7/3 追記、タイトル変更
ふう、とため息を吐くと同時にユエはその場にぺたん、とへたり込む。ようやく終わったと実感した瞬間、どっと凄まじい疲労感に襲われたのだ。
深いため息を漏らしながらユエは自分の手に視線を落とし、ぐっ、ぐっと手を握る。
「やっぱり、魔力が戻ってる………どうして急に……」
唐突に魔力が狂い、そして唐突に治った。あまりにも急すぎて怖くなってくるが、ユエは自分なりに理由を考え、ある可能性に至る。
(もしかして、神羅が相手をしている怪獣がそう言う能力を持っている?あいつの近くで、似たような状態になったし……でも、あいつはこの町からかなり離れてるだろうに……)
あの怪獣と神羅が近くで戦っているなら、その影響はこの町にも及ぶはず。だが、そう言った形跡がないと言う事は、少なくとも、神羅と怪獣はウルの町の時と同じかそれ以上の距離、少なくとも数キロは離れているはずだ。それで至近距離以上の阻害効果を発動させるなど、尋常ではない。効果が切れたと言う事は、倒されたのだろうが、それでも恐ろしい能力だ。
その事実にユエが軽く身を震わせていると、
「ユエさん、大丈夫ですか!」
「ユエちゃん!」
シアと香織が慌てた様子で駆け寄ってくる。
「二人とも……うん、大丈夫」
「大丈夫って……!思いっきり血を流してたじゃん!ほら、早く見せて!」
香織は無理やりユエの傷を見ようと迫るが、直後に困惑の声を漏らす。ユエの服は、容赦なく裂かれ、血もこびりついているのだが、肝心の傷がどこにも見当たらないのだ。
「大丈夫。私は死なない……いや、正確には死ねない、かもね。どんな傷もすぐに治っちゃうから」
「そ、そうなの……?」
香織が困惑したように問うと、ユエは自嘲気味に口元を歪めながら小さく頷く。
「って、そう言えばユエさん、魔法使ってましたよね!?それじゃあ……」
「ん。魔力阻害は効果を失っている。もう魔力は普通に使える」
シアはすぐに魔力を操り、思い通りに動くことを確認すると、安堵のため息を漏らす。
「本当です……決着はついたとはいえ、ホッとしました……力を使えるってすごくありがたい事ですね~」
「……本当。ライセンとは比べ物にならない」
ライセンでは魔力分解で魔法を使うのはかなりの負担になるが、それでも使う事はできる。だが、ついさきほどまでは魔力を使う事すらできなかったのだ。どっちが厳しいか考えるまでもない。
「大丈夫か!?」
その声に振り返れば、光輝や雫をはじめとした外で戦っていた神の使徒達が駆け寄ってくる。
「一応ね。もう鳥は残っていない。戦いは終わった」
その言葉に彼らは思わずと言うようにほっと息をつく。
光輝もほっとした顔を浮かべるが、すぐに表情を引き締め、
「そうか…………だけど休んでる暇はない。あの怪獣や大型の魔物もいるんだ。急いで南雲たちと合流しよう」
聖剣を握りなおしながら光輝はそう告げる。その言葉にクラスメイト達は言葉の意味が分からないと言うように目を点にする。つい先ほどまで死にかけていたのに、傷だらけの身体であの鳥よりも巨大な魔物と戦うと言われたのだ。理解できない、したくないと思って当然だ。
「ちょ、ちょっと待ちなさい光輝!いくらなんでもそれは無茶よ!」
「大丈夫だ。今の俺たちは魔力を使える。聖剣も力を取り戻した。今なら負けない!」
聖剣を掲げながら発せられた言葉にユエとシアは本気で絶句した。どうやら彼らも魔力が使えるようになっていると言う事に気付いているようだが、だからって怪我人が大勢いるこの状況で戦おうとするなんて正気ではない。
シアが呆然としている中、ユエは顔を手で覆い、深く深く深呼吸をして自身を落ち着ける。ここで揉めたところで何の意味もない、時間の無駄だ。
