僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase2   作:エターナルドーパント

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「ようやく戻ったな。さぁ書けィ!」
『あいさ』



第22話・eと切島/無駄無駄の不死忍

(出久サイド)

 

恋人2人に癒され、翌日。

今日はかっちゃん、麗日、梅雨ちゃん、切島、フラン、三奈がインターンで公欠だ。

梅雨ちゃんと麗日、かっちゃんと三奈とフランがそれぞれ同じ所で、切島は別の事務所らしい。

因みにかっちゃん達はえーりんの所なんだそうだ。

「そう言えば・・・」

放課後、授業終わりにふと思った。

「最近、えーりんの所に顔出せてないな」

B.O.Wアマゾンズやウィル達にも、思い返せば久しく会っていない。

とは言え、今はもちろんダメだろう。パトロール中、もしかしたら戦闘中かもしれないしな。

「それに・・・京水姉さん以外のNEVERの皆も、専用武器が無い」

京水姉さんには鞭があるしアニキはメタルドーパントになったらハンマーポールが出てくるけど、皆生身の時は武器が無い。いくら身体能力とハイドープ体質と体術が優れているとは言え、ドーパント相手じゃ戦い難いだろう。

「・・・図面、描くか」

これからの行動を定め、小さく呟く。

幸い、アイテム職人には頼りになる当てがあるのだ。

 

(切島サイド)

 

「追って来んといてぇなぁ!!」

「無理に決まってんだろッ!取り敢えず止まれェ!!」

姿勢を下げながら硬化した右手で地面を引っ掻き、路地に入り込んだひょろい男を追い掛ける。

 

俺はビッグ3の天喰先輩と共にインターン先のプロヒーロー・ファットガムに連れられて、日暮れの大阪をパトロールしてた。小競り合いが多いから武闘派は大歓迎、なんて話をしてたら、トラブル増加で助っ人に来ていた爆豪ン所とも鉢合わせ。

芦戸とフランちゃんがテンション上げて、それぞれ解散って流れだ。

問題はこっから。30分ぐらい経って、喧嘩騒ぎから逃げ出すチンピラ共が走って来たんだ。ソイツ等はファットと先輩が捕まえてくれたけど、離れてた仲間に先輩が撃たれた。

そっから俺が撃った奴を追い掛けて、今に至る。

路地の先は行き止まりだ。

「もう逃げらんねぇぞ!観念しろよテッポー野郎!」

「やっかましぃんじゃボケェ!!」

自棄っぱちを起こしたのか、追ってた男は振り向き様に腕を突き出して来た。腕から短いナイフのような刃が飛び出しているのが、仮面ライダーになってハザードレベルとして引き上げられた動体視力で判る。

反射的に硬化した顔面で刃を弾き、更に固めた拳でカウンターブローを叩き込んだ。

俺の必殺技の1つ、烈怒交吽咤(レッドカウンター)が見事に極り、男を壁に叩き付ける。

「ッと・・・おい、もう腹括れよ。逃げらんねぇぞ、絶対」

「う、うっさいわボケェ・・・」

うわ、何だコイツ。追い詰められたら途端にベソかき始めやがった。

「そら兄貴ら助けたいわアホンダラァ・・・でも、無理やん。自分強すぎやん、反則やん。こちとら《腕から刃渡り10センチ以下の刃が飛び出す》やぞ?勝てる訳無いやん。寧ろ撃った勇気誉めろや・・・」

「わりぃけどそれ、勇気でも何でも無いからな。まぁ、仲間助けたい気持ちは分かるけどよ」

「黙れやボケナスぅ・・・」

烈怒頼雄斗(レッドライオット)からファット。確保しました」

泣きベソかくコイツの腕を掴んで引き起こし、ヘッドギアの通信機でファットに連絡する。

「ヒーローなれる人間が、気安く分かるとか言わんといてや・・・強い人といれば強くなれる・・・兄貴らは力くれたんや・・・」

 

―カシュッ―

 

ッ!?コイツ、何か注射打ち・・・

 

「ア゙アァァァァァアアアァァァァァアッ!!!!」

 

―ギャギギギギギギギッ―

 

おぞましい叫びと同時に、男の全身から歪な、しかし鋭利な長い刃が飛び出す。

「ぐッ!?き、斬れたッ!?」

その刃を硬化で受け止めるが、その硬化越しにすら皮膚が斬れた。さっきまでとは、個性の出力が桁違いだ。

「聞いた事ある・・・個性、ブーストドラッグって奴かッ・・・!」

テロなんかでも有名な薬物だ。しかも固めた俺すら斬られる切れ味・・・こんなんを通りに出したら、惨劇の1つ2つじゃ絶対に済まねぇ!

