僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase2 作:エターナルドーパント
「オメェが出さないのがいけないんでしょうよ!俺ちゃん悪くないも~ん!」
『・・・アヤヤン』ボソッ
「大変!申し訳ございませんでしたッ!」
『謝罪も早いなお前は・・・』
(出久サイド)
あの後仁が帰って、何やかんやで4日目。
漸くコスチュームが帰ってきたぜ。袖を通してみれば、袖の先から指貫グローブが出てた。グローブはサポーターに繋がってるらしい。まぁ元々の外見はそのままだな。ゴテゴテしない方が、俺としては助かる。
「ふぅ~・・・さて、今日も1日頑張るぞい!」
竜兄さんはそこそこの歳なのにスポンジの如く吸収が良く、既にバイクモードを戦闘に織り交ぜるスタイルもほぼ完璧だ。まぁやる事は変わらず自習だが・・・因みに、竜兄さんに渡したのは俺が手作業で造ったT1メモリだ。どうもT2は、同じメモリを2本以上は創れないらしい。まぁ壊れたら補充出来るようだが・・・
「切島」
「お、おう」
「今日は、俺がお前に付く。
「う、ウッス!」
「固いぞ切島。固くなんのは身体だけにしとけ。戦場では、冷静さと柔軟な思考が生死を分ける。さぁ来い。かっちゃんと麗日もだ」
「おう」
「は~い!」
今回は、俺達の特設リンクを創って貰った。まぁこの人数だからな。100×200m四方の体育館の内、30×30を貸して貰ってる。
「さて、仁は『念じれば出て来る』っつってたな。取り敢えず出て来いって念じてみろ」
「投げ遣りやね・・・」
「コレばっかりはどうしようも無い」
苦笑いする麗日にそう返す。そして5つ数える間に、全員のドッグタグが淡く光り出した。その光からバックルが出現し、それぞれの手に収まる。
「コレ・・・ベルトか?」
「そうみたいやね、この感じは」
「おぉ~」
それぞれの手にビルドドライバーが握られ、全員がそれをまじまじと見つめた。
「じゃあ、まずは切島から行ってみようか」
「俺!?・・・よし!」
覚悟を決めて、切島は腰にビルドドライバーを押し当てる。
─ガシャッ─
すると瞬く間に黄色い帯が伸び、ベルトとして装着された。見れば、かっちゃん達も装着したようだ。
「・・・起動音は鳴るけど、名乗りはしないのか」
「肩透かしというか・・・」
「まぁスクラッシュを最初に経験すればな・・・じゃあ次だ。今度は青いドッグタグから出してみろ」
「おう!」
答えて念じる切島。すると3秒も経たず再び光が溢れ、切島の手にはドラゴンボトルが、その顔の横には青いドラゴン型のメカ・・・クローズドラゴンが現れた。
「うおっ!?ドラゴン・・・のロボット?」
「ソイツはクローズドラゴン。サポートメカだ。まずソイツをキャッチしろ」
「わかった。来い!クローズドラゴン!」
切島の呼び掛けに対して、あっさり首と尻尾を畳んでその手に収まるクローズドラゴン・・・感情のリンクが必要無いとは、仁の奴、何か弄ったな?まぁ良い。
「じゃ、次。ボトルを振って蓋を正面に合わせ、クローズドラゴンの背中に開いたスロットに装填だ」
「ん、こうか」
─カシャカシャカシャカシャッ パシュッ ガキョンッ─
「クローズドラゴン側面についたボタンを押し、アイドリングモードに移行」
「コレだな」
賺さずボタンを押し込む切島。
〈WAKE UP!〉
「後はクローズドラゴンをビルドドライバーに装填し、ハンドルを回すだけだ」
「よぉし!そりゃっ!」
─ガシャンッ─
【クローズドラゴン!】
認識音声と共に、リズミカルな明るい電子音声が流れ初めた。そして切島はハンドルを回し、拳を掌に打ち付けてファイティングポーズを取る。するとビルドドライバーから透明なパイプが前後に延びてスナップライドビルダーを形成し、パイプは青い液体で満たされて前後にハーフボディを形作った。
【ARE YOU READY!?】
「変身ッ!」
切島の言葉に答えるようにスナップライドビルダーが切島の体を挟み込む。
【WAKE UP BURNING!GET CROSS-Z DRAGON!YEAH!!】
ハーフボディが装着され、右足と左腕にはオレンジのバーンアップクレストが刻まれる。そして胸にはジャケットのような装甲、ドラゴライブレイザーが羽織るように装着され、頭部にフレイムエヴォリューガーが追加される事で、その戦士は完成した。
