僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase2   作:エターナルドーパント

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『ヨッシャ!』
「どうした糞作者」
『俺をオタクになるように洗のゲッフンゲフン英才教育を施してくれた師匠に褒められたぜ!!』
「あ、そう。じゃ、どうぞー」
『拗ねんなよお前よ・・・』


第12話・救出C/仮免取得!

(出久サイド)

 

「幽香!」

「メディ・・・」

俺が抱える幽香さんが視界に入るやいなや、メディスンは猛スピードで駆け寄って来た。

「幽香、大丈夫だった?」

「えぇ、平気・・・ではないわね。凄く疲れてるわ・・・でも、大丈夫よ」

「良かったぁ~!」

そう言って幽香さんに抱き付くメディスン。余程心配だったんだろうな。

「緑谷さん・・・幽香を助けてくれて、ありがとう!それと、ごめんなさい。さっきは襲いかかっちゃって・・・」

そしてメディスンは此方に向き直り、ぺこりと頭を下げて謝罪してくれた。

「別に気にするな。友達の(カタキ)と同じ顔をした奴が居れば、ああなって当然だ。さぁさ、そろそろ合否発表だぜ?」

「出久~!速すぎるよ~!」

と、後ろから三奈達も追い付いてきたようだ。

「飛んでも振り切られるて・・・」

「エターナルのスペック高過ぎだろオイ」

「しかも、人1人抱えて尚且つ揺れを最低限に抑えながらでもあれだからね・・・」

「おーい!待ってくれ~!」

「ハァ、ハァ、はぁ~・・・あぁ~やっと落ち着いたぁ・・・」

ローグはバードのソレスタルウィングで、グリスブリザードはブリザードチェストアーマー背面のフローターユニットからの噴射によるジェット飛行で飛んで来た。フランも同じく飛行。

そして三奈とクローズは走って来たみたいだな・・・そういや、万丈もクローズチャージの時にヘリコプター使ったグリス達に一人だけおいてかれてたっけ。そんで徒歩で何とか合流するという・・・

「・・・あ、そうだ幽香さん。体内はユニコーンの浄化作用で毒素洗浄したけど、念の為精密検査受けてくれるか?俺の息の掛かった、腕の()()医者を紹介する・・・幽香さん?」

 

「えっちょっと待って今ナチュラルに名前呼びされた?私を怖がらずに?待って待ってそう言えばさっきまでお姫様だっこだったしえ?え?何?ヤバいハズカシいメッチャドキドキするブツブツブツブツブツブツブツ・・・」

 

・・・あ~ぁあ、顔は真っ赤で目がぐるぐる、そんでもって物凄い早口な独り言・・・コレはアレだ。経験不足から来るコミュニケーション時の脳内処理のオーバーフロー・・・所謂、緊張系コミュ障というやつだな。

「どうどう、落ち着いて・・・ダメだ聞こえてないや」

「あ~、スイマセン・・・幽香、初対面の人と話せなくて・・・」

「まぁ良いさ。あの物凄い早口な独り言は、頑張って今の状況を処理しようとしてるって事・・・つまり、俺とのコミュニケーションを拒絶してはいないって事だ。こんなに早く心開いてくれるって事は・・・どうやら、最低最悪から2番目な事はされなかったみたいだな」

「え?どういう事」

三奈が聞いてくる。まぁ、いじめを受けた経験無いだろうからな。

「一旦友好的な態度で近付いて、ターゲットが心を開いて懐いた瞬間に即蹴落とすっていうやつ。強い人間不信を生む効果がある、質の悪い精神攻撃さ」

「・・・ちなみに最悪なのは?」

「集団暴行からのレイプルート」

「確かに最悪だ」

顔をこれでもかとしかめながら、ライダーのメンバーは頷く。

『え~皆さん、此方にご注目下さい』

そんな事をしていると、ヒーロー協会の目良(めら)さんがマイク越しに声を上げた。

『え~トラブルがありましたが、其方は仮面ライダーの方々が迅速に対応して下さった事で無事収束致しました。ですので、これより合否発表を執り行いたいと思います』

ほう、漸くか・・・オーバーフローしていた幽香さんも顔を引き締め、目良さんの方向に向き直る。

『合格者の皆さんは、此方に名前が表示されます。各自で確認して下さい』

目良さんの後ろの液晶ディスプレイ合格者の名前が五十音順に並んだ。ま、み、み、み・・・よしあった、緑谷出久(俺の名前)

