僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase2   作:エターナルドーパント

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「遂にレミちゃん奪還パート!ホラホラこれが見たかったんだろ?」
『さぁて、かなりの仕様変更があるものの、ロマンの前では些細な事よ。これが俺の新形態だ!』
「厨二全開さぁ行くぜ!メリークリスマス!」


第45話・絶望へのD その3/奪還の牙

「・・・はぁ・・・」

重く溜息を吐く、水着姿のレミリア。背中や顔にミミズ腫れが出来た彼女は、海岸の岩に腰掛けて足を水に浸し、作り物の水平線の、その果てを唯々見つめている。しかし、貼り付けられた水平線の向こうに出久と言う希望を見ているにしては、その眼はかなり虚ろだった。

手に握られているのは、展開面が接着されて開かなくなったスタッグフォン。念の為と言って、使用不能にさせられている。

「くふふ・・・不機嫌なセイレーン、かしらね♪」

その様をまるで写真のように、精巧にキャンバスに描くリリス。傍に置かれた机の上には、焼けた鉄板に乗った大ぶりなサイコロステーキが鎮座している。リリスは左手のフォークをその一切れに突き立て、口に運んで頬張り、顔を綻ばせた。

「ん~っ♪ほらレミィちゃん、一緒に食べましょう?美味しいわよ~?」

「っ・・・」

肉を一切れ差し出されるが、レミリアは顔を背けて拒否する。

彼女が此所に拉致されてから、既に丸一日と半日が経過している。空腹に苛まれてはいたものの、正体不明の薬物を使われたと言う前例があり、リリスに差し出された物を信用していない。辛うじて、気密を保たれた缶ジュースやペットボトル飲料のみを口にし、何とか誤魔化しているのが現状である。

「ふぅん、強情ねぇ・・・あ、それとも・・・」

リリスはチャキッと鋭く手の指の爪を伸ばし、自分の首筋を浅く切る。ジワリと滲み出た血はゆっくりと流れ、彼女の鎖骨まで1本の赤い線を引いた。

「ッ!!ぐぅっ・・・!!」

「こっちの方が、欲しいのかしら?」

レミリアの息が荒くなり、紅い眼はこれでもかと見開かれる。餓えて渇き、生にしがみつこうとする欲を辛うじて抑える理性にとって、本能的に甘美と映るそれは正に劇毒だ。

「ほぉら、美味しそうじゃない?吸って良いわよ?」

「ぐ、うぅぅ・・・」

最早血涙が零れそうな程に眼は充血し、また口からは涎が垂れる。そしてその本能のまま、レミリアは口を大きく開き・・・

 

─ガブッ─

 

「ッ・・・!」

「あら」

自分の左腕に、噛み付いた。

鋭く伸びた牙が皮膚を突き破り、血液が口の中に溢れる。大して美味くも無い自分の血を嚥下し、レミリアは吸血衝動を無理矢理に捻じ伏せた。

「訳も分からない薬を打ってくるような奴の血なんて、飲む訳無いわ!」

「ふぅん?その強がり、何時まで保つかしら・・・まぁ良いわ」

激昂した昨日とは一変、余裕のある態度で軽く流すリリス。レミリアのそれが、昨日以上の虚勢だと気付いているからだろうか。

不敵な笑みを浮かべたまま、何処かへと去って行く。

(出久・・・)

拭いきれない恐怖の中、出久と言う存在だけが、ただレミリアの心を支えるよすがであった。

 

───

──

 

「ふぅ、ちょっと一息・・・」

午前9時。

一言呟きながら、ベンチに座って脚を擦る三奈。彼女の管轄は、誘拐被害者の周辺人脈への聞き込み。親族や友人からの情報収集だ。

『大変そうねぇ』

「ッッッ!!」

耳元に囁かれた、絶妙にくぐもった声。反射的に右脚を振り上げながら身体を捻り、背もたれを蹴り付けて距離を取る。同時に懐からダブルドライバーを取り出し、装着しながら声の方を睨み付けた。

『あら怖い。そんなに睨まないで頂戴?お姉さん泣いちゃいそうだわ』

庇うように自分を抱き締める、黒い異形・・・ドーパント。

ウェットスーツのような地味目な身体のシルエットは、かなり女性的な曲線を描いている。頭部はガスマスクのような形になっており、顔面を覆う黒いバイザーには細く白い、笑っているように歪んだ眼があった。

その口元からは細いチューブが左右に出ており、その先端は背中のボンベに繫がっている。

後頭部からは長い金髪が伸び、まるで水中にいるようにふわふわと重力を無視して浮いている。

「この感じ・・・ドーパントだね」

『あら、やっぱりすぐ分かるのね。彼氏がそうだからかしら?』

「ッ!・・・フゥゥゥ・・・」

込み上げる怒りを噛み締め、メモリを取り出す。だが、そのドーパントに踏み抜かれた地雷は大爆発を起こしており、眼は充血していた。

『まぁ待って。今日は取引をしに来たのよ』

「取引?」

『そう。貴女達、レミィちゃんと一緒に居たいんでしょう?だったら、私の仲間にならない?』

「・・・は?」

ドーパントからの誘いに、三奈は唖然とする。まるで理解出来ないと言う様子の三奈に、ドーパントは続けた。

『私だって、貴女達と戦うのは面倒臭いのよ。そっちだって、戦わないに越した事は無いでしょう?それに・・・』

 

