僕のヒーローアカデミア~Eの暗号~ Phase2   作:エターナルドーパント

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「漸くここまで来たかノロマ」
『ウッセェな。俺は何かと詰め込んで密度がスゲェ事になっちゃうの。だから話数が増えるんだよ。出したキャラは無碍には出来ないし』
「は~い!ここに無碍にされてる俺ちゃんがいまーす!」
『では本編どうぞ!』
「オイゴルァ!!」


第9話・仮免試験1/乱戦のS

(出久サイド)

 

「降りろ、到着だ。試験会場、国立多古場競技場」

訓練の日々は流れ、いよいよ仮免試験当日。俺達A組は、バスで試験会場に到着した。

「うへ~、緊張してきた~・・・」

「大丈夫さ、俺達ならよ」

げんなりする三奈の肩を少し揉み解して励ます。

「試験て何やんだろ・・・ハァ、仮免取れっかな・・・」

「峰田、取れるかじゃない。取って来い」

「おっ!もっモチロンだぜ!?」

峰田すらガッチガチだよ。どうなるかな・・・

「ここで合格し仮免許を取る事で、初めてお前らは志願者(タマゴ)からセミプロ(ヒヨッ子)に孵化出来る・・・頑張って来い」

「あいな」

あの目・・・俺達に期待してくれてるねぇ。だったら、裏切らないようにしないとな。

「よ~し!じゃあアレやろうぜ!」

切島が手を上げながら口を開く。

「せ~の、Plus(プルス)Ultra(ウルトラ)ァ!!」

「ウェイッ!?」

な、何だコイツ・・・急に混じって来やがった。制帽被ってて刈り上げで釣り目で・・・野球部にいそうな奴だな。

「勝手に余所様の円陣に加わるのは良くないよ、イナサ」

「あ、しまった!」

同じ制服の奴から窘められてる・・・

「どうも大変ッ!!失礼ッ!!致しましたァ!!」

 

─ドゴッ─

 

オイオイ、石畳に頭打ち付けやがった・・・てか地面に罅が入ってんじゃねぇか。どんな石頭だよコイツ・・・

「なんだこのテンションだけで乗り切る感じの人は!?」

「飯田と切島を足して、更に二乗したような・・・」

言えてるな。と言うか、何やら周りが騒ぎ出した。そういやコイツ等・・・

「東の雄英、西の士傑」

「士傑・・・雄英と並ぶ、超難関校だったな。興味は無いが、脅威ではあるか」

そもそも俺は、ブランドなんかに興味は無い。雄英にだって性犯罪者予備軍(変態グレープ)がいるからな。重要なのは、ブランドなんかじゃなく個々の性能だ。

 

「一度言ってみたかったッス!!プルスウルトラ!!自分ッ!!雄英高校大好きッス!!皆さんと競い合えるなんて、自分ホントに幸せで光栄の極みッス!!」

 

一々喧しいなコイツは。静かに喋れんのか?

「あ、緑谷さん!!自分ッ!!仮面ライダーの大ファンッス!!握手して下さいッ!!」

「物好きな奴もいたもんだ・・・ハイハイ、こんな血濡れの手で良ければどうぞ」

「ありがとうございますッ!!」

めんどくさ・・・そういや、エターナルのファンクラブもあるんだったな。俺がやってた事は人殺しなのに、全く物好きな連中だ。まぁ殺した事は微塵も後悔しちゃいないが。

「夜嵐イナサ・・・」

「あら、知ってますか?」

「あぁ、強いぞ。嫌なのと同じ会場になっちまったな・・・お前等と同じ時期に推薦入試でトップ成績だったにも関わらず、何故か入学を辞退した奴だ」

「ほぉ、火炎を封印してたとは言え、轟の上を行ったか」

 

─ピキッ─

 

俺の手を掴んでブンブンしてた夜嵐が、俺が行った轟の名に反応して凍ったように動きを止めた。顔は・・・あ~ぁあ、コイツも前の轟みたいな()()()()()()()してやがるよ。

