僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase2 作:エターナルドーパント
「俺ちゃんは!?」
『もうちょっとだな』
「クッソォォォォォォ!!」
『さてさてどうなる第10話!』
(出久サイド)
「フッハッ!タァッ!」
四方八方から飛んでくるボールを、体術やエターナルローブで難無く回避。そしてバックステップで後退し、戦っていた瀬呂と背中合わせの形を作った。
「よぉ瀬呂、元気か?」
「んっ、まぁな!ただ、ちっとシンドいわ。もう年かな?」
「まだまだこれからだろ?」
ジョークによる精神的なガス抜きで、瀬呂の顔にも少しだけ生気が戻る。
「そっちこそ平気か?7割くらい相手してたし、ターゲットも1つ当たったろ?」
「人気者は辛いな。泣けるぜ。ま、この程度なら問題無いさ」
【ヒート!マキシマムドライブ!】
「バーニングナックルッ!」
冗談を叩きながらヒートメモリを腰のマキシマムスロットに叩き込み、爆熱が籠もった右腕を裏拳として横凪ぎに振るう。当然、ボールは熱によって融解した。
「ハハッ、こりゃ俺いる意味無くないか?」
「いや、良い作戦を思い付いた。目ぇ塞いどけ」
「え?」
どういう事?という顔をする瀬呂を余所に、俺はバットショットとルナメモリを取り出す。
【ルナ!マキシマムドライブ!】
そしてバットショットにルナを装填し、上に向けて放り投げた。
するとバットショットは空中でガシャガシャとライブモードに変形し素早く飛行する。そして・・・
─バシャッ!─
「ウギャァァ!?」
「目がァ!目がァァァァァ!?」
超光量のフラッシュを焚いた。その鋭い閃光は容赦無く他の受験生の網膜を焼き、視力を封じる。
「瀬呂!テープだ!」
「流石は緑谷、容赦ねぇ~・・・」
そう言いつつ、瀬呂はこちらにテープ飛ばしてきた。そのテープを地面に貼り付け、次のメモリをマキシマムスロットに叩き込む。
【アクセル!マキシマムドライブ!】
「さて、しっかりテープ出せよ」
「へ?」
その呆けた声も無視して、俺は瀬呂を担ぎ上げた。そして顔を青くする瀬呂を抱えたまま、フルスロットルの半分程度で駆け出す。
「ウワァァァァァァァァ!?」
「歯ぁ食いしばれ!舌噛むぞ!」
そして人垣の間を何とかすり抜け、呻いている奴等を次々と簀巻きにしていった。そして1分もせず、全員蓑虫に早変わりだ。
「フゥ・・・ありがとよ、瀬呂・・・瀬呂?」
「う゛っ・・・」
速度と揺れで酔ったのか、その場で崩れ落ちる瀬呂。顔は真っ青だ。
「あ~・・・済まんかった。ちょっとばかし振り回し過ぎちまったな」
そう言って手を差し伸べると瀬呂は何とか掴み、唸りながらも起き上がった。
「大丈夫・・・にしても、何でさっきの超スピードでクリアしなかったんだ?やろうと思えば出来たろ?」
何だ、そんな事。当たり前じゃないか。
「だって、俺だけ勝ち抜けたらお前確実に袋叩きだっただろ。流石に哀れだったから、お前を使って回避しただけだ」
─ポポポンッ─
答えながら、まず1人蹴落とす。残り一人で合格だ。
「あっそう・・・まぁ、ありがとよ」
─ポンッ、ポンッ、ポンッ─
瀬呂も1人攻略っと。残り一人・・・と、2つアウトの奴がいるな。丁度良い。
「な、なぁ・・・待ってくれよ・・・君ら、1年だろ?俺ら、今年仮免取らないとやばいんだよ・・・!」
「フン。寄って集って袋叩きにしようとし、返り討ちに遭った挙げ句命乞いか?無様なものだな。
2つ、良い事を教えてやろう。
1つ、仮免を取得しなければいけないのは、俺達も同じだ。同じ土俵の敵に、同情を求めるな。
そして2つ・・・俺は、獲物の命乞いなど聞かない主義だ」
─ポンッ─
敗者の命乞いに耳を貸さず、無慈悲にターゲットをボールで叩く。悪いが、止めを刺す事には特に躊躇いは無い。
「敵にゃ回したくねぇな、緑谷は」
─ポンポンポンッ─
そう言いつつ、瀬呂も2人目を仕留めた。すると俺達のターゲットが全て光る。
合格したな。
「じゃ、行こうぜ」
「・・・この皆さん方はどうする?」
「・・・」キュピンッ!
