僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase2 作:エターナルドーパント
「逆に気付いてねぇ人いんのか?」
『分からんよ。何せ26話にコメントが付かねぇんだもん』
「関係無くね?」
『感想が欲しいんだよ』
「誰も聞いちゃいねぇよンな事は」
「ッたくよォ!!一体全体何処から涌いて出てきやがるンですかッてんだよクソがァ!!」
―BBBOOM!!―
苛立たし気に喚きながら、ドーパントに爆炎をブッ放すグリス・ライト。敵を殺す事への忌避感は、既にアドレナリンの波により思考の彼方へ放り出していた。
出てくるのは主にマスカレイド、時々コックローチ等の《その他》という具合だ。
「ッ!カツキ君!」
―ギャリンッ! バキベキベキッ―
敵の数が漸く減り始めた頃。
グリスを狙って撃ち出された斬撃波を、ローグ・ライトが自身の装甲で受け止める。一気に白い罅割れが広がるが、これが本来の運用法なのでローグにダメージはほぼ無い。しかし衝撃は消しきれず、彼女の顔を僅かにだが顰めさせた。
「ッと、済まねェお茶子」
「何ちゃー無いよ!それより・・・」
グリスに短く返し、ローグは斬撃波の出所を睨む。
『グゲゲゲゲゲゲッ!』
其所には、今まで出て来なかった新種のドーパントが立っていた。暴走族が乗り回す改造バイクのマフラーにも似た両肩から白煙を噴き、鋭い杭状の牙が並ぶ口から涎の滴と長い舌を垂らしている。
「フンッ!・・・新手のドーパントか。頭が痛くなるな」
照井竜路・・・アクセルが雑魚を斬り捨て、新たな敵に向き直った。
「ッ!危ねェ!」
「ぐッ!?」
突如、グリスが何かに気付き、慌ててアクセルを突き飛ばす。
―ギャンッ―
その直後に、白熱化したリング状のエネルギーが2人の立っていた場所を抉った。
「なッ!?・・・済まないグリス、助かった」
驚くアクセルだったが、直ぐ様構えを正して再度ドーパントを捉える。
「アイツ、腕に何か集めるような感じがした」
「・・・成る程、腕の動きに注意だな」
【バイオレント・ストライク!】
「でぇいッ!!」
―ドゴンッ ピコッピコッ―
そんな中で、アマゾンオメガが跳躍。天井を更に足場にして、ドーパントの胸にライダーキックを叩き込んだ。バグスターウィルスの効果により、緑の衝撃波に似たエフェクトと《HIT!》の文字が発生する。
『ウギッ!?』
【アクセルッ!マキシマムドライブ!】
「ッたァァァァァァァァ!!」
ドーパントがよろめいた隙に、アクセルがマキシマムドライブを発動。赤熱化しながら一直線に飛び込み、赤いエネルギーを纏った後ろ回し蹴り・・・アクセルグランツァーを叩き込んだ。
『ウギャァァァァァァアッ!?』
やたらと獣染みた悲鳴を上げ、ドーパントは爆発。変身者が崩れ落ち、メモリが地面に転がった。
【ロード!】
―バキンッ―
最後に内包していた記憶を読み上げ、メモリも破裂するように砕ける。
「ロード・・・道か。あの熱攻撃は、恐らく内燃機関の放熱かタイヤと地面の摩擦を組み込んだ能力だろう」
「アンタのメモリに似てんな」
「そうだな・・・ん?コイツは・・・」
アクセルはロードドーパントの変身者の顔を覗き込み、仮面の下で眉を潜めた。
「行方不明になっていた、チンピラだな」
その人相は、最近まで頻発していたチンピラの失踪事件にて行方不明になっていた男だった。
「・・・やはり、失踪事件にも組織が関わっていたか」
センチピードドーパントの時に浮上していた可能性が、アクセル・・・照井の中で、確信に繋がる。
「皆。この先、出てくるのは死穢八斎會構成員だけでは無い。油断無く行くぞ」
『おうッ!』
アクセルの声に答え、全員が駆け出した。
「悪いな、待たせた。遅くなったか」
「あ、克己さん!」
その後方から、克己と賢が早くも合流する。
「相変わらず、出久は行方不明か。アイツに限ってくたばりはしないだろうが・・・俺達の位置が分からなければ、出久も戦い辛いだろう」