しかしその姿は原点の仮面ライダーとは異なり、ゴーグル型の複眼の下に切島の素顔が覗く形だ。腕も肘が露出しており、拳は指貫グローブになっている。何より、腹の部分が開いており腹筋が大きく露出していた。
「祝え!蒼き龍をその身に纏い、あらゆる敵を焼き尽くす劫火の戦士!その名は仮面ライダークローズ・ライト。今正に、新たなる同士が誕生した瞬間である!」
「誰に言ってんだ?」
竜兄さんにも聞かれたわ。
「ウオォォ!?スッゲェ!!」
「カッコイイよ!切島君!」
「確かに、暑苦しいキャラだから違和感ねぇわ」
「かっちゃんに同感だ」
ホント万丈に似てるよ、切島。
「か、カッコイイ!」
「オールマイト!?」
声の元を見てみれば、トゥルーフォームのオールマイトが感動していた。確かかっちゃん達の時もカッコイイって言ってたっけな。
「じゃあ次、かっちゃん。やり方は切島と同じだ」
「分かってる。任せろ」
そう言ってかっちゃんは
─ガシャンッ─
【ボトルッキィーンッ!!】
「うおっ、この声か・・・っし!」
多少驚きつつもグリップを畳み、叩き降ろすようにしてビルドドライバーにグリスブリザードナックルを装填。
【グリスブリザァァァドッ!!】
儚げな美しい待機音の中ハンドルを回し、左手で前を指差す。その背後には拳型の釜であるアイスライドビルダーが出現し、放たれる冷気によってかっちゃんの脚は氷で包まれた。
【ARE YOU READY!?】
「出来てるよッ・・・!」
ビルドドライバーの問いにかっちゃんが答えた、その瞬間。
アイスライドビルダーが傾き、液体窒素のような液体、ヴァリアブルアイスがかっちゃんに頭からぶっかけられた。そしてかっちゃんの身体が、大きな氷塊で覆われる。
そしてその氷塊をアイスライドビルダーが圧し砕き、その戦士は姿を現した。
【
ガァキガキガキガキッ!ガッキィィィンッ!!】
その色は、まるで晴天の如き蒼。
クリアゴールドだったヘルメットはメタリックブルーに変わり、目の端が鋭く尖っている。
左腕はゴツいロボットアームが追加され、その身体からは絶えず白い霧が発生していた。
「ハァ~・・・心火を、燃やして・・・
ブッ潰すッ!!」
閉じていた目を静かに開き、クールに言い放つかっちゃん。
「祝え!秘めたる愛を拳に込め、絶対零度の焔となりて敵を砕く氷結の戦士!その名は仮面ライダーグリスブリザード!その力を受け継いだ瞬間である!!」
「お前それ毎回言うんか」
「うん」
ウォズの紹介文句、結構気に入ってるからね。
「で?身体はどうだ?」
「・・・スッゲェ軽い。今ならオールマイトにも負ける気がしねぇ」
「そのグリスブリザードへの変身によって、かっちゃんのハザードレベルは急激に上昇した。グリス・ライトのスペックも、かなりあがっている筈だ」
俺の言葉に、グリスブリザードは右手を握ったり開いたりして具合を確かめる。
「じゃあ、最後は私ね!」
そう言い、麗日は紫のドッグタグからアイテムを召喚した。フルフルボトルに酷似した、紫と金のボトルだ。
─バキッ ガチッガチンッ!─
【プライムロォーグッ!!】
真ん中で折り曲げ、2回噛み合わせる麗日。そのボトルは、ワニの横顔が彫り込まれていた。
そしてエレキギターのようなサウンドが鳴り響く中、ビルドドライバーに装填してハンドルを回す。
【グァブッ!グァブッ!グァブッ!グァブッ!グァブッ!】
【ARE YOU READY!?】
「変身ッ!」
麗日の言葉に答えるように紫のワニの顎が現れ、その身体を黄金の線が包んだ。
【
ドォリャドリャドリャドリャドリャッドォォリャアァァッ!!】
そしてその顎が黄金色の繭を噛み砕き、戦士の姿が現れる。
ヘルメットが無くなり、その頬と胸にはひび割れではなく黄金の唐草模様が入ったスーツ。
ショルダーと頭の顎パーツは一部が白く染まり、純白のマントがはためく。
「大義の為の・・・犠牲となれ・・・」
目を見開き、静かに呟くプライムローグ。その姿、さながら高潔な貴族の如し。
「祝え!高潔なる大義の為に、相対する正義を真っ向から噛み砕く戦士!その名は仮面ライダープライムローグ!今正に、再誕の瞬間である!!」
「お祝いありがとう」
そう言いながら方を回し、首を捻ってみるプライムローグ。その表情は、ローグ・ライトの時よりもかなり柔らかく見えた。
「・・・コレ仁の趣味だろうな」
プライムローグがグリスブリザードの方振り返った瞬間見えちまった・・・肩甲骨から背中中央にかけて大きくスリットが開いてやがる。あんにゃろう・・・