「ハッハッハァ!嘗ァめよってこんクソガキャァ!兄貴らが言うとったわ!ヒーローの時代はもうすぐ終わって、その次は俺らみたいな日陰者の時代やってなァ!

あぁ何や気分ようなってきたわ!今なら兄貴ら助けられそうやァ!!」

ヤベェ!アイツ、クスリでテンションおかしくなってやがる!それに、店の中にもまだ人がいっぱいいる筈だ!だったらそっちに行かせちゃいけねェ!

「どーしたテッポー野郎ッ!俺はまだ倒れてねェぞッ!ここ通りたきゃ、俺と勝負だッ!」

その為にはまず挑発して、敵の意識を自分だけに集める!

「来い!クローズドラゴンッ!」

『ギュルルギャーオ♪』

俺はドッグタグからビルドドライバーを出して腰に巻き、ドラゴンボトルを振ってクローズドラゴンにセット。

〈WAKE UP!〉

【CROSS-Z DRAGON!】

そしてベルトに装填し、レバーをグルグル回してファイティングポーズをとる。

【ARE YOU READY!?】

「変身ッ!」

瞬間、俺の身体をプラモのランナーが挟み込んだ。鎧が俺の固めた身体を更に剛健に包み込む。

【WAKE UP BURNING!GET CROSS-Z DRAGON!YEAH!!】

同時に身体の中まで成分が染み込み、全身に力が漲るように熱が巡った。

「おぉ~?おまはんがウワサの仮面ライダーかいな!ほんなら・・・

()ねェ!」

 

【エッジ!】

「ッ!?が、ガイアメモリまで!?」

刃で切り刻まれた服を剥ぎ取り、アイツはガイアメモリを左腕に突き刺す。

その瞬間、その全身が銀色の日本刀のようなエフェクトで包まれた。そしてその中から、異形型個性のそれとは明らかに毛色の違う怪物が現れる。

右手の指は鎌やカッター刃のようになっており、左手はそれそのものが肉厚の大剣。

全身からは、生身の時の刃が更に枝分かれしてギチギチと伸びている。

胴体からは肋骨にも歪な牙にも見える刃が、向きも大きさもバラバラに生えてきた。共通なのは、どれも途轍もない切れ味だろうって事。

そして頭には、髪の毛がそのまま金属化したような刃がチェーンのように垂れ下がっている。

『ギャハハハハハッ!ちぃと怖ァて中々使えんかったけど、何やこれ!最ッ高の気分やがなぁ!

おらァ!』

「ッ!や、やべっ」

 

―ガギャギャギャギャギャガギャギャガキンッ!!―

 

「ぐぁっ!?」

アイツ、全身の刃を伸ばしてぶつけて来やがったッ!

この刃、今は俺だけに向いてるから良いけど・・・でも、ライダーの装甲でもギリギリだ!けど・・・

 

「倒れ、てッ!堪るッかァァァァァッ!」

 

俺の望むヒーロー象・・・護る人を背に、絶対に倒れず敵を受け止める壁の姿を頭に、心に、全身に映し込む。

そして脚を踏ん張り、腕を広げながら全身を限界まで硬化させた。

 

―バキィンッ!!―

 

『痛゙ッ!?』

圧縮訓練で到達した、現時点での最高硬度。ハザードレベルが上がっているお陰もあって、サブマシンガン程度なら無傷で受け止められるようになった!

 

―ギゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・―

 

全身が文字通り軋んでイテェ。この硬度も、1分弱しかキープ出来ねぇ・・・けど、その間ッ!

 

「俺は絶対(ゼッテェ)ッ倒れねェッ!」

 

これが、俺の必殺技ッ!

 

安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)弩螺紅(ドラグ)ッ!大威鍛(タイタン)ッ!!」

 

俺のヒーロー名は、憧れたヒーローをリスペクトさせてもらった!そしてこの技は、仮面ライダークウガの・・・五代さんの侠気の姿ッ!タイタンフォームから着想を獲た!

