闘とは打って変わった静寂が漂い、それに反するように空気が、空間そのものが引き絞られた弓の弦のように張り詰めていく。

 その張りが限界まで引き絞られようとした瞬間、メトシェラが動く。

 ズシリと両腕が地面を抉り、

 

 激しく、苛立ったようなうなり声と共にゆっくりと巨体を伏せ、頭を下げる。

 それはまるで己の敗北を認め、王にひれ伏すかのような動き。

 実際その通りだった。メトシェラは己の敗北を認めたのだ。己の最大の攻撃を防がれ、逆に自分は大きな傷を負った。これ以上戦っても結果は目に見えている。ならば認めよう。今はの目の前のこいつが強者であり、勝者だと。もっとも、メトシェラは凄まじい苛立ちを覚えており、出来るなら今すぐ反撃に転じたかった。だが、それも命あってこそ。生き延び、今度こそ(ゴジラ)を下すために、一時の屈辱を呑み込もう。

 ゴジラは身を伏せたメトシェラをしばし睨んでいたが、大きく鼻を鳴らすと軽く吠え、

 

 ゴガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!

 

 真っ白な太陽が昇った天に向かって勝鬨の咆哮を高らかに轟かせる。




 登場怪獣紹介。

 メトシェラ

 凄まじい巨体を持つ怪獣。非常に凶暴かつ好戦的で、敵と認識すれば、相手が何であろうと戦いを挑む。植物を急速に成長させる能力を持っており、普段はそれを使って自分の周りを植物で覆い、山などに擬態している。
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