─パンッ─

 

「うっ!?」

 

─ビシャッ─

 

「なっ!?」

猫騙しに怯んだ三奈の隙を突き、髪を変化させて撃ち出すドーパント。その髪はドライバーのソウルサイドスロットに命中し、粘着質に張り付いて硬質化する。

『はい、これでもうダブルにはなれない。唯一の懸念だった、ガイアメモリ封じの危険も無くなったわね』

「クッ、だったら!」

【ジョーカー!】

「変身ッ!」

手早くロストドライバーに付け替え、ジョーカーに変身。そして、先手必勝とばかりに鋭い右ストレートを放った。

『ふぅん、無駄な事がお好きなのね』

しかし、その拳はドーパントの身体を素通りするように突き抜けてしまう。液状化しているような手応えすら無く、唯々すり抜けたのだ。

「ッ!き、効かない!?」

『ハッ!』

「うぐぅっ!?」

そしてカウンターとして、ジョーカーの腹に掌底を叩き込んだ。大きく3歩分程押し飛ばされるジョーカーだったが、されどダメージは軽微。顔を顰めはしたものの、すぐに姿勢を立て直して構える。

其処から間髪入れずに前方へ跳躍し、ドーパントの頭部に右のボレーキックを繰り出した。

『もう、学習しないわね』

その蹴りも、矢張り頭部をすり抜ける。ドーパントは危機すら感じず、最早回避どころか身動ぎ1つすらしようとしない。

『ほら、貴女の攻撃は効かないわ。大人しく仲間になった方が身の為だし、レミィちゃんも喜ぶと思うわよ?』

「ッ!巫山戯るな!」

差し出された手を振り払い、体勢を整えるジョーカー。

『頑固ねぇ。何でそんなに嫌がるの?』

「簡単だよ。お父さんやお母さん、クラスの皆、何より・・・出久にフランちゃん、そしてレミリアさんに、恥ずかしくて顔向け出来ないから。

それに・・・アンタみたいな臆病者の仲間になんて、なりたくないからだ!」

『っ・・・臆病者?』

思ってもみなかったか気に障ったか、ピクリと反応するドーパント。対するジョーカーは、ズビッと指差して続けた。

「そうさ!

レミリアさんの妹であるフランちゃんに、この提案を持ち掛けなかったのも!

ライダーシステム全般の最終決定者の出久に、直接交渉しなかったのも!

全部、アンタにとってあの2人が、怖かったからだ!」

『ッ・・・ふん、リスクマネジメントがしっかり出来ている、と言って貰えるかしら?勇気と蛮勇は違う。あの化物共の土俵に立つなんて、5発入りロシアンルーレットよりも命懸けなのは明白。そんなの嫌なのよ』

笑うように下がっていた目尻が跳ね上がり、明らかに不愉快そうな顔をするドーパント。一時の苛立ちを抑えこそしたものの、言い返した声も震えていた。

「そんなもの、考えてやるもんか!」

吐き捨てるように言い放ち、再び拳を握り締めるジョーカー。緑と紫のスパークが弾け、心臓から肩へ、肘へ、手へ、指先へと伝導し、真っ赤なラインがぼんやりと輝く。

『はぁ、何度やっても無駄無d「うりゃぁッ!」グハァ!?』

どうせ効かないと高を括りきり、油断していたドーパントの顔面に、ジョーカーのパンチがクリーンヒット。受け身も取れず殴り倒される事となる。

「おや?無駄じゃ無かったみたいだね」

『ぐっ、ば、馬鹿な・・・有り得ない・・・ッ!』

「フンッ!」

動揺していたドーパントを、大型のコンバットナイフの肉厚な刀身が襲う。間一髪で身を躱したドーパントは、自分を急襲した新手を見て益々眼を吊り上げた。

一番遭いたく無かった存在・・・仮面ライダーエターナルだ。

「フン、有り得ないなんて有り得ないんだよ。事、ガイアメモリが関わる場合は特に、な!」

大きく左前方に踏み出すエターナル。しかし途中で大きく右へ飛び、フェイントを掛けてエターナルエッジで切り裂く。

だがしかし、その一閃さえも矢張りドーパントの身体をすり抜けてしまった。

『くっ、勉強になったわ。エターナル相手じゃ分が悪いし、お暇させて貰おうかしら!』

ドーパントは髪を振り回し、周囲を攻撃。土煙の煙幕を張り、即座に逃走した。

「あっクソ、逃げられた!」

「あの見た目に、あの能力・・・ダイヴって所か」

冷静に分析しつつ、エターナルは変身を解除する。それに習い、ジョーカーもスロットを閉じてメモリを引き抜いた。

「あと、ごめん。ドライバーが・・・」

「ん・・・あぁ、これは・・・いや、大丈夫だな。問題無い」

「え?」

深刻だと思っていた問題をそうでも無さげに流され、ポカンとする三奈。

「奴のアジトに侵入する方法を見付けた。ドライバーがその状態でも、問題無いヤツをな」

ニッと、笑った出久の眼は、ギラリと鋭く輝いていた。

 

