僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase2   作:エターナルドーパント

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『さーて、お待たせしました!とうとうライヴのクライマックス!』
「おっせぇわ何してたんだよ!」
『SEKIRO書いてたんだよ!』
「お前メイン作品此方だろうが!あと俺ちゃん出せやッ!」
「今回は踊らせてやるから」
『言ったな?』


第41話・双翼のS/祭・事・当・日 その4

―――――神様も知らない···光で、歴史を、創ろう···

 

 

重なり合う2人の声を始動の合図とし、特徴的なイントロが流れ始める。満天の星から零れ落ちる流星群のように神秘的であり、しかし風を受け空に舞い上がるように躍動的。エレキギターのアレンジも効かせた、原点をリスペクトしつつもオリジナリティがあるもの。

それと同時に、レーザービームによるライトアップが始まる。体育館2階の両サイドに配備されていた京水のT2マスカレイド達も、波のようにペンライトを点灯。生きたイルミネーションと化した。

 

逆光のフリューゲル。それを歌う双翼は、ローブを纏って天井から飛び降りる。片割れの念力でゆるりと、落下しながら、ステージの左右に降り立った。そして身体を隠すローブを取り払い、ステージ中央に駆ける。

その口角は上がり、呼吸さえ重なっていた。

 

「『聞こえますか?』激情奏でる、ムジーク♪」

「天に~♪」

『ト・キ・ハ・ナ・テ!』

「『聞こえますか?』イノチ始まる、脈動♪」

「愛を~♪」

『突・き・上・げ・て!』

 

翼の意匠を含むコスチュームを纏い、出久は低く優しいハスキーボイスで奏のパートを、三奈は弾けるような元気な声で翼のパートを歌う。

2人の衣装は、自分の歌う側の衣装を元に、自分の色を入れたもの。奇しくも、奏パートの出久は青、翼パートの三奈はピンクと、原点とはお互いが逆転したカラーリングだ。

 

「遥か~♪」「彼方~♪」「星が~♪」

「「音楽~と~なった、彼の日~♪」」

「風が~♪」「髪を~♪」「さらう~♪」「瞬間♪」

「「キミとボクは、コドウを詩にした!」」

「そして!」

「夢は!」「開くよ!」

「「見たこと無い世界の先へ···!」」

 

【ゾーン!】【ボーダー!】

 

「「Yes···Just···Believe···!」」

 

【【マキシマムドライブ!】】

ゾーンとボーダーのツインマキシマム。出久はエターナルエッジと単体のマキシマムスロットを両手に握り、極彩色の刃を振るう。その刃から延びたエネルギーは天井に幾何学的なラインを引き、境界線を定めた。

そしてその境界線が大きく開き、陽光が射す。真昼の白い光では無く、紅い···夜明けの空の色だ。

ゾーンとボーダーのマキシマムで、今し方夜明けを迎えた場所の上空の景色を()()()()()のだ。

 

「「神様も~知らない~♪光で~歴史を~創ろう~♪」」

「逆光のシャワー♪」

「未来~照らす~♪」

「「一緒に、飛ばないか?」」

 

身体のバネを活かして、躍動的に跳び跳ねるようなダンスを魅せる三奈。対して、脚や肩のスイッチ、手先のスナップを効かせた、動きは抑え目でもキレが映えるダンスで輝く出久。

そして2人は声を重ね、肩を合わせて腕でWの字を作る。

その間に、演出隊も出動。八百万が羽を降らし、瀬呂はテープを射出。其処にフランが段幕を放ち、それをレイアが投げ銭で撃ち抜いて爆ぜさせる。

 

「「Just Feeling!涙で~濡~れた羽~♪重くて~羽~撃けない日~は~Wish!」」

「その、右手~に添え~よう~♪」

「ボクの力も~···♪」

「「2人で~なら~♪翼に~なれ~るSinging Heart~♪」」

 


 