「…………それなら問題ない。多分、どちらも決着はついてる。ハジメと神羅の勝ちで」
努めて冷静に絞り出されたその言葉に全員がえ、と声を上げる。
「どうしてそう思うの?ユエちゃん」
「まず、あの魔力阻害効果は神羅が相手をしている怪獣の能力だと思う。それの効果が切れていると言う事は、怪獣は打ち倒されたって事。で、ハジメの方は、単純に戦いが終わってないなら、まだ戦闘音とか聞こえてるだろうし、突破されてるならすぐに気付く。それがないって事は、戦いは終わって、ハジメが勝ったって事。シア、何か戦闘音は聞こえる?」
「え!?あ、いえ……特にそう言うのは聞こえないかと……」
「なら問題ない。少なくとも、ハジメ達の方は決着がついた」
ユエが断言すると、光輝はそ、そうなのか……と呟きながら聖剣を下げる。クラスメイト達はようやく戦いが終わったという実感を得たのか、表情が緩む。が、その瞬間、唐突に何人もその場にへたり込んでしまい、更には彼らの身体がカタカタと震え始める。
「あ、あれ……?なんで……」
自分の体の異変に彼らは戸惑ったような声を上げる。どうやら死にかけたという恐怖がここに来て一気にぶり返したようだ。
その光景にユエは肩の力が抜けるのを感じる。かつての自分ならその有様を蔑んだろうが、今はしょうがないとユエは思う。自分だって怖かった。怖いものは怖い。当然の事だ。
大事なのはそれでも動く事なのだ。
「……戦いも終わったし、少し休んでたら?」
「そうですね……皆さんはそうしたほうがいいかもしれません。で、ユエさん。私たちはどうします?ハジメさん達と合流しますか?」
「ん……3人の無事を確認したいし、そうしたいけど、ミュウの無事も確認したい………」
「それじゃあ二手に分かれますか。私がミュウちゃんの安全を確認するので、ユエさんはハジメさん達と合流を」
シアの提案にユエが小さく頷くと、
「待って!ハジメ君と神羅君の所に行くの?だったら私も連れて行って!」
香織が強い口調で叫び、ユエは彼女を見上げる。
「あんな事があったんなら、二人……あ、ティオさんも含めて3人だ……もケガをしているかもしれないでしょ?私も回復魔法が使えるようになったから……」
絶対について行くと言わんばかりに強い眼光で香織はユエを見つめる。
「……戦いは終わったって言ったけど、まだ敵が残ってるかも」
「それでも、だよ。今度こそ、二人を助けたいし……怪我をした人を治すのが私の役目だから」
その言葉にユエは小さく笑みを浮かべると、
「うん、分かった。お願い」
「それじゃあ、行きますか」
シアの言葉の元、3人が動こうとした瞬間、
「ま、待ってくれ香織!怪我人ならここにも大勢いる!まずはここの人たちを……」
光輝の言葉にユエとシアは顔を見合わせ、周囲を見渡す。確かに周囲には大勢の怪我人がいる。
「皆さんの中で、回復魔法が使えるのって香織さんだけなんですか?」
「え?ううん。もう一人、辻ちゃんって子が治癒師だけど……」
「……じゃあ、そっちはその辻って人に任せれば?」
「うん、そうだね。それがいいかも」
「ええ!?で、でも、私、白崎さんみたいにうまくできなくて……白崎さんも手伝って........」
その辻は自分には香織ほどの力はないと卑屈な表情で言う。その顔を見て、ユエは小さくため息をつき、口を開こうとした瞬間、
「辻ちゃん。力の過多なんて関係ない。重要なのはあなたにしかできないことがあるって事。だったら、それを全うして。自分のできる事を、全力で」
「あ、う……」