─バキッ─
「お!?た、ターゲットが爆ぜた!?」
「気をつけろ、電磁系の能力かも知れん!離れるぞ!」
「お、おう!邪魔になっちまうもんな・・・ん?何で俺達のは壊れなかったん・・・」
「お前は何も見なかった・・・良いな?」
「アッハイ」
放置しといたら
(勝己サイド)
「かっちゃん!」
「あ?」
後ろから徒名を呼ばれ、俺は倒した奴らに向かう足を止める。振り返れば、何時の間にかエターナルが立っていた。
「緑谷!?無事だったか!」
「あぁ、何とかな・・・そっちも無事そうで何よりだ」
そう言って歩み寄ってくるエターナル・・・そして、その右手が俺の左肩に乗せられようとした瞬間───
─BOM!!─
「ぐあっ!?」
俺は
「ば、爆豪!?」
「お前何やってんだ!?」
切島とアホ面が怒鳴ってくるが・・・お茶子は少し違う。エターナルを凝視し、目を細めて観察していた。
「うぅ、いってて・・・ひっでぇなかっちゃん、俺が何かしたか?」
・・・やっぱり、間違い無ぇ。お茶子も確信したらしく、俺達は顔を見合わせ頷き合う。そして、同時にエターナルに言い放った。
「「
「「え!?」」
やっぱ切島とアホ面は気付いてなかったか。
「出久は、俺らが変身してる時はライダー名で呼んでた」
「でも今、かっちゃんって呼んだよね。って事は・・・」
「あ、そっか!ニセモノだ!」
漸く理解出来たか。
「それに、俺は開いてる左手側を爆破した。出久ならすぐ反応してマントで防ぐし、ソレが出来なくても受け身取って即反撃して来るわ」
「フフ、ざ~んね~んバレちゃった~♪」
そんなおどけた声と共にエターナルのガワがドロドロに溶け・・・ッ!?
「何で裸なんだテメェはッ!?」
「じゃあね~♪」
俺のツッコミをスルーし、エターナルに化けてた女は逃げやがった。
「・・・まぁいい。今は合格が優先だ」
後で、情報交換だな。
(出久サイド)
「成る程、回避しながら攻撃か。京水姉さんに扱かれてたもんな、フラン」
合格した俺達は、大きな部屋に集められた。そこでフランと合流し、流れを聞いていたのだ。
「まぁね!京水姉さまにはお世話になったから・・・」
そう言って遠い目をするフラン。
まぁ当然っちゃ当然だな。だって特訓内容が、
「オイ、出久」
「お、来たかかっちゃん。皆も」
声の方を向けば、かっちゃん、麗日、切島、上鳴がこっちに歩いて来た。
「お前に・・・エターナルに化けた奴がいたぞ」
「・・・メモリとドライバーで変身、じゃなくてか?」
「あぁ、ガワがドロドロに溶けたからな。個性で見た目と声だけ似せてたんだろ・・・あ、アイツだ。士傑の金髪女」
・・・何だと?