「それじゃ、自分はこれで!!」

そう言って足早に立ち去ってゆく夜嵐。やっぱ、轟やエンデヴァーと何かあった口だな。

「出久、今の・・・」

「あぁ、多分な」

「またか・・・」

フランもあの眼の宿す感情に気付いたらしく、三奈は前の轟と同じような雰囲気を感じ取って呆れる。

「まぁ良い。俺達に害がなければ構わんだろう」

さて、馬鹿な気を起こさなきゃ良いが・・・

「イレイザー!?イレイザーじゃないか!!久し振りだな!」

「ゲッ・・・」

あ、相澤先生は今話し掛けてきた女性が苦手らしい。苦虫噛み潰した顔してる。

 

「結婚しようぜ」

「しない」

「ブハッwしないのかよwウケるw!」

 

「わぁ!」

「ほ~う?」

俺と三奈は同時に口角を釣り上げる。見合わせてみれば、お互いにイヤらしいニヤケ顔だ。

「隅に置けませんねぇ~相澤先生~?」

「応援しますよ~」

「お前等除籍にされたいのか?」

「茶化しただけでそりゃないでしょ」

全く、自由は良いけど職権乱用は良くないな。

「で、相手さんはMs.ジョークか。個性は、周囲の人間を強制的に笑わせる『爆笑』だったな。狂気に満ちたヒーロー活動で有名だ」

笑い過ぎってのはホントに辛いからな。呼吸は出来ないし腹筋は痛くなるし、下手すりゃ肋骨が折れちまう。

「私と結婚したら、笑顔の絶えない幸せな家庭が築けるんだぞ!」

「その家庭幸せじゃないだろ」

「ただの比較的平和な拷問だ」

「ブハッw君面白いな!」

そりゃどうも。

「ったくお前ん所もか」

「弄り甲斐があるんだよなイレイザーは。そうそう、おいで皆!雄英だよ!」

Ms.ジョークが呼ぶと、恐らく彼女の高校の生徒であろう者達が集まって来た。

「傑物学園高校2年2組!私の受け持ち、よろしくな!」

すると早速、一人の男子生徒が進み出て来る。そして俺の手を掴んだ。よく捕まれるな今日は・・・

「俺は真堂!今年の雄英はトラブル続きで大変だったね!それでも君達はヒーローを志し続けている!素晴らしいよ!不屈の心こそ、これからのヒーローに必要な素養だと思う!」

「気持ち悪い・・・」

「おっと失礼・・・でも、特に神野事件を中心で経験した緑谷君!君は特別強い心を持っている!今日は君達の胸を借りるつもりで・・・」

 

「気持ち悪いっつってんだろ?」

 

「ッ!?」

慌てて手を引っ込める真堂。その表情は、さっきまでとは違う・・・素直な表情だ。

「上辺だけ繕って猫被りやがって・・・悪いが俺は、お前みたく敵意を中途半端に隠して遠回しにネットリ伝えてくるタイプは好きじゃなくてね。今の表情、さっきまでよりもずっと素直で好印象だぜ?

まぁ敵なら叩き潰す。使えるモンは何でも使って、な?」

「おい!スイマセン無礼で・・・」

「い、いや、良いさ。心が強い証拠だ。何より、実戦において俺達の方が圧倒的に素人なのは間違い無いからね」

切島の謝罪に、冷や汗を拭いながら手を翳す真堂。

「おい、コスチュームに着替えてから説明会だぞ。時間を無駄にするな」

「だってさ。じゃあな」

さてと・・・どう潰し合うのかな?

 

───

──

 

さて、説明が終わった。しかし・・・まさか、説明会場が箱みたいに開くとはねぇ。どんだけ金使ってんだよ。これこそ無駄だろ。無駄に大掛かり過ぎるわ。まぁそれはさて置き。

 

【エターナル!】

 

「変身!」

 

【エターナル!~♪~♪】

 

俺は手早く変身し、両脇腹と鳩尾にターゲットを貼り付ける。

 

【ブルルルルァアッ!!】

 

【オォウラァッ!!】

 

【YEAH!!】

 

【タブー!~♪~!】

 

【ジョーカー!~♪!♪!♪!】

 

