怪人達の冥界事情   作:ヘル・レーベンシュタイン

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お久しぶりです。この小説では一度滅んだ怪人を再度戦闘させる目的で書いた小説です。
あっと言う間にやられた怪人達を活躍して欲しいと思ったので、時々オリジナルの技も披露します。
では、本編をどうぞ。


第1撃目 人類を滅ぼす使命を背負った者

死後の世界について考えたことがあるだろうか?

善人は天国へと昇天し楽園へ、悪人は地獄に落ちて罰を受ける世界というのが一般的な認識だろう。無論、信じる人もいれば信じない人もいるのが世の常だ。結局のところ、死んだ者にしか分かりようのない世界なのだから。だが、もしも人を辞めた人....即ち、怪人はあの世に行くのだろうか?天国、もしくは地獄に行くのか?この話は、死んだ怪人達の行き着いた世界で起きた出来事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......久々の来客か。どんな目的で来たのか、概ね察せられるがな。」

 

ここは夢と現実の狭間にある冥界・ヘルヘイム。最奥の玉座に座り、そう呟いた軍装の彼女は、この冥界を支配する王『クリームヒルト・レーベンシュタイン』である。最近は、ある目的を持ってこの場に来訪する人物が来るのはそう珍しくない。

 

「なるほど、ここが冥界の最奥地か。」

「その通り....まずは名を名乗ってもらおうか。」

「....私はワクチンマン、人間を地球から駆逐するために生み出された存在だ。」

「なるほど、念のために聞くが、ここに来た目的は?」

「無論、生き返るためだ。」

 

ワクチンマンは邪悪な笑みを浮かべながら、拳を握りしめた。脳裏には、自分を一撃で砕いだあの男のことを思い浮かべる。

 

「奴には復讐せねばならん....人類抹消という、崇高なる私の目的をただの一撃で打ち砕いたのだからなぁ。」

「....なるほど、つまりヒーローに討伐されたわけか。」

「そうだ....それも!趣味でヒーローしているなどという矮小な輩なんぞに!そんな理屈納得できるはずもないだろうがァァッ!」

「....趣味でヒーローを?」

「だから、私を生き返らせろ!拒否なんぞ認めん!」

 

ワクチンマンの口から聞こえた一言に、クリームヒルトは疑問を感じた。しかし考える暇もなく、ワクチンマンの巨大な拳が迫り来る。それを鼻先ギリギリで回避する。

 

「小癪な....私の邪魔をするのもは死ね!」

「ほう....」

 

ワクチンマンが両手を広げると、辺りにバスケットボールほどの大きさの光弾が発生し、クリームヒルトに向かって放たれた。光弾が被弾し、発生した大爆発に巻き込まれる。

 

「ふん、他愛ない。冥界の主も所詮はこの程度、これで私は地上へ戻れ....」

「戻れたらよかったな。」

「な、何ィ!?」

 

爆煙が晴れると、クリームヒルトの姿が無傷で現れる。ワクチンマンはその光景を見て驚愕の顔を浮かべる。

あの光弾に直撃すれば、まず五体満足はあり得ない。しかし現に、目の前の死神に傷や損傷が見当たらない。そこに一体どんな理屈があると言うのか.....ワクチンマンはそう考察し、死神の肉体を観察する。

 

「....単に頑丈なのか、それとも回避したのか。何れにせよ、チマチマと攻撃していても効果はなさそうだな。ならば....オォォォォォッ!」

 

ワクチンマンの肉体が徐々に肥大化していく。その姿はかつて、自分を倒したヒーローに見せた最後の姿だった。

そして異臭と紫色の煙を放ちながら、大口を開ける。その口には、光弾以上の膨大なエネルギーと有害な物質が蓄えられていく。

 

「....なるほど、奥の手か。」

「そうだ、これを喰らえばどれほど強力な人間だろうと確実に死ぬ!例え避けようとも、私ですらよく分からん未知のウィルスが化学兵器のように辺りへと広がり、お前を殺すだろう!これを受ける覚悟、貴様は持っているか!?」

「理解した。ならばこそ、その全霊の一撃を放つがいい。」

「.....抹消せよ、人類否定滅却砲(アンチヒューマン・デストロイブラスター)

 

ワクチンマンの口から、巨大な破壊光線が放射状に放たれた。直撃した床や壁面はドロドロに融解し、紫色の煙を放っている。

 

(これで皮膚のかけらも残さず蒸発をするはず....バ、馬鹿なァァッ!?)

「.....なるほど、強力な威力の光線だ。私も一瞬硬直するほどだった。」

 

なんと、死神は光線を受けながら歩いていた。しかもゆっくりと、ワクチンマンの方へと歩み寄りながら。

確かに光線を喰らって多少は損傷を負っている。しかし決して致命傷を負うほどではなく、それどころか回復している速度の方が早い。

 

(これか、先程私の放った攻撃を食らって無傷だった原因はこの回復力の高さから来てたのか!?しかし、例え回復しても体内に入ればウィルス体内を蝕む筈が....)

「だが、私は例えどんな病に侵されても決して諦めなかった友人を知ってるのだよ。今でも尊敬していてな....故に、例えウィルスを食らっても、止まるわけにも行かんのだよ。」

「な、なんだそれは....そんな理由で、私の切り札に耐えるだと?クソォッ!」

 

そう言いながら、ついに攻撃の射程距離まで接近した。ワクチンマンは巨碗を振るってなぎ払おうとする。

しかし、それよりも早く死神の剣が振るわれた。音を置き去りにした速度と、ワクチンマンの頑丈な皮膚を、バターのように斬り裂く超常なパワー.....まさに一刀両断、ワクチンマンの首が胴体から離れた。

 

「ぐっはああああああああ!」

「ああ.....言い忘れてたが現実への蘇るチャンスは一度きりだ。ここで死を体験したら、二度とこの場に来れないことを覚えておけよ。」

「お、おのれ人間.....こんな理不尽....やはり、根絶やしにするほか.....」

 

そう言い残しながら、ワクチンマンはこの場から蜃気楼のように消えていった。もう二度と、ここに来ることはないだろう。

死んだ者は決して蘇らない。この現実を覆すためには、クリームヒルト・ヘルヘイム・レーベンシュタイン.....彼女の屍を越えなければならない。それも、チャンスは一度きり。例え人間だろうと、動物だろうと、そして人を超えた怪人であろうと.....果たしてこれを達成できる者は現れるのだろうか?




いかがでしたでしょうか?基本的にこんな感じで軽く、シンプルなノリのストーリーで進めて行こうと思います。
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