「魔人族の襲撃の時だって、私一人だったらきっと全滅していた。辻ちゃんが頑張ってくれたから、助かったんだと思う。辻ちゃんは貴女が思ってるよりずっと強い。だから……こっちはお願い」
香織は辻の顔を真っ直ぐに見つめながら言う。実際、幾ら香織の能力が辻と比べてずば抜けていたとしても、彼女一人ではあの魔人族の襲撃を耐え切ることはできなかった。他の者達が、辻がいたから生き残ることができたのだ。
辻は一瞬目を丸くした後、ためらいがちにうん、と小さく頷く。
「……よし、それじゃあそう言う事で、早く行こう。まあ、香織も重傷者に回復魔法をかけてあげるぐらいはした方がいいかも。こっちも回復薬ぐらいは分けてあげるから」
「あ、そうだね........」
「ありがとう……そうね。怪我人は町に大勢いるだろうし、分担もかねて別れた方がいいわね。それでいいわよね?光輝」
雫の問いかけに光輝はどこか納得していなさそうな表情を浮かべるが、小さく頷き、彼らは各々の役割を全うしようと動き出す。
ユエと香織は目の前の崩壊した城壁を見上げている。曲がりなりにも大迷宮を内包する都市の城壁だ。ちょっとやそっとじゃ壊れない頑強なそれが見るも無残に半壊している。冒険者から話を聞いてここに来たのだが、間違いなさそうだ。
ユエが重力魔法を使って自分と香織の体を浮き上がらせる。宙に浮くという初の体験に香織は目を白黒とさせ、杖を握る手に力が籠る。
そのまま城壁を乗り越えれば、目の前にスカル・デビルの巨体が飛び込んでくる。
スカル・デビルは力なく地面に倒れ込んでおり、その頭頂部は半分ほど吹き飛ばされており、流れ出た大量の血が地面に広がっている。
「本当に……大きい………」
目の前の巨体を見て、自分たちが戦ったのが本当に子供だったのだと自覚したのか、香織は茫然とした様子で呟く。
地面に降り立った二人が周囲を見渡すと、少し離れた所に座り込んでいるハジメとティオの姿があった。
「ハジメ!」
「ハジメ君!」
「ん?ああ、ユエと白崎か。そっちも片付いたようだな」
ハジメが駆け寄ってくる二人に手を振るが、香織はハジメの左腕を見てひっ、と声を詰まらせる。
「は、ハジメ君……!その腕……」
「ん?ああ、問題ねえよ。義手を外しただけだ。動かない鉄製の義手なんざ、重り以外の何物でもないからな」
ハジメは外された義手を持ち上げてプラプラと動かす。
「で、でも……左腕……無いんだよね……?」
「……まあ、そうだな」
ハジメは頷きながら改めて左腕を見つめる。今までは義手があったから、壊れても不便には感じてもそこまで深く考えることはなかった。だが、今回の事で、義手があればいい、とはハジメは思えなくなっていた。
(……欠損部位の修復ってファンタジーじゃ結構定番だよな。トータスにもあるのかねぇ)
「……ティオも大丈夫?なんか服がすごい事に……」
「ああ、大丈夫じゃ。少しでも戦いやすくするためにの……これは竜人族伝統の服じゃが、動きやすい服に変えたほうがいいかもしれん」
「……分かった。いいお店を知ってる」
クリスタベルに会わせるのが楽しみだ、とユエは内心でいたずらっぽく微笑む。
「二人とも、大丈夫?怪我してるならすぐに回復魔法を使うから」
「それなら問題ない。回復薬を飲んだし、体は頑丈だ」
「妾もこの程度ならば問題はない」
「そっか……よかった……」
「それでハジメ。神羅の居場所は知ってる?」
ユエが問うと、ハジメとティオは黙ってある一方を指さす。
その方角、数キロ先には森が存在しているのだが、その中に森の木々よりもはるかに巨大な巨体が横たわっている。
それを目にした香織は驚いたように目を見開き、顔を引きつらせる。