「ウッヒョーッ!あの背中!撫で回すしかない!」
「ダメに決まっとるわこの歴史的馬鹿モンが」
峰田に拳骨を落とし、そのまま投げ飛ばす。
「さて、全体的なスペックチェックと行こう!」
───
──
─
「ふむ、成る程」
スペックチェックが終わり、3人を集合させる。中々良いデータが取れた。
「切島は、露出している腹筋や腕を硬化で補える。指先も出てるから、殴打や貫手、鍵爪攻撃も可能だな」
「おう!それに硬化しなくてもアーマーがあるから、前より素早く立ち回れると思うぜ!慣れが必要だけど・・・ま、練習あるのみだ!」
─カァンッ!─
拳を打合せる切島。士気は上々っと。
「かっちゃんは、左手のロボットアームを収納出来るんだよな」
「あぁ、根元でヒンジになってて腕にくっ付く。これで爆破使って飛べるわ。左右非対称だからバランスに気ぃ使うけどな」
それでも飛べてたじゃねぇか。
「麗日は、握力などのスペックが上昇している。特に上がってたのは、両脚の咬合力だな」
「フツーの鋏み蹴りでコンクリ砕けたからね~」
俺でも無事では済まんだろうな。
「後、背中のスリットはマントでカバーしてるんだな」
「うん。このマント凄いよ、切島君が爪立てても全然破れなかったもん」
「まぁライダーの兵装だからな」
実際、原点ではスチームガンの銃撃すら防いでたし。
「よし、今日は此処まで!ライダー組は解散!」
「分かった~」
「あいよ」
「ふ~、ちょっと疲れてもうた~」
全員が変身を解除し、その場で座り込む。初変身で、少し疲れたようだ。今日はぐっすり眠れるだろう。
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「そーいやさ~、出久知ってる?」
「何をだ?」
「バラバラ殺人」
ハイツアライアンスでくつろいでいると、三奈が話題を振って来た。中々に物騒なネタでだが。
「あぁ、神野周辺で死んでるんだろ?竜兄さんから聞いたよ」
何でも、刃物で解体されたとは思えない死体が出てるんだとか。ひどい奴だと手首だけ、指だけとかもあったらしい。
「そうそう。怖いよね~。寄りによって、出久が連れてかれた所だし」
「確かに、
しかも、それら全部が最近行方不明になっていた者達だと言うからかなり怪しい。
「もしかしたら、また何か動いてんのかもな・・・」
─ピポパポパピッ─
俺はある所に電話を掛ける。
「何処にかけてるの?」
「ちょっと言えない所」
「あ・・・」
察しが良くて助かる。だが・・・
『お掛けになった電話番号は、現在使われておりません・・・』
「・・・忙しいのかねぇ」
「出なかった?」
「あぁ。もしかしたら、ガイアメモリの情報源になるかもと思ったんだがな」
スタッグフォンを閉じ、ポケットに仕舞う。さて、そろそろ・・・
「もうすぐ就寝時間だ!テレビを消したまえ!」
「あ~いあい、消しますよ委員長」
来ると思ったよ飯田。
「にしても、フランちゃん今日元気なかったね」
「あぁ。病気でもなきゃいいんだが・・・お休み、三奈」
「うん、お休み」
そう言って三奈は女子寮に上がって行った。
───
──
─
「とは言ったものの、今日はやけに目が冴えるな」
部屋に戻ったは良いが、一向に眠気が来ない。どうしたものか・・・
「そうだ。いっちょ、開けるかな」
【ボーダー!マキシマムドライブ!】
俺はスキマゲートを開き、中から1本のボトルと1袋のビスケットを取り出す。緑色のボトルの中には紅色の液体が入っており、眺めれば静かに波立つ。
「良い酒ってのは、飲んでこそだよな」
そう、昔テロ組織から貰って来た赤ワインだ。イギリスなんかじゃ、少し飲んだからな。因みにテロ組織は壊滅させた。
「さて、グラスも出したし・・・開けますか」
コレは指であけられるタイプなので、コルクを掴んで引っこ抜く。ポンッという小気味良い音と共に、コルクが抜けた。
そのままボトルを傾けて、中身をグラスに注ぐ。そして1杯入ったら、すぐにコルクを閉めた。
「さて、頂きましょう」
グラスを回せば、何とも言えない良い香りが舞う。葡萄の香りの中に、ほんのりとホワイトオークのバニラ香が薫った。
「葡萄も、樽も良いな。では・・・」
グラスを傾け、一口流し込んで口の中で転がし、風味を楽しむ。
「ハァ・・・あまり多く飲んだ事はないが、旨いな」
今度はビスケットを開け、1つ口に放り込む。
ザクザクした強い歯応え。バターと小麦の風味の中に、ちょっぴり強めの塩味がアクセントになって・・・ベストマッチだ。
