僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase2 作:エターナルドーパント
「永遠の死神も早くしろ」
『気が向いたらな』
「気紛れ過ぎる」
『そういうスタイルだから仕方無い』
―ガゴォォォンッ!!―
「ゴハァッ!?」
「く、クローズッ!」
敵である猛禽の嘴を付けたシャチにも見えるマスクを被った大男の拳を真っ向から受けた
大男がグリグリと肩を回し、フシュッと息を吐き出す。
「俺さ、思うんだよ。喧嘩に銃とか刃物使うのは不粋だってよ。持ったら誰でも勝てちまう。そんなの喧嘩じゃねぇ。
自分の身に宿す力のみを本気でぶつけ合う、そんな喧嘩が良いんだ」
己の理論、信念を話す大男。その言葉は、ファットガムとクローズ両方に掛けられたものだ。
「クローズッ!平気か!?」
「あぁ、問題ねぇ!反撃行くぜッ!」
衝撃を全身の装甲で受け止め、
「オリャオリャオリャオリャオリャァァァァアッ!!」
【READY GO!!DRAGONICK FINISH!!】
ビルドドライバーのボルテックレバーを激しく回転。ドラゴンボトルから抽出してクローズドラゴン内部の特殊増幅で増幅した成分をドライバー内の転換炉でエネルギーに転換し、蒼いクローズドラゴン・ブレイズを左腕に纏って肘を引く。
そして骨盤を捻って腰を切り、その加速がフルに乗った拳を突き出した。
そのスピードに乗り、クローズドラゴン・ブレイズが敵に向かって突撃する。
―KABOOM!―
クローズドラゴン・ブレイズが爆ぜ、蒼や橙の炎が迸った。
「取った!」
「取ってへん!」
思わずガッツポーズをするクローズに、ファットガムが油断無く言い放つ。それと同時に土煙が晴れ、敵の姿が現れた。
拳の大男と、それを覆うドーム型のバリア。そして、そのバリアを張った使い手であろう口と鼻を覆うペストマスクを付け、黒い浴衣を着た男だ。
―ドドドドドドドドドドドドドッ!!!―
次の瞬間。浴衣の男がバリアを解除し、同時に大男がパンチの連打をファットガムに叩き込む。
「ぐおぉぉぉぉぉ!?」
馬鹿みたいに速く、冗談にもならない程重く、それでいてブローニングM2重機関銃さえも青筋を立てそうなまでに激しいその拳の雨霰は、ほんの2秒足らずで防御に秀でている筈のファットガムを仰け反らせ、後退らせた。
「ファットガムに、身体を硬化出来る少年か。どちらも防御に秀でた個性だな。残念だったな、
「防御が得意?受けきれてねぇみたいだが・・・ま、ミンチにならなかっただけ良いか」
「我々は矛と盾。対して彼方は盾と盾だ」
「ン?待て、喧嘩にならねぇぞ?参ったな」
浴衣の男が分析し、拳の男・・・乱波がぼやく。どうやら彼は相当なバトルジャンキーのようだ。
「試してみるか?喧嘩にならねぇか・・・俺はまだ、砕けてねぇぞ!そんでもって、その喧嘩も俺らが勝つッ!」
それを聞き、クローズは全身を固めて挑発した。自分だけなら兎も角、このライダーの力すら眼中に入れない敵達に、意地とプライドを刺激されたからだ。
「ほう、我々に勝つ気でいるようだ。やったな乱波」
「何だって!?分かってくれたか!お前は良いガキだ!おい天蓋!バリア使うな外せ!端からこんなもん、俺にゃ要らねぇ!」
「私欲に溺れるな乱波。オーバーホール様の言い付けを忘れるんじゃあない。相性は良好、我々のコンビネーションで確実に始末するんだ」
―ゴガガガガガガガガガガガガッ!!―
一瞬の後、乱波が連打を味方である筈の浴衣の男・・・天蓋に繰り出す。しかし天蓋は自分の周りに2枚目バリアを張り、その拳を受け止めた。
「どういうつもりだ喧嘩狂い・・・」
「コンビ?ンなもんはオバホが勝手に決めたもんだ。俺は殺し合えればどうでも良い」
「はぁ・・・まぁ良い。その代わり、確実に処理するんだぞ」
「オォ!分かってくれたか!良い引きこもりだ!」
外側のバリアが消え、乱波は嬉々としてクローズに歩み寄る。