「受かったー!」

「私もー!」

「ハッ、当然だ」

「私も受かったー!」

「よっしゃー!」

お、仮面ライダーズは全員受かったっぽいな。そして・・・やっぱり、あった。“風見幽香”と、“メディスン・メランコリー”の名前。

「あ、あぁ・・・良かった・・・」

「やった!」

「おめでとう、幽香さんにメディスン」

感激する幽香さんの頭をポンポンと撫でる。

「っ!!ぇえ!?」

「あぁいや・・・態度的に、甘えられる相手がいなかったのかな~と思ってな・・・不快だったなら済まない」

「い、いえ!そ、そんな事は・・・あ、あぅ~・・・」

ふむ。慣れていないんだな。

「・・・出久」

 

──ぞわっ──

 

「・・・三奈、どうかしたか?」

「・・・女っ誑し」

「ぐうの音も出ん・・・ごめんな、最近ほったらかしちまって」

あ~ぁあ、最低だな俺は・・・

「・・・今日、疲れたからさ。今夜マッサージしてくれたら許す・・・2人っきりでね?」

俺の胸板に背を向けてポスっともたれ掛かり、頭をぐりぐりと擦り付けてくる三奈。甘えたがりモードだな。

「オーダー了解・・・」

そう言って、俺は三奈の頭をくしゃっと撫でる。すると、三奈はにんまりと笑みを浮かべた。機嫌が直ったようで何より・・・

しかし、轟の名前が無かったな。矢張り喧嘩したのは大きな減点らしい。

 

「轟ィ!ごめんッ!!!!」

 

あ、また夜嵐イナサが地面頭突きした・・・まぁ良いか。

『え~全員、ご確認頂けましたでしょうか?続きましてプリントをお配りいたします。採点基準が書かれているので、しっかりと目を通しておいて下さい』

回されて来たプリントを受け取り、すぐさま目を通す。気になる持ち点は・・・

「ワォ、まさかの96点か」

「凄すぎない!?」

俺の結果を聞き、フランが飛んで後ろから抱き着いて来た。そして俺の肩越しにその成績プリントを見る。

「ふむ、避難させる時にテレポートさせたが・・・どうやら転移先の見通しが甘かったらしい。4点はその辺だな。フランは?」

「私は87点。上から探してたんだけど、弾幕で瓦礫を壊して救出したのが荒っぽかったみたい・・・」

「あ~・・・アタシは78点。あんましキビキビ動けなかった所だって」

ともあれ、ライダーズは無事に仮免取得達成だ。

「これで、一段落だな!」

 

─────

────

───

──

 

「ふぅ~、終わったな~」

あの後、二次試験で落とされた奴にも救済措置はあると説明された。そして俺達は免許証(ライセンス)を手に入れ、晴れてセミプロだ。

それと、士傑の奴等にはあの金髪ロング──現身ケミィというらしい──が実はソイツに変身した(ヴィラン)だった事も報告した。士傑や警察で探すらしい。残念だが、そっちの協力は出来そうに無いな・・・

「じゃあ先生、俺は幽香さんを永遠亭に連れて行きます」

「おう、頼んだぞ」

【ボーダー!マキシマムドライブ!】

俺は相澤先生に断りを入れてスキマゲートを開き、幽香さんに向き直る。

「じゃあ幽香さん、ついて来て」

「・・・かで良い」

「ん?」

「幽香で、良い。さん付けは、何というか・・・他人行儀な感じがするから・・・それと、そっちも素の口調で大丈夫よ」

「・・・分かった。じゃあ俺は出久で良いぜ、幽香」

ふむ、気を許せると判断するとトコトン心を開くタイプかな?

