ぐだぐだMoiraアカデミア   作:冥府さん@がんばらない(古)

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 しきしゃはきみのみかたさっ☆

 屋根裏の少女とか知らなかったんですけど例のグラサンの創作能力がどれだけイかれてるのかを屋根裏と檻を漸く知ってビビりました。あれですよね。掟上今日子の備忘録であったなんぞや小説家のノンシリーズみたいなことやっててドン引きです。


4コマ漫画のようなテンポ感を目指す話 - 2

 人間覚悟を決める必要がある日は必ずやってくる。それがどんなことであろうと。それは一つの運命を呪う日なのかもしれないし、一つの運命を祝福する日なのかもひしれない。あるいはそのどちらでもないのかもしれない。

 

 エレフ少年からすればそれはどちらかというと前者であり、番外ではない。当然のように彼は運命を呪うこととなった。

 

 こいついっつも呪ってばっかだな。

 

 と、いうことで文化祭当日。

 

 エレフは現在ミーシャに連れられた教室の中で着替えさせられ、現在の自分の姿を姿見で見せられた。

 

 完膚無きまでにメイド服。

 

 そりゃあエレフはミーシャの姿を見せたくもなかったし、女装するかどうかを天秤にかければミーシャのほうが遥かに重い。均衡が取れるわけもない。傾く。

 

 だからといって、女装するというのは少年からすればあんまりにいい経験ではなく。

 

 当然のごとく、エレフの目は死んでいた。

 

「似合ってるよ、エレフ」

 

「……………………ありがとう、ミーシャ」

 

 と、いうことで。

 

 エレフがミーシャに連行されるように教室に戻ったとき、クラスは爆笑の渦に包まれたとか。

 

「エレフ……お前……! くっそ……! くっそ……!」

 

「それ以上笑ったらお前の頭ギターでかち割るからな」

 

「おいエレフ! こっち向けよ!」

 

「お前の後ろに影が見えるぞ」

 

「ひえっ」

 

 さよなら、ミーシャ……!

 

 もうどうにでもなーれ☆ の精神でエレフは準備を待つことにした。中学の文化祭でここまで規模大きいとかお前何考えてんだ教員とかせめて笑ってないで働け教員という目でエレフが担任を見ると、彼は小さく笑み、

 

「人間覚悟を決める時があるものだよ」

 

「畜生!!」

 

 

 

 

「……やっぱり外はこわいし大変だね……足も痛いし……帰っちゃ駄目?」

 

「ムシュー、今回は折角お呼ばれしたんですから」

 

「オルタンス、そうは言っても……」

 

「ムシューは少し働くべきです」

 

「ヴィオレット……君まで……あ、メイド喫茶だって。どうする? 寄って見る? 楽しそうだし寄ろうよ」

 

「ウィ、ムシュー」

 

 うぃむしゅした(許可を得た)ので、暑苦しい服装をした少年が扉を開くと、そこにはメイド服姿の少年が立っていた。

 

 エレフだ。

 

「いらっしゃいませご主人様、ご注文を」

 

「えっ……あの、君どうしたの……? ちょっと顔怖いんだけど」

 

「ご注文はありませんか?」

 

「いきなりそう言われても……メニューとかはないのかな?」

 

「ならば冥府の王にでも仕えるがよい」

 

「怖っ、この人怖いんだけど」

 

「既にメイド侍らしてるようなやつがメイド喫茶来てんじゃねぇよ……」

 

「いや、二人はメイドじゃないんだけど……」

 

「そう大差ありませんよ」

 

「ですわね」

 

「えっ」

 

 ぼくのかわりにめぐっておくれー☆ だけでなく現在働かざる冬の天秤と化している彼の身の周りの世話をしているのは二人だ。

 

 エレフの頭に弓矢が突き刺さった。

 

「うわらばっ」

 

「なにやってんだお前……すいません、この馬鹿が。どうぞ中へお入りください」

 

 オリオンが丁重に三人をもてなし、その場は終了となった。

 

「オリオンてめぇなんでメイド服も着てねぇお前がこっち出てきてんだよ……!」

 

「エレフてめぇなんで客に舐め腐った態度とってやがんだよ……!」

 

「客が私に何をしてくれた……? 愛する者(羞恥心)を奪っただけではないか! 笑わせるなぁ───ッ!!」

 

「『弓が撓り弾けた焔夜空を凍らせて……』」

 

「馬鹿野郎そんなもの店内で撃とうとすんな! あと技名なげーよ馬鹿!」

 

「だまらっしゃい。これぞオリオン流弓術の神髄!」

 

 そんな二人の会話を、客三人が聞いていた。

 

「……あれが青春かぁ……」

 

「ムシューはどうせニートしますし青春時代なんて一切ありませんよ」

 

「お り あ わ せ し に な さ い な」

 

「酷い……ん? ちょっとヴィオレット流石に酷くない? あ、矢撃たれた。ああいう個性なのかな」

 

「弓も矢もいつ如何なる時も無限に作り出せる個性ですかね?」

 

「本人の実力と相まって中々強力そうに見えますが……どうなんでしょう?」

 

 撃たれた弓矢を全部エレフは避け次元跳躍して遥か彼方に飛んでった弓矢は変態神官を串刺しにした。

 

 すごいぞつよいぞこれでジャケ詐欺とは言わせないぞオリオン。

 

 扉が開いた。

 

「オリオンさんお客様がおまづになっでやがりますべよ」

 

「当番はお前だろ。……………………うわぁ……………………任せたわエレフ」

 

「いやまてお前なにを見た!?」

 

 エレフは衝動に従い後ろを振り向いた。

 