───

──

 

『あぁ全く、イライラするわねェ!』

「ひっ!?」

ビーチに戻って早々、ドーパントは近くの木を蹴り付けてへし折る。肩で息をしながらメモリを引き抜き、リリス・ナクルァーヴィの姿に戻った。

「ハァ・・・仕方無いわね。本当はもう少しゆっくりと投薬する予定だったけど、もう良いわ」

「え?な、何を・・・い、いや!やめて!乱暴しないで!」

あって無いような抵抗も虚しく、レミリアはビーチチェアに座らせられる。そしてその上にリリスが跨がり、両手首を左手で掴んで拘束した。

「な、何するのよ・・・!」

「何って、投薬よ。もう少しゆっくり馴染ませる予定だったけど、そうも言ってられなくなったの。此所には来れないだろうけど、念には念を、ね」

爪を伸ばし、レミリアの首筋に刺すリリス。そして、インジェクター構造の指の中に溜めていた薬液をレミリアの体内に流し込んだ。

「あっ・・・あっ!?がぁっ!?」

途端にレミリアの全身を襲う、激しい痺れ。それは苦痛と言うよりも寧ろ甘露であり、身をよじって逃れようとするも叶わず、ただガタガタと五体を痙攣させる事しか出来ない。

「イヤ・・・いやぁ・・・あっ、はぁっ❤」

その眼には涙が浮かびつつもねっとりとした熱が宿り、背中は弓なりに反る。空気を求めて舌を突き出した口からは、色情を孕んだ吐息が溢れた。

「ふふ、こんなに乱れちゃって・・・その薬液、元は只の麻酔だったんだけどね?ドーパントになってからは、こんなに凄い物を創れるようになったのよ。

相手を洗脳したり、気持ちよくさせちゃったり・・・ね❤」

(そうか・・・あの気怠さは、それで・・・)

「たす、け・・・て・・・い、ず・・・く・・・」

白くぼやけ、スパークに塗り潰され掛けた思考の中で、辛うじてその事実を認識しながら、レミリアは意識を手放した。

 

─────

────

───

──

 

「~♪」

「・・・ぁ・・・」

どれ程経っただろうか。上機嫌なリリスの鼻歌で、レミリアは眼を覚ます。

と言っても、意識はぼんやりとしており、身体も鉛のように重い。

「あ、もう起きた。やっぱり吸血鬼ってタフね」

小振りなバッグを抱えて、リリスがレミリアに歩み寄る。そして、バッグの中からあるものを取り出した。

「ガイア・・・メモリ・・・」

それは、数本のドーパントメモリ。そして、銃のような形の機械・・・生体コネクタ手術銃。

「このメモリはねぇ、今まで此所に招待して来た子達のお下がりなのよねぇ♪」

「おさ・・・がり?・・・ま、まさか・・・!?」

じっくりとその言葉を咀嚼し、ぼやけていても優秀な頭脳が、ある可能性に行き着いた。

「元の、持ち主、は・・・」

「ん?あぁ、殺しちゃったわ

「ッ・・・!」

そして、その予想は的中してしまった。

ドーパントメモリの使用者が、自分からメモリを手放す事はまず無い。ましてや、メモリブレイクされていない状態ならば尚更だ。

ならば何故手放したのか・・・簡単な事だ。彼女達が手放す事になったのはメモリでは無く、己の命だったのだ。

「まぁ、厳密にはメモリの毒素で死んじゃったんだけど・・・私の薬液で体質をブーストしてたから、実質私が殺しちゃったみたいなモノね」

「ブースト・・・個性増強薬物(トリガー)・・・?」

「えぇ、そのガイアメモリバージョンをね。気付いてなかったみたいだけど、このビーチの水も、私が生成したドーパント用の体質強化液を少し希釈した物なのよ」

(じゃあ・・・私に、打ったのも・・・?)

「あ、さっきレミィちゃんに打ったのも、その薬液よ。尤も、原液所か10倍濃縮したヤツだけどね?」

サラリととんでもない事を言うリリス。そんな物を投与すれば、並の人間ならば間違い無く即死するだろう。

持って生まれた頑丈さに加え、幸か不幸か、ドライバー越しとは言え高次適合者としてメモリを使用し続け、肉体が人間よりも()()()()に近付いていたから耐えられたのだ。

「さぁて、どれにしようかしら・・・ヴァンパイアかバットがあれば良かったんだけど、生憎無いのよねぇ・・・

セイレーンに、スコーピオン、スキュラに、ラミア・・・あぁでも、やっぱりこれかしらね」

【サキュバス!】

「フフフ・・・このメモリは凄いわよ♪」

 

─カシャッ ガチャッ─

 