そんな事を考えながら、幽香の手を引いてスキマゲートを潜った。すると、辺りに甘いような竹林特有の薫りが広がる。そして目の前には永遠亭の玄関があった。

「凄い・・・万能なんじゃないの?あなた・・・」

「・・・万能だな、ほぼ」

地球上の総てを力に出来るからな・・・何このチート。

それはさておき、俺は永遠亭のインターホンを鳴らす。すると中からパタパタという足音が聞こえ、勢い良く戸が開いた。

「は~いどちら様・・・出久さん!」

「おぉ、鈴仙(れいせん)か」

俺を出迎えたのは、紫の髪を膝裏辺りまで伸ばした女学生服姿の女・・・優曇華院(うどんげいん) 鈴仙(れいせん)だった。

「久し振りだな。どうだった?ドイツ陸軍での衛生兵生活は」

「楽しかったですよ!皆さんとっても面白くて尚且つ紳士的な人達でしたし、ご飯も美味しかったです!」

「そりゃ何より。幽香、紹介しよう。コイツは優曇華院鈴仙っつって、ここの主治医兼所長である八意永琳のサイドキックだ」

「そ、そうなの・・・」

ありゃ、やっぱり慣れない人は恐いかな?

「ゲリラの洗脳兵だったのをえーりんが拾い上げて叩き直したんだとさ。格闘術はかなりの物だ」

「ふふーん♪」

得意気に胸を張る鈴仙。だがまぁ・・・

「俺には勝てなかったけどな」

「う゛っ!?そ、それを言わないで下さいよ~!」

そう、前回手合わせした時は俺が勝ったのだ。まぁ相手が悪かっただけだが・・・

「まぁ良い。急患だよ。永琳出して」

「私をお探し?」

俺が名前を出した途端、塀の後ろから永琳が現れた。

「あぁ。この子なんだが、無理矢理ドーパントにされちまってな。メモリの毒素はユニコーンで浄化したが、念のためだ」

「ふむ、成る程。じゃ、取り敢えず診察してみましょうか。アナタ、名前は?」

「あ、えと・・・風見、幽香です」

「そう。じゃあ風見さん、どうぞ此方へ」

「あ、はい」

永琳に案内され、幽香は永遠亭に入って行く。さて、もう1つ用事済ませるかな。

「ゴギデップー!ギスンザソグ!」

「ゴセヂャン ゾ ゴガガギ?」

「わっ、ウェイドさん!?」

俺が呼び掛けると、縁側の方からにゅっとデップーが現れた。と言うか鈴仙は本名呼びなんだな。

「ドギグバ!ゴセヂャン ゼダン グ ババダダン ゼグベゾ!?ズェズェズヅヅ ビ バデデ ジャドドゼサセダ!」

「え?え?」

地団駄を踏んで怒り出すデップー。グロンギ語が解らない鈴仙はオロオロしている。

あぁ、うん・・・平行世界から注目されなかったのかな?つか相変わらずメタいな、出番って・・・待てよ、《フェーズ2になって》?一区切り付いてんのかよ・・・オール・フォー・ワンの時だな。それかワン・フォー・オール継承の時。

「ドボソゼ・・・ジョグゾグ パ ガスバ? ン ()()()()()()

「ガガ・・・ゾグロ ガギビン・ジュブゲズレギ ビ バス ヴィサン グ ゴゴギ サギギ。バンゼロ・ブソギ ググヅ ン ゴドボ ド ギショショビ グサソジ ゼ ビゲスンザドバ・・・ボセデデ ボンゴ ン ズブゲン ビ バシゴグ バ ビゴギ グ ムンムン グスジョベ」

「ゴラゲ グ ギグバサ ゴグバンザソグバ」

ったく、まぁたコイツはメタ発言を・・・

「ジド グ ビゲス バ・・・ゴゴバダ・ジベベンザギ ザソグバ。ガシバドグ。もう日本語で良いぞ」

「クソ作者!もっと俺ちゃん出せよ!散々待たせやがって腐れ根性のクソ野郎!!Goddamn!!Fuck!!」

「日本語の開口一番で壁の向こう側に向けて罵倒吐くの止めい」

全くもうコイツと来たら・・・

「デップー!玄関先で喚かないで!あら出久君、いらっしゃい」

「久し振りだなレックス」

レックスも出て来たよ。

 

「オギャー!」

 

・・・金魚草の植木鉢持って。

「お前も相変わらず金魚草か?」

「まぁね☆」

ウィンクすな。

「お、誰かと思えば親父か」

「あ、お父さん!」

ジンとハルカも・・・親父?お父さん?