他の皆も変身したな。

「グリス!クローズ!ローグ!3人でチームアップして迎撃しろ!上鳴は3人に付いて行って、グリスと一緒に中距離攻撃でサポートだ!」

「応ッ!!」

「りょーかい!」

「私離れるね。大所帯だと思うように戦えないし」

「気を付けろよ!」

かっちゃん達と轟が離れ、俺達は固まって走る。

「さて皆、気を付けろよ。奴らは恐らく、俺らを真っ先に狙ってくる」

能力もスタイルも割れてれば、狙われるのは当然だ。

 

『スタート!!』

 

────瞬間、周りの雰囲気が変わる。誰も彼もがこちらを見据え、獲物を屠らんと牙を剥き出す獣のような雰囲気を纏った。

「メモリを入れ替えて対応する万能戦術。まぁ・・・杭が出てりゃ、そりゃ打つさ!!」

真堂の言葉と共に、夥しい数の弾丸(ボール)が飛んでくる。

だが・・・

(ワン・フォー・オール・アーマード!)

俺はワン・フォー・オールを全身に張り巡らせ、上半身を反らす。そして右足を引いて・・・

 

「ライダーシュートッ!!」

 

一気に前方へ振り抜いた。その瞬間、発生した衝撃波によって前のボールがほぼ全て消え失せる。しかし、右足に感じる若干の痺れ・・・これは、多用は出来ないか。

でもまぁ・・・

「項が粟立つ・・・久々に感じるスリルだ・・・」

早くも衝撃波から立ち直りまたボールを投げてくる奴もいる。この状況・・・あぁ、懐かしいな。血が滾ってきた。

【スカル!】

【ボム!】

召還した2丁のマグナムで、再び迎撃。

さぁて楽しくなってきた!

「狂火を燃やしてッ!ねじ伏せるッ!!」

宣言と共に拳を打ち合わせると蒼い火花が舞い踊り、複眼が黄金に輝く。そしてベキベキと首を捻り、エターナルエッジを構えた。

「全て弾き返すか」

「流石にこんなのじゃ、雄英の人はやれないな」

「でもまぁ、見えてきた」

そう言ってボールをこねくり回す傑物の男。すると、そのボールが多面体に変化した。さながら、DJサガラが変質させたオレンジのようだ。恐らく硬質化だろう。

そしてそのボールは左のロングヘアの男に渡され、その手から勢い良く放たれた。しかしボールは直進せず、コンクリートを貫いて地面に潜り込む。

弾道操作系(ルナトリガー)か。総員後退!響香!カマせ!!」

「合点承知ッ!!」

後ろに下がりながらの俺の指示に答え、響香はグローブの甲に付いたスピーカーにイヤホンジャックを刺した。そしてそのまま、手の甲を地面に当てて爆音を流し込む。

音響増幅(アンプリファー)ジャック!ハートビートファズ!」

 

─バキバキバキッ!ドッゴォォンッッ!!─

 

その振動波は地面を砕いて抉り、弾道はモロバレ。狙いは峰田だな。

「三奈!」

「粘度・腐食度最大!酸液幕(アシッドヴェール)!」

三奈は腕を振るって酸液の幕を展開。それに触れたボールは瞬時に溶けてしまった。そしてそれにより生じた隙を・・・

深淵闇駆(ブラックアンク)ッ!!」

常闇が掌にボールを付けた黒影(ダークシャドウ)で追い込む。しかし、相手側は下半身内に上半身をめり込ませる事で回避してしまった。どういう構造だよ・・・

『え~、現在どこもまだ膠着状態。通過者0名です』

まだ0か。そろそろ、解析から攻撃に切り替わってくるな。

「離れろ!彼ら防御は固そうだ!()()!!」

そう言って真堂は両手を地面に着いた。()()?警戒しよう。

「最大威力──

 

──震伝動地!!」

 

─バグンッ─

 

すると、此方の足元が大きく揺れて砕けた。地震か、なかなか厄介だな。

「まぁ、仁の攻撃と比べるとスマホのバイブ程度だが」

【サイクロン!マキシマムドライブ!】

「飛翔・『風影(ヴェルニー)』!」

サイクロンの竜巻で体を支え、体勢を整えて着地。

「成る程・・・劣化版ユートピアって所か。中々の破壊力だが、市街地じゃ使えないな」

しかし、メンバーと分断されちまったな・・・まぁ良い。久し振りに、一人で戦ってみるかな・・・ッ!!