上機嫌に鼻歌を歌いながら、手術銃にメモリを装填するリリス。そしてだらりと弛緩したレミリアの肌に触れ、つつっと指を滑らせた。

「くっ・・・!」

「じゃあ、手術を済ませましょうか。何所にしようかしらねぇ・・・」

「んっ・・・ひゃうっ・・・」

厭らしい手つきで撫で回され、溢れそうになる嬌声を堪えようとするレミリア。しかしそれも叶わず、真面な抵抗すら出来ないまま、されるがままである。

「ウフフ、どうせなら、とびっきりセクシーな所に付けちゃいましょう❤」

そう言って手術銃を宛がったのは、下腹部。女性を女性たらしめる器官の、丁度真上だ。

「っ!」

「あら?」

しかし、引き金が引かれる前に、レミリアの手が手術銃を掴んだ。力と言える力が全く入っていないが、それでも抵抗の意思を示すには十分である。尤も、今のレミリアにとってはそれすら途轍もない重労働なのだが。

「いやよ・・・そんなの・・・出久に・・・見損なわれちゃう」

「ッ!」

 

─ガシャンッ─

 

「ぅあっ!?」

ビーチチェアを蹴り倒し、レミリアを蹴落とすリリス。そしてアイアンクローで頭を掴み上げ、ギロリと睨み付けた。

「うっ・・・あぁっ・・・!」

「まだそんなに元気があるなんて。ちょっと吸血鬼を嘗めてたわ。もう少し投薬して、さっさとお人形にしちゃいましょう」

ジャキッと爪を伸ばし、見せ付けるようにジリジリと首筋に近付ける。

最早抵抗出来ないレミリアは、涙が滲む眼をギュッと閉じた。

 

「全く、とんでもない奴だな」

 

「ッ!?」

突如響いた、男の声。リリスが振り向くと、ここに居る筈の無い、入って来られる筈の無い男・・・緑谷出久の姿があった。

 

(出久サイド)

 

「い、いず・・・く・・・」

「ごめん、レミリア。遅くなった」

「ば、馬鹿な!?どうして此所が!?」

困惑するリリス・ナクルァーヴィ。レミリアから手を離し、此方に向き直る。

「私みたいな能力が無いと、絶対に入れない筈・・・」

「善良なファンクラブ会員のお陰さ、リリス・ナクルァーヴィ」

あの後、俺は地下鉄で発生している電気系統の異常から、その中心点を絞り込んだ。そして、レミリアからのメール・・・密閉された地下空間ならば、電波は届かないだろう。だが、此所の設備はかなり電気を喰う。それを取り込む電線の僅かな隙間から、電波が漏れたのだ。

そしてその電源と言うのが、件の地下鉄の電気系統の異常。どうやら電源系に細工を仕込んで、電気を盗んでいたらしい。ご丁寧に複数箇所に分散接続して、少しずつ掠め取っていたようだ。

「お前が電気を盗んでいた地下鉄の従業員に、俺のファンがいてな。異常箇所が複数に分散していたが、逆に中心点を見付けやすかったよ。そして・・・ここに入れたのは、お前のお陰さ。ありがとよ、出入り口を残しといてくれて」

そう言って、俺はレミリアのスタッグフォンを取り出してみせる。まるで訳が分からないと言いたげなリリスを揺さ振る為に、丁寧に説明してやろう。

「お前は絶望を煽る演出として、敢えてスタッグフォンを破壊せず、使用不能程度に留めたんだろう?だが、それがお前の墓穴になった。

あれだけ大々的に発表したんだから、俺がどんな存在かは知っているだろう?」

「ッ!メモリー、ドーパント!」

「正解。ま、正確には元、メモリードーパントだがな」

そして、かなり重要な情報も引き出せた。

俺のドーパントメモリを知っているのは、三奈にフランにオールマイト、シンフォギア世界のS.O.N.G.・・・そして、財団Xとそれに連なる奴等だけだ。

ならばコイツは、恐らく財団Xと連んでいたであろう、パヴァリアの奴等のお得意様と言う訳だ。

「しかし、自分の身体をデータに分解する能力は依然健在だ。だからこのスタッグフォンに自分を送信し、ここで出力した」

(ホント、出久って凄いよね)

ドライバーを通じて、三奈の声が聞こえてくる。

今、三奈が居るのは紅魔館の図書館。そこでダウルビッカーにエクストリームメモリを直結し、アップグレードアダプターを装着したアクセルメモリのマキシマムで出力を底上げ。そしてダウルセイバーのマキシマムスロットにスタッグ疑似メモリを装填し、このレミリアのスタッグフォンに転送して来たのだ。

「ッ・・・けど、そのメモリじゃエクストリームにはなれないでしょ?それに、この上の街もエターナルレクイエムの範囲内。ダブルの単一敵に対するレクイエムも、相方が居なきゃ成立しない」

そう言って、俺のドライバーを指差すリリス。

確かに、今の俺はエクストリームも、レクイエムも使えない。更に情報量を減らす為、最低限のメモリ以外は持って来ていない。NEVERの皆とも分離して来た。

俺の手元にあるのは、ドライバーに刺さっているのも含めて2本だけだ。しかし・・・

「所が、あるんだなぁ。お前への一手が。行くぜ、三奈」

(オッケー!)

一言思念を飛ばすと、三奈の声と共にジョーカーメモリが転送されて来る。それをスロットに押し込み、バックルを展開した。

「『変身ッ!」』

 

ファング!ジョーカー!