「・・・あぁ、元々コマンダートルーパーだからか」

いやぁびっくりした・・・でも、何か複雑だな。童顔なハルカは兎も角、ギリギリ未成年に見えない事もないって感じの見た目したジンに親父って呼ばれるのは。

「ウィルはどうした?」

「ゲンムⅡ変身時のバックファイアを抑える為に、バグスターウィルスとの繋ぎになって親和性を上げるウィルスを投与して体内で培養中よ。最近ちょっと寂しいわ」

ぷくっとむくれるレックス。あぁどうしよう、三奈もこんな感じだったんだろうか・・・

「オ~イ糞作者~!また俺ちゃんを空気扱いする気か!!

ちょっとセリフ減ってんよ~?

良くないゾ~コレ。

頭に来ますよ!

ぬわ~ん無視やだもぉ~ん!ムシヤダ・・・

止めて欲しいですよ~、シカト~。

もう悲しすぎて涙がで、出ますよ?

あ~泣きそ」

「情緒不安定か」

淫夢語録を喚き散らすデップーに、流石の俺も引いた。と言うかレックスの目が養豚場の豚を見る目になってるんだけど・・・

「ったく・・・ん、終わったかな?」

ふと、永遠亭の中から此方に向かってくる2つの気配に気付く。

 

─ガラッ─

 

「お待たせ。問題は無かったわよ」

玄関から出て来てすぐに問題無い事を伝えてくる永琳。そしてその後ろから幽香も出て来た。

「よし、じゃあ帰ろう。ありがとな永琳」

「良いって事」

そう言って手を振る永琳。

「もう空も赤くなってきてるし。俺のエターナルボイルダーで送るから、道案内宜しく」

「え?えぇ、分かったわ」

【ボーダー!マキシマムドライブ!】

 

───

──

 

俺はスキマゲートを開き、先程の試験会場に戻った。そしてエターナルボイルダーを呼び出してイグニッションキーを回し、エンジンを掛けて跨がる。

「ほら、後ろに乗って・・・幽香?」

 

「え、待って?後ろに乗るって事はしがみつかなきゃ」

 

あぁ、バイクの相乗り初めてだったか・・・

「大丈夫だから。ほら乗りな?」

そう言ってヘルメットを渡す。フェイスガードが無い、ゴーグルとセットのやつだ。

「ぇ・・・い、いやでも!か、彼女さんがいるんじゃ・・・」

「バイク以外だとお姫様抱っこで跳ねていくしか無いんだよな~」

「失礼します」

おう、ストンと乗ったね。俺の腰もしっかりホールドしてるし。

「じゃ、出発!」

 

───

──

 

「ねぇ、出久さん。あなた確かテレポート出来るわよね」

喉が渇いたので近場だったnascitaでコーヒーを飲んでいると、唐突に幽香が質問してきた。

その手に持ったアイスミルクティーのグラスが揺れ、氷がカラッと音を立てる。

「あぁ、持ってるよ?ゾーンのテレポートと、さっき見せたスキマゲート」

「それで送れば早かったんじゃない?」

ごもっともな質問をされた。

「あ~、それなんだけどな・・・別に、大した理由じゃない」

一旦切って、コーヒーを流し込む。

「ただ、俺が久々にバイクに乗って風を浴びたかっただけさ。ごめんな、嘘ついて・・・」

幽香に目を向けせてみると、その顔は優しく微笑んでいた。

「別に良いわよ。私も初めてバイクに乗せて貰えたし、良い経験になったわ。それに・・・風を身に受けるのも、結構気持ち良かったし」

「そりゃ何よりだ」

残りのコーヒーをグイッと呷り、会計に向かう。バイトの時間外なので、今は椛さんは居ない。

「460円ね~」

「ほれ500円。釣りはとっといてくれ」

「オイオイ~、それは千円とか出していうセリフだろ~?この中途半端な額じゃ、カッコつかないぜ?」

「喧しいわ」

そんな愉快な遣り取りが有りつつ(こんな事言っといてちゃっかりとお釣りはレジに入れてやがるよ・・・)、俺達はnascitaを出た。エターナルボイルダーのエンジンを掛け、ヘルメットを被って跨がる。