「ッとォ!!」

「あ、避けられた」

危険を察知した俺が身を屈めるのと、ソイツが飛びかかるのはほぼ同時だった。全く気配も感じなかったな。気流感知(エア・ディテクション)が無ければ危なかった。

「ボンヤリしてるから、イケると思ったんだけどな~」

ズレた制帽を直し、楽しげに呟くその女。士傑高校だな。そう言やさっきもいたか。

「フン、随分と嘗められたもんだな。この程度で《蒼炎の死神》が落とせると思われているとは」

実際はかなり危なかったが、まぁ正直に言ってやる事もないだろう。

「こういう乱戦が予想される試験だと、情報の多い所を叩こうって考える人もいるらしいの。だから雄英が早めに脱落しちゃう可能性を考えて会いに来たんだ~♪せっかくの強豪校との交流チャンスだし、カッコいい仮面ライダー(アナタ達)の事も知りたくてね♪」

「そりゃどうも。だが今は敵同士だ」

【ルナ!マキシマムドライブ!】

ボールを持った両手をルナのマキシマムで伸ばし、鞭のように鋭く振るう。しかし、軽やかなバック転で避けられてしまった。反応速度も素晴らしいの一言に尽きるな。かっちゃんと同レベルなんじゃないか?

「・・・ん?・・・しまった」

消えた・・・正確には、自分の気配を周りに溶け込ませているのか。気配を絶つより難しく、それでいて厄介な技術だ・・・しかし、隠れているコイツの他にも半径60m以内には気配が無い。乱入の可能性は低いか。

 

─ビリッ!─

 

「ッ!」

背後からの気配を察知し、右足で後ろ蹴りを叩き込む。だが・・・

 

─ポンッ─

 

この女はそれをジャンプで躱し、右手に持っていたボールで俺の右脇腹のウィークポイントを殴った。ターゲットが光り、被弾を伝える。

そして、片足立ちという不安定な体制の俺にそのまま覆い被さり押し倒してきた。俺はうつ伏せに落とし込まれ、瞬時に右腕の関節までキメられてしまう。

「ほう、ベラベラと良く喋る割には中々やるじゃあないか。コレは、少し見くびり過ぎていたな。反省点だ」

「随分と余裕そうだね」

「焦っても良い事は無い。急がば回れってやつさ」

「ウフフ♥」

俺の答えを聞くと、この女は嬉しそうに笑って体を密着させてきた。三奈達には見られたくないな。

「にしてもアンタ、たしか士傑高校だったな」

「うん、そうだよ?」

 

─ピリッ─

 

・・・嘘か。何者だ?この女・・・

「・・・全く、誰に教わったのやら。此処まで完璧に気配を溶け込ませられる奴とは戦った事が無いな」

そういう奴は戦わせずに暗殺してたからな。戦うのはマジに初めてだ。

「コツは、訓練を訓練と思わない事だよ。何も考えずに、じっと息を殺して潜み紛れるの。この()()()()()()って所が難関♪」

「それをやってのけるか。いやはや末恐ろしい・・・だが・・・」

「?・・・い゛だッ!?」

 

「残念、俺には及ばない」

 

女は慌てて飛び退く。そしてその目に涙を浮かべ、飛び乗った瓦礫の山の上から此方を睨み付けた。

「ひっど~い、女の子の内股抓るなんて・・・」

「痛かっただろ?だからやったんだよ。俺は割と、勝つ為には手段を選ばないタイプだ。相手が男だろうが女だろうが、敵対するならば暴力を振るう事に躊躇いは無い」

俺がやった事は至極単純。背中で固定されていた手の指先がアイツの内股に当たったから、思いっきり抓っただけだ。字に起こすと軽く見えるが、その実この攻撃が与える苦痛は絶大。十中八九、相手は大なり小なり悲鳴を上げる。