 

「『ウオォォォォォッ!!!」』

雄叫びが響き、身体が生体装甲に包まれる。

牙と切り札の記憶が風を巻き上げ、鋭利なガイアアーマーが逆立った。

仮面ライダーダブル・ファングジョーカー。普段のダブルよりもより尖った攻撃的なそれは、原点とは違い、頭部のアンテナの両端がエターナルジョーカー同様、上に折れ上がっている。矢張り、俺の要素が強いらしい。

「新しいダブル!?チッ、面倒ね!」

【ダイヴ!】

悪態を吐きながら、ダイヴドーパントに変身するリリス。そして身体の全面がジッパーのようにガバリと開き、レミリアを取り込もうとする。

「させねぇよ!」

 

─ガシャッガシャッ ギャーオッ!─

 

【ショルダーファング!】

右肩に生成したショルダーセイバーを切り離し、レミリアを掴む腕目掛けて投擲する。ショルダーセイバーは意思を持ったように軌道を変え、その腕を切り裂かんと迫った。

『チィッ!邪魔ね!』

しかし、ショルダーセイバーはその腕を素通りして戻って来る。だが、既に俺達は掛け出しており、レミリアの手を掴んでいる。ショルダーセイバーは左手でキャッチだ。

「あ・・・出久・・・」

「お待たせ、レミリア・・・ごめんな。こんなになるまで、助けに来られなくて」

パールホワイトの右手で、赤く腫れたレミリアの頬を撫でる。その手に愛おしげに触れながら、レミリアは首を振った。

「ううん、大丈夫。絶対に来てくれるって、信じたから・・・平気よ」

「『ッ・・・」』

明らかな強がりだ。小さく震えているし、何より顔色も悪い。

しかしそれでも、俺達はレミリアの希望になれていたようだ。

『あぁもうむかつくわね!その手を離しなさい!』

『誘拐犯が言う事じゃ無いよ!』

「逆にお前の魔の手から、レミリアを救ってやる。動くなよ、レミリア」

「お願い・・・ね・・・」

緊張の糸が切れたのか、レミリアは気絶してしまった。彼女を地面に寝かせて、ショルダーセイバーを右手に持ち替える。そして唯一持って来たメモリを取り出した。

【アメノハバキリ!】

【アメノハバキリ!マキシマムドライブ!】

アメノハバキリのシンフォニックメモリをマキシマムスロットに叩き込み、ボタンを叩く。ショルダーセイバーは青いオーラを纏って直線的に伸び、その鋭さを一層増した。

「『ファング!ソゥザシャドウ!」』

そのショルダーセイバーを再び投擲。すると今度はセイバーから数本の小太刀が分身のように出現し、ダイヴドーパントの身体に突き刺さる。

『うがぁッ!?そ、そんなッ!?くっ、惜しいけど此所は撤退・・・ぐあァッ!?』

膝を着いて地面に潜ろうとするダイヴだったが、小太刀から発生したエネルギーによって能力を妨害される。どうやら、思った通りだったようだな。

『何で!?どうして潜れないの!?』

「シンフォニックメモリで無効化出来るって事は、矢張り位相操作による並列次元への潜航能力だったらしいな」

『通形先輩と同じ感じって事だね』

「あぁ。そしてシンフォギアはフォニックゲインによって位相差障壁を破壊し、対象をこの次元に調律する」

気掛かりなのは、三奈のワンフォーオールでも同じ事が出来た事だが・・・まぁ、後で考えるとしよう。

『くっ、抜けない・・・!』

『何にせよ、ヌルヌル逃げ回られはしなくなったって事だよね』

「あぁ。隠れんぼは俺達の勝ちだ」

『チッ・・・でも、貴方を殺せば済む話だわ!』

ダイヴは指の爪を伸ばし、鋭く踏み込んで斬り掛かって来る。だが、俺達の動体視力に掛かれば、そんな物は欠伸が出るような鈍さだ。

『ハッ!』

「チィアッ!」

左手のアンクレットで伸びてくるダイヴの手を弾き、そのまま上体を左に落として右脚でセパタクローキックを叩き込む。更に其処から体軸を捻り、右脚を奴の肩に乗せたまま左の踵落としを頭に振り下ろした。

『ウガッ!?』

『まだまだッ!』

「どんどん行くぜッ!」

その反動でバク転し、両手脚を地面に着けた状態から飛び掛かって右手の爪で斬り掛かる。

「ウラッ!シャァッ!シレェッ!!」

『あぐぁッ!?』

火花を散らした爪を振り下ろして地面に付き、流れるように左脚を振り上げて前転しながら足裏で蹴り付けた。

まだまだ止まらない。蹴りの勢いを損なわず右脚を振り下ろして前転し、再び右手の鉤爪を斬り付ける。更に右肘で追撃し、そのまま右腕を抱え込むように回転を加速して左脚でテコンドーのような飛び後ろ回し蹴りを見舞った。

『ぐぅぅぅ・・・』

『タフな奴だね!』

うんざりしたような声色の三奈。実際、次元潜航は負荷が強い。それに耐えられる、優秀な耐久力を持っているのだろう。現に、攻撃した手脚から伝わる感触は柔軟ながら非常に頑丈。

だが、逆に攻撃力に於いてはあまり突出した物は無さそうだ。

「チェイッ!」『ハァッ!』

「ウォラッ!」『でぇいッ!』

「ッショウッラァ!