「来いやァ!」
「やっぱり良いガキだ!お前大好きだ!」
―ガガガガガガガガガガガガッ!!―
「うおぉぉぉぉぉぉッ!!」
再び拳打の雨霰を降らす乱波。クローズは腕を交差させ、限界まで固めて耐え忍ぶ。
「ハァ・・・」
拳打が止み、乱波は2歩退いて息を吐いた。
「なぁお前!クローズってンのか!?やっぱお前最高だ!」
「そうかよ・・・お褒めに預かり、光栄だね!」
精一杯気張って言い返して見せるが、クローズの腕には既に細かい皹が入り始めている。
「クローズ、無理すんなよ!」
「あぁ、ありがとうファット。でも、大丈夫だ!」
クローズが多少の無理を押してでもそう言うのは、人を護る為に動き出せなかった過去の自分の情けなさを払拭する為だった。
――――――――――
中学時代、放課後に如何にも危ない雰囲気をした大男に絡まれている同級生がいた。
ヒーローに憧れそれを志す少年だった彼・・・切島はしかし、その時全く動けなかった。恐怖で全身が硬直し、呼吸さえ忘れた程だ。
誰かヒーローに通報したかと周りを見ても、全員が野次馬心理で見ているだけ。そして、それは自分も同じだと分かった時は絶望さえ覚えた。
そんな中で、たった1人だけ動き出した少女がいた。
口から出任せを何とか搾り出し、尚且つ大声でその大男が行きたがっている場所の情報と偽った嘘八百を並べて見せたのだ。
その少女こそが、何を隠そう芦戸三奈。緑谷出久の正妻だ。
しかもその後、彼女は放課後決まって足早に何処か*1に行ってしまう。そのせいで謝ろうにもタイミングが無く、独り悶々と後悔を抱え込んでいた。
心が折れ掛け、志望していた雄英高校も諦めようとしていたある日。幼い頃に誕生日プレゼントとして貰った偉人ヒーロー本の付録に収録されていたヒーロー、
今度は自分が護る。そしてそう決めたならば、漢気でそれを貫いて見せると。
――――――――――
故に今、目の前の敵に負ける訳にはいかない。まして仮面ライダーの力を得てまで負ける等言語道断。
そんな意地で身体を固め、乱波の前に佇む。
そんなクローズを見て、ファットガムは唇を噛み締めていた。クローズが何とか耐えていられるあの連打も、自分には受けきれない。その上、隙を突こうにも天蓋のバリアを突破出来そうにないからだ。
「漸く肩が温まってきたぜ!さぁ、こっからが本番だ!まだまだイケるよな!?なぁクローズ!」
「ッ!?こ、来いやァ!!」
今までの連打すらも本調子で無かった事を知り、一瞬青ざめるクローズ。しかしそれがどうしたと恐怖を振り払い、再び腕を構えた。
「ガキって言って悪かった!お前は最高の男だ!」
―バガガガガガガガガガガガガガガッ―
そして、再び連打が始まる。しかも乱波の言う通り、先程よりも数割パワーもスピードも増したパンチだ。
「ウオォォォォォォォォ!?」
「大丈夫かクローズ!?まだ大丈夫だよな!?」
「あ、当ッたり前・・・―がくんっ―くっ!?」
―ドゴッ―
「ごぇあッ!?」
一瞬で吹き飛び、再び壁に打ち付けられるクローズ。衝撃で変身は強制解除。肺が空気を吐き出し、視界が白く明滅した。
「な・・・何、が・・・ッ!?」
切島は腕を着き立ち上がろうとする。だが、身体は一向に持ち上がらない。
脚に力を込めて踏ん張ろうとしても、ガタガタと震えて堪えられないのだ。
「あ、脚が・・・」
拳打を受け止めていた腕は、ライダーの装甲のお陰でまだ余裕がある。しかし、逃げ場無い重圧をこれ程までにも受ける事を、その脚の筋肉は想定していなかったようだ。
アドレナリンで無理矢理固めてきたが、それにも限界が来た。今や切島の脚は痺れ、硬化に必要な力みすら出来ない状態にまで追い込まれてしまったのだ。
「クソッ、動け!動け!この脚ッ!」
拳で太股を叩くが、その衝撃すらぼんやりとしか感じられない。切島は目を見開き、絶望がその心を塗り潰す。
(ま、まだだ!まだやれる!まだやれるだろ!立て!立てェ!)