「あの女・・・俺の所にも来たが、ソイツは本物じゃなかった」
「何?」
怪訝そうな顔をするかっちゃん。
「俺の『士傑生だよな』って質問に対する、『そうだよ』って答え・・・そこに、俺の虚偽無効が引っかかったんだ。そして俺の感覚的な話だが・・・その女、堅気じゃないぜ」
「・・・気ぃ付けるわ」
「賢明だ」
このご時世、何があるか分からんからな。
「きゃっ!」
「ん?」
背後からの声に振り返ると、件の金髪女が倒れた緑癖っ毛の女子の上にのし掛かっていた。
反射的に眼がつり上がり、ドライバーを装着してメモリを構える。
「あぁ、ごめんね?ちょっと足がもつれちゃって」
「い、いえいえ。大丈夫ですよ?」
だが、相手は大丈夫だったようだ。
「そう、ありがとう・・・あ、襟が崩れてる・・・ハイ、コレで大丈夫!」
そう言って緑癖っ毛の襟を直す金髪女。その動きは柔らかく、怪しい所も無かった。
「幽香!大丈夫!?」
「えぇ、大丈夫よメディ。行きましょ」
駆け付けた友人らしき金髪の少女と共にその場を後にする緑癖っ毛。別におかしな所も無さそうだ。
「オイ芦戸~!緑谷が他校の女を視姦してんぞ~!」
「い~ず~く?」
「転けてたから反射的に注目しただけだからな?あと峰田、お前シバく」
─キュキュキュキュンッ─
峰田をシバく直前、俺の身体からオーブが飛び出し、人型を取って着地した。無論兄さん達だ。
「あれ?兄さん達、どうしたの?」
「いや何、少し用事があってな」
「がんばってね、イズクちゃん!」
そう言って、NEVERの皆は部屋を出て行った。さて、嫌な予感しかしないな・・・
───
──
─
「さて、次は・・・救助訓練、ねぇ」
画面中継で説明が入った。設定は、爆破テロが発生した市街地での人命救助らしい。そしてまたもや部屋が展開し、俺達は変身して走り出す。
「そう言えば出久、結構こういう事やってたんだよね?」
「あぁ。と言うより、俺が戦場を練り歩いてた理由は半分ぐらい
「ベテランだ~」
・・・だが、やはり頭にはあの子の笑顔が浮かんでくるな・・・あの子のような悲劇を出来る限り起こさないように、俺は人を救う・・・救わなきゃ、いけないんだ。
改めてそう確認し、左胸・・・内ポケットに入った御守りに手を当てた。
「う゛わ゛ぁぁぁぁぁ!!おじいちゃんがっ!ヒッヒッ!おじいちゃんが埋まっちゃったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
倒壊している一般家屋の前で泣いている子供。まずはそっちの確認だ。
「大丈夫か?頭部に裂傷、頭蓋骨・・・損傷無し。パニックにより過呼吸気味だな」
【スパイダー!マキシマムドライブ!】
パパッと簡単に分析し、スパイダーの蜘蛛糸で傷口を塞ぐ。
「よし、これで大丈夫だ。お爺さんは必ず助ける。まずは君を運ぶよ」
「う゛、う゛ん・・・」
「他に痛いとこ無いか?歩けないとか」
「大、丈夫・・・」
膝の擦りむきにも糸で蓋をし、ぐわっと抱え上げる。そしてゾーンを装填し、ボタンを叩いた。
【ゾーン!マキシマムドライブ!】
テレポートで救護者集合所に移動し、レスキュー隊員に預ける。
「頭部に軽度の裂傷あり。結構出血してますが受け答えはしっかりしてます。頼みますよ」
「あぁ、分かった」
よし、じゃあこっからだ!