「流れ弾がこっちに当たるかもだしなぁ・・・そういやあいz・・・イレイザーヘッドは、この通路を操作してる奴の個性は消せないんスか?」
切島の問いに、イレイザーヘッドは苦虫を噛み潰したような顔を作りながら首を横に振った。
「残念だが、個性を使う本体の身体が視界に入らないと無理だ」
「けど、今はグネグネ動いてねぇ。って事はつまり、操れはしてもその操作物全体は把握出来ねぇって事だ。なら、俺等を確認しに来た時に潰しゃ良い」
現状を観察し、持ち前のキレで分析するグリス。しかし直後、予想外の事態が発生した。
―パキパキパキパキッ―
前方の床に黒い結晶状の何かがばら蒔かれ、魔法陣のようなモノが展開。そしてその中から、極彩色の侵略者・・・ノイズが現れたのだ。
「なッ!?コイツらって、確かノイズ!?」
驚愕に声を上げた切島を筆頭に、全員がその場で立ち止まる。
出現したのは、頭部の鶏冠と右手に生えたエッジが特徴の人形ノイズ・・・武士ノイズと呼ばれるモノだった。
「あ、あれは!?」
「アルカ・ノイズ!?」
「はぁ?めんどくせェな。何でこんなモンまであるんだよォ」
先頭に近かった。ファラとレイアが眼を見開き、ガリィはこれでもかと顔を顰めて愚痴を垂れ流す。
そして
レイアは投げ銭、ファラは圧縮空気弾、ミカはカーボンロッド、ガリィは氷柱の射出。
「お気を付け下さい!これらはノイズの発展型、アルカ・ノイズですわ!位相差障壁を棄てた代わりに、シンフォギアすら解剖する分解能力を備えていますッ!
通常のノイズと違って物理攻撃が通用するので、なるべく遠距離で攻撃を!」
ファラが警告すると同時に、再び黒いクリスタルがばら蒔かれた。そして、アルカ・ノイズの第二ウェーブが襲来する。
「ゾンビ!あとタブー!前に出て俺と弾幕張るぞ!」
【ジェット!】
【ディスチャージ・メモリィ!潰レッナァ~イ!ディスチャージ・クルルァッシュ!】
グリスはジェットメモリを起動し、ドライバーのスロットに装填。レンチレバーを叩き下ろし、機雷艦載機をばら蒔いた。
「久々の台詞だってのに今回もチョイ役かよ!もうちょい気張れ作者ァ!」
「そんな事言ってる場合じゃないで、しょッ!」
ゲンムとタブーもそれに習い、ゲンムはバグヴァイザーの、タブーは己の魔力のエネルギー弾で弾幕を張る。
それらの光弾とヴァリアブルゼリーの艦載機の猛攻により、アルカ・ノイズは次々と赤い粉塵に分解されていった。
しかし召喚用のジェムは未だに底を突かないらしく、わらわらとお代わりがやって来る。
「
「分かりましたわ。行きましょう、レイアちゃん」
「承知した。派手に行こう」
ファラの圧縮空気弾が前線の4人の隙間を縫うように飛んで敵を吹き飛ばし、レイアの投げ銭は壁や床、天井で跳弾してノイズを上下左右から撃ち抜いた。
ノイズは次々と崩れ、未だ味方に死者は出ていない。グリス達の優勢は、誰の目から見ようと明らかだ。
(・・・妙だ)
しかし、グリスはこの状況に違和感を覚えた。
(何で敵は、こんな時間稼ぎをしてやがんだ?やり用は他にもあるだろ。
寧ろ、さっきみたく壁動かしゃ良い筈だ・・・)
【クラック・アップ・フィニッシュッ!】
「おッりゃあッ!」
思考を巡らすグリスの横を、紫の鰐がすり抜ける。その顎はアルカ・ノイズを噛み砕き、塵をまた一山積み上げた。
「どうしたん?カツキくん」
「いや、何でも・・・ッ!」
瞬間、グリスの脳に電撃が走る。
今の技を、そしてこの状況を見て、彼は思い出した。
雄英体育祭にて麗日が使った、そして期末テストに於いて自らも参加した、あの戦術を。
(まさか・・・この
脈が早鐘を打つのを感じながら、グリスは思考を進める。
(だとすれば、今の所何ら問題無く対処出来てるノイズを出し続けてるのも筋が通る・・・何が狙いだ?敵は何がしたい・・・?考えろ・・・
モノから意識を逸らす時は、何かを隠す時と・・・ッ!)