 仮面の男が立っていた。

 

「……………………」

 

「……………………少しばかり、癒やしてはくれんかね」

 

「……は、はぁ。ご主人様、どうぞこちらへ……?」

 

 のっそのっそと歩く仮面の男は、席についたらすぐさま語り始めた。

 

「私にはとてもかわいい娘がいるんだがね……そろそろ彼女の誕生日なんだ。プレゼントはなにがいいかと聞いたらね……Arkと呼ばれた物(ナイフ)がほしいって……」

 

「お、おう……」

 

「理由を聞いてみたんだ……そしたら……娘がね、凄まじい形相で此方を見ていたんだ……背筋が凍るほど恐ろしかった……階段を転げ落ちるほどに戦慄と恐慌の中……逃げ惑った……」

 

「えぇ……」

 

「逃げ切ったと思った。逃げ切ったと思ったら……! あの男め! 余計なことを……!」

 

「あの男……?」

 

 どんどんと扉が叩かれた。びくりと仮面の男は体を震わせた。

 

 がらりと扉が開く。

 

「……さぁ、楽園へ還りましょう? パパ……」

 

「え……エル……そんなにも……」

 

「大丈夫だよ、パパ。帰ろうよ、きっと楽しいよ」

 

「……………………」

 

 その男は、最後に助けを求めるような目でエレフを見た。彼にはどうしようもできなかった。ただ扉の向こうに消えていく姿を見送ることしかできなかった。ほどなくして絶叫が轟く。それは男のものだった。エレフはただ、起こった出来事に対して現実逃避することしかできなかった。

 

「……忘れよ」

 

 開いた扉から男の顔が見える。

 

 エレフが対応に向かうと、ぬっと真っ白な顔が現れた。

 

 それは人形を抱いた、指揮棒を持った男だ。まるで死人のような見目に、エレフといっても若干臆する。

 

「……中々おもしろい復讐だったね」

 

『メルメル、ソノ話ハイドデシマショ?』

 

「そうだね。……君は店員さんかな?」

 

「あ、はいそうっす」

 

「ふぅん……それじゃあお邪魔していこうかな。案内してくれるかい?」

 

 気圧されるように、エレフはその男を案内すると、一番最初に案内した男が近寄ってきた。

 

「メルヘンさんじゃないですか」

 

「イヴェールさん。メルヒェンと呼び給え。ところでどうしたんだい?」

 

「僕を冬に会わせてください」

 

「……?」

 

「違うんです。僕は引きこもりニートじゃないんです。僕はもっとしっかりと謎ぉなオーラを漂わせているような男なんです。お願いです。働かざる冬の天秤とか言われてるんですよほんとうの僕は傾かざる冬の天秤なのにいいいいいい僕を冬に会わせてくださいいいいいいいい」

 

「潔く死んでから出直してくれ給え」

 

 しょぼーん。

 

「お母さんが言ってたんだ。しあわせにおなりなさいって。だから僕は生に傾こうとしてたら働かざる冬の天秤って言われ始めたんですよ。ね?」

 

「何がねっ? なのか私には理解できない。潔く死んでから出直してくれ給え」

 

「お願いですよメルヘンさんんんんんんんんん」

 

「メルヒェンと言いなさい。そもそも……それは私の係ではないだろう? 然るべき場所に行ってくればいい」

 

「……なに言っているのかさっぱりわからないけれど、つまり死にたいってことか? お前の背中に死が見えるぞ」

 

 注文を人形から受け取りつつ、エレフはその言葉を残して後ろに引っ込んだ。

 

「……………………」

 

「ムシュー」

 

「ムシュー」

 

「「おりあわせしになさいな」」

 

「しあわせになるんだぁ!」

 

「しなせないわ……さぁおりに」

 

「しなりおにあわせなさい」

 

「しあわせになるんだぁ───!」

 

『メルメル、甘イノ平気ダッタカシラ?』

 

「大丈夫だよ。ありがとう」

 

「メルヘンさぁん!」

 

「メルヒェンと呼べ」

 

「くそぅ! 人形ヒロインだって!? キャラが被ってるじゃないか! しかも引きこもりまで同じ!」

 

「どこが被っているのやら……そもそもだ」

 

 メルヒェン・フォン・フリートホーフは言い切った。

 

「私は夜には出歩いている……七歩だけな」

 

「僕は0歳児だから働かないでいいんですぅー! 生まれてくる前に死んでゆく冬の子なんですぅー!」

 

 

 

 

「あ、兄さん」

 

「エレフかい? 中々……おもしろい格好をしているね」

 

「……そこには触れないでくれ」

 

「ああ。メイド喫茶と言っていたね。なにを売ってるんだい?」

 

「コーヒー〜雷神の右腕を添えて〜」

 

「……………………」

 

「これしかメニューはない」

 

「飲食店として成り立ってるのかなこれ」

 

「……甘さのバリエーションがあるよ」

 

「どれどれ……ココアにマシュマロを溶かした上に砂糖をこれでもかとぶち込んだ甘さってどれだけの甘さなんだろう……」

 

「あそこの人が頼んでたよ」

 

 エレフはメルヒェンを指さした。

 

 そこには優雅にクソ甘いコーヒーを飲む屍揮者の姿があった。

 

「あれが特別おかしいだけだから、普通を頼んでおいたほうがいいと思う」

 

「うん、そうするよ」




 ぶっちゃけ終着点が見えてきたので序盤はガンガンとお話飛ばしていこうかなって思います。歴史の教科書にちらっと載ってるようなあれです。序盤はあのおまけみたいなもんです。フエラムネのおまけです。
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