「あ、あれって……もしかして………」
「……あいつ、かもな。動かないから死んでるとは思うが、怪獣ってのはしぶといってのが相場だ。もう少ししたら確認に向かうけど……」
「わ、私も連れてって!神羅君が怪我してるなら治さないと!」
その言葉に、ハジメは小さく唇を引き結び、
「……いいのか?」
「え?」
「あ~~~その……なんて言えばいいか………」
ハジメは困ったように頭を掻いてうめき声を上げるが、少ししてため息を泣きながら香織と向き直り、
「えっと……このままついてきたら………白崎は兄貴の秘密を知ることになる。正直に言って、その時白崎が兄貴への好意を保ち続けられるかは断言できない……今までの関係が壊れる……その確率の方が高い。それでもいいのか?」
ハジメが真っ直ぐに香織の目を見つめながら問うと、彼女は気圧されるように息を呑む。だが、少しすると、小さく息を吐き、
「……ねえ、ハジメ君。それって……神羅君が私を、私たちを騙してたって事?」
「いや、違う。秘密にしてきたことはあるが、騙してたってわけじゃない。それだけは断言できる」
神羅は人間に転生してからもゴジラだった。人間の価値観に沿って動いていたが、それでも内面はゴジラのままだ。そこは間違いない。
その言葉に、香織は小さく頷く。
「それなら……大丈夫……私が見てきた神羅君が本物なら、何を見ても大丈夫。私の気持ちは揺らがないよ」
「………そうか。そんじゃあ、ついて来いよ」
そう言いながら、ハジメは宝物庫からブリーゼを取り出す。
休憩を挟んで、ハジメ達はブリーゼを駆って怪獣が横たわる森林地帯に向かっていた。
道中、スカル・デビルが出てきたであろう大穴を見ながら彼らは十数分後には森……正確にはかつて森だった場所に辿り着いていた。
「まあ、ある程度予想はしていたが……」
遠目からはまだ森と呼べる状態だったが、近づけば、それが勘違いだったと気づかされる。外側はそれほどでもないのだが、森の中を進むにしたがって景色が様変わりしていく。多くの木が根こそぎ薙ぎ払われ、地面は抉られ、見るも無残な状態だ。その中に、山のような巨体が横たわっている。
生物の気配がまるでない静寂の中を彼らは巨体を目印に、それでも慎重に、ゆっくりと歩いていくのだが、残された木々の隙間から巨大な異物が見え始めたところで、彼らは口を引き結ぶ。
進んだ彼らの前に現れたのは、巨大な怪獣の死骸だ。頭部の形状から迷宮に現れた個体で間違いない。その赤い目は光を宿しておらず、全身が傷だらけで、特に喉元がひどく、食いちぎられたかのように大きく抉られている。そこから流血した血で、周囲の地面はぬかるんでしまっている。
「やっぱり死んでる……」
「ああ。どうやら、兄貴の勝ちらしいな」
「こ、これを神羅君がやったの………?」
戸惑う香織の問いに、3人は小さく頷く。
「ふむ……しかし、そうなると妙じゃな。勝利したのなら、なぜ未だ神羅殿はあの姿に………」
「まあ、確かにな……」
ハジメは森から突き出した背びれを思い出し、首を傾げる。
「えっと……どう言う事?」
香織が首を傾げていると、ユエは静かに目の前の怪獣の死骸とは別の方向を指さす。
つられて香織は視線を向け、目を見開く。そこには目の前の怪獣の死骸に負けず劣らずの巨体の背中が見えたからだ。
「え、ええぇぇぇぇぇ!?べ、別の怪獣!?」
「まあ、そんなところだ。行くぞ。あそこに兄貴がいる」
ハジメの言葉に香織は首を傾げるが、ハジメとティオは構わず歩き出し、ユエは軽く彼女の背中を押す。
ユエに促され、香織は戸惑いながらもハジメたちの後を追いかける。