「よし、準備は良いか?」

「何時でも!」

「よし!」

俺はスロットルを回し、幽香に聞いた脳内マップに従って走り出すのだった。

 

(NOサイド)

 

─ゴリッ ボリッ ぐちゅ くちゃ ごくっ─

 

闇の中で、何かを咀嚼し飲み下す音が響く。()()()()()()の上にはこれまた赤黒い血糊がこびり付き、肉片も転がっていた。その上にある、非常階段から零れ落ちてきたものだ。

しかしその肉片には、人間には無いような外骨格や長い舌、杭のような牙の並ぶ顎などがある。そしてその異形の肉片を貪るモノもまた、常人が見れば気絶してしまうであろうグロテスクな異形であった。

 

───鋭く尖った節足が生えた、赤黒い甲殻を纏う長い蛇のような下半身───

 

───リストブレイドのような節足が収納された、赤い腕───

 

───首元から生える、鋭い毒爪───

 

───真っ黒な単眼を三対持つ、触角の生えた頭───

 

そのバケモノは、自らの餓えを満たす為に自身が殺したその異形・・・『道の記憶』の怪人(ロードドーパント)の肉を一心不乱に口へと掻き込む。グッチャグッチャと粘着質な音を立ててソレを噛み砕き、胃袋へと飲み下した。

「ッ!」

そのバケモノは外敵の気配を感じ取り、非常階段の歪な柱にしがみついて同化する。薄暗い路地では、それだけで十分な擬態になっていた。

「全く、また食い荒らして汚しましたねぇ、

通り道を・・・」

呆れながら現れた黒服の男は、悪態を吐きながら壁にビゼルを翳す。すると、空間湾曲によって真っ黒なワームホールが現れた。そこは偶然にも、バケモノがしがみついている柱のすぐ右だった。

そしてバケモノは、御世辞にも人とは言えないまでに低下した知能で思い出す。その穴は、自分がこの場所に来た時に連れ込まれた穴だと。

「キィ・・・ッ!?」

自らをこんな場所に閉じ込めているその黒服に対し襲い掛かろうとするバケモノ。しかし、野生の本能が感じ取った。

 

《 コ イ ツ と や れ ば 、 こ ろ さ れ る ! 》

 

その本能の警笛に従い、バケモノは身を引っ込める。

「さて、今日も行きますかね。バカな実験台の収穫に」

そう言って黒服は穴の中に消えた。ソレをみたバケモノに、再び本能が囁く。《コレに入れば、外に出られるぞ》と・・・そして再びその囁きに従い、バケモノは素早く穴に飛び込んだ。

 

「ッ・・・ッ!!」

 

ふわっと舞う、湿度を含んだぬるい風。無風な空間に閉じ込められていたバケモノにとってソレは、自らが監獄から解放されたという証明だった。

「キチチチチチチッ」

バケモノはすぐさまそこを離れ、マンホールを見付けて開ける。下水道に繋がるソレからは凄まじい臭気が立ち上るが、バケモノにとってそれはどこか心地良いものだった。

一瞬の躊躇も無く、バケモノはマンホールの中に入る。

 

(あたか・・・じめ め、き ちい・・・お か、いっぱ・・・ねむい・・・ねよ)

 

雑菌だらけのぬめりに身を倒し、眠り始めるバケモノ。先程喰らったものを消化する為だ。

そして、そのバケモノのナニカに惹かれてか、下水道の住人が集まり始めた。

それはさながら、自分に甘える子供と眠る親のような・・・おぞましくも、美しい光景であった。

 

to be continued・・・




「やばくない?」
『まぁね。下手くそだけど・・・あとごめんな?出してやれなくてよ』
「・・・ふんっ。まぁ、今回だけは許してやるよ」
『誰得なんだよそのツンデレ』
「許して損した」
『では次回、お楽しみに!』

ちょっと面白いこと考えたから、パルスィ出して良い?

  • 良いゾ~ソレ
  • ウェッ!?ナジェダァ!?(OwO)
  • ゆ゛る゛さ゛ん゛ッ!!
  • (良い訳)無いです。
  • パルスィ登場ッ!承認ッ!!

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