ガアァァァァァァッ!!」

左右のコンビネーションでいっきに畳み掛け、猛る闘争本能に任せて咆哮を上げる。もう止まりはしないな!

「よし、此所から一気に─────

 

─バヂッ!バヂヂヂヂッヂヂヂヂッ!─

 

─────うがァァァァッ!?」

『うアァァァッ!?』

突如全身を貫いた激痛と、弾けるスパーク。

その源は、ソウルサイドスロットに装填しているファングメモリだった。出力が急激に跳ね上がり、オーバーロードを起こしている。

「な、何だッ!?ファングの出力が・・・!?」

『何だか分からないけど、チャンスね!でいッ!』

「『ぐあっ!?」』

動きの止まった隙を突かれ、さっきとは一転して蹴り飛ばされる。

何だ、このファングの以上な出力の上昇は・・・(ファング)

「ッ!そうか、過剰適合か・・・!」

今の俺は吸血鬼。牙はその代名詞であり、本質的に無くてはならない物。故に、適合率が跳ね上がったのか・・・

単体の仮面ライダーファングならばまだ良かったが、ダブルで適合率のバランスが崩れるのは拙い・・・三奈は過剰適合に至っていないし、ETER・アズールブレイズによるジョーカーサイドへのブーストも出来ない。

『ホラホラどうしたの?さっきまでの威勢は、どこへ行ったのかしらッ!』

『うぐっ・・・』「がはっ・・・」

殴られ蹴られ、防戦一方。俺の身体も大概タフだが、流石にこのままじゃ・・・

(出久ゥッ!)

「ッ!あ、アニキ!?」

これは、フランのリミピッドチャンネル!?中継してたのか!

(俺のメモリを使えッ!俺の根性で、お前らを支えてやるぜッ!)

「そ、そうか!それなら・・・三奈!もうちっと頑張れるか?」

『モチのロン!まだまだ平気だよ!』

「ヨシ!」

ファングメモリの外装を起こし、バックルを閉じる。そしてジョーカーメモリを引き抜くと、脳内に思念が飛んで来た。

(ヨッシャァ!行くぜェ!!)

同時に、ボディサイドのスロットにメタルが転送されて来る。それを押し込み、再びバックルを展開。闘士の記憶が身体を駆け巡り、全身に力が漲るのが分かった。

 

ファング!メタル!

 

「『『ハァァァァァァッッッ!!!』」』

 

金属質の鋭い牙のようなエフェクトが飛び交い、刃の嵐が俺達を包む。

左半身が鋼鉄のようなガイアアーマーに覆われ、背中に専用武器であるメタルシャフトが生成。指の先端が鋭く尖り、文字通りのアイアンクローになった。

仮面ライダーダブル・ファングメタル、爆誕。

メタルメモリの適合率をアニキがカバーし、俺のファングに追い付いた。

『次から次へと、鬱陶しいのよ!』

癇癪を起こしたダイヴは、髪の毛を逆立て針のように固め、弾丸のように射出してくる。しかし、この程度なら・・・

 

─カンッ キンッ バキンッ─

 

左手で2発、メタルシャフトで1発、余裕で払い落とせる。

『だったらッ!』

単発で駄目ならばと、今度はショットガンのように面で撃ってきた。だが、俺達に焦りは無い。

メタルシャフトのマウント用生体磁石コネクタを掌にくっ付け、高速回転させる事で難無く防いだ。

『バカね!それは撒き餌よ!』

奴の眼がニヤリと歪み、右手の指から針が射出される。その狙いの先には・・・未だに気絶して動けないレミリアが居た。

『ヤバい!』

「だったら!」

思考を加速して弾道を見極め、両端を伸ばしリーチを増したメタルシャフトで野球のように打つ。針は容易く砕け、シャフトの先端が中に詰まっていた薬液であろう液体で濡らされた。

『ギィィ・・・何で!何で思い通りに行かないのよッ!私はただ、今まで無駄にした時間の分まで、自由に生きたいだけなのに!』

『だから病院を抜け出して、自分も被害者に成り済ましたって訳?』

『そうよ!自分の個性で作った麻酔で、何とか明日の命を買うッ!そんな命懸けのその日暮らしは、もうウンザリなのよッ!!』

頭を掻き毟り、絶叫するように語るダイヴ。

そう、この女は、誘拐の2番目の被害者と扱われていたのだ。

生まれついての病弱体質に、両親の事故死。そして、畳み掛けるように牙を剝いた大病。延命治療に掛かる金は、病院に自分の生成した小量の劇薬を売り渡して稼ぐ。

こんな生活、捻じ曲がらぬ方が無理と言うモノだ。

そして地球の本棚で調べると、誘拐被害が発生する1ヶ月程前、急激に容態が回復していた。恐らくメモリを手に入れ、その副作用に依るモノだろう。

「だからメモリに溺れたか」

『フフ、違うわ!私はこのメモリで、新しく蘇ったのよッ!!