【イガリマ!】
「詠装!」
─The Death hunts IGALIMA the soul tron~♪ ─
俺はギリギリイガリマのシンフォニックアーマーを装着し、一気に走ってさっきの家屋に戻る。
「・・・やはりな」
倒壊した家屋を見れば、その中に人型の淡い光が一つ・・・中に取り残された人の魂だ。
イガリマは魂を刈る鎌。故に、攻撃対象である他者の魂を視認する事が出来る。ソレを応用して、見えない所にいる生命体を発見する事も出来るのだ。
そして要救助者を発見した俺は、即座に左目に手を翳す。
─キュピンッ!─
そして
「あ、足が・・・折れてる・・・痛い・・・」
ふむ、柱に挟まれているのは太股。と言うことは、折れてるのは大腿骨だな。
「もう少しです。大丈夫、助けますから!」
【スパイダー!マキシマムドライブ!】
俺は足を挟んでいた柱を持ち上げて砕き、即座に折れた足を糸と近くに落ちてた板で固定した。
「よし」
【ゾーン!マキシマムドライブ!】
再びゾーンのマキシマムドライブを発動。先程と同じ場所にテレポートし、救護班に引き渡した。
「左大腿骨が圧迫骨折、骨盤に罅です!」
「分かったわ!」
よし、次だ・・・
─BOOOOM!!!!─
突如、試験会場の外枠が爆発した。
「・・・そうだった。確か設定は・・・爆破テロだったな」
爆心地を見れば、ギャングオルカとそのサイドキック達が佇んでいる。成る程、今回の
「さぁ行くぞ。ここを・・・地獄に変える!」
「・・・んなこったろうと思ったよ・・・兄さん達」
まぁ、ある意味適任っちゃ適任だな・・・
(NOサイド)
「フッ!ハッ!」
迫り来る受験生達を危なげ無く捌き、即座に反撃を叩き込む克己。
と言っても、無論手加減はしている。精々痛みで相手が悶絶する程度の最低限の力だ。普通に殴ろうものなら、当たった部分の骨が粉砕されるだろう。
「イテテテテテテ!?」
「はッ!」
「ゴベッ!?」
賢はサブマシンガンでゴム弾を連射しながら距離を詰め、その強烈な足技で蹴っ飛ばした。かなりぶっ飛んだが、尻を蹴った所が彼なりの優しさなのだろう。
「こんの!」
「かてぇ!?」
「効かねぇぜ!!」
剛三は肉体硬質化で攻撃を受け、そこにカウンターを打ち込んでいる。そのスタイルは、何処かプロレスラーの戦い方に見えなくも無い。
「フッ!タァッ!」
「アッチィ!?」
「ごべぁ!?」
レイカは、その鋭い突きや蹴りに組み付き技、更に発熱能力も乗せたインファイトで次々と受験生達を薙ぎ倒す。と言っても、インパクトの瞬間に50~60℃まで上げる程度なので火傷にはならない。やはり気を使っているのだろう。
「あら、カワイイ顔してるわね!嫌いじゃないわッ!ホ~ラ来なさ~い?ク~ネクネ~♪クネクネ~♪」
「「ウワァァァァァァァァ(OMO)!!!!」」
問題は
これがゲームのボスならば、クソゲー認定待った無しである。
「何?あの地獄絵図・・・」
それを見て流石にドン引きするエターナル。しかしNEVERに対する時間稼ぎは今の所他の受験生による人垣で十分と判断し、ギャングオルカに視線を向ける。するとゴツいガントレットを着けたサイドキック達が一斉に走り出した。
「この数は面倒だな」
「だったら俺が行く!」
エターナルの呟きに答え、真堂が前に出る。
「そうか、なら俺は避難させよう」
「頼む!」
【ゾーン!】【エクストリーム!】
【【マキシマムドライブ!】】
そう言って真堂が地震で地面を割ると同時に、エターナルはツインマキシマムを実行。ゾーンの能力をエクストリームで引き上げ、周りにいる要救助者を全て感知。更にテレポートで、開けた場所に移動させた。
─ズキッ─
「クッ、連発は出来んな」
負荷から来る頭痛に仮面の下で顔を歪めるエターナル。
─キィィィンッ─
その時、ギャングオルカが超高周波を真堂に放った。その音波攻撃を諸に受け、真堂は倒れ込んで戦闘不能となる。
「嘗められたものだな・・・ッ!」
─バキバキバキバキッ─
横から迫る氷壁に瞬時に反応し、音波で砕くギャングオルカ。その間に氷を放った轟が合流し、ギャングオルカを見据えて構える。
「轟はっや!」
「三奈か。それに常闇と尾白」
遅れて三奈、常闇、尾白も駆け付けた。