もう1つビスケットを口に放り込んで、またワインを流し込む。最初の一杯はかなり楽しめた。偶には、こっそり飲むのも良いかもな。
「・・・今日は、良い夜だよな。木々は揺れ、月は満ちている。こんな夜に、どうかしたか?───
───フラン」
─バタンッ─
俺の言葉に反応するように、窓が開く。その外には、赤い目を爛々と怪しく輝かすフランがいた。
「いず・・・く・・・」
そう呟き、部屋に入ってくるフラン。耳を澄ませば、その荒い息遣いが聞こえてきた。
「ごめん、いずく・・・もう、がまんできない・・・」
苦しげな、しかしとろけた声でそう言ってくるフラン。俺は肩に手を回し、そっと抱き締める。
「・・・満月、か」
「・・・うん・・・牙が、疼いて・・・今までは、自分の血で・・・我慢、してたんだけど・・・」
どうやら、吸血鬼の本能は満月で活性化するらしい。その顎を指でくいっと掬ってみれば、牙が伸び、瞳孔も大きく開いていた。その潤んだ瞳は、何かを訴えかけるように物欲しげな視線を送ってくる。
「・・・もう、ダメ!出久がここにいて、出久に抱き締められて、出久の匂いを嗅いで・・・出久のが欲しくて吸いたくて、もうがまんできないっ」
そう言ってフランは、俺をベッドに押し倒した。流石は吸血鬼と言った所か、かなりの筋力だ。
「・・・良いぜ。吸えよ」
俺はシャツのボタンを2つ外し、首筋を見せる。それを見た瞬間フランは生唾を飲み、息は更に荒くなった。
「俺はお前の恋人・・・こういう事は、して当然さ。大丈夫」
「・・・じゃあ・・・」
フランは怖ず怖ずと俺の首筋に顔を寄せる。息が首や耳に掛かって、少しくすぐったい。
「・・・いただきます」
─プツッ─
「んっ・・・ハァ・・・」
フランの右犬歯が、俺の右首に刺さった。一瞬の痛みと、その直後の血を吸い出される感覚・・・不思議と、気持ちいい・・・
「ん・・・ちゅっ・・・ちゅっ・・・はぁ・・・んっ・・・ちゅっ・・・ちゅっ・・・」
フランは一生懸命に血を吸い出して飲み下してゆく。時々聞こえる息継ぎが艶めかしく、吸血が益々心地良く感じてきた。
「あぁ、おいひぃ・・・いずくのちぃ、おいひぃよぉ・・・」
「それは何より・・・フラン」
「何・・・んむ!?」
とろけた顔をするフランの後頭部に手を回し、その唇を奪った。フランも一瞬目を見開くが、間も無くされるがままになる。
その唇を舌でつつくと、ゆっくり口を開くフラン。その隙間に、俺は自らの舌を差し込んだ。
──ちゅっ、じゅるっ・・・ちゅるっ、ちゅっ・・・──
「ん・・・んん~!」
そして、フランの舌と絡め合わせる。頬は紅く染まり、その体温はかなり高い。
「・・・ぷはっ」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・い、出久・・・今、血、飲んだばかりで、ニオイとか・・・///」
「甘いな、フランの唇は」
「ッッ!むぅ~・・・////」
むくれるフランも可愛らしいな。
「い、出久こそ、ワインの風味が・・・」
「あぁ、今飲んでたからな。どうだった?」
「お・・・おいし・・・かった・・・///」
「そっか」
・・・ん?フラン?
「すぅ~・・・ふぅ~・・・」
「・・・寝たか。しかも脚絡めて・・・俺も寝よ。グラスとボトルを片付けてっと・・・よし」
俺は2つをスキマの中に入れ、ゆっくりと意識を手放していった・・・
to be continued・・・
「おぉ、エロいエロい。満足じゃ」
『ちょっと不安だ・・・どうでした?』
「そして・・・誕生祝福!ウォズと化した出久!」
『お前シバくぞ!?』
ちょっと面白いこと考えたから、パルスィ出して良い?
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良いゾ~ソレ
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ウェッ!?ナジェダァ!?(OwO)
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ゆ゛る゛さ゛ん゛ッ!!
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(良い訳)無いです。
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パルスィ登場ッ!承認ッ!!