生殺与奪の悉くを他人に支配され、生きる事も出来ず唯々死んでないだけの日々強いられた、弱くてちっぽけな私はもう居ないのッ!私の好きに生きるのよ!』

「そうか・・・」

確かに、気持ちは分かる。

周りの人間が当たり前に出来る事が、自分には出来ない。夢を見る事さえ許されず、幼い希望すら摘み取られる。

その絶望と、そしてそれでも諦めきれぬ希望への熱狂的なまでの渇望は、幼少期の俺が抱えていた物と同じだ。

だが、しかし・・・

「だからと言って、他人の人生を奪って良い訳じゃあ無い!」

『よく言ったぜ出久!こんな奴、とっととやっつけちまえ!』

「あぁ!」

 

─ガシャガシャッ ギャーオッ!─

【ショルダーファング!】

 

アニキの叫びに応え、タクティカルホーンを2回弾く。ガイアウィスパーが響き、右肩からファングジョーカー時の3倍は大きなショルダーセイバーが生成された。

「更に、もういっちょ!」

 

─ガシャガシャッ ギャーオッ!─

【ショルダーファング!】

 

「『ハァァァァァァッッッ!!」』

再びタクティカルホーンを弾くと共に、気合いの雄叫びを上げる。するとどうだろう。何と左肩からも巨大なショルダーセイバーが出現したではないか。しかもメタルの性質を反映し、まるで日本刀のような鋭い金属質の光沢がある。

「『ウッラァ!」』

 

─バキィンッ─

 

両肩のセイバーを、勢い良く引っこ抜く。そして先端側を握って二刀流のように構え、姿勢を大きく落とした。

『あぁもうッ!何で好きにさせてくれないのよ!イライラが止まらないのよォォッ!!』

激昂して爪を展開し、飛び掛かって来るダイヴ。しかしそのガラ空きの胴を目掛けて、鋭くステップを踏んで前に出る。

「『ッシャラァッ!」』

 

─シャキンッ!─

 

『うがぁッ!?』

その勢いに乗って、両腕を挟むように振るい斬り付けた。そして直ぐさまバックステップし、同時にΧ字に切り払う。

『こんなモンじゃ無いぜ!』

 

─ヒョウッカチンッ ギャギリンッ─

 

今度はセイバーの根元側に持ち替え、生体磁石コネクタで2本のブレードを重ね合わせるように合体。其処から腕を大きく回し、遠心力を上乗せして肉厚の曲刀として横凪に振るった。

『ぐあぁぁぁ!?』

吹き飛ばされたダイヴは小屋に激突し、瓦礫と砂塵を舞い上げる。その奥には、フラつきながらもまだ立ち上がるダイヴの姿が見えた。

『いい加減に、決めようか!』

「あぁ、賛成だ!」

『ブチかませ出久ゥ!』

 

─ガシャンッガキンッ─

 

背中のメタルシャフトの先端に、ショルダーセイバーを装着。伸びたシャフトを左手で掴み、身体の前に持って来る。

それは、正しく死神の大鎌(デスサイズ)。それを左肩に担ぐように構え、タクティカルホーンに右手を伸ばした。

 

─ガシャガシャガシャッ ギャーオッ!─

【ファング!マキシマムドライブ!】

 

「『ハァッ!!」』

大鎌の刃に青いエネルギーを纏わせ、得物の間合いへと踏み込む。そして横一文字に振るう、必殺の一閃!

 

「『葬送!鋼牙大鎌斬(ファングデスサイザー)!!」』

 

『キャァァァァァァ!!!?』

断末魔の絶叫を上げて、ダイヴは爆散。炎が舞う。

『よっしゃ!やったな出久!』

『後は取り敢えず、レミリアさんを連れ出すだけだね!』

「・・・いや、待て!おかしいぞ!」

爆散したダイヴの方を振り返ると、其処には何も無かった。リリス・ナクルァーヴィも、砕けている筈のダイヴのドーパントメモリも。

「まさか・・・クソッ!逃げられたかッ!!」

『何だと!?』『嘘でしょ!?』

手応えはしっかりあった・・・アメノハバキリによるアンカーも健在だった・・・考えられるのとすれば、協力者か?

「・・・悔しいが、ウダウダ悩んでもどうにもならん。此所から脱出しよう。

三奈。変身を解除して、フランと一緒に迎えに来てくれ。フランなら、魂が繫がってるから場所は分かるだろう?」

(勿論!任せて!)

「メモリは好きに使って良いからな」

『了解。じゃあ後でね!』

「あぁ、待ってる」

バックルを閉じてメモリを引き抜き、変身解除。レミリアに歩み寄る。

「うぅ・・・あぁ・・・」

「・・・もう、大丈夫だ」

魘されるレミリアの頬を跪いて撫で、頭を支えながら抱き起こす。そしてその場に胡座をかき、椅子のように座らせて俺の胸に凭れさせる。すると、幾分か寝息が落ち着いてきた。

「・・・!」

右手にサワリとした感触。見れば、レミリアが俺の手を握っていた。

「冷たいな・・・」

冷えたその手をそっと握り返して、俺はフランの救出を待つ。若干疼く牙を自覚し、その衝動を堪えながら。

 