「さて・・・茶番は終わりにしようか」

「っ!」

声のトーンを下げ、威圧するように言い放った。それを聞いて、女は反射的に身体を硬直させる。

「お前が使ったそれは、殺しに使う為の術だ。特に、暗殺向きのな。

そもそも、ヒーロー教育学校は暗殺スタイルによる待ち伏せ等教えはしない。何故なら、殺しを経験しなければ絶対に完成せず、中途半端な出来になってしまうからだ。そもそも、殺人経験のある奴が教師として採用されるとも思えんしな。

だがお前は、それを完全にモノにしている。ヒーロー科高校なんて甘ったるい環境では、絶対に習得する事など出来ない筈のその技術を・・・」

「・・・ふふっ♪知りたがりだね、君♥」

そう言って妖しく微笑む女。だが、その目は獲物を品定めする捕食者のそれに酷似したものだった。それも、本気で殺したくて堪らないという目・・・

「・・・でも、時間切れだね。バイバイ」

「っ!待てッ!」

瓦礫の後ろに飛び降りた女を追い掛けようとする。しかし、その前に俺のセンサーに大量の反応が引っ掛かっている事に気が付いた。

「クソッ、集まって来やがったか!」

・・・まぁ良い。鈍っちまった勘を取り戻す、良い訓練になるだろう。

 

(勝己サイド)

 

「オラァッ!」

 

─BOM!!─

 

目の前の奴が放ってくる肉片を爆破で弾き返し、その反作用で後ろに吹っ飛んで距離を取る。アレに触った他の奴が、肉団子みたいな塊にされちまったからな。触っちゃダメだ。俺と上鳴(アホ)は中距離攻撃がある分まだマシだが、それが無いお茶子と切島はかなりキツいだろう。

「ふむ、中々の反応速度だな」

さっきからあの糸目、やたら上から目線で評価しやがるな。好きになれねぇタイプだ。

「我々士傑生は、活動時には制帽の着用を義務付けられている。

何故か?それは我々の一挙手一投足が、士傑高校という伝統ある名を冠しているからだ。

 

これは示威である。就学時より責務と矜持を涵養する我々と、徒者のまま英雄(ヒーロー)を目指す君達の圧倒的な水準差」

あ~ぁあ、コレ自分の学校名(ブランド)にトコトンプライド持ってるタイプだわ。ウチとは正反対。

「なぁあの人何て言ってんだ?」

「狭すぎる視野から入ってくる俺らの行動が気に食わんとよ」

「私の目は見目好く長大であるッ!!」

「オイオイコンプレックスだったっぽいじゃんか!」

知るかよそんなもん。

「雄英高校・・・私は尊敬している。御高と伍する事に、誇りすら感じていたのだ。だが・・・私は爆豪、貴様が気に食わない」

「だろぉな。俺とアンタじゃ、性格が正反対だ」

 

「そこでは無い」

 

「あ?」

どういう事だ?

「確かに貴様の性格も嫌いだ。しかし何より・・・貴様が過去にして来た事、()()()()()が気に入らん、と言っているんだ!」

「「ハァッ!?」」

「「ッ!」」

コイツ、何で・・・

「何故、という顔をしているな。所詮、人の口に戸は立てられんのだ。噂程度だったのでリアクションを見る事にしたが、どうやら事実だったようだな」

・・・確かに、俺は結構派手にやらかしてたからな。どっから広がっても不思議じゃねぇか。

「中々の事をしていたそうだな、爆豪勝己。そしてそれを咎めぬ世間も気に入らん物の一つ。そしてお前よりも気に入らんのが・・・あの仮面ライダーエターナルとやらだ!」

「・・・あ?」

・・・何だと?

「免許も持たずに力を振るい、果てにはテロ組織とは言え500人は殺害した大量殺人犯だぞ?何故そのような奴が雄英に入る事が出来る?

イナサの奴は心酔しているが、奴は現実を見ていない。何故あの様な犯罪者を崇拝するのか・・・奴も、ヒーロー殺しと何ら変わりは無いのだ」

・・・俺の中で確実に何かが熱く煮え滾り、反対にどこが冷え切っていくのを感じる。

「ハッキリ言ってやろう。貴様等には、ヒーローになる資格など──「無いとは言わせへん!!」──・・・何だと?」

「・・・お茶子?」

振り向いてみれば、鋭い眼差しで糸目を睨み付けるお茶子の姿があった。

「確かにカツキ君も出久君も、取り返しの付かない事をしたかも知れへん・・・でも、出久君達のお陰で護られた笑顔もあるッ!!