「す、スゲェ···」

「大きな動きの芦戸と、鋭い動きの緑谷···お互いが、空いた空間をカバーし合っているな」

「三奈ちゃん可愛い!出久君もカッコイイ!」

一方、生中継中のS.O.N.G指令本部。

「す、スゴいのデス!あの出久って人、バッチバチのキレッキレなのデス!」

「相方の三奈さんも、すごい身体能力だね、切ちゃん」

「全ての挙動を、身体中で小分けにしてるわね。全身に一体感を出す、ダンサーのテクニックの応用だわ」

両者動きのコントラストは、2人1組で定評のある切歌と調の眼にも驚異的に写る。

「私達の歌が、次元の垣根を越えて歌われている···何とも感慨深いものね、奏」

「そうだな、翼。何処までも飛んで行けるとは思ってたが···まさか文字通り、世界まで飛び越えちまうとは···」

自分達の絆そのものと言える歌が、別の世界でも輝いている事に、翼は感動。一方奏は、嬉しくもありつつ若干むず痒そうにタハハと笑った。

 


 

「「Yes!Just Feeling!千年後~の今日も~♪生まれ変わ~って~歌いたい~♪」」

 

三奈の身体に、漲る力。蒼く輝く、出久の義眼。2人の魂が、心がシンクロし合い、2人の間に跨がって存在するワンフォーオールが共鳴して輝きはじめた。

 

「暖~かいよ~♪」

「この温もり~♪」

「「絶対!離さないッ!」」

「「Just feeling!運命~なんて無い~♪物語~は自~分~に~あ~る~Jump!」」

「逃~げ~出し~た~くな~ぁったら~♪」

宇宙(そら)を見上げよ~う···♪」

「「勇気こ~そが~!輝く~んだ~よSinging Star!」」

 

間奏に入る直前。朝の暖かい光が消え、今度は夜空が広がった。

瞬く星々を際立たせる為、T2マスカレイド隊はライトアップを全て落とす。

「行きますわよ、ガリィ」

「はぁいはい、ガリィにお任せでっす♪」

ファラとガリィが2階に登り、水を竜巻で飛ばして霧を散布した。そして、カカッというファラのステップ音を合図に、両サイドに居た轟とグリスブリザードが冷気を放出。空中の霧は瞬時に凍結し、星の光を乱反射して輝くダイヤモンドダストとなった。

【ルナ!マキシマムドライブ!】

「トリガーシャインフィールド!」

更に出久はトリガーマグナムを取り出し、ルナメモリを装填して発砲。金色の光弾は空中で砕け、光の粒子となって降り注ぐ。

それは、さながら流星群。

 

「遥か~♪」「彼方~♪」「星が♪」

「音楽~と~なった、彼の日~♪」

「多分~♪」「ボクは~♪」「キ~ミと~♪」「出~逢い~♪」

「「神話の~1つ~の~よ~うに~紡いだ~♪」」

 

共鳴するワンフォーオール。弾けるスパーク。魂魄の脈動が重なり合い、震え、更に膨らんで行く。

 

「何も!」「怖く!」「ないよ!」

「「見~た~こと~無~い世界の~果~てへ~···♪」」

 

【エターナル!】【ジョーカー!】

 

『···Yes···Just···Believe···!』

 

聞き慣れた2つのガイアウィスパー。その後A組全員の声が重なり、空気が張り詰める。緊張感と期待に、観客達は思わず生唾を飲んだ。

 

 

「「変身ッ!」」

【エターナル!】【ジョーカー!】

 

 

「「神様も~知らない~!光で~歴史を~創ろう~!」」

「逆光のシャワー!」「未来~照らす~!」

「「一緒に、飛ばないか?」」

 

緊張がピークに達した瞬間、紫の竜巻と黄金の波紋が生まれる。そしてそれを爆発させるように、変身した2人が歌を再開。その爆発力は観客の肌を打ち、心臓までビリビリと震わせる。

 

「「Just Feeling!涙で~濡~れた羽~♪重くて~羽~撃けない日~は~Wish!」」

「旋律~は溶け~合~って~♪」

「シ~ン~フォニ~へと~···♪」

 

エターナルの右腕と、ジョーカーの左腕が燃え上がる。蒼と紫の炎が溢れ出し、トリガーシャインフィールドの光の粒子を吹き飛ばした。

 

「「2人で~なら!翼に~なれ~るSinging Heart~···!!」」

 

―――――もっと高く!太陽よりも高く!!