血が滲む程に唇を噛み締めるが、それでも脚は動かない。
「選手、交代や」
その時、切島の前に出たファットガムが口を開いた。
「乱波君、言うたな。俺も昔は、ゴリッゴリの武闘派やってん。どうや?ここはひとつ、俺と勝負してみぃひんか?」
「ッッッッッッ!!!」
その言葉で、乱波の視線が完全にファットガムへと移る。同時に切島は、己の意地すら貫けず護られる側に回ってしまったこの現状に強い無念を抱いた。
「あぁ、やっぱ良いデブだ!天蓋!バリアは!?」
「使わん」
「あぁマジかよ!良い人ばっかじゃねぇかッ!!」
乱波は嬉々としてファットガムに連打を叩き込む。
(クソッ、情けねぇッ・・・!)
悔しさで歯を食い縛る切島。
今し方の5つ数えるか否かの間で、鞠のようだったファットガムの身体は幾らか細く、楕円形になっていた。盾になる脂肪が、途轍もないスピードで燃焼しているのだ。
(足りねぇのか・・・俺じゃあ、無理だってのか・・・?)
悔しさに沈む切島の心。しかし彼は、未だ諦めない。必死に頭を回転させ、今尚どうにか戦う方法を探そうとしている。
『ほう?その諦めの悪さ、面白いねぇ』
「ッ!?」
何の前触れも無く、頭の中に響いた声。驚いて周囲を見渡すが、それらしい相手は居ない。
『探しても見つからねぇさ。ま、そんな事ァどうでも良い。
お前、まだ戦いたいか?』
「ッ!と、当然だ!」
『フッ、そうかよ。あぁ、そうだ。こんな逆境でこそ、諦めるという選択肢がまるで出ない。クックックッ・・・これだから人間は面白いんだ』
声はクツクツと笑う。さも面白そうに、楽しそうに、愉しそうに。
『だったら精々頑張りな。これに耐えられたらだがな?』
「え?何・・・うッ!?
――ドクンッ!――
ッッッッッッ!?ァがッ!?!?ア゙ッ!?」
次の瞬間、切島の全身をありとあらゆる激痛が駆け巡った。
焦がされる痛み、凍り付く痛み、殴られる痛み、貫かれる痛み、切り裂かれる痛み、痺れる痛み、潰される痛み、砕かれる痛み・・・それら総てに同時に襲われ、切島はまともに悲鳴を上げる事すら出来ずのたうち回る。
「く、クローズ!?どないした!?」
『ハッハッハッハッ!どうした?まさか、何の代償も無しに力を得られるとでも思ったかァ?』
「ぅア゙アァァァッ・・・ッッッ!!」
ファットガムの心配の声も激痛で掻き消される中、嘲るような謎の笑い声だけはハッキリと切島の意識に響く。
『どうした?戦いたいんじゃあ無かったのか?良くもまぁ言えたもんだ。そんなザマでヘバってるお前に、一体全体何が出来るってんだ?
おぉッと、悪い悪い。今は、立ち上がりたいんだったな。ほら、やってみろよ』
切島の身体は今、激痛による反射硬直で安無嶺過武瑠と同等の硬度で固まっていた。確かに先程と違い、立ち上がる事は不可能では無いだろう。
『どうした?この程度の痛みなんざ、大した事じゃねぇだろ。それとも何か?お前も所詮、ヒーローごっこがしたいだけのガキンチョだったって訳か?』
「ぐッ・・・!」
『ハァ~ァア・・・お前には、失望したよ。あぁ、残念だ。ちょいとでも期待しちまった、俺が大馬鹿だったぜ。
先程とは一転、氷のように冷たい侮蔑を含んだ声。しかしその言葉が、逆に切島の心を焚き付けた。
「違うッ!!」
―ギゴガギギッ バギゴンッッ!!―
『・・・ほう?』
「く、クローズ・・・?」
「おぉ?何だ何だ?」
「・・・」
切島は岩よりも固く硬化した腕を振り上げ、床に力一杯振り下ろす。その衝撃は轟音となり、部屋の空気を揺さぶった。
「もう、駆け出せねぇのは・・・嫌だッ・・・!」
そして全身を丸め、膝を着くように身体を支える。
〈WAKE UP!〉
【CROSS-Z DRAGON!ARE YOU READY!?】
「変ッ身ッ!!ウオォォォォォオッ!!」
【WAKE UP BURNING!GET CROSS-Z DRAGON!YEAH!!】
「ヴォアァァァァァァアアア゙ッ!!!!」
更に脚を地面に突き立てるように打ち付けて立ち上がり、再びクローズに変身。苦痛を無理矢理噛み殺し、絶叫して渇を入れた。
『おぉッ!この激情で、ハザードレベルが上がる!3.7、3.8、3.9、ハザードレベル4.0ォ!遂にッ覚醒したかァ!!』
ハザードレベルの上昇に伴い、クローズの全身から激痛が抜けて眩く輝く。
すると、ドライバーに収まっていたクローズドラゴンが勢い良く射出された。
「ッ・・・」
―ギュアァーッ!―
クローズドラゴンはキャッチしたクローズの手の中で、ブラッドレッドをメインカラーにした姿に変化する。
「ッ、これって・・・よしッ!」
〈覚醒ッ!!〉
【グレィトックロォーズドラゴンッ!ARE YOU READY!?】
ライムグリーンになったボタンを押し込み、ドライバーに再びセット。ボルテックレバーに手を掛け、力を込めて回した。
「ハァァァァ・・・ッ!