そしてカツキ君は、過去を省みて変わってるッ!!間違い無くッ!!」

・・・そうだ・・・そうだったな・・・

「確かに、俺はとんでもねぇ事をしちまった。俺にヒーローになる資格が無いって言われても仕方ねぇ・・・だが!出久はどんな苦痛にも負けず、見ず知らずの誰かの為に戦って来た!!見返りも求めず、どれだけ非難されようとも諦めないで!

そして何より・・・こんな碌で無しな俺にも、やり直すチャンスをくれたんだ!その気持ちをなァ・・・裏切る訳にはいかねぇんだよッ!!」

「爆豪・・・アツいぜ!お前よォ!!」

そう言って拳を打ち合わせる切島。そしてお茶子も手首をスナップさせ、俺の横に並び立つ。

「それがどうした!貴様等が罪を犯した事に、変わりなど無いだろうがッ!」

「だったら!その(十字架)背負って戦ったらァ!!」

【ジュエル!】

【ディスチャージメモリィ!潰レッナ~イ!ディスチャージクルルァッシュ!!】

 

─BBOM!!─

 

俺は両手にダイヤモンドシールドを生成し、後ろに向けて爆破で吹っ飛ばした。ダイヤモンドシールドは砕け、その破片が背後から忍び寄っていた糸目野郎の肉片に命中して迎撃する。

「何ッ!?」

「読めてんだよォ!!おいアホ面ァ!!」

「名前で呼んでくれよ・・・」

俺の合図に、アホ面はワイヤーを飛ばして糸目野郎に巻き付けた。

「食らえ!炭素糸通電撃(アンペアカーボンファイバーズ)!!」

 

ビリリリリリッ!!

 

「がッッッ!?」

通電攻撃を諸に受け、糸目野郎はダウンした。それと共に、肉団子にされてた奴等も元に戻り始める。

「次からはもっと本質見るんだな、センパイ」

 

─ポンポンポンッ─

 

そう言い、俺は糸目野郎のターゲットを3つともボールで叩いた。

合格まで、後一人だ。

 

 

───to be continued




────オマケ・出フラ、吸血後の夜明け

─チュンチュン─

「・・・朝か。ちょっと寝過ぎたかな」
ワイン飲んだのが効いたか?取り敢えず、俺に抱き付いて寝ている我が吸血姫さまを起こすとするかな。
「おいフラン、起きろ」
「んぅ?いずくぅ?・・・ッ!?出久!?」
あらま、顔が真っ赤っか。
「え、と・・・ねぇ、出久・・・私達、その・・・シちゃった?」
「いや大丈夫。やった覚え無いし、何よりそういう臭いがしない」
覚醒早々に何て事を聞いてるんだろうかこの子は・・・
─がちゃっ─
「出久~、フランちゃん知らな~・・・ぁい?」
「「あ・・・」」
・・・三奈が来た。ヤベーイ。
「・・・・・・う・・・」プルプル
「み、三奈?」

「ウワァァァン!正妻なのに出久の初めて奪われたァァァァ!!」

「三奈!?待って!止まれェ!!」
泣きながら駆け出した三奈を慌てて追い掛ける。しかし・・・
「緑谷君ッ!!寮内で不純異性交遊とは何事かァ!!」
「緑谷ァァァァ!!くたばれリア充ガァァァァ!!」
「・・・早ぇな、出久」

・・・何が始まるんです?
A,大惨事大戦だ。

この後滅茶苦茶弁解した。

「い、出久は悪くないよ!元はといえば私が出久のが欲しいって言ったからで・・・」(←血)
「緑谷くたばれェェェ!!」
「フラン。悪いけどちょっと黙ってて?」

こんな事があったとさ。

ちょっと面白いこと考えたから、パルスィ出して良い?

  • 良いゾ~ソレ
  • ウェッ!?ナジェダァ!?(OwO)
  • ゆ゛る゛さ゛ん゛ッ!!
  • (良い訳)無いです。
  • パルスィ登場ッ!承認ッ!!

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