 

曲の終極。エターナルは右腕を、ジョーカーは左腕を大きく外向きに振るう。

溜め込まれていたエネルギーが解き放たれ、放線状の美しい炎となった。それは正に、紫蒼(しそう)の双翼である。

 

炎の羽が散り、エターナルはゾーンとボーダーのマキシマムを解除した。ステージの上の夜空は消え、体育館内は完全に暗転する。

 

―Whooooooooooooooo!!!!―

 

観客席から、歓声の嵐が巻き起こった。ちょっとと言いつつ結局今までバッチリ観ていたブレゼントマイクも、テンションが跳ね上がっている。

そしてその歓声の中に、こう言ったイベントの醍醐味とも言えるコールが混じり始めた。

 

――アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!――

 

期待の込められたアンコール。そしてそれを裏切る程、出久達も野暮では無かった。

 

―――PARTY(パーリィ)P,P,PARTY(パ・パ・パーリィ)PARTY(パーリィ)PARTY(パーリィ)!『P(ピー).A(エー).R(アル).T(ティ).Y(ワイ).』!―――

 

再びライトアップされるステージ。その上には、今まで演出班として駆り出されていた者も含む1-Aメンバーが全員集結していた。

「出番だぞ、デップー!」

「えっ、ここで!?」

メットオフし素顔を晒したエターナルの念力で、観客席から引っ張り上げられるデッドプール。流石に困惑しているようだ。

「踊れるだろ?お前なら」

「ちょ待てよ、導入雑すぎね?」

「仕方ねぇさ。変身して踊れ」

「えぇい、くそ作者め」

【バ・グ・ル・アップ!デンジャァラスゾンビィ!】

エターナルに促され、手早く変身するデッドプールことゲンム。これにて役者は揃った。ステージパフォーマンスは、いよいよ最終局面に突入する。

 

「キミはStar···目映く~Shine!」

――oh~oh oh~oh♪――

「自分じゃ~···気~付け~ない♪」

 

エターナルの歌い出しに、変身を済ませたキヴァが続く。金髪美少女吸血鬼というロマンの塊から発せられた歌声に、当然ながら会場の空気は瞬間湯沸かし器のように沸騰した。

 

―――――心リラッ~クスして明日をイメーィジ!行方自由自在~♪諦めかけちゃった夢にリベンジ!老若~男女~の~Pride···♪

 

「「Every body!シャッフルしよう世代!連鎖♪する♪Smile~♪

Let's PARTY!エンジョイしなきゃ、もったいない!だって、人生は~1回~!」」

 

此処で、A組女子に囲まれた峰田のソロブレイクダンスパートが入る。三奈が峰田のやる気を引っ張り出す為に組んだプログラムだ。

因みに峰田は満足したが、このライヴで初めてブーイングが起こった。

 

峰田の誰得パートはさっさと終わり、続いて自動人形達とNEVERのパート。エターナルと同じくメットオフした克己のサイクロンを中心に、ドーパントと自動人形がノリノリで踊る。

 

―――――レインボーは、空だけじゃ~ない♪胸にも架かるぜ~♪どんな~ミ~ラク~ルも起~き放題!Universe(ユニヴァース) Festival(フェスティヴァル)!!

 

―ガコンッ―

 

そんな時、突然音響と照明が落ちる。何事かとザワつく観客席だったが、それすらも出久の計算内だ。

 

―ピュルルァーンッピュルルァーンッ―

【クゥリティカァルッデァッド!】

 

「巡り×合い=ずっと続く世界♪偶然なんか、じゃ~な~い♪」

 

鋭いアラート音の直後。赤と青の不気味なオッドアイが、闇の中で5組光った。

照明が少しずつ明るさを取り戻して行き、白骨のような不気味なデザインをした5人のゲンムを照らし出す。

クリティカルデッドによる分身で頭数を増やしたゲンムは、これまたダンスに参加した。

 

「Let's PARTY!点が繋がり合い♪線に、なる♪一切~♪」

 

―――――Every body!シャッフルしよう世代!連鎖♪する♪Smile~♪

 

「「Let's PARTY!エンジョイしなきゃ、もったいない!だって、人生は~1回~!」」

―――――1回~♪

 

―――――レインボーは、空だ~けじゃ~ない♪胸にも架か~るぜ~♪

 

ラストの〆。エターナルはジョーカーと手を合わせ、ヘブンズトルネードを繰り出した。

最後の最後まで残しておいた、本当の取っておきだ。

 

―――――どんなミ~ラク~ルも起~き放題!