叫んだからには、もう悪ィ格好はしてやれねぇ!だがその覚悟のお陰でェ・・・!!

「今の俺はァ!負ける気がしねェッ!!」

『じゃかぁしい!一極集中で押し飛ばしたるわァ!』

奴は益々刃を俺にブチ込んできた。だが、俺は一歩たりとも後退はしない!爪先を地面に食い込ませ、逆に奴に近付く。

そうだ!もっと、もっとだ!もっと俺だけを見ろッ!

 

――ギュイィィィン――

 

そして、俺はベルトのレバーを回す。全身からオレンジと蒼の焔が吹き出し、刃を瞬時に赤熱化させた。

『アッツ!?』

【READY GO!!】

「俺の侠気ィ!!受ゥけてみろォッ!」

【DRAGONICK FINISH!!】

 

「ウォオリャァァァァァアッ!!!!」

 

焔が右の拳に集まり、龍の顔を形作る。紅く染まる視界にドーパントを見据え、その拳を一気に振り抜いた。

焔の龍は刃を一気に噛み砕き、ドーパントに突撃する。

『ゲアァァァァァアッ!?』

 

―KABOOM!!―

 

ドーパントはぶっ飛ばされ、壁に激突。龍の焔が爆発し、周りに土煙が舞った。

「俺は・・・躯炉得途(クローズ)頼雄斗(ライオット)だッ!」

強く名乗ったその瞬間、弩螺紅(ドラグ)大威鍛(タイタン)が解除される。

あぶねぇ、ギリギリだった・・・全身に切り傷があるが、一応平気だ。

「っと、早く確保・・・」

『ウリャァァァァ!!』

「なッ!?」

瞬間。俺のすぐ脇を、倒した筈のドーパントがカッ飛んで行った。

『逃げたる逃げたる逃げたるわァ!捕まって堪るかァ!』

やべぇ、このままじゃ逃げられる・・・!!

 

「イィヤァーッ!!」

 

『おげェッ!?』

奴が、何かに蹴落とされた。

蹴落とした何かは俺達に背を向けスタッと身軽に着地し、腕を組んで振り返る。

「ドーモ ハジメマシテ、ドーパント=サン。

ゾンビ=ゲーマー デス」

逆光の中、青と赤のオッドアイが怪しく輝く。

骨を象った不気味なアーマーに身を包んだそのゾンビは、何と敵に向かって両手を合わせ、お辞儀しながら挨拶しやがった。

『何すんねんコラァ!ふざけんなやァ!』

「あ、危ねぇ!」

そいつに向けてドーパントが刃を伸ばす。が・・・

 

「無駄ァ!」

 

―バキィンッ―

 

忍者みたいにしゃがみながら横凪ぎに振るわれたチョップで、その刃は全てへし折られてちまった。

『イテェ!?』

「フン。挨拶も返さぬは、スゴク=シツレイ。挨拶はされれば、必ず返すべし。古事記にもそう書いてある」

「いや、ねぇよ」

思わず突っ込んじまった。何だその古事記。

『ワケわからんこと抜かすなやボケェ!!』

「無ッ駄ァ!」

『ウガッ!?』

ドーパントが飛び掛かるが、グネンとした動きで躱すゾンビ。その瞬間一気に踏み込み、拳を叩き込んでいた。

「さぁ・・・見せ場の為の、犠牲となれ」

 

――ピュルルァーンッ!ピュルルァーンッ!――

 

ゾンビがベルトのバックルのボタンを押すと、けたたましいアラートが鳴り響く。

【クゥリティカァルッ・デァッドゥッ!】

その音声と共に、足元の闇から大量のゾンビの分身が現れた。

『あ、あ・・・アイエエエエエ!?ゾンビ!?ゾンビナンデ!?』

にじり寄ってくるゾンビの群れにドーパントは発狂。しかしそのままゾンビに纏わり付かれ、全身の刃をボキボキに折られちまった。

 

―ピュルルァーンッ!ピュルルァーンッ!―

 

「では、イッテキマス!」

「え?あ、うん」

これまた俺に挨拶するゾンビ。そして鳴り響くアラート。

「では皆さん!さぁ~ご一緒に!