目の前の巨体を前に、香織は茫然とした様子で目を見開いていた。
森の一角、多くの木をなぎ倒しながら一匹の怪獣が横たわっている。先ほどの怪獣とは違う、恐竜のような頭部はあの昆虫じみた怪獣の無機質さとは違ったすさまじい威圧感がある。
だが、それよりも重要なのはその怪獣の鼻から生暖かい強風が吹いている事。それは、目の前の怪獣がまだ生きていることを示す。
だが、隣のハジメ達は驚いた様子もなくその姿を見ている……いや、ユエが小声で大きすぎ、と呟いている。
ハジメが一歩足を踏み出し、怪獣の眼前に立つ。
「は、ハジメ君……」
思わず香織がハジメに手を伸ばした瞬間、
「兄貴、起きてるか?」
一瞬、その言葉の意味が分からず、香織はえ、と声を上げる。
ハジメの言葉の意味が理解できず、固まる香織を後目にその声に反応するように怪獣が目を開け、喉奥で唸りながら両手を地面につき、上体を少し持ち上げる。
怪獣はハジメ達を静かに眺め、香織を見やると、唸りながら首を傾げる。それはまるで、なぜ彼女がここにいるのか分からないと言っているようだ。ハジメが肩をすくめると、ゴジラはやれやれと言わんばかりに目を細める。
「は、ハジメ君……?兄貴って………まさか……」
「ああ。これが兄貴の秘密。兄貴の正体はゴジラって言う怪獣の王で、その力が振るえるんだ」
ハジメの言葉にゴジラは低く唸りながらゆっくりと首を縦に振る。
その一連の流れで、目の前の存在がこちらの言葉を解し、同意していることが嫌でも分かる。それはつまり、にわかには信じがたいが、目の前の怪獣が神羅であると言う事だ。
「……ハジメ君、本当にこの怪獣が神羅君なの?」
「ああ、そうだ。間違いない」
香織は茫然とした様子でゴジラを見上げ、ゴジラは静かに香織を見つめる。
それから少しすると、香織は意を決したように顔を引き締めると、ゆっくりとゴジラに近づいていき、恐る恐ると言った様子で手を伸ばす。ゴジラは身じろぎもせず、黙ってその様子を見つめている。
そして遂に、その手がゴジラの皮膚に触れる。途方もない年月を経た大木に触れているような感覚とはっきりと感じる生命の脈動に香織は圧倒されるように言葉を詰まらせる。
ゴジラはしばらく触れられていたが、小さく唸りながら僅かに身じろぎをする。香織が慌てて手を放して離れると、ゴジラの全身が黒い魔力となって崩れ、それは瞬く間に一つの影に収束していく。
人間に戻った神羅はふう、と小さく息を吐くと呆れたような視線を香織に向け、
「全く……何をしているんだお前は……」
「あ、あはは……本当に神羅君だ……」
乾いた笑みを浮かべる香織だが、彼に向ける視線に変化はない。その事に神羅は呆れたようにため息を吐く。
「お疲れ、兄貴。見た所怪我してないみたいだが……」
「ああ。まあ、奴の能力は我にも干渉するからな、少し休んでいたのだ。元々、奴らは我らの種族にとっての天敵だからな」
「神羅殿ほどの力を持っていても天敵と言うのは在るのか……」
「それが自然というものよ……そっちは大丈夫だったか?」
「そうでもない。怪獣の一件で魔物の群れが暴走して町を襲った。結構被害が出てるみたいだ」
「そうか……なら、そちらの対応をしておくか……しかし、あの姿で人に触られる事など、久しぶりだったな……」
「え?前にもゴジラに触れた人がいるの?」
「……ああ。前に、一回だけな………」
『さらば……
「友……か」
あの時は意味が分からなかった言葉を口の中で呟くと、神羅は不意に空を見上げる。もしかしたら、どこかであの男も見上げたかもしれない青い空を。
ちょっと光輝はやりすぎたかな?でも、なんかこれぐらいはやらかしそうなんだよね……うん。