 

「「Universe Festival!!」」

 

曲の最終節に合わせ、ジョーカーは落下。それをエターナルが受け止め、即座に2人でポーズを決めた。

 


 

「は、ハハ、スッゲェ···コイツは、とんだお祭りだなぁ···」

画面越しに歓声を聴きながら、奏は感嘆の声を漏らす。

「私達の文化祭にも来てもらいたいね、未来!」

「そうだね響。デュエットとか、盛り上がるよきっと。調ちゃんと切歌ちゃんが披露してくれた時みたいに」

「デデッ!?あ、あの時の事はデスね~···」

「···仁さん、怖かった···」

未来に振られた話題に、ザババ組は顔を青くする。どうやら仁と何かあったらしい。

「にしても、学生クオリティのパフォーマンスじゃないわねコレ。スポンサーでもいるのかしら?」

「マリアさん。これ多分、全部出久君達だけで作ってると思いますよ?出久君なら、大抵の事はこなせるだろうし···」

「未来ちゃん言えてる···そーいやマリア、アイツらと模擬戦した時は居なかったもんなー」

「あぁ~、仁君の次に何でもありだったな~」

「いやいや、あれと比較出来るってどんだけよッ!?」

未来、奏、響の出久への評価に仰天するマリア。この中で割と常識人な為、常識外れな事は想像しにくいのだろう。それを言ってしまえば、シンフォギアの物理法則に喧嘩を売るような変形機構も十分トンデモだったりするのだが···

 


 

(出久サイド)

 

「いやー、大成功だったね!」

「違い無い。非の打ち所の無い働きだったぜ、皆!」

腕を振り上げはしゃぐ三奈に賛同し、俺も皆に称賛を送る。

「さて、氷なんかもとっとと片付けちまおうぜ」

「そうだね。午後からはフランちゃんのミスコンもあるし!」

タライに轟が作った氷を集め、轟やレイカ姉さん、G(グレート)クローズドラゴンの炎で炙ったメタルシャフトを持ったアニキ、フランのレーヴァテインなどで処理していく。因みに俺は念力と握力で握り潰している。

「それにしても、生放送もスゴい視聴者数だよ!外国から見てくれてる人も3割ぐらい居るし!」

「合計50000人以上···ちょっとスゴいねこれは。うわ、投げ銭額もスゴい事になってる···」

「投げ銭は全部学校の資金にでもぶちこんでやるか」

別に金にも困ってねぇしな。

「なぁ」

と、作業している背後から声をかけられる。振り返ってみると、顎とリーゼントがスゴい男子と、髪を二つ結びにした女子が居た。

「スゴかったよ、お前らのライヴ···スッゲェ楽しかった!」

「ごめん!正直、扱き下ろすつもりで見てた!でも楽しかった!」

それだけ言って、2人は去って行った。

「フッ、馬鹿正直な奴らだな」

「言えてるね。でもまぁ、嘘吐きよりは嫌いじゃない、でしょ?」

「あぁ、そうだな」

三奈の指摘肯定しながら、俺は氷の処理を続けるのだった。

(にしても···歌っている時の、ワンフォーオールの出力向上と共鳴反応···あれは一体···?)

 

to be continued···




~キャラクター紹介~

緑谷出久
我らが化物主人公。
最初から最後まで、観客を飽きさせないユニークな演出を行っていた。フリューゲルのボーカルは奏パート担当。
天井を空に繋げるのは、シンフォギア原作のツヴァイウィングのライヴがモチーフ。
ライヴのラストに平成をブチ込んだ。まぁお祭りにはこの上無くピッタリな曲だしね。

芦戸三奈
出久の嫁。
出久の無茶に平然と着いてきた嫁。フリューゲルのボーカルは翼パート担当。
P.A.R.T.Y.は皆で歌っていたが、出久と共に中心のリーダーボーカルを勤めた。


【挿絵表示】


フランドール・スカーレット
出久の第二夫人。
逆光のフリューゲルではバックダンスに徹し、P.A.R.T.Y.では序盤のボーカルを担当。
歌って踊りながら弾幕で演出もすると言うかなりのハードワークをこなし切ったスゴい子。
因みに峰田のハーレムパートには加わらなかった。

デッドプール
「ねぇちょっと?確かに踊れたよ?踊れたけどさ。台詞もほっとんど無いチョイ役だったじゃん!おい作者!正直俺ちゃんの事持て余してんだろ?おうコラ何とか言えやおいコラァ!」
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