超 ッ 変 ッ 身 ッ !!」
クローズが叫ぶと同時に、硬化した腕や装甲に無数の亀裂が発生。内側から血潮色のゲルのような物質が滲み出し、全身を包み込む。
「おぉ!?何かスゲェ事になってんなァ!!こっからどうなるんだクローズ!?」
「乱波、何かまずいぞ!ソイツを始末しろ!」
乱波は先程から拳を止め、クローズを取り巻く変化を子供のように見詰めていた。
『オォイオイ。不粋な事ァ、するもんじゃねぇよ』
天蓋の言葉に、紅いゲルは禍々しいコブラの形をとって威嚇する。
『さぁ行くぞォ!It's Show Time!』
そう言い放ち、コブラは真っ赤な蛹と化したクローズの胸に沈んだ。
すると、それを合図に蛹が発光。紅い衝撃波が舞い、新たなる戦士が姿を現す。
【ウェイクッ!アップッ!クロォ゙ゥズッ!!ゲット!グルルェイトッドォラゴンッ!!
イ゙エェェェェイッ!!!!】
紅く染まり変質したクローズエヴォリューガー・・・グレートエヴォリューガー。
肩から胸に掛けてを覆う、金と赤の天球儀を思わせる幾何学模様が加わった追加装甲・・・GCZドラゴライブレイザー。
ドラゴンの顔とギアを象った金の
「ハァァァァァ・・・」
その蒼い複眼型ゴーグルが一瞬紅く輝き、その戦士・・・仮面ライダー
同時に頭部のセンサーがファットガムをスキャンし、彼が何を狙っているかを切島に伝達する。
「ファット・・・行くぜ!」
「ッ!おう!」
グレートクローズはボルテックレバーを再び回し、エネルギーをチャージ。それを見てファットは溜め込んだ乱波の攻撃エネルギーを放つ構えを取り、天蓋は背筋に悪寒を感じてバリアを張った。
「そうだ、それで良い。全力で防御しろ」
【READY GO!!】
全身の装甲に炎が巡り、融解寸前まで発熱。そしてエネルギーを左腕に溜め、ファットガムと息を合わせて一気に打ち出す。
【グゥレートドラゴニックゥ!フィ゙ニ゙ィィィシュウッ!!!!】
――バキィィィンッ!――
パンチを振り抜く瞬間、グレートクローズに刻まれたオレンジのファイアパターン、バーンアップクレストに内蔵された爆裂機能が作動。更なる衝撃波を持って、一足先にバリアを粉砕した。
「ずぉりゃぁぁぁぁ!!」
そして、ファットガムは体内に沈め溜めていた衝撃を撃ち放つ。
「ごふッ!?」「ガハッ!?」
天蓋と乱波は衝撃波に吹き飛ばされ、壁に蜘蛛の巣状の皹を入れた。
「ハハ・・・スゴいやん、クロー、ズ・・・」
「あっ、ファット!」
膝から崩れ落ちそうになるファットガムを、グレートクローズが手を添えて支える。身体の脂肪は全て使い切り、その下にあった筋肉が浮き出ていた。
「ハッ、ハハ・・・流石に、こないな無茶なダイエットしたんは久し振りやわ。堪えた堪えた」
「ダイエットっつか・・・整形レベル?面影全っ然無いっす」
―カラッ―
そんな他愛無い事を言い合っていると、正面から物音が聞こえてくる。見れば、乱波が膝を突いて立ち上がろうとしていた。
「ま、まだ動けるっちゅうんか!?」
驚愕と戦慄で顔を青くするファットガム。彼は衝撃を撃ち放つ時、それが2人に直撃しないようその間に放った。しかし、それを含めても大抵の人間は再起不能になる筈のエネルギーだった。そんなものを受けて尚、乱波は起き上がったのだ。
「アァ~・・・まだ俺は、死んでねぇ・・・けど、効いたぜ、スッゴく」
「そーかよ。だったらせめて、それに見合う時間だけもうちょいお寝んねしててくれねぇか?」
切島らしからぬジョークが飛び出す。それを聞き流し、乱波は奥にある扉を顎でしゃくった。
「あっち、奥の部屋・・・確か、薬とかが置いてあった。デブは、応急手当位は出来る」
「・・・は?」
バトルジャンキーの口から出るとは思えない言葉に、グレートクローズは思わず聞き返す。