(NOサイド)

 

「只今戻りましたわ~♪」

「おー、お帰りー」

拠点に戻った青娥に、ヴォジャノーイが返す。相変わらずセルメダルを喰っており、ソファでグデリと寝そべって手をピラピラと振った。

「その女は何だ?」

「私の愛人ですわ」

腕を組んだバーバヤガーの質問に即答し、青娥は横抱きに抱えていたリリスを椅子に座らせる。

「この子、かなり有用な能力に目覚めていましたの。でも仮面ライダーに潰されそうになってて・・・可哀想だから掠め取ってやりましたわ♪」

「良い判断ですね、それは」

「「ッ!!」」

何処からとも無く、ヌルリと現れて会話に加わるアダム。ヤガーとヴォジャノーイはまだ慣れないらしく、ビクリと身体を震わせた。

「ボス、成果はどうですか?」

「えぇ。順調ですよ、とても。既に目処が立ちましたよ、量産のね」

「それは素敵ですわね!」

楽しげに笑う青娥だが、その笑顔には黒い影が宿っている。

「あぁ、実に楽しみですわ・・・♪」

 

to be continued・・・




~キャラクター紹介~

緑谷出久
元データ人間・現吸血鬼な化物主人公。
風都探偵と全く同じようにビーチに侵入し、レミリアを確保。
リリスの自由への渇望は理解したものの、それとこれとは別問題と切り離して容赦無く倒したが、犯人であるリリスには逃げられた。
吸血鬼化によってファングまでもが過剰適合状態になっており、現状ファングジョーカーでの運用はほぼ不可能なので派生形でカバーすると言う、原作仮面ライダーW及び風都探偵とは真逆のプロセスでファングメタルに至った。

芦戸三奈
出久の正妻。
ワンフォーオールの可能性を見せた。
気合いで出力が上がるジョーカーでも、流石にまだ過剰適合に追い付くレベルまでは行けていない。
ファングジョーカーでの荒々しくアグレッシブなバトルアクションは、ダンスで動体視力を鍛えていた三奈だからこそ着いて行けた。
戦闘が終わったら、フランと一緒に現場に急行する。

フランドール・スカーレット
出久の第二夫人。
出久の戦況をリアルタイムで把握し、更に剛三の声を出久に届けると言う活躍を果たしたので、地味に今回のMVPだったりする。
この後出久達を救出しに行く。

堂本剛三
今回のキーパーソン、鋼鉄のアニキ。
過剰適合者でありハイドープ、且つデータ人間となっている自信の特性を最大限に利用し、自分の精神ごとダブルドライバーでメタルメモリを転送。そのまま変身させる事により、自身の適合率をダブルのボディサイドに反映させる事でファングとのバランスを取った。

リリス・ナクルァーヴィ
ダイヴドーパント。自己中女。
幼少期の両親との死別と自身の病弱体質、そして不治の大病によって健常者を羨むようになり、その心の闇を青娥に見出された。同性愛と、描写しきれなかったが美女の絵を描いて小屋の中に蓄えると言う趣味も、心身ともに不自由無く生きられる健常者への渇望が表面化したものである。そんな普通になりたかった彼女のドーパントとしての能力が、他者とズレて干渉を拒む事とは、何とも皮肉なものである。
人格的には稚拙で未発達な所があるものの知能は高く、自身の能力をハッキリと確認しつつ隠れ家を用意してから誘拐を開始し、更に最も疑われ難いであろう2番目の被害者として雲隠れしていた。
尚、ガイアメモリの副作用で病気は完治している。

霍青娥
今回の黒幕。
歪んだ羨望、他者への憎悪・・・そう言ったドーパントメモリに適合しそうな感情が集まる病院と言う環境を物色していた所、リリスと出会う。彼女にドーパントメモリを渡し、ハイドープにまで育て上げた(半ば放任主義ではあるが)。
リリスが言っていた『彼女』とは青娥の事であり、唯一ビーチへのフリーアクセスが可能。

~フォーム&技紹介~

・ファングジョーカー
今回のチョイ役フォーム。
両手両足の肉弾戦に、アームセイバー、ショルダーセイバーを織り交ぜた荒々しくも豊富な戦術を展開する。
しかし、出久がファングに過剰適合していたせいでバランスが崩壊してしまった。

・ファングメタル
俊敏性と頑強性、そしてポールウェポンによるリーチを兼ね備えたファング系派生フォーム。
両肩のショルダーセイバーがかなり巨大化しており、モードを組み替えて複数の武器として振るう。両肩に装着した状態のサイズ感イメージは、オーズ・タマシーコンボ。武器のモーションはbloodborneの幾つかの武器。

・ファング・ソゥザシャドウ
意味は影縫い。アメノハバキリのエネルギーをセイバーに纏わせ、投擲する事で刃を分身。そのまま敵に突き刺す事で、位相差障壁の発生を阻害、封印する。

鋼牙大鎌斬(こうがだいれんざん)(ファングデスサイザー)
ファングメタルの必殺技。連結したショルダーセイバーをメタルシャフトに接続して、そのデスサイズの刃にマキシマムのエネルギーを纏わせ一閃し、対象を空間ごと両断する。
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