彼の頭のなかで、パチッと何かが繋がった。
「イレイザーッ!警戒しろッ!」
グリスが叫びながら振り替えると同時に、イレイザーヘッドの左側の壁に孔が開く。そして右からは、壁が柱のように変形して彼に迫っていた。
「イレイザー!危ないッ!」
それを察知したファットガムが、イレイザーヘッドを突き飛ばす。それにより、イレイザーヘッドの代わりにファットガムが孔に突き込まれる。
「済まんファット!」
『気にすんな!』
壁越しの返事が響き、ファットガムは穴の中を転がり落ちていくのだった。
(出久サイド)
「フゥ・・・よし」
息を吐き出し、全身の筋肉に力を入れて具合を確かめる。どうやら、もう動くには問題無さそうだ。
「しかし・・・この子達はどうするかな」
横を見やれば、5人のクローン達は黙って座りながら俺を見ている。
この子達は、連れて行けば確実に俺の負担になるだろう。しかし、置いて行けばドーパントに喰い殺される。
オマケにゾーンやボーダーは使えない上、NEVERの皆も総動員してて呼び出せないと来た。
「仕方無いか・・・」
【スタッグ】【スパイダー】【バット】【ビートル】
俺はおもむろにメモリガジェット達を取り出し、疑似メモリを装填して起動。ライブモードに変形させ、クローン達の周りに放つ。
これなら、流れ弾程度は防いでくれる筈だ。
「さて・・・行くか」
【キー!マキシマムドライブ!】
クローン達が着いて来るのを確認し、俺はキーメモリのサーチを再開。今度は成長的な肉体年齢が幼いモノにマークを付けるように設定し直した。
すると、黒い壁に阻まれながらも何とか方向だけは発見。ギリギリどっちに動いてるかぐらいしか判らんが、無いより大分マシだ。
「さぁて、このまま恙無く進めれば良いが・・・」
――ビリッ――
「・・・そうは問屋が卸さない、か」
俺のエア・ディテクションが、敵の気配を感知する。
「ウギギギ!」
廊下の角から、バイクのマフラーのような排気管が付いた大男型のドーパントが現れた。
「ったく、勘弁しろよ・・・」
あぁ、ヤバイな。どうしても、さっきの屑共を思い出しちまう。イライラするなァ・・・
「行くぞ・・・
『ギャーオッ!』
ロストドライバーを装着し、ファングメモリを召喚。呼び出したファングが高く叫び、掌に飛び乗った
―ガシャッ ガシャンッ ギャーオッ!―
そして上から押し潰すように前屈の体制に折り曲げ、右手で尻尾のタクティカルホーンを跳ね上げる。
ホーンはその根本を軸に反転し、ラプトル型のボディに収まっていたメモリが露出した。
【ファングッ!】
「ヴォォォォォオッ!!変ッ身ッ!!」
【ファングッ!ギャァーウギュルルギャァァンッ!!】
ドライバーにメモリを差し込み、スロットを開く。同時にボディ部分もドライバーの上に乗せるように倒した。
すると俺の周囲を牙のようなブーメラン状の刃が飛び交い、それが俺の身体に突き刺さるように飛来してアーマーを形成する。
「ヴオ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ア゙ァ゙ァ゙ア゙ッ!!!!」
仮面ライダーファング、爆誕。
瞬間。闘争本能が爆発し、俺はドーパントに飛び掛かった。敵は何とか察知して身を躱したものの、ファングの鋭い爪が奴の胸板を切り裂く。
決して浅いと言えない傷によろめくドーパント。俺は爪先を地面に突き立てながら、ドライバーの上で肉食恐竜の横顔を形作っているファングメモリの鼻先に付いたタクティカルホーンを親指で弾いた。
―ガシャンッ ギャーオッ!―
【アームファングッ!!】