「水辺の方にいたんだけどね。こっちに
「有り難いな・・・ん?」
三奈が簡潔に説明し終わると同時に、エターナルは不自然な風を感じ取る。
「吹ぅぅぅきぃぃぃぃ飛べェェェェ!!!!」
その違和感の正体にエターナルが気付く前に、ソレはギャングオルカに向けて圧縮空気弾を放った。
「
「夜嵐か」
エターナルの呟きに振り向いたイナサだったが、そこで表情が固まる。轟と目が合ったのだ。
「アンタと同着か・・・」
目に見えて嫌そうな態度をとるイナサ。ソレを無視し、轟は冷静に分析して結論を出す。
「アンタ、救護所の避難手伝ったら?私と違って、個性もそっちに向いてるだろうし。こっちは私がやるよ」
「・・・」
その言葉に、イナサは納得行かない様子で風を集め始めた。ギャングオルカはその音でイナサの攻撃を察知し身構える。しかし・・・
─ヴオァァァァンッ!─
風を放つタイミングが轟の炎と被ったため、お互いが弾き合って大きく軌道が逸れてしまった。
「ちょ、何で炎だ!!熱で風が浮くんだよ!!」
「さっき氷結を防がれたから。そっちこそ、私に合わせてきたんじゃないの?こっちの炎風で飛ばされたよ」
「アンタが手柄を渡さないように合わせたんだ!」
「は?そんな餓鬼みたいな下らない事、誰がするのよ」
「いいやするね!だってアンタはあの───
───
─ピキッ─
その一言で我慢に限界が来たのか、轟の目がつり上がる。
「アンタ・・・さっきから何なの?今アイツは関係な─ベチャッ─いっ!?」
苛立ちを露わにする轟に、ギャングオルカのサイドキックが放ったセメント弾が命中した。
「論外だな、喧嘩を始めるとは」
「仰る通りで(好くない予感がするな。準備しとこう)」
ギャングオルカの呆れた呟きに同意しつつメモリを取り出すエターナル。
「アンタら親子のヒーローだけは、どーにも認められねぇんスよォ!!以上!!」
(試験に集中しなきゃ・・・試験に───!!)
再び轟が炎を放つが、またもやイナサの風弾と被る。しかし今度は角度が悪く、何とその炎が行動不能の真堂に向かって飛んでしまった。
「しまっ────」
炎が真堂に届かんと迫る、その瞬間。
──Determination edge Amenohabakiri tron~♪──
澄んだ歌声が響き、蒼い閃光が走った。
その光が止むと、炎の進行方向には大きな盾とも壁ともとれるような何かが現れ、炎を受け止める。
「た、盾?」
「盾?違うな。コレは───
───
轟の呟きに答えながら、その巨大な剣を格納して地面に降りるエターナル・タドルハバキリ。そして真堂を抱え、イナサと轟を準に睨んだ。
「お前ら・・・
さっきから何をやっているッ!特に夜嵐イナサッ!!」
放たれる殺気に、思わず身震いする轟とイナサ。
─キキンッ!─
「ウワッ!?」
「げっ!?」
「俺の隙を突きたきゃ、50m以上離れた所から超音速弾で狙撃するんだな」
エターナルはその動きを敏感の察知し、振り向きもせず忍者刀を投げつけた。その忍者刀は空中で2本に分裂し、それぞれのセメントガンを貫く。
「フン・・・貴様は入試の時、轟を見たから入学を蹴ったんじゃないのか?復讐に取り憑かれていた轟を・・・その時の轟と今のお前、何の違いがある?」
(そっか、風・・・通りで引っかかったんだ。入試の時、私を追い抜いたアイツ・・・あんなにうるさかったのに・・・ホント、見てなかったんだ)
ここに来て、漸く轟はイナサの事を思い出した。
(忘れたままじゃ、いられないって事・・・)
「取り敢えず・・・邪魔な風だ」
ギャングオルカはイナサに額の
「回避を─ベチャッ─!?しまっ!?」
─キンッ!─
「ごぁッ!」
イナサはそれを察知し回避を試みるが、意識外からサイドキック達が放ったセメント弾が命中。隙を晒してしまい、その音波攻撃を受ける事となった。
「そしてお前も、自業自得だ」
─キンッ!─
「う゛っ!?」
そして轟も至近距離で音波攻撃を喰らう。鋭い振動による過剰刺激のせいで全身の神経が麻痺を起こし、即座に行動不能まで落とし込まれてしまった。対してイナサは、距離があった為か効きが甘いようだ。
その隙にサイドキック達が救護所を落とそうと走り出す。しかし・・・
──奇跡~♪切り札~は~自分~だけ~♪──