「罠やん」
「罠張るタイプに見えるか?」
自虐的な、しかしそんな気は微塵も無いであろう返しに、ファットガムは唸ってしまう。
「乱波、勝手な事をするな!喧嘩狂いの貴様をコントロールするのが我の役割!貴様の役わr」
「ウルセェ」
―ドッ―
乱波は責めるような口調の天蓋の胸板を踏みつけ、意識を刈り取った。
「バリア張る余力もネーんだろ。じゃあ黙っとけ」
「よ、容赦ねぇ・・・」
流石のグレートクローズもこれにはドン引きである。
「最も、俺も骨がイッちまって腕が上がんねェ」
言葉通り、乱波の腕は全く力が入らずブラブラと肩から垂れ下がっている状態だった。
「何がしたいんや?」
「喧嘩さ、殺し合い。俺は地下格闘の出でよ。聞いた事ぐらいあンだろ?個性フル使用のファイトクラブ。親に押さえつけられて、その果てが喧嘩にのめり込んでそれさ。笑えるよな。
けど、俺と喧嘩した奴はすぐ死んじまった。辛うじて生きてようと、次の瞬間にゃみっともなく命乞いだ。地下に潜ってまでしても、俺はやりたい事が出来なかった!」
フンッと不機嫌そうに鼻を鳴らす乱波。
「命を賭す事でしか生まれない力!そのぶつかり合い!!だから良かった!お前らはとても良かった!特にクローズ!!俺はお前が気に入った!
再死合をしよう!傷が治ったら直ぐに!」
心から楽しげな乱波。だが、クローズの顔は明るくない。同然ではあるだろうが。
「なぁ、殺し合いってのはダメだけどよ・・・ホコタテ勝負なら、受けてやるぜ!」
「な、クローズ!?」
「3分だ。3分で硬化した俺を吹っ飛ばせたらお前の勝ち、耐えきれたら俺の勝ちだ!
一回で決着はいしゅーりょーじゃ、お前もつまんねぇだろ?
お前がそれ以外で暴れずに我慢出来るなら、こっちも頑張って掛け合ってやるから・・・どうだ?」
ファットガムに肩を貸しながら、クローズは代案を提示する。
「無茶なこと言うで・・・」
「・・・それもそうかも知れんなァ。一粒で二度美味しい、的なヤツか。
まぁ良い。ちっとばかし不満はあるが、喧嘩の相手してくれるならそれでも良いぜ。何も出来ないより億倍マシだ」
そう言って口角を吊り上げながら、乱波は奥の部屋に続くドアを蹴飛ばしたのだった。
tobecontinued・・・
「あれ?開かねぇ」
「なぁ、それ引き戸ちゃうん?」
「あっ」
キャラクター紹介
乱波
バトルジャンキー。でも通すとこは通してくれる。
裏設定として、実は出久と接触済み。エターナルが日本の裏組織の1つを潰す時に、乱波に喧嘩で勝てたら考えてやると面白半分で吹っ掛けられた茶番に付き合って体術のみでボコボコにした。
その後原作通りにオーバーホールに引き抜かれるが、強さのグレードはオーバーホールの方がエターナルより下であると判断。打倒オーバーホールを目刺し、八斎會に留まっている。
意外とお茶目キャラ。
天蓋
原作と何の変わりも無いキャラなので割愛。
切島鋭児郎/
原作と違い、三奈に謝る機会が無かったせいで結構悶々としていた。しかしそれを切り出す前に雄英で出久の方をメインに接触してしまった。
一応あの後でしっかり謝っていたと言う事にしておいて下さい。作者の実力と知識不足です。
ハザードレベルとライダーシステムのお陰で、原作程苦戦はしなかった。因みにここで進化させるのは彼をクローズにした時から決めてました。
そして紅いゲル・・・一体誰ルトなんだ。
紅いゲル
CV金尾哲夫の謎の存在。因みにこのあとコイツの不思議パワーでクローズのダメージはちょびっと回復した。
ファットガム
原作程痩せてはいないが、それでも劇的ビフォーアフターには変わり無い。
エネルギーを沈める程に体温が上昇すると言う設定。グレートクローズはそれを読み取った。