すると両腕のガイアアーマーにエネルギーが流れ込み、装甲が変形。腕の横面に弧を描く
「何ッ!?・・・いや、寧ろ都合が良いッ!!」
俺は手首、前腕、肘から延びるアームセイバーに意識を集中し、腕を弓のように引き絞り力を込める。それに答えるように、腕から延びる刃が極細振動を始めた。
「ハァァァァァァァァアッ!ヅェアリャァァァァァァァッ!!!!」
そして突き立てた爪先で一気に床を蹴り出し、右腕を突き出す。
アームセイバーは一切の慈悲の欠片も無くドーパントを捉え、ほぼ何の手応えも無く胴体を通過。そして一瞬遅れ、ドーパントは身体の上下を分割しながら倒れ込み爆散した。
「フシュゥゥゥゥ・・・」
興奮物質により体温が上がり、口元から溢れる吐息が真っ白な湯気になる。その口元に違和感を覚えて手で触れてみれば、鋭利な牙を備えた生物的なクラッシャーがあった。
「・・・」
【ウェザー!マキシマムドライブ!】
「ガブッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ」
キーをウェザーと入れ替え、マキシマムを発動。頭上に雨雲を作り出し、口が開くのを良い事に落ちてくる雫の群を文字通り浴びながらガブガブと飲み下す。
「ふぅぅぅぅ・・・少しは、慣れたか」
水分補給と同時に頭を冷やし、肺の中身を一気に吐き出した。さっきの闘争本能も、どうやら慣れたらしい。寧ろ適度に興奮物質が出ていて、全てが鮮明に感じ取れる。
目標までの道程に隠れている、多数のドーパントの気配も。
「コイツは、一骨折れそうだ・・・と、そうだ」
俺は忘れかけていた足元の死体に歩みより、排出されたメモリを確認する。
砕けたメモリにプリントされていた文字は―――
―――ROAD・・・
「ロード、ねぇ・・・この一件を早いとこ片付けて、そっちも検索するとしよう。さて・・・」
―ガシャガシャンッ ギャーオッ!―
【ショルダーファングッ!!】
タクティカルホーンを2回弾き、ショルダーアーマーにエネルギーをチャージ。ガイアアーマーが変形し、再び刃を形成した。しかもまた3対である。
「火力がスゲェ事になってるな・・・まぁ良い」
ショルダーセイバーを引き抜き、指と指の間に鉤爪状に挟んだ。この持ち方、意外としっくり来るな。仮面ライダーファングとしては、これが正しいのか?
「君達は、少し離れて着いて来るんだ」
言葉はしっかり判るらしく、コクンと頷くクローン。それを確認して、俺は敵が待ち伏せしている曲がり角に飛び込むのだった。
to be continued・・・
キャラクター紹介
ロードドーパント
敵組織の文字通り土台を支えているドーパント。最近まで頻発していたチンピラの行方不明者は、大体コイツになるかコイツに喰われるかだった。
しかし、最近は行方不明もほぼ無くなっているらしい。
緑谷出久
前回ズタボロにやられた分のダメージを、ものの10数分で回復したヤベーヤツ。最速で目標に到達する為、汎用性のエターナルではなくスピードと攻撃力に全振りした仮面ライダーファングに変身。
爆豪勝己
仮面ライダーグリス・ライト。ロードの炎熱リングからアクセルを庇うというファインプレーを見せた。
実は既にハイドープ能力に目覚めていたりする。
仮面ライダーファング
基本造形はエターナルに似ているが、ストッパーが無い分だけ凶悪なスペックになっている。
アームファングのイメージはガイバーⅢのハイバイブソードと真ゲッターロボの腕の刃。
ショルダーファングは言わずもがなウルヴァリン。
因みに前回の蹂躙シーンに、挿絵を着けました。見てね。