そうは問屋が卸さないとばかりにエターナルが歌う。その歌声によりフォニックゲインが引き上げられ、エネルギーが物質として固定化し武器を創造する。
それにより精製された無数の剣を、サイドキック達に向けて落とした。
───夢幻ノ落涙───
剣の涙は瞬く間に降り注ぎ、サイドキック達を足止めする。その隙にエターナルはアメノハバキリメモリを抜き取り、次のメモリを構えた。
【ガングニールβ!】
──I'm that Smile Guardian GUNGNIR tron~♪──
「ウォラッ!」
「グベッ!?」
そしてオレンジの光と共に拳のガングニールを纏い、サイドキックを殴って気絶させる。
─ヴオォォォォォォァアン!!─
するとその時、ギャングオルカを中心とした炎の竜巻が発生した。轟の炎をイナサが巻き上げ、火炎牢獄を作ったのだ。
「成る程、少しは頭も冷えたようだな」
感心しながら敵を殴り倒すエターナル。ギャングオルカはその性質上、乾燥に弱い。それを良く知るサイドキック達は轟を拘束しようとセメント弾を放つが、右の氷結で止められた。
(練習不足から来る動きの鈍り・・・動けなきゃ、関係無い)
そこから、受験者達の猛攻が始まった。
尾白がガントレットを弾いて同士撃ちさせ、三奈が溶解液で破壊。保護色によって隠れていた蛙水が舌で脚払いを掛け、そこに他の受験者達も加わる。
しかし、快進撃も長くは続かない。
─ガキッ ドッ ゴッ─
「ハハハ・・・やっぱり来るか」
受験者3人を瞬時に昏倒させた相手・・・克己を見て、乾いた笑いを零すエターナル。
「面白そうだったんでな、コッチに来てみたんだ」
「違和感無いのが質悪い」
そう呟きつつエターナルが拳を構えた、その直後・・・
─ビーーー!─
『え~只今を持ちまして、配置されたHUCの救助が完了致しました』
「・・・試験、終了か」
その放送に胸を撫で下ろすエターナル。
─ドッゴァァァァァンッッ!!!!─
「何ッ!?」
しかし、不穏の種は残っていた。
───
──
─
「お、終わったのね・・・」
「ふ~・・・お疲れ様、幽香!」
都会ゾーンで要救助者を探していた緑癖っ毛のと金髪の少女2人・・・風見幽香とメディスン・メランコリーは、放送を聞いて肩の力を抜いた。
「受かってるかな、私・・・」
「大丈夫だよきっと!」
不安げな幽香を励ますメディスン。その背後に、1つの影が忍び寄る。
「お疲れ様~♪」
親しげに声を掛けながらその人影は・・・
【プラント!】
幽香の項の
「え・・・がッ!?」
「幽香!?アンタ!幽香に何を・・・ッ!?」
次の瞬間、メディスンの視界は闇に閉ざされる。
その刹那に見たモノ・・・それは───
───不気味に口角を釣り上げる
───to be continued
『いや~長くなっちゃった』
「オイクソ作者!SYA KU YO KO SE !!」
『ゴメンゴメン・・・それとスイマセン、今回の後半、結構雑になっちゃいました』
「そんなことよりでばんがほしい」
『仕方無いだろ?流石にここにゃ出せねぇよ』
「そーかよ・・・早く俺ちゃん出せよ?今日俺ちゃんの映画観たんだろ?」
『2をな。まぁ早めに出せるように頑張るよ』
「頼む!文と絡ませてくれ!こちとらお前が出さないから寂しくてしょうがないんだよ!」
『それはゴメン・・・ではまた次回!』
「見に来てくれよ!」
ちょっと面白いこと考えたから、パルスィ出して良い?
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良いゾ~ソレ
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ウェッ!?ナジェダァ!?(OwO)
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ゆ゛る゛さ゛ん゛ッ!!
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(良い訳)無いです。
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パルスィ登場ッ!承認ッ!!