 

無駄ァ!」

 

『オベッ!?』

ゾンビは殴った。何の躊躇いも無く一直線に最速で、ドーパントの顔面を。

そこから、地獄絵図が始まった。

 

「貧弱貧弱ゥ!無ゥ駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!

 

無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!

 

無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!

 

WRYyyyyyyyy(ウリィィィィィィィィ)ッ!」

 

それは、連打だった。連打に次ぐ連打だった。雨霰のように降り注ぐ拳を受け、ドーパントはもう可哀想なぐらいにボロッボロにされていた。

それでも、無駄無駄のラッシュは止まらない。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

『ィヤ゙ッダッヴァア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙』

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

そして最後に、ゾンビは再びベルトのボタンを叩く。

【クゥリティカァルッ・エェンドッ!】

 

「無ゥ駄ァァァァァァッ!!!」

 

ドス黒いエネルギーを拳に溜め込み、止めの一発をブチ込んだ。

ドーパントは元のテッポー野郎に戻り、メモリが抜け落ちてパキンッと砕ける。

最後に分身の1体が、『燃えるゴミは月・水・金』と書いたプラカードをテッポー野郎の首に掛けた。

そして出た言葉は・・・

「・・・やり過ぎだろ」

これに尽きた。

 

―――――

――――

―――

――

 

「馬鹿たれこのデップー!」

「出番が欲しかったぁ!?やって良い事と悪い事があるでしょ!!いい加減にしろ!!」

その後。変身解除したゾンビは今、駆け付けた爆豪と芦戸にこっぴどくしかられていた。真っ赤なコスチュームを着て正座してるのは、正直すげぇシュールだ。

その間にフランちゃんから話を聞くと、あの人はデッドプールっつー傭兵。あの人も緑谷にライダーの力を貰ったそうだ。ライダーになったのは保須事件の時らしい。

そんで、敵は爆豪らんとこのヒーロー、えーりんさんが連れて行った。

何でもドクターヒーローらしく、ドーパントへの変身に使ったガイアメモリの副作用に対応しながら警察病院で事情聴取するって言ってた。あと何故か天喰先輩も。

「しっかし・・・今回ドジったなぁ・・・」

「まぁ、そうだろうな。必殺技決め損なったからな」

「うぐっ」

グリスに変身した爆豪がバッサリ容赦無く肯定してくる。

「けどよ・・・護れてんじゃねぇか、後ろの奴等」

「・・・あ」

通りを見てみれば、街の皆の笑顔があった。

それは正しく、俺が望んでた光景で・・・

「聞いたよ切島!ドーパント相手に一歩も引かなかったって!

格好いいよ!流石は仮面ライダー!」

芦戸がゴチッと俺の胸板を叩く。そして、街の皆からも称賛の声が上がった。

「お手柄やったな、烈怒頼雄斗(レッドライオット)!」

ファットもニコニコ笑いながら、俺の肩をバシッと叩いてくれる。

眼から、耳から、肌から感じる全て、腹の底まで染み込んできて、思わず胸と目頭が熱くなった。

「あ、アザッス!!」

頭を下げながら、涙を拭う。

仮面ライダー・・・力に責任が付きまとうけどよ。でも、それ含めても・・・この力、貰って良かったッ!!

 

「俺は、クローズ・・・仮面ライダー!躯炉得途(クローズ)頼雄斗(ライオット)だッ!」

 

 

to be continued・・・




「新年、あけおめことよろ」
『書き納め出来なかった。しかも今回短めだし』
「鈍間め」
『ぐうの音も出ない・・・』
「何より、俺ちゃんの出番がNINJAと無駄無駄だけって・・・台詞もほぼ無かったし」
『悪いな』
「俺ちゃんの活躍、書いてくれよォ!」
『影山かよ・・・』
「ともあれ、これでえーちゃんも立派な仮面ライダーだな!」
『鋭児郎でえーちゃんか』
「そうだよ(肯定)」
『まぁ、良いけどさ。
さて、気を取り直してっと。皆様、明けましておめでとうございます。拙い小説ですが、これからも何卒、宜しくお願いします』
「是非感想求む」
『あとルクシア、出久恋鬼待ってるからな』
「ではでは次回